第41話「メッセンジャースタイル~秋~」


メッセンジャーの仕事着(ファッション)というのは、他のサイクリスト(ローディ、チャリダー)とは違うことが多いと思います。

今回は、アメリカなどの個性爆発的なファッションは置いといて、日本でのごく一般的な(というか、自分の周りで普遍的に見られる)メッセンジャースタイルについて、頭のてっぺんからつま先までご紹介したいと思います。

国外では、個性だけが爆発したような面白いMSGRが数多く存在します。

勿論、目立たないスタイルや、安全をかなり意識したスタイルのMSGRもいます。

ですが、我々日本人が住んでいるのはここ日本です。

ここに住んで、MSGRの業務をする限り、それなりに世間一般の皆様の迷惑にならない程度に個性を爆発させつつも、ある程度オシャレでなければならないと思います。

いえ、そうでなければなりません!(キッパリ)

で、そもそもそんなオシャレとか言う以前に、ロードバイクとかクロスバイクとかマウンテンバイクとかにだらだら乗ってる時に、どんな服を着ればいいんだよ!?
 っていう方がおられると思います。


今回はそれのご提案。


とりあえず、秋の服装について、普遍的なメッセンジャースタイルを取り上げてみましょう。
(あくまで、著者の知っているMSGRの話であり、地域によっては異なることもあります。参考程度に考えてください。)

方向性は、「出来る限り安いけど、自転車に乗りやすくて、センスが全然ないと思われるわけではない程度のスタイル」でしょうか。

では、上から順に行きましょう。


●ヘルメット
当たり前ですが必要です。
フラットバーに乗っている人はボコボコ穴の空いたヘルメットではなく、半球の、少ししか穴の空いていない(bern、OGK等の)ヘルメットを被っていることが多いようです(蒸れよりも日焼けと雨を考慮しているのでしょうか)。
ドロップハンドルの人はボコボコヘルメットを被ってることが多い気がします(前が見にくくなるからでしょうか)。

●ヘルメットの下
キャップを被っています。
これはサイクリング用キャップのこともあれば、どっかで安く買って来た普通の帽子であることもあります。
ドロップハンドルの人は、つばの長い帽子を被ると前が見えなくなってしまうので、サイクルキャップであることが多いと思います。
バンダナを被ってる人はあまり知りません。
やはりドロップ時にメットを脱ぐからでしょうか。
また、帽子は日焼けや眩しさを防ぐだけでなく、汗が顔に落ちてくるのを止める効果もあります。

●アイウェア
あまりしてるのを見かけたことがありません。
するとすれば、自転車用のアイウェアでしょうか。
スキー用のゴーグルを着けてる人もいるようです。
紫外線は目に悪い影響を与えるので、ちゃんとしたアイウェアを着けたいところですね。

●髪の毛
長い方は、くくって後ろにまとめ、ヘルメットの下から出してしまうみたいです。

●バラクラバ
正直私は見たことないんですが、めちゃくちゃ寒い日には着けるそうです。

●ネックウォーマー
おなじみ、首に被せる暖かいやつです。
顔まで被れば寒くないですし、ほんと、自転車乗りの味方ですよね。ユニクロとかでも売ってます。

●ポリ100%Tシャツもしくは長袖
汗をかいてもべたべたにならないので便利です。

●(ウィンドウブレーカー)
これは確かに寒さ対策に効果ありますよね。
脱いでも荷物になりませんし。

●(防水)パーカー
フード付きもフード無しも見かけますが、フード無しの方が仕事がしやすいらしいです。
色んな色やデザインがあって、個性を出しやすいですよね。明るめの色の方が、車に目立ちやすいです。

●サイクルジャケット
私はこれが安価で便利だと感じています。
色はある程度限られるかも知れません。
できれば、明るい色が目立っていいですよね。

●メッセンジャーバッグ
これがないと仕事できませんよね。
ぼろぼろであればあるほど、かっこいいらしいです。

●トランシーバ
これないと、MSGRじゃないですよね。
モトローラとかアルインコとか。
雨の日にも対応できるようにビニール袋を被せときます。
で、横と縦でくくって、パッド部に固定しときます。

