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リワマヒの民

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riwamahi

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リマワヒの民


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目次

Lデータ


L:リワマヒの民 = {
 t:名称 = リワマヒの民(人)
 t:要点 = 華と蝶,祈り,着飾る
 t:周辺環境 = この世の終わり
 t:評価 = 体格2,筋力2,耐久力2,外見6,敏捷2,器用3,感覚3,知識2,幸運1
 t:特殊 = {
  *リワマヒの民の人カテゴリ = 高位人アイドレスとして扱う。
  *リワマヒの民は一般行為判定を伴うイベントに出るたびに食料1万tを消費する。
  *リワマヒの民は料理に関して+8修正を得る。
 }
 t:→次のアイドレス = 炎熱料理人(職業),植物学者(職業),スローライフ(職業),熟練工員(職業)


設定


リワマヒの民とは(作:琥村 祥子)


遺跡事件から続いた数々の事件や災害で国内に大きな傷を受けたあと
長い長い時間をかけてリワマヒ国はようやくもとの密林に包まれた姿を取り戻した。
人々は今度こそ密林と共存していけるように
保護区域をきちんと作って植物と共に過ごしていける国づくりを心がけ
水遣りをしたりたまには植物に声をかけたりと、植物たちの世話をしながら暮らすようになった。

そんなリワマヒ国での生活で、以前と比べて一番変化があった点といえばやはり国の食事事情だろう。

T16で炎の料理人に続いて氷の料理人が誕生したおかげで
熱い料理だけでなく冷たい料理も作り出すことができるようになった料理人たちは
国内・国外でその料理の腕を存分にふるって活躍するようになった。

その料理の技術はもともとリワマヒ国にあった節約の技術と組み合わさって
食材を一切無駄にすることなく料理に利用してコストを抑えておいしいものを作れるように工夫され
味にも妥協することなくさまざまな料理を作り出し、料理を食べた人々に笑顔と元気を振りまいている。

こうして新しく生み出された料理は新しく国民が増えた際に
共に生きる仲間を歓迎するために振舞われる特別な料理から、日々の生活で気軽に食べれる料理までさまざまであり
移民の機会が多かったリワマヒ国内で喧嘩も差別もさほど起きずにリワマヒの民として共生できているのは
これらの料理を一緒に食べて仲良くなったおかげではないか、という説もでてくるほど
リワマヒでは料理が大切にされている。

またリワマヒの料理は人だけではなく同じ国で暮らす猫士たちにも振舞われ
多くの猫士も料理に関わるようになった結果として人と猫士の間を取り持つことになった。
今では猫士を真似て猫耳や尻尾をつけて猫妖精として振舞う人もでてきており
いずれは種族間の隔たりを取りのぞくこともできるのではないかとの希望も持たれている。

料理人の生み出すおいしい料理に触発されて
国内ではおいしいご飯を誇るリワマヒ国のこだわりにさらに拍車がかかり
さまざまな料理が生まれては新たに食卓を飾り付け、安くておいしい料理を提供できるようになった料理人たちは
驚くべき値段とうまさでサービスを競いあっており
晩御飯は家族みんなで外食が、今やリワマヒの基本となっている。

リワマヒの料理人たちの料理の腕と節約精神は
共和国で強烈な不景気の風が吹いても食べるものには困らないというほどであり
彼らの料理を食べた人たちはみな笑顔になり、明日もがんばろうという元気を取りもどしていく。

リワマヒ国の人々はここにいたって食という分野において新たなステージへと進歩したと言えるだろう。


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リワマヒの四季(作:東 恭一郎)


春。

「春は曙。さぁ、目覚めの季節が来たよ」

御城山の桜が満開になる頃には、雪解けによるリワマヒ河の洪水も終わり耕作の準備が始まる。
掘り返されて黒くなっていく田畑の向こうでは、急速に緑を取り戻していく密林達。
ここがかつては砂漠だったといっても、リワマヒ国以外から来た人達にはにわかには信じられない光景が広がっている。
洪水で痛んだ畦の補修と、水路の堀直しが終われば田んぼに水が張られ、
輝く大地が姿を現すだろう。

空を仰げば まだ夏には早い季節だというのに、南国特有の日の強さが肌をじりじりと焼き初めている。
冬の間に少し色が落ちたなぁと思っていたが、今年もキレイに日焼けしそうだった。

