第36話「メッセンジャーバッグの選び方~その1~」


メッセンジャーバッグが買いたくなったというそこのあなた!

お気持ちは分かります!

っというわけで、何をどう選んで買えばいいのかを、適当に質疑応答の形でご説明してみたいと思います。


Q.メッセンジャーバッグとは何ですか?
A.メッセンジャーたちが使用するバッグのことです。世間一般では、ショルダーバッグのストラップ長さが調整できるものをメッセンジャーバッグと言っているようですが、わたしは認めません。


Q.メッセンジャーバッグの歴史について教えてください。
A.さかのぼれるのは、1860年代において自転車便の方々が使用したバッグが始まりかも知れません。

1950年代になると、電柱に登って工事する人のために、グローブキャンバス社によって丈夫なキャンバス製のショルダーバッグが作られました。

1970年代、同社のバッグをニューヨークのメッセンジャーたちが使い始めました。違う色を使用することによって、それぞれ会社の特徴を出していたようです。この頃からメッセンジャーカルチャーが形成され始めました。

1980~1990年代、メッセンジャーや、それ以外の人たちにもメッセンジャーバッグの人気が出ていたため、それに目を付けた多くのメッセンジャーバッグメーカーが生まれました。
この辺りから、かなり独特な世界を持つメッセンジャーカルチャーが確立されて行ったと思います。

2000年代に入ると、そのカルチャーが若者たちに影響を及ぼし、そこに目を付けた様々なメーカーが、防水性の無い、タフさもない、下手をするとメインストラップを締め上げることもできないただのショルダーバッグを、メッセンジャーバッグとして販売する状況が始まりました。
それらのバッグは、当たり前ですがメッセンジャーバッグの歴史の一部とは成り得ません。
メッセンジャーカルチャーの一部にはなりますが。


Q.何故多くの人がメッセンジャーバッグに魅力を感じるのでしょうか?
A.大雨でも全く中が蒸れない防水性、乱暴に扱っても壊れないタフさ、ドラえもんのポケットのように荷物が沢山入る機能性、そして、メッセンジャーカルチャーにリスペクトするファッションでしょうか。


Q.重い荷物を背負った時に、肩が痛くなりませんか?
A.痛くなりません。肩を「通している」のであり、肩に「掛けている」わけではありません。
実際、ペットボトル3本(6kg)を背中に入れたりして何時間も走ったりしてますが、痛くなったことはありません。
イメージとしては、「体を挟み込むように締め上げる」というような感じでしょうか。ベルトで荷物を支えるのではなく、体で支える、背中に乗せるといった感じです。
ただ、走行中は背中に乗せるので重たくありませんが、自転車を降りて歩いたり走ったりしている時は、メッセンジャーバッグの種類にもよりますが、肩にぐいぐい食い込む時もあります。
後、荷物は「背負う」ではなく、「カツぐ」と言います。


Q.どのようなバッグを選べばいいのでしょうか?
A.何を重視するかによって、変わって来ます。
デザイン、実用性、ファッション性、機能性、ポケットの多さなど、沢山の種類のバッグが出ていますので、色んなメッセンジャーバッグを見比べて、触ってください。


Q.メッセンジャーバッグのメーカーを教えてください。
A.「メニュー」の「その他メーカー一覧」をご覧ください。


Q.フラットバーロードにメッセンジャーバッグじゃないとおかしいと言われたのですが。
A.そんなことはありません。
実際のメッセンジャーも、MTBに乗ってたり、ロードに乗ってたりします。街を歩く時もメッセンジャーバッグをかついでたりするのですから、気にする必要はありません。


Q.メッセンジャーはピストに乗っているものだと言われたのですが。
A.メッセンジャーバッグと関係ないですが、一応答えます。
メッセンジャーカルチャーとピストカルチャーは別ものです。混同している人もいますが、気にしないでください。


