210132

  • 配点(120点満点) ①(1)10点(2)10点②(1)10点(2)10点③20点④(1)5点(2)15点⑤20点⑥(1)15点(2)5点
  • 解答 ①(1)58個 (2)なし(解説参照)

②(1)A_n((sinα+cosα)^n+(sinα-cosα)^n)/√2^n

(2)A_n=( (k+√(2-k^2))^n+(k-√(2-k^2))^n))/2^n

③v≧1の時r=1/2,cosθ=1/v v<1の時r=v/2,cosθ=v

④(1)|a-b|<1<a+b

(2)解説図の通り(図に少しミスがあるので注を参考のこと)

⑤(cosα)^2

⑥(1)m_n=n+((√2+1)^n-(√2-1)^n)/2 (2)nが奇数

  • 各問の必要な知識と難易度

①(1)三角関数(弧度法,度数法),π ☆☆★★★

(2)微分,無理数 ☆☆★★★

②(1)三角関数(合成) ☆★★★★

(2)特になし ☆☆☆★★

③領域,微分 ☆★★★★

④(1)図形,三角不等式 ☆☆☆☆★

(2)図形,三角不等式,領域 ☆★★★★

⑤図形,三角関数,極限 ☆★★★★

⑥(1)図形・二次関数・漸化式(分数型)・相加相乗等★★★★★

(2)無理数・有理数 ☆☆☆★★

  • 解説
    ①
    (1)
    sina°=sina(0≦a≦180)を満たすaはいくつあるか?
    (2)
    y=sinx°とy=sinxが接することはあるか?
    
    
    (1)正しく個数を求める問題。

sinx=sinyを満たす時、nを整数として

x=π-y+2nπ…1

x=2nπ+y…2 である。

また、a°=2aπ/360=aπ/180。…3

(ⅰ)aが1を満たす時

a=π-aπ/180+2nπより

a(180+π)/180=(2n+1)πなので

a=180π(2n+1)/(180+π)

0≦a≦180より

0≦π(2n+1)/(180+π)≦1を満たす整数nの個数を求める。

左側よりn≧0で右側よりn≦90/πだから

0≦n≦90/π

(ⅱ)aが2を満たす時

a=2nπ+aπ/180より

a=2n*180π/(180-π)から

0≦2nπ/(180-π)≦1を満たす整数nの個数を求める。

左側よりn≧0で右側よりn≦(180-π)/2π=90/π-1/2より

0≦n≦90/π-1/2

ここで、

π≒3.14であるから3.12<π<3.15より

90/3.15≦90/π≦90/3.12 これより

10/0.35≦28.6<90/π<28.8<30/1.04である。

これを利用して

(ⅰ),(ⅱ)について

0≦n≦28,0≦n≦28だから29+29=58個。

(2)sinx°=sinxπ/180であり、二曲線が接する場合

sin(xπ/180)=sinxかつ

xπ/180×cos(xπ/180)=cosxを満たす。

ここで、sinx=siny⇒cosx=+-cosyより

(∵1=sin^2(x)+cos^2(x)=sin^2(y)+cos^2(y)よりcos^2(x)=cos^2(y))

上の二式が成立する時、xπ/180=+-1を満たす必要があるがこの時

x=+-180/πであるが、

sin(xπ/180)=sin(+-1)と

sinx=sin(+-180/π)が一致しないことを示せばよい。

これが一致すると仮定すれば(1)の(ⅰ)か(ⅱ)を満たす必要がある。

(ⅰ)+-1+-180/π=(2n+1)πについて両辺πで割ると左辺無理数右辺有理数で矛盾し満たすnはない。

(ⅱ)についても(ⅰ)と同様にして示される。

よって、sin(+-1)≠sin(+-180/π)である。

以上の議論より

y=sinx°とy=sinxが接することはない。

②
sinθ+cosθ=k=√2sinαを満たす時、(k,αは定数)
(1)A_n=sin^nθ+cos^nθの値をα,nを用いて表せ
(2)A_nの値をk,nを用いて表せ

