ROTTEN KNIGHT 「神学校-Noli me tangere-」をプレイ




ゲームの核心部分に触れています。ネタバレが嫌な人は、見ないことをお勧めします。


『ゲーム概要』
エロゲ会社「ストーンヘッズ」のBL部門である「PIL/SLASH」から2011年3月30日にリリース。
前作から3年7ヶ月ぶり3作品目の発売となった。

otomexランキングでは2010年10月に熱砂ノ楽園からトップを奪い取る。
(これによりBLゲームの首位が4ヶ月ぶりに入れ替わった)


『ストーリー内容』
舞台は第二次大戦後のイギリス。主人公のマイケル・レヴィは聖ヨハネ神学校の四年生、
学年監督生も務める優等生であった。12月24日、クリスマス休暇で帰省したマイケルだが、
家入るなり両親と妹が殺害されていた。事件の真相を知るべくマイケルの戦いが始まった。

攻略キャラ:レオニード(総監督生) ニール(不良学生?) セシル(ルームメイト)
      オーガスト神父(ラテン語の先生) ガブリエル(双子の弟)

『難易度』
一つのストーリー沿って各ルートが展開するため、選択子に多くの共通部分がある。
バットエンドへの選択子も共通だったりと、キャラ一人クリアすれば攻略への糸口は
見えてくると思われる。キャラあたりのエンド比は、グッド1に対してバッド3又は4。

序盤の選択子で流れが決まるため、そこだけクリアできれば後半の攻略は容易だろう。

ただし、濡れ場での受け攻めが選択子によって決まる為グッドエンドでも2回プレイする
必要がある。



『操作性&仕様』
プレイして早々に驚くことになるだろう。ブランドのロゴが消え「このゲームは(ry」の後
「グロテスクモード」についての説明が表示される。このグロテスクモードは文字通り
グロ表現の有無に関する切り替え機能である。OFFにするとグロい画像とそこに相当する
文章にモザイクが施される。
誰もが思うだろう「この機能を使えば、お化け屋敷嫌いなビビリも安心できる」と。

しかしニューゲーム開始後、数クリックでその期待は無残にも打ち砕かれる。
奇妙なロゴマークが出てきた瞬間に、ブタの鳴き声(かなりリアル)の様なけたたましいSEが
大音量で流れるのだ。汚超腐人クラスの年齢だったら心臓止まりかねないぞ!?

正味、年齢とか関係ない。心臓の弱い人は本作のプレイを避けるべきだ。ネットに落ちてる
ビックリ系Flashよりも危険だ。色んな場面に似たような効果が配置されてる為、気を抜いてると
大変な目に合うだろう。

だが、このドッキリ効果が止められない以上にもっと残念なお知らせがある。
グロテスクモードをOFFにして全クリしても、コンプリートできない仕様となっている。

だったら最初からそんな機能付けるなよ! 

制作側が善意で用意したんじゃないのか!? 完全な釣りやないか!
これじゃEASYで全クリできないアクションゲームと同じ。恋愛ゲームにこんな要素いらない。


操作性に関しては不足どころか充実してる。通常画面はメッセージウインドウ以外の
余計な装飾は無いし、メニュー等は右クリックで表示。スクロールボタンもフル活用。
バックログではセリフの保存機能まで付いており、私用のSEを作る時などに便利だろう。



『グラフィック』
神学校という神秘的な空間を表現するためか、校舎内は中心部が明るく周りは薄暗い。
それは日本の木造校舎のような雰囲気も演出しているように思われる。

一方、夜や濡れ場のシーンではそうではない。深夜にも関わらずキャラだけ昼間の様に
明るく描かれていたり、壁に穴が開いて月明かりが入り込んでる様な光の入れ方をしている。
特に濡れ場前のキスシーンでは、感動的な演出をするためか背景が真っ白くなっている
箇所もある。


絵のタッチは全体的に線が細く、顔に対して目が大きく少女漫画チックに描かれている。
その為か各キャラの体がのっぺりと描かれており、胸板の厚みに違和感を感じる。
筋骨隆々のニールも例外ではなく、大胸筋が発達してるにも関わらずペチャパイだ。

リアリティな肉体美を求める人にはオススメできないタッチだ。



『総評』
評価できる点としては、これまでの作品とは違い主人公が攻めに回る濡れ場が多い点だ。
実際にはリバーシブルだが、それでも他の作品比べ攻め回数が多いといえる。
さらに、攻略キャラじゃない学園の肉便器アイドルことアベルとのディープな濡れ場あり、
私のようなサブキャラ萌えの人にも配慮されたシナリオになっている。


恐らく「PIL/SLASH」はBLゲームというジャンルにホラー要素を持ち込んだんだと思う。
ただのホラーではなくハリウッドのような視覚効果のあるものを。
その結果「グロテスクモード」を付けるに至ったと思われるのだが、一つ言わせてくれ

隠すとこ間違えてないか?

この点に関しては仕様の所でも触れたが、隠すべきはグロい立ち絵出なくてドッキリ
効果のはずだ。ゾンビのよりもよっぽど質が悪いし、耐性ない人なら5分で放棄するだろう。


内容は悪くないので勿体無い作品だ。概要の所でランキングについて触れたが、発売後は
どうだったのだろうか?
実の所は全く振るわれなかった。発売後BL部門首位を取れたのは2011年5月のみで、
乙女ゲームに上位4つを取られて総合5位の部門首位だった。

それだけ好みが別れるソフトであったのは間違い無いだろう。

良くも悪くも「プレイヤーを選ぶゲーム」そんな一作だ。
最終更新:2012年10月20日 14:55