●ボールペンとかクリップ
しょっちゅう使うので、バッグの中ではなくて、パッド周辺部に留めときます。

●腕時計
私は普通に左手首に付けてる人しか見たことありませんが、バーエンドバーを持つ人は腕時計を着けずに、メッセンジャーバックのパッド部に付けるらしいです。

●グローブ
指先まであるタイプが暖かいです。
しかしながら、手先を使うことが多いので、寒くても指抜きタイプで我慢することが多いらしいです。
ここからさらにハンドウォーマーを着ける人もいるようです。
薄いグローブを3枚重ねにする人とか、グローブなんて着けたことない人もいるらしいです。

●サイクルパンツ(インナー)
脚にピタッと密着する、あのお尻がもふもふしたパンツです。
暖かいだけでなく、速度が上がるとか何とか。

●カーゴパンツ
安いやつか、軍の中古放出品を買うようです。
七分状態に折り曲げて、裾が汚れないようにします。

●SPDシューズ
ロードタイプは歩けないのでMTBタイプにしているそうですが、それでもガチガチ言ってうるさい時があります。


ってな感じでしょうか。

あとのアクセサリーなどの小物類とか、色、デザインは自分の好みで選んでいけばいいかと思います。

あくまで、こんな感じの人もいるって話なので、参考程度に考えてください~。

ではー。



第42話「メッセンジャースタイル~冬~」


というわけで、路面が凍結していないほどの寒さ対策のための、服装をお伝え致します!

ちなみに、男性の場合ですので、女性の方は参考程度にどうぞ。
というか、男性の方も参考程度にどうぞー。

上から順に行きますね。


●サイクルキャップ
何でも構いません。安物でもいいでしょう。
ただ、あまりにごわごわした物は、ヘルメットを被りにくいです。
つばは短い方が前が見やすくなります。

●ヘルメット
BMX用ので十分でしょう。
個人的にはbernが好きですが。

●ネックウォーマー
ユニクロの安いやつを買ったと言ってました。
マフラーはほどける可能性がありますし、邪魔になることがあるので避けましょう。

●Tシャツ
ポリエステル100%の方がベタベタしなくて良いです。

●薄手の長袖
厚い服を1枚着るよりも、薄い服を3枚着た方が暖かいですので、長袖Tシャツみたいなものを着ます。

●ジャージ
薄い方が望ましいです。

●ジャンパー
個人の好みもありますので、どんなものでも構いません。
知り合いはユニクロのフリースを着ていました。

●薄手の手袋
指にぴったりフィットする医療用の手袋で、薬局で売ってることが多いです。
風を通さないのでオススメです。

●厚手の手袋
自転車用の手袋は高くて嫌! って方は、ホームセンターでちょっと暖かそうな軍手を買ってみましょう。
1組178円! 手袋は消耗品なのでお得ですね。

●ボクサーパンツ
まんまです。

●ヒートテック
イオンやユニクロなどで有名ですね。

●カーゴパンツ
ちょっともこもこしたズボンですね。

●靴下2枚履き
短い靴下を履いてから、長い靴下を履きます。

●SPDシューズ

●シューズカバー
自転車用のは3000円ほどしますが、ホームセンターで購入した物に、クリートのとこだけ穴を開けて使うこともできます。580円!


いかがでしょうか。

少しでも寒さ対策の参考になれば嬉しいです。

しかしながら、一番の寒さ対策は、自転車に乗らないことです。

おとなしくローラー台を漕いでましょう。(笑)

それでも出掛けたいなら、時速30km以下で走りましょう。

ちょっとはマシになるはずです。

ではでは。



第43話「5700系105発売」


5700系105が発売されました。

今回は価格と変更点について考えたいと思います。



1.価格

5600系105と比べ、安くなっています。

性能も上がり、外観品質も向上、剛性も上がり、重量も軽くなったというにも関わらず。

確かに設計思想は7900と同一かも知れません。

製造工程や材質によるコストダウンが図られているだけで、一から設計したのではないですから、トータルコストダウンも理解できることです。

ですが、設計時間0ということは無いはずです。

企画会議、紙ベースでの大まかな設計、7900系からデータコピーし、CADでの設計変更および形状変更、FEM、PC上での稼働実験、メーカー確認、実機で先行研究、検討およびその再設計、試作およびその再設計、量産、マーケティング、etc、etc。

これら全てに加え、設計チームのやる気もあったことでしょう。

出来る限り安く、安定した質、性能を(後で設計変更したくないという思いもありますが)。

これら全てをつぎ込んで考えても、かなり安いんです。

7900も6700も前シリーズよりも値上がりしたにも関わらず、105はカラーを選べてなおかつ安く! しかもかなり安く!