(1)が難所ですが右辺の√2がヒントです

三角関数の合成よりsinθ+cosθ=√2sin(θ+π/4)=√2sinα

また、sinθ-cosθ=√2sin(θ-π/4)=√2cos(θ+π/4)=√2cosαより

これらを連立して解くと

sinθ=(sinα+cosα)/√2

cosθ=(sinα-cosα)/√2であるから

A_n=((sinα+cosα)/√2)^n+((sinα-cosα)/√2)^n

=((sinα+cosα)^n+(sinα-cosα)^n)/√2^n

(2) sinα,cosαをkであらわすと

sinα=k/√2,cosα=√(1-k^2/2)=√(2-k^2)/√2

これを(1)の解に代入すると

A_n=( (k+√(2-k^2))^n+(k-√(2-k^2))^n))/2^n

数列でやっても解けますが、結構面倒です。

③
xy平面において
中心がx座標が十分に小さいある点から速さvでy=tanθx上をx軸正方向へ動く半径rの円Cおよび
x軸上に長さ1でx軸正方向へ速さ1で動く線分が長さ1の間隔で
以下の図のように無限に並んでいる非連続直線Dを考える
…― ― ― ― ―…
この時円Cが上手くDを通り抜けることで、円CがDと内部を共有することなく
(ただし、周の共有は許す)(円のy座標)≧rの地点に到達することができたという。
vを定数として、この時考えられる最大のrとその時のcosθの値を求めよ

設定変更が重要課題であると思われる。

以下の解答は対称性を使ったものである。

(0,0)を円Cが通る時の時刻を0として考える。

円の中心とDの距離を考えて左端との距離をD_l,右端との距離をD_rとする。

この時、D_l≧pで成立するとすれば対称性よりD_r≧pで成立する。(p>0)

つまり、min(D_l,D_r)≧pであればよい。D_l+D_r=1より

min(D_l,D_r)≦1/2なのでD_l=D_r=1/2の時が最善の通り方である。

よって、以降-1/2+t≦x≦1/2+tの線分D'と円Cを考える。

円C(中心(vcosθt,vsinθt))とx座標の交点が常にD'の範囲にある条件は

(vcosθt-(t-1/2))^2+(vsinθt)^2≧r^2かつ(vcosθt-(t+1/2))^2+(vsinθt)^2≧r^2を任意のtで満たす。(対称性より省略してどっちかで考えてもよい) ⇔((vcosθ-1)^2+v^2sinθ^2)t^2+(vcosθ-1)t+1/4-r^2≧0 かつ((vcosθ-1)^2+v^2sinθ^2)t^2-(vcosθ-1)t+1/4-r^2≧0を任意のtで満たす

⇔(vcosθ-1)^2-((vcosθ-1)^2+v^2sinθ^2)(1-4r^2)≦0を満たす

⇔(vcosθ-1)^2-(v^2-2cosθv+1)(1-4r^2)≦0

⇔-sinθ^2v^2+4r^2(v^2-2cosθv+1)≦0

⇔r^2≦sin^2θv^2/4(v^2-2cosθv+1)

右辺=f(θ)とおくと

f'(θ)=v^2/4*(2sinθcosθ(v^2-2cosθv+1)-sin^2θ*2sinθv)/(v^2-2cosθv+1)^2

=v^2sinθ(cosθv^2-(cos^2+1)θv+cosθ)/2(v^2-2cosθv+1)^2

=v^2sinθ(cosθv-1)(v-cosθ)/2(v^2-2cosθv+1)^2

これで増減表を考えると

v>1の時はcosθ=1/vで最大でこの時r^2≦tan^2θ/4(1/cos^2θ-1)=1/4よりr≦1/2

v<1の時はcosθ=vで最大でこの時r^2≦(1-v^2)v^2/4(1-v^2)=v^2/4よりr≦v/2

v=1の時はcosθ=1で最大でこの時r≦1/2

∴v≧1の時、r=1/2で最大でこの時cosθ=1/v v<1の時、r=v/2で最大でこの時cosθ=v

  • 補足 この問題からわかること
相手の弾の流れと自機のなす角度をθとする(入射角をθとする)時
sinθ=自機の速さ/弾の速さor弾の速さ/自機の速さ

になるように移動すると相手の弾に当たらない確率がもっとも高くなります。

ゲーム中に少し意識してみてはどうでしょうか?

(意識しすぎると逆に死ぬので注意w)

④△ABC_[1]について、AB_[1]=c_[1]=c,BC_[1]=a_[1]=a,CA_[1]=b_[1]=bとおく。
同様に、自然数nについて定義された△ABC_[n]について、AB_[n]=c_[n],BC_[n]=a_[n],CA_[n]=b_[n]とする。
また、任意のnに対して△ABC_[n]と△ABC_[n+1]は以下の条件を満たす。
点A_[n]から直線BC_[n]に下ろした垂線の長さをa_[n+1]
点B_[n]から直線CA_[n]に下ろした垂線の長さをb_[n+1]
点C_[n]から直線AB_[n]に下ろした垂線の長さをc_[n+1]
c=1の時以下の問に答えよ。
(1)△ABC_[1]が作られているためのa,bの条件を求めよ。
(2)△ABC_[n]が任意のnで作られているためのa,bの条件を求め、それを(a,b)グラフとして図示せよ。