Q.CMWCとは何ですか?
A.メッセンジャーバッグと関係ない気がしますが…。
サイクル・メッセンジャー・ワールド・チャンピオンシップス(Cycle Messenger World Championships)の略です。年に一度、世界のどこかの都市で行われています、メッセンジャーの世界大会です。


Q.メインストラップが調節しやすいタイプを教えてください。
A.これも人によって異なります。
一般的に調整しやすいと言われる順は、

シートベルトタイプ
ガチャバックル
ニューカムバックル
クラシックカムバックル

です。

人によっては、

クラシックカムバックル
ニューカムバックル
ガチャバックル
シートベルトタイプ

に、なったりします。


Q.メインストラップ4種類の締め上げ方を教えてください。
A.これ以外にもあるようですが、4種類をご説明します。

シートベルトタイプ:メインストラップの材質がまんまシートベルトです。ぐいっと下に引っ張って締め上げ、胸付近にあるリングを上に引けば解除されます。
締め上げも解除も素早くできます。

ガチャバックル:金属で出来たバックルです。バックル付近のベルトをぐいぐい引っ張って締め上げ、親指を入れて下に引っ張れば解除されます。
締め上げも解除もそれなりに素早くできます。

ニューカムバックル:プラスチックで出来ていることが多いでしょうか。ガチャバックルとほぼ同じ方法で締め上げおよび解除を行いますが、どちらの時もバックルをガチッと開けます。
締め上げはガチャバックルよりも劣りますが、解除はガチャバックルよりも素早くできると思います。

クラシックカムバックル :ニューカムバックルと同じ方法ですが、締め上げおよび解除が手間取ると思います。


Q.材質のナイロンについて教えてください。
A.材質にナイロンとだけ表示してあるメッセンジャーバッグは防水性がない可能性が高いです。よく確認してからご購入ください。


Q.材質のPVCについて教えてください。
A.ポリ塩化ビニルのことで、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性があります。PVCが環境に影響を与えるという観点から、UNDER THE WEATHERやTIMBUK2はPVCの代わりにTPU(熱可塑性ポリウレタン)を使用しています。


Q.材質のコーデュラについて教えてください。
A.コーデュラは、標準ナイロンの2~3倍ほどの摩擦に耐える軽量ナイロンの事で、アメリカのデュポン社で製造されており、米軍なども採用しています。
メッセンジャーバッグの多くは、1000デニールを採用しています。
ちなみに、デュポン社の正式社名はE. I. du Pont de Nemours and Company (イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー)で、米国では「デュポント」と言われます。


Q.キャンパス生地のどこがいいんですか?
A.使えば使うほど味が出ることでしょうか。
使い古しのジーンズのような、そんな感じ。
ただ、臭いがその、なんというか、あれなので、定期的に洗いましょう。


Q.バッグの洗い方を教えてください。
A.中性洗剤とぬるま湯で手洗いしてください。その後、吊るして干しておきます。洗濯機や乾燥機は絶対使わないでください。バッグが傷みます。


Q.クロスストラップとは何でしょうか?
A.メインストラップとは別に付いているストラップのことです。メインストラップのように大きくは無く、補助的な締め上げを行い、バッグのずれを防ぎます。
左腋窩から右肋骨にかけて締め上げるものをクロスストラップ、左腋窩から右側腹にかけて締め上げるものをウエストストラップと言う様です。
荷物の量に応じて、付ける位置を調整します。




第37話「メッセンジャーバッグの選び方~その2~」



美結「では、個人的な好みもあると思いますので、インタビュー形式でメッセンジャーバッグの選び方について聞いてみたいと思います。よろしくお願いします。」
涼子「ふぁ~い」
彰人「はい」


美結「どれぐらいの予算で購入できますか?」
涼子「大体3万ぐらいかな」
彰人「ピンきりかな。安ければ1万円ぐらい。高くても5万はしないと思うよ」


美結「サイズはどれぐらいのを購入すればいいですか?」
涼子「一般にLサイズっていうのを買わないと、仕事できないわよ」
彰人「用途によるよ。全部のサイズを実際に見てみて、それでも迷うなら、中間のMサイズを買って使ってみてから、S買うかL買うか、そのままでいいかを考えたらいいかなと思う」