これは素直に評価できる点ではないでしょうか。

個人的には、設計思想、変更点が詳しく述べられていないのが気になる所ですが。
(剛性が向上、性能を長期間維持って、どこをどう変更したんだよ…)

後は、BBの設計を半ば諦めているところでしょうか。

それはともかくとして、他の会社が値上げをする最中、値下げをするという心意気、良いんじゃないでしょうか。



2.変更点

7900シリーズの真っ当な子孫なので、5600と比べると全てが変わっていると言っちゃってもいいぐらいですよね。


●ロゴの変更
フォントが変更されています。
5600は丸みの帯びたデザインでしたが、5700はよりシャープになっています。
性能上何ら問題ないですが、外観は重要なことです。


●クランクセット
大きな変更は外観のシャープ化、ギア同士のスキマを大きくしたことによるチェーン接触低減でしょうか。

個人的見解ですが、デザインはモダンになったと思います。
あの購買意欲のそそらない5600クランクと比べ、かっこいいように感じます。

アウターギアとインナーギアの距離を大きくしたことによるチェーン接触低減も良い点と言えます。

面倒なトリム操作を行う必要が少なくなったということですから。

ただ、アウターロー、インナートップにおけるチェーンリング、チェーン、スプロケにかかる負担が気になります。


●デュアルコントロールレバー

下記変更点があります。

ブラケット形状の変更
新スーパーSLRシステム
シフトケーブル内蔵化
レバーのピボット位置改良
リーチアジャスト機構

ブラケット形状の変更は手放しで歓迎できる点です。手の小さな日本人にとっては、握りにくかったですから。
(個人的には5600の外観が好きだったのでちょっぴり残念ですが、5700は非常に握りやすくなっています)

新スーパーSLRシステムは、確かに反応が良くなるという点で評価できます。が、気付かない人は気付かないので、評価しにくい点だとも言えます。

シフトケーブル内蔵化は、当然の変更だと思います。
ごちゃごちゃしないのがロードバイクの美学だというのに、触覚がにょっきり突き出てて、おまぬけでした。
ただ、インナーワイヤーの交換時に、取り外すカバーと取り外してはいけないカバーがあったり、バーテープの巻き方に注意しないと、インナーワイヤー交換時にバーテープを剥がさなければいけないなど、問題がないわけではありません。
しかしながら、それを考慮しても内蔵化は素晴らしいと言えます。

レバーのピボット位置改良もありがたいです。
下ハンとブラケットを握った時で、レスポンスがかなり違いましたから、100%は無理でも、ある程度違和感が無くなるのは大いに助かります。

リーチアジャスト機構も、日本人向けの改善点だと言えます。カンパのように小さ過ぎても不安ですが、大き過ぎては安全上の問題がありますから。
勿論、7900のようにボルトを締めるのではなく、5mmもしくは10mmのシムを使用します。
5600でも社外品(スペシャ)のシムをかませて対応できましたが、あちらは接着式で、15~20mmとかなりのレバーオフセット量でしたから、これはかなり評価できる点です。

ちなみに、DURA-ACEと違いカバーが少なく、メカがチラチラと見えているのが萌えポイントです。


●デュアルピボット・ブレーキキャリパー
ほぼ形状に変化なしです。
変更点としては、新配合のブレーキシュー、SLR対応でしょうか。

新配合のブレーキシューと言われても、何をどう配合したのか分かりませんし、シューだけはDURA-ACEって方も元々多いのですが…。

SLR対応は、互換性がごにょごにょ…。
まぁ、軽い力でしっかり制動するよ! って話です。はい。

個人的にはブレーキアーチだけはDURA-ACEにすることをオススメします。性能が全然違いますし、命に関わる部品ですし。


●リアディレイラー
これ、かなり高評価です。ワイドリンク・デザインとワイドギアレシオ対応ぐらいしか変更がないですが、それが大きな飛躍です。

ワイドリンク・デザインは、ねじれを解消することにより、変速のわがままやディレイラーそのものの寿命を改善します。
なおかつ、この意匠が素晴らしいです。
クランクと思想を統一し、3面に分けてしまうこの外観デザイン。
ワクワクしません?