(1)は、絶対できていてほしい問題ってか解説いらない。

三角不等式より|a-b|<1<a+b…☆

(2)が本題。ですが、あることに気づくか気づかないかの問題です。

△ABC_[n]の面積をS_nとおくと

a_[n+1]*a_[n]*1/2=S_[n]より

a_[n+1]=2S_[n]/a_[n]…①

同様にa_[n+2]=2S_[n+1]/a_[n+1]より

a_[n+2]=S_[n+1]*a_[n]/S_[n]である。a→b,cとしても同様の結果が得られるのでこれより

△ABC_[n]∽△ABC[n+2]である。…②

②より△ABC_[1]と△ABC_[2]が作られていればすべてのnで△ABC_[n]が作られる。

△ABC_[2]が三角形を作る

⇔|a_[2]-b_[2]|<c_[2]<a_[2]+b_[2] (∵三角不等式)

⇔|2S_[2]/a-2S_[2]/b|<2S_[2]<2S_[2]/a+2S_[2]/b(∵①)

⇔|1/a-1/b|<1<1/a+1/b

⇔|a-b|<ab<a+b…★(∵a,b>0)

あとは★と☆の条件を満たす(a,b)のグラフを図示します。

右辺については

(a-1)(b-1)<1,1<a+b…#

左辺は、aとbの大小で場合分けする。

b>aの時

b-a<1,b-a<ab ⇔b<a+1,(b+1)(a-1)>-1…##

b<aの時

a-b<1,a-b<ab ⇔a-1<b,(a+1)(b-1)>-1…###

b=aの時は#のみ

よって#,##,###の条件とa>0,b>0の前提条件より

下図のようになる(境界含まない)

(注ソフトの関係か扱い不足かでy=xの地点が中抜けになっていますが実際はそこも範囲に含まれます。)

この図形のラインいいですよね。アレに似てて笑

⑤面積S_nの正n(n≧3)角形の全ての辺について、その辺からα(rad)(0<α<π(1/2-1/n))だけずれた直線を引き、
その直線により囲まれる図形の面積をS'_nとする。
S=lim(n→∞)S'_n/S_nをαを用いてあらわせ。

一般的な正多角形について考えることになりますが、要するにS'_nとS_nの関係が掴めればよい。

S_nとS'_nは互いに正n角形であって相似だから

その相似比を求めればよいことになる。

正n角形の一角は、π(n-2)/n(=βとする)で表せて、図(図は正五角形の例)からx'とxの比を求める。

正弦定理より

FD/sinα=x/sin(π-β)=(FD+x')/sin(β-α)なので

FD=x*sinα/sinβ(左と中)

FD=x*sin(β-α)/sinβ -x'(中と右)

これより

xsinα=xsin(β-α)-x'sinβ

x(sin(β-α)-sinα)=x'sinβ

x'/x=(sin(β-α)-sinα)/sinβ

これは、相似比だから面積比S'_n/S_nはその二乗の(x'/x)^2である。

x'/x=(sin(π(n-2)/n-α)-sinα)/sin(π(n-2)/n)

=(sin(2π/n+α)-sinα)/sin(2π/n)

=2cos(π/n+α)sin(π/n)/2sin(π/n)cos(π/n)

=cos(π/n+α)/cos(π/n)より

S'_n/S_n=(x'/x)^2=(cos(π/n+α)/cos(π/n))^2

S=lim(n→∞)(cos(π/n+α)/cos(π/n))^2について1/n→0より

S=(cos(0+α)/cos0)^2=(cosα)^2

⑥
半円:y=√(1-x^2),y=0(-1≦x≦1)上のある2点に内接して
隣同士互いに外接するn個の円の半径を中心のx座標が小さい順にr_k[k=1,n]とする時
(1)Σ[k=1,n]1/r_kの最小値m_nを求めよ
(2)m_nが有理数となるnをすべて求めよ