美結「お二人の使っているバッグを教えてください。」
涼子「ハッピースワールのでかいやつ(ティンバック2のクラシックメッセンジャーのLサイズ)」
彰人「クロームのメトロポリスです」


美結「何故そのバッグにしましたか?」
涼子「デザインが気に入ったから」
彰人「デザインかなー。機能性ならバガブーにしたと思うよ」


美結「そのバッグをカスタムしてますか?」
涼子「初期引き出し用にDリング付けた。パッドを短くした」
彰人「特に何もしてないかな。携帯やらボールペンやらクリップやら腕時計やらはごちゃごちゃ付けてるけど」


美結「メッセンジャーバッグに対するこだわりを教えてください」
涼子「色っぽく!」
彰人「濡れたものを入れるポケットと、濡れてはいけないものを入れるポケットがあること!」


美結「結局どんなバッグを買えばいいですか?」
涼子「自分の好み!」
彰人「色んなバッグを実際の目で見て、触ってみた方がいいと思う。もしかしたら、メッセンジャーバッグよりも、普通のバッグパックの方がいいと思うかも知れないし」


美結「ありがとうございました」
涼子「ふぁ~い」
彰人「いえいえー」



第38話「クロスバイクでツーリングはできるのか」



クロスバイクでツーリングするのはしんどいとかよく言われますよね。

では、クロスバイクの何が悪いのか、ロードバイクと比較したデメリットを考えてみましょう。


1.ギア比
当たり前ですが、ギア比がマウンテンバイク寄りですと、速度が遅いです。速度が遅いと、ツーリングに必要以上の時間がかかります。余分に疲れるということですね。

2.重量
クロスバイクはある程度のオフロードを走ることが前提で設計されていますので、ロードバイクよりも重たいことが多いです。
ロードバイクが約9kg、クロスバイクが約12kgとしましょう。3kgも違うと、発進、巡航でかなりの差が出ます。登り坂ではその差が極端に出るでしょう。
さらに、ほとんどのロードバイクは空気抵抗を考慮した設計がされているため、バイク自体が受ける空気抵抗も異なります。

3.ハンドル
フラットバーハンドルはスタートストップがしやすく、低速時に安定した操縦ができます。
ドロップハンドルはスタートストップがしにくいですが、高速時に安定した操縦ができます。
これだけでもツーリング時にロードバイクは体に負担がかかりにくいことが分かるのですが、さらにドロップハンドルはフラットバーと違い色んな握り方ができるため、状況に応じたポジションが取れるのです。
つまり、しんどくなったら姿勢をちょこちょこ変えれるということです。
そりゃ、楽ですよね。

4.姿勢
ハンドルの項目と同じ意味かも知れませんが、クロスバイクはアップライトなポジションしか取れません。
一方、ロードバイクはアップライトなポジションも取れれば、レーシーなエアロポジションも取れます。
時速30kmの時の空気抵抗の約80%は、人間が生み出すものです。
アップライトなポジションを取れば抵抗は大きくなり、速度は落ちます。
エアロポジションを取れば、楽に速度が上がります。
そりゃ、クロスバイクは風を真正面から受け止めているので、損失した速度分、ロードバイクよりもペダルを無駄に漕がなければいけないのが理解できます。

5.タイヤ太さ
クロスバイクはノーマルならブロックタイヤの700x35cが付いています。
交換しても、スリックタイヤの700x28c程度です。
一方、ロードバイクはスリックの700x23cがデフォルトです。
路面に接する面積によって抵抗が違いますので、速度が大きく変わります。

6.ホイール
クロスバイクは通常、ある程度のオフロードを走るための頑丈なホイールが付いています。
重量も空気抵抗も大きく、不利です。


結論として、クロスバイクでもツーリングはできますが、速度域が異なるためロードバイクと一緒にツーリングはできませんし、ロードバイクほど楽には走れません。



第39話「ロードバイクのサイズが合わない場合」



「ロードバイクのサイズが合わなかったんですが、どうしたらいいですか?」という質問がございました。


ご回答いたします。




残念でしたーーーー!!(笑)