「マルさん、あそこまで掘り終わったらミネ婆の店で昼飯にしよう」
「ツケも貯まってるからそろそろ米でも持っていってやらんとなぁ」

俺が親父達から畑を預かってから、一緒にやっている隣のマルさんと
近所にある婆さんの定食屋で今日は何を食べるか、そんな話をしながら働いていた。


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夏。

「んなわけで、この部品はあの車のな・・・」

祖霊達を迎えつつ実りを祈る祭りに弟が帰ってきた。
来週にはお炊き上げもあるので、子供達を横目にいそいそと執筆活動をしていれば
コップに入った酒を右手に、左手によくわからない部品を手にうちの子供達の相手をしてくれている。
学生兵をやっていた頃に進路で悩んだあげく、曰く「田畑は兄貴に任せた! 俺は技術の畑を耕しにいく!」
といって新しく始まった町工場に弟子入りにいってしまっていた。
ちょくちょく帰ってくるのはいいんだが、息子に下請けで作ったらしい面白い形をした製品について
おもしろ可笑しく語るのはどうなんだか。お前は紙芝居士にでもなった方が良かったんじゃないか?
俺の息子がキラキラした顔で見ているのを見ると、そのうち弟子入りする!とか言い出すんじゃないかと不安だ。


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秋。

「りわまひ娘が米刈ってにゃー♪」
「にゃー♪」
「りわまひねーこが麦刈ってにゃー♪」
「にゃー♪」

集落の娘達の陽気な収穫の歌が聞こえて来る。
巡回中だったはずの警官の猫さん達がちょっと手伝いというか
合いの手を入れているのはどうなんだろうと毎年ちょっと悩むのだが。
サボリというわけではなく、この時期は忙しいから休憩時間を自主的に手伝ってくれているらしい。
猫妖精のつけ猫耳と尻尾をつけた娘達と猫達が
鎌を片手に楽しそうにしっぽをふりふり刈り入れをしているのを見るとまぁ、いいかとは思う。

風が撫でていく田圃を眺めつつ、実りを実感すると、自然と大地に感謝を捧げようという気持ちに自然となってくる。
米が育っていく間の心配事も、こうしてずっしりと手の中に重みを感じれば、自然と笑顔も浮かんでこよう、と思うのだ。


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冬。

国が白く、白くなっていく。
新年の挨拶状を用意しながら、こたつで家族と丸くなる。
昔は出稼ぎも仕方ない季節だったけれど、今は家族と一緒に過ごす季節だ。

「貧乏でもまぁ、食べるものがあって家族が健康なら、良いんじゃないか」

いつからかそんな風に思えるようになってきた。
今はどれだけ、寒くつらくても。
家族達と寄り添って、じっと暖かくなるのを待とう。

弱い太陽も、だんだんと長い時間姿を見せるようになってきた。

「春はそのうち来るからね」


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節約料理人(作:ダムレイ)


「ばっかやっろおお!」

午前5時。一日の営業を終えた居酒屋「爆安亭」の店内に、ガコンという金属音とともに、恐ろしい怒鳴り声が響いた。
片付けと明日の仕込みをしていた他の店員が一斉にこちらを向く。

「いてえな畜生!]

テツオが頭を押さえて顔を上げると、鬼のような形相で睨みつける店長がフライパンを持って仁王立ちしている。

「俺の心と懐はお前の100倍いてえわ、この糞ガキ!」
鬼店長が大きくスイングバックしてからの追撃を図るが、これは間一髪避ける。

「てめえ!料理人が、料理道具で殴りつけていいのかよ!」

「こいつはおめえみたいな大馬鹿もんの教育用だ!」
よく見ると、フライパンの底には『爆安魂注入用。商品作成に使うべからず』とご丁寧に書いてある。

「この鬼店長!ぽんぽん気楽に人の頭たたきやがって!やってられっか!こんな店やめてやる!うわーん」
そういうと、テツオはコックコートのまま店を飛び出した。

/*/

テツオが外に飛び出すと、あたりはそろそろ朝日が顔をだそうとしている時間だった。
朝の早い爺さんが、通りのベンチで目をつぶった猫を抱いている横を通り過ぎ
小麦色の肌にきらきらと(まだ太陽もでていないのになぜか)汗が光るおっさんとすれ違う。
これから希望に満ちた一日が始まるというのに、自分はこんなところでみじめな姿をさらしていると思うと
まったく涙が出てきて、木陰に座り込んだ。