⑥は、個々の難易度としてはそれほどでもないですが

単純に見えていろいろと詰まってるので厄介です。

見た目で位置の設定もできなくはないですが、どちらにしろ総和を求めるのでオーソドックスにいくほうがよいと思います。

まず、円の中心のとりうる軌跡を求める。

(X,Y)で条件を満たす時

1-√(X^2+Y^2)=Yより

(1-Y)^2=(X^2+Y^2)から

Y=-X^2/2+1/2…①

∴y=-x^2/2+1/2(-1≦x≦1)上に中心がある。

k番目の円の中心の座標をRk(x_k,y_k)と設定すると

k番目とk+1番目の円は互いに接することより共通外接線の長さは2√y_k*y_(k+1)…②

x座標の差は問題文の仮定よりk+1番目の方がx座標が大きいので(x_(k+1)-x_k)…③

②=③と①を用いてyを消去すると

x_(k+1)-x_k=√(1-x_k^2)(1-x_(k+1)^2) 両辺二乗して変形すると

x_k^2*x_(k+1)^2-2x_k^2-2x_(k+1)^2+1+2x_k*x_(k+1)=0

(2-x_k^2)*x_(k+1)^2-2x_k*x_(k+1)+2x_k^2-1=0

x_(k+1)=(x_k+-√(x_k^2-(2-x_k^2)(2x_k^2-1)))/(2-x_k^2)

=(x_k+√(2x_k^4-4x_k^2+2))/(2-x_k^2) (∵x_(k+1)>x_k)

=(x_k+√2(1-x_k^2))/(2-x_k^2) (∵|x_k|≦1)

=-(x_k-√2)(√2x_k+1)/(√2-x_k)(√2+x_k)

=(√2x_k+1)/(√2+x_k)…④

ようやく分数漸化式が完成したのでこれをときます。④より

x_(k+1)-1=(√2-1)(x_k-1)/(x_k+√2)⑤

x_(k+1)+1=(√2+1)(x_k+1)/(x_k+√2)⑥

⑤÷⑥で

(x_(k+1)-1)/(x_(k+1)+1)=(√2-1)^2(x_k-1)/(x_k+1)

∴(x_k-1)/(x_k+1)=(√2-1)^2(k-1)*(x_1-1)/(x_1+1)

(1-x_1)/(x_1+1)=α,(√2-1)^2(k-1)=S_kと略記して、変形すると

x_k=(1-S_k*α)/(1+S_k*α)これを①に代入すると

y_k=r_k=-x_k^2/2+1/2

=-1/2*(x_k^2-1)

=2S_k*α/(1+S_k*α)^2

これより

Σ[k=1,n]1/r_k=Σ[k=1,n](1+S_kα)^2/2S_kα

=Σ[k=1,n]1+1/2(1/S_kα+αS_k)

=n+{1/α*(1-(√2-1)^-2n)/(1-(√2-1)^(-2))+α*(1-(√2-1)^2n)/2(1-(√2-1)^2)}

=n+{α(1-(√2-1)^2n)+(√2-1)^2((√2-1)^(-2n)-1)/α)}/2(1-(√2-1)^2)…⑦

これが最小値をとるとき

α(1-(√2-1)^2n)+(√2-1)^2((√2-1)^(-2n)-1)/αが最小値をとればよい。

α(1-(√2-1)^2n)>0,(√2-1)^2((√2-1)^(-2n)-1)/α>0から

相加相乗平均より

α(1-(√2-1)^2n)+(√2-1)^2((√2-1)^(-2n)-1)/α≧2√(1-(√2-1)^2n)*(√2-1)^2((√2-1)^(-2n)-1)

=2(1-(√2-1)^2n)/(√2-1)^(n-1)…⑧

ただし、等号成立は、α(1-(√2-1)^2n)=(√2-1)^2((√2-1)^(-2n)-1)/αで

α^2=(√2-1)^2( (√2-1)^(-2n)-1)/( (1-(√2-1)^2n))

=1/(√2-1)^2(n-1)よりα=1/(√2-1)^(n-1)の時

以上より⑦に⑧を代入して

Σ[k=1,n]1/r_k≧n+2(1-(√2-1)^2n)/2(1-(√2-1)^2)(√2-1)^(n-1)

=n+(1-(√2-1)^2n)/2(√2-1)^n

m_n=n+( (√2+1)^n-(√2-1)^n)/2 //

(2)はおまけ

m_nが有理数⇔(1-(√2-1)^2n)/(√2-1)^nが有理数

⇔1/(√2-1)^n-(√2-1)^nが有理数

⇔(√2+1)^n-(√2-1)^nが有理数

⇔nが奇数(∵二項定理による展開)

  • 感想

今回は、三角関数や図形の回ということで。

難易度調節とかはあんまし考えてないですが結構むずかしめだと思われ

  • 元ネタ

一応全部オリジナルのつもりですが

③については、STGゲームから思いついた問題で

③と⑥の(1)は某スレで事前に出題させてもらいました。

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最終更新:2009年09月04日 20:55
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