ROTTEN KNIGHT 「紅色天井艶妖綺譚」をプレイ


※ゲームの核心部分に触れています。ネタバレが嫌な人は、見ないことをお勧めします。


『ゲーム概要』
BLゲームブランド「LOVE DELIVERY」から2008年8月29日にリリース。「憑神-ツキガミ-」に続くブランド第二作。
ファンディスクとして「紅色天井艶妖綺譚 藍丸捕物帳」もリリースされた。

『ストーリー内容』
時は江戸時代。主人公「藍丸」は浅草で萬屋を営んでいた。ある日、失踪者の捜索依頼を遂行中に妖刀事件に遭遇。
藍丸は妖刀事件の謎に迫るが、事件はあらぬ方へ向かって行くのであった。

攻略キャラ:育ての親「雷王」 狐の「狐白」 旗本次男坊「久慈今日丞」 浪人侍「桜螺」



『難易度』
全ての選択子が二択式で選択回数も10回程度。「ゲームをプレイする」というよりは「小説を読む」かたちに近いと言える。
ゲーム性としては低いが、難易度が低い分「BLは好きだけど、恋愛ゲームは苦手」といった人にはオススメ。


『操作性&仕様』
右クリック、スクロールボタンの上下、マウス操作における機能性は申し分の無い。キーボードの方は、ショートカットキー
が幾つかある程度で、ニトロプラスキラルの作品ほど割り当てられていない。 簡素な作りであるが、プレイする
上では何一つ支障はない。

メニューであるが、こちらもシンプルな作り。文章欄の上に常に表示されてるのは、Q.SAVE Q.LOAD SKIP AUTO の4つだけ。
他はすべて右上の巻物のようなオブジェに収納されている。カーソルを持って行くとビローンと出てくる仕様だ。

コンフィングはキャラ別音声や文字スピードなど、恋愛ゲームの基本的な水準。特徴があるとするならば、文字の色変え。
文章の文字の色を選択できるので、違った楽しみ方ができるだろう。(赤にすればパチンコ気分)



唯一不満な点を上げるとするなら、クリア後のCGが見れる「EXTRA」とゲーム終了の「EXIT」隣にあることだ。
スペルも似てるし、位置も隣だと押し間違える可能性が高い。これはさすがに対策すべきだったと思う。
藍丸の喘ぎ目当てクリックしたら「終了します」と出てきて、ビックリすることは間違い無いだろう。

細かいことだが、終了の操作を問う際は「終了します」ではなく「終了しますか?」ではないだろうか?
仮に「終了します?」なら伝わるかもしれないが、この使い方は会話表現である。文章で使用すると「なっち語」になるだろう。
だからこそ多くのゲームは「終了しますか?」使用してるのだと思う。


※なっち語:日本で一番有名な映画翻訳家「戸田奈津子」の翻訳に見られる不適切な言語表現。例としては「~を?」「~なので?」
「~せにゃ」「~かもだ」


『グラフィック』
グラフィックは全体的にぼかしている。幻想的な雰囲気を出す為にやってるは分かるが、昼間のシーンでは白っぽくなり見づらい。
特に町中では背景にモヤがかかったように見えて、サウナ室のような状態になっているシーンもある。

しかし、夜のシーンではぼかし効果によって明るくなり、昼間とは対照的に見やすくなっている。幸いなことにゲーム中は
夜がメインとなるため、上記に述べた事態は比較的少ない。


絵のタッチは、輪郭線以外の線が全体的に淡い。筋肉の表現も大胸筋と腹筋の輪郭線が3本あるだけ、その他の筋肉は全て色の
濃淡だけで表現されてる。(シーンによっては濃淡だけの場合もある)

どのキャラも目が切れ長で肌は色白、美人画を見てるような気分になる。「可愛さ」よりも「美しさ」重視が見て取れる。


『総評』

第一回にレビューした「ぷり・プリ」が高級店の洋菓子なら、本作は老舗の和菓子と言えるだろう。それぐらい対照的だ。
BGM、ディスプレイ、ストーリー、キャラクター、装飾などゲーム構成の9割が和風だ。ゲームに登場する単語にも気が配られている。
すとーりーはもちろんのこと、メニューも含めてアルファベットやカタカナが極力使用されていない。アニメや小説でも
見過ごすこともあるのというに、本作での配慮には素晴らしいものがある。

和風というBLでは前衛的なジャンルのためか、ストーリー構成は置きに行った感がある。共通ルートが多く、個別ルートが短い。
スキップが使えて攻略しやすいが、物足りない人も出てくるかもしれない。ストーリーと同様に、濡れ場ではマニアックな
プレイは無くあっさり気味と言えるだろう。

ハードプレイが苦手だけど、和服美男子が好きな人におすすめできる一作だ。
最終更新:2012年11月10日 21:12