/*/

どれくらいじっとしていただろう。
うとうとしかけていると、突然ピトッと冷たいものを頬におしつけられて、目が覚めた。

「ひっ」
振り向くと缶ビールを両手にもったアズサが、にんまりと笑って立っていた。
逆光でもなんとなくにやにやしているのがわかる。

「なにしょぼくれてんのよ。ほい」
何気なく差し出された缶ビールを手に取る。冷たいと思ったが、持ってみると意外とぬるい。

「なんだ、冷えてねえじゃねえか」

「文句言わない。ほら、かんぱーい。今日もお疲れ様!」
アズサはこつんと缶を合わせると、ごくごくと一人で飲み始めた。
テツオもしかたなくプルトップを引く。プシュッっといい音がして
急にのどの渇きを覚え、一気にのどに流し込んだ。
さわやかな苦みと炭酸が心地いい。

「ぷはー!」
二人同時に息を吐いた。

「アズサはホントおっさんだよなあ」

「あんたも同じでしょうが」
今度は二人でにやりと笑い合って、もう一度乾杯をした。

「何やらかしたのよ。店長怒ってたよー」

「ホールには関係ねえよ」
ぐびりと缶を傾けながら吐き出した言葉に、一瞬アズサが悲しそうな顔をした気がした。

「なによそれ。ホールスタッフも、調理スタッフも同じ店の仲間でしょ!」
テツオは黙ってちびりと缶を傾けて、アズサの視線から逃れた。
正しいのはわかっているが、正論が今は耳に痛い。

「ったく。サオリだって心配してたんだからね」
「っぐ…!」
これはグサリと胸に刺さった。ヤバい。サオリちゃんの好みは「大人な人」だというのは
このアズサから聞いた情報だったか。嫌われたかもしれない。

「あんたがちゃんと話してくれたら、うまいこと言っといてあげるんだけどなー」
アズサはどこからともなく2本目をだして、うまそうに飲んでいる。
なんだかムカッ腹がたって、それをひったくり飲み干してやる。
(ちょ、あんた、それ、、、!)とかなんとか騒いでいるが知ったことではない。
2本もあけるとなんだか気分が少しすっきりしてきた。
それに、これから仕事に向かう人々を遠く見ながら、ビールを飲むというのはなかなか痛快だ。

「ったく。で、何やったのよ」
今日のアズサはなかなかしつこい。
たまたま目があった勤め人風のひょろりとした男が、怪訝な顔をして目をそらした。
まあ話してやってもいいか。

「店長がよー、ってあれ?なんか顔赤いぞ。もう酔ってんのか?」
ふと見ると耳まで真っ赤になっている。心配してやったのに、何故か三本目のビールで殴られた。

「いって!なんだよ、ちくしょー、、、店長がいちいちうるさいんだよ。ちっとのことでガミガミとよー」
頭をさすりながら、凶器のビールを受け取り、片手で器用にあける。

「そんなんいつものことでしょ。で、なにやったのよ」

「今日は…」
いつも通り忙しい営業が終わって、片付けていたら、仕込み過ぎて余ったスープを見つけた。
これはケチンボ店長に見つかったらぶっ飛ばされると思ったからこっそり捨てて…

「そしたら、見つかっちまってすげー怒りだしたんだよ。なんでそんなもったいないことするんだとか」

「へーでも確かにもったいないよねー」

「それはそうだけど、肉屋がいつもサービスでつけてくれてる原価タダ同然の骨とかからつくったスープだぜ。
そんなに目くじらたてなくてもいいじゃねえか。儲かってるんだしよ」
実際店はほとんど満席まで埋まるし、ピークタイムは戦場のような忙しさになる。炎の料理人であり
氷の料理人である店長の人気もさることながら、看板娘のサオリちゃんの功績が大きいとテツオは見ている。
あーもう。嫌われたかもしれん。店に戻りづらいな。

「ふーん。ねえ、テツオさ。儲かってるとはいうけど
あんた例えばこのビール一本お客様に売って利益いくらかわかってる?」
そう言われると、テツオとしては言葉につまってしまう。
将来、独立して店をもつつもりのアズサは
そこらへんをしっかり店長に教えてもらっているから、歯が立たない。

「んービールだしなー50パーセントくらい?」
当てずっぽうに答える。アズサのひきつった顔をみると、どうやら全然違うらしい。

「ったく。だれがそんなビール買うのよ。だいたい売値の5から10パーセント。それがうちの店の設定よ」
「げ、そんなに安いのか!?」
思った以上の安さに驚くテツオに、アズサは説明を続ける。