って言うと怒られそうなので。


専門店でサイズを測ってもらった上でサイズが合わなかった場合、その時サイズ出しを担当してもらった方に相談してください。

同じサイズでも、メーカーやブランドによって実際のフィット感が異なります。

個人の好みもありますので、よく店員さんと相談した上でどうするかをご自分で決定してください。


通販で購入した場合でも、専門店に飛び込みで相談しましょう。

いい店っていうのはバイクを愛してる店員さんがいますので、他の店で購入したバイクでも、熱心に対応してくださいます。


それが無理って方は、下記を試してください。


まず、トップチューブ長は自分のサイズに合ってますか?

5mm違うと結構変わります。

トップチューブ長って何よ? シート高さの方が問題でしょ? と思われる方は、とりあえず勉強してきましょう。

もう一度、身長と股下を測り、サイズを確認してください。


トップチューブ長が大きく間違っているわけでもない場合は、パーツで修正できます。

具体的に言うと、サドル高さ、クランク長さ、コラム高さ、ハンドル幅、ステム長さです。それらのパーツ交換等で対応してみましょう。


それでも無理なら、通販で購入したサイトにメールを送り、送料自己負担でサイズ違いを交換できないか試してください。


それが無理だった場合は、中古自転車屋さんに売却し、そこで自転車を買う! という手段があります(売却した中古屋さんで購入する場合は、売却金額の2倍の自転車を購入できるというお店もあるようです)。


いずれにしろ、対策は沢山ありますので、悲観的にならないようにしてください。



第40話「ルイガノに乗ってたら馬鹿にされるんですけど」



「ルイガノに乗ってたら馬鹿にされるんですけど」という質問がございました。


ご回答いたします。




それは許せませんね。

どんなバイクに乗っていようが、好きで乗ってるんですから、馬鹿にされる筋合いはありません(勿論、道交法違反とか、人に迷惑をかけるなら別ですが)。


もしかしたら、ルイガノの小径車(ミニベロ)に乗っていらっしゃるのでしょうか?

そうだとすれば、ルイガノの小径車は企画も製作もルイガノとは全く関係なく、日本が名前を借りて製作、販売しているものです。

それゆえに、本家のルイガノとは違い、ただのファッション車だと言われることはあるかも知れません。




ですが、それはただのひがみです。




自分の好きな自転車に乗れない人が言うただのひがみです。

(勿論、何も調べずに、考えずにルイガノに乗ってるとすれば、それはそれでちょっと考え物ですが、)自転車は自分の好みで乗る物です。

人に自慢するためだけや、値段が高いという理由だけで乗る物ではありません。

どこを好きになるかは人それぞれです。

デザインに一目惚れした人もいます。

メーカーの設計思想に惚れた人もいます。

友人や彼女と色合いを合わせた人もいるでしょう。

それぞれの人がそれぞれの理由で乗っているんです。

ロードバイクに乗ってるからって、ママチャリを馬鹿にしたりはしないように、コルナゴに乗ってるからって、ルイガノを馬鹿にする理由はありません。


もしも、次馬鹿にされたらこう答えてやりましょう。


「うるせー! 俺はこのルイガノの○○に惚れたんだ! 他の多くのメーカーの、多くのブランドの、多くのシリーズから、俺はこいつを選んだんだ!」


自転車は、生活に必要な、かつ趣味の、そして環境に優しい乗り物です。


仲間同士いがみ合うことがないように、これからも楽しくサイクリングしましょう。



っていうか、自分の乗ってる自転車を馬鹿にしたりするような、そういう性格の悪い人たちとは縁を切った方がいいと思います。

もっといい人が沢山いるんですから、新しい友達を見つけましょう。


最終更新:2013年05月01日 21:08