ワイドギアレシオ対応は、なんと11-28Tです。
選べる幅が増えて、素直に嬉しく感じます。


●フロントディレイラー
幅が大きくなったクランクに対応したということと、チェーンガイドの形状を改善したことぐらいでしょうか。

個人的にはせめて外側の色だけでもブラックにして欲しいところです。


●カセットスプロケット
歯数構成に11-28Tがナンバリングされています!
105を使うへたれライダーの方たちが、待ちわびていた構成ではないでしょうか!(勿論わたしもですが)


●チェーン
表裏があります。
変速性能に重大な影響を与えるそうです。

互換性がゴニョゴニョ…。

ま、工具無しでリリース&セットができるなら何の文句もないんですが…。

……。

何の文句もないんですが…。



3.まとめ

性能、上位互換を考えると、一番コストパフォーマンスが高い製品だと言えます。

これからも、良い製品を出し続けてください。
シマノさん。



第44話「シマノの新コンポを勝手に考える会」


シマノのロードコンポーネントグレードは、上から

デュラエース
アルテグラ
105
ティアグラ
ソラ

なのは、皆さんご承知のことです。

ですが、味気なくないですか?

っというわけで、ちょっと考えてみました。


シマノ ロードコンポーネントグレード


●案1:分別してみる

ウルトラデュラエースSL
ウルトラデュラエース
ハイパーデュラエースSL
ハイパーデュラエース
スーパーデュラエースSL
スーパーデュラエース
デュラエースSL
デュラエース
ウルトラアルテグラSL
ウルトラアルテグラ
ハイパーアルテグラSL
ハイパーアルテグラ
スーパーアルテグラSL
スーパーアルテグラ
アルテグラSL
アルテグラ
ウルトラ105SL
ウルトラ105
ハイパー105SL
ハイパー105
スーパー105SL
スーパー105
105SL
105
ウルトラティアグラSL
ウルトラティアグラ
ハイパーティアグラSL
ハイパーティアグラ
スーパーティアグラSL
スーパーティアグラ
ティアグラSL
ティアグラ
ウルトラソラSL
ウルトラソラ
ハイパーソラSL
ハイパーソラ
スーパーソラSL
スーパーソラ
ソラSL
ソラ

備考:もちろん全グレード互換性なし。

まとめ:非常に分かり辛い。買う気をなくす。


●案2:和風にしてみる

でぇゆぅらうぇーす
あるぅてぐらぁ
いちぃまるご
てぃあぐら
そぅら

まとめ:読みにくいし、馬鹿っぽい。


●案3:ふざけてみる

づらでーす
ぐりとぐら
ちびまるこ
フォアグラ
そば

まとめ:わかりにくいし。最上級コンポに至っては何か嬉しそうにカミングアウトしてるし。


●案4:変速段数を増やしてみる

デュラエース:13段
アルテグラ:12段
105:11段
ティアグラ:10段
ソラ:9段

まとめ:増やせばいいってもんじゃないし。そんなにギア薄くならないし。重くなるし。


●案4:変速段数をさらに増やしてみる

デュラエース:100000段
アルテグラ:10000段
105:1000段
ティアグラ:100段
ソラ:10段

まとめ:寺の階段か。


●案5:材質を変えてみる

デュラエース:カーボン
アルテグラ:アルミ
105:鋼
ティアグラ:鉄
ソラ:木

まとめ:木って…。


●案6:105だけ数字なので、名前にしてみる。(その1)

デュラエース
アルテグラ
グリトグラ
ティアグラ
ソラ

まとめ:ぐりとぐらがそんなに好きなのか。パッと見、違和感がないのがおかしい。


●案7:105だけ数字なので、名前にしてみる。(その2)

デュラエース
アルテグラ
壱零伍
ティアグラ
ソラ

まとめ:おかしくないのに違和感ありまくり。



●結論

今のままが一番いいですね。


最終更新:2013年05月01日 21:20