「商品は、原価だけじゃないの。人件費も家賃も水光熱も乗ってくるのよ。だからうちみたいな居酒屋は利幅は少ないの。
ビール売って1にゃんにゃん、チャーハン売って1にゃんにゃんってもんよ」

「もっと値段あげればいいじゃねえか。店長の腕ならいくらでも値段はつくし」
人格はともかく料理の腕は認めているテツオである。
実際、お抱えの料理人として…と札束を持って店に来る輩がいるといううわさもある。

「そうね。店長の腕だったらもっとお金もらってもいいかもね。
実際高級な食材を使ってるレストランのほうが、利幅は大きいし。でも…そうしたら、どうなると思う?」
アズサはじっとテツオの目を見つめている。

「どうなるって…そりゃ店は儲かって、けちんぼ店長はウハウハじゃねえか。あ、俺たちにボーナスもくれるかも…」
「でも今のうちの店の常連様は絶対にこれない店になる」
アズサがかぶせたその声に、テツオは先ほどフライパンで殴られたときのような衝撃を受けた。

「うちの店のお客様は、共働きの家族が夕飯に使ってくれたり
普通のおっちゃんや学生さんが気軽に立ち寄ってくれて使うのがほとんどでしょ。そんな高級な店来れないよ。
私はいやだな。工場のタカシさんやジロウのおっちゃんや
カズエおばさんとこの家族がこなくなって変わりに偉そうなお金持ちばっかり来るような店になっちゃったら」

「…」
常連客の顔を思い出す。どいつもこいつも金のなさそうな顔をしていた。でも、みんな気のいいやつらだ。

「店長が怒ったのはそういうことでしょ。
利幅が小さいってことは無駄があったらすぐに赤字になるってこと。そしたら店がつぶれちゃう。
つぶさないためには値上げしなきゃいけなくなる。
一にゃんにゃんでも無駄にしたら、そのお金を払うのは巡り巡ってお客様なんだよ。
だから店長はいつもけちけちしてるの。店を守るためにね。わかった?」

「そうか…」
たしかに常連のおっさんは酔っぱらうとたちが悪いし、子どもはぎゃいぎゃい騒ぐし、
学生なんて飲んで食って吐いてなんぼというやつらばっかりだ。
でも、そんな世界がなくなってしまうのは、やっぱり寂しい。今回は俺が悪かったのかもしれない

「アズサはよくそんなこと知ってるな。すげえなあ」
「まあ、私の夢は自分の店をもつことだからね。今から経営は勉強してるのよ」
テツオに手放しで褒められ、アズサは照れたように微笑んだ。

「なるほどねえ。あ、サオリちゃんがいるなら、俺も働いてやってもいいぜ」

「サオリがいるなら…ね。
あ、ちなみにそのビールもこのビールもあんたの奢りだから。次の給料から抜いておくわね」
急に冷たい声になると、アズサは手近なアルミ用のリサイクルボックスに空き缶をまとめて放り込む。

「げ、ここはお前のおごりじゃないの?けちくせえなー!」
「わたしはけちで結構です。なんていったって店長の一番弟子ですから。
ほら、なんだかんだ店長も心配してるだろうし、謝り行くよ」

/*/

いつのまにか太陽は空高く上がり、木々はその光を抱き締めるように木の葉を広げてきらきらと輝いていた。
この二人が節約の末に店を持ち、たくさんの人たちを迎えるにはまだ何年もかかるのだが、それはまた別の話。

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「この皮の部分まだ使えるだろうが!」
「アジの骨は揚げて骨せんべいに、大根のはっぱは漬け物にっと」
「ビールサーバーは毎日ちゃんと洗う!金をかけずに手間ひまかける!」
「あ、新人さん、お客様の食べ残しもちゃんと分別してね。生ゴミも分別すれば肥料にしたりできるからね」
今日も爆安亭は忙しい。人件費もぎりぎり、原価もぎりぎり。
でも、溢れているものが、一つだけある。それは、普通の人たちのたくさんの笑顔。
今日も節約、明日も節約。すべてはお客様の笑顔のために。

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製作スタッフ

イラスト :和子
S S   :琥村 祥子、東 恭一郎、ダムレイ
ページ  :稲湖、和子

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