「SETIはデザイン推論」ではない


インテリジェントデザイン運動は SETIはインテリジェントデザインのデザイン推論だ と主張してきた。しかし、デザイン推論が「 自然法則でも偶然でも説明できないものはデザインだ 」というNegative Argument形式であるのに対して、SETIは

  • SETI研究者は彼らが捜しているシグナルのなかに認識可能なデザインされたメッセージが見つかると考えていない。実際、彼らはシグナル変調はかき消されて失われると考えている。彼らは狭いバンド幅のシグナルを探している。それは人々が作り出すもので、既知の自然の電波源には見つからないものである[ CI190 ]
  • インテリジェントデザインにとって、デザイン推論は終着点であるが、科学にとってこれは、科学的問いの進行中のプロセスの一部である。

という批判をRobert Campなどが行った。


これに対して、インテリジェントデザイン理論家Dr. William Dembskiは、SETIとのアナロジーを捨てる方向に反応した。

Skeptics, ever selective in their skepticism, remain convinced that SETI (the Search for Extraterrestrial Intelligence) is a legitimate scientific program. But applying methods of design detection to biology — well that’s just plain stupid. See Robert Camp’s piece here.

懐疑論者は、常に自らの懐疑論において選択的であり、SETIは正当な科学的なプログラムであると確信し続けている。しかし、生物学に設計検知の方法を適用すれば、ただの馬鹿だとわかる。

Design from biology fairly smacks us over the head. What about design from SETI (i.e., convincing proof of alien intelligence)?

生物からのデザインはまったくガツンと一発だ。しかし、SETIからのデザインはどうだろうか?地球外インテリジェンスの納得できる証明は?


SETIとの類似性によりインテリジェントデザイン"理論"が科学だとする主張を捨てたようだ。この点をPvMも指摘する。

Dembski totally misrepresents Camp’s argument. It is not that SETI is somehow a legitimate program and ID isn’t, it’s that ID’s appeal to SETI to argue that looking for design is part of science already and that science uses ID’s explanatory filter approach, if flawed.
What a wonderful strawman to first make the claim that science excludes intelligent design ‘a priori’ then argue that science actually does include intelligent design and that it uses ID’s explanatory filter, and when that argument is shown to be wrong as well, argue that ID critics are somehow selective in their skepticism for pointing out the flaws in Dembski’s arguments.

DembskiはCampの議論をまったく違えて提示している。SETIが正当な科学でIDがそうでないというのではなくて、IDがSETIに言及して、デザインが科学の一部であり、科学がIDの説明フィルターの方法を使っていると論じるが、それは誤りだということだ。
はじめは科学は先験的にインテリジェントデザインを排除すると言い、次には、科学はインテリジェントデザインの説明フィルタを使っていて、科学は実際にインテリジェントデザインを取り込んでいると言い、そして、それが間違いだと示されると、Dembskiの論の誤りを指摘する懐疑論において懐疑論者は選択的だと言う。まったく、すばらしいワラ人形だ。




関連項目




最終更新:2010年02月21日 07:39