ARMORED CORE Handed Down Heroism @ ウィキ内検索 / 「エクストリーム・アリーナ」で検索した結果

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    ...し、その中のひとつにエクストリーム・アリーナにおけるトップクラス・ランカーの進退があった。  -変更点-  「題名」と「設定内容の説明」の間に仕切りがスペースしかないので、これを強調処理。  題名に引き出しの「■」を置き、半角スペースを確保し、大文字処理を実行。  名称にアルファベットを追加。特に意味は無いけど、あったら嬉しい?  簡易的な情報を一見でわかるよう、「名称」、「種別」、「所属」の項目を追加。  この簡易項目の単語は実際は何でも良い。正式名称を記す「名称」、その単語が何を意味しているのかという「種別」、どこの陣営が所持しているのかという「所属」など、あらかじめ定義されている情報を記したい。  取り合えず、試験的にこの三種を導入。  固有の単語にリンクを追加。ある程度つけることで、文字の明暗が分かれて認識しやすくなると思われる。  た...
  • シャドー
    「シャドー」  執筆者:ユウダイ・ユウナ ロッカールームで彼は対Gスーツに着替えていた。鏡には裸の自分の背中が写っていた。大きな傷が目立つ。 「もし・・・真実を知ったとき、ユウもレナもどう思うだろうか・・・。」 スーツを着こみながら、そんなことをつぶやく。着替え終わり、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を手に持ち、ロッカールームを後にして愛機の元へ向かう。 「お前との約束、ちゃんと果たすまでは影として生きる。」 愛機を見上げながら、シャドーは友との約束を思いつぶやく。そしてHMDをかぶり、愛機に乗り込む。  シャドーの愛機はかつてセルゲイ・ダイの良きパートナーだったミュラン・ハーヴェイが乗ったAC、ダークフェイスとまったく同じアセンブルだった。厳密に言えば、ダークフェイスそのものである。彼がミュランのACに乗っているかは、深い事情があった。彼はある事情を抱えており、...
  • Dépression du chevalier
    「Dépression du chevalier*②」  執筆者:CHU  アリーナのドームに試合終了を知らせる電子音のゴングが鳴り響く。 『試合終了ぉ~!勝者は!ブルーコーナー、ハイネケン!』  テンションの高い女性パーソナリティーが試合の勝敗を声高に叫ぶ。それと同時に落胆の怨嗟や歓喜の雄叫びが、バトルフィールドの外に設けられた観客席から漏れ出した。  そのない交ぜになった喚声は、機体の集音マイクを通じて嫌でも私の耳に入って来る。 『残念ながら敗れてしまったレッドコーナーのカヴァリエにも!どうか惜しみない拍手をお願いしまぁす!』  パーソナリティーのおざなりな定型句も、今の私には耳障りなだけだ。 「くそっ、また負けた……」  勝ったアイツの機体【バッドアイズ】はスポットライトを浴び、反対に私の機体【キュラシェーア】はすごすごと格納スペースに引っ込まされる。観客達...
  • ~ザックセルVSスコープアイ~
    ...・ハートネット。 元エクストリーム・アリーナのトップランカーにして、企業や政府からは最恐とも言われた戦争屋。 11年前のある作戦によって問題を起こし、レイヴンズアークから身を引き、遊撃部隊サンドゲイルを立ち上げた。 そうだろう偽善者?」 『……どこまで知っている?』 ザックセルの声色が変わる。 こちらを敵と認めた、殺意を含む声。 「ここまでしか知らない。 だからわざわざ聞きにきた。 11年前、何があった? なぜ関連する記録のほぼ全てが隠蔽されている? お前らは何を知っていて、何を隠している?」 『……それが、お前に何の関係がある?』 気に入らない。 聞いているのは自分であって、答えるべきは相手だ。 そう思いながらも、トリガーにかけられた指をなんとか離して、話を続ける。 「関係があるから、聞いている。 ジシス財団と、その先進技術開発部……これが、お前の過去のど...
  • Coaxial
    「Coaxial*②*③」  執筆者:クワトロ大尉(偽) エデンⅣ、午前9時前後。 未だ停電によって巨大な天蓋が不吉な闇を落とすその下では、地獄絵図のような激戦が繰り広げられていた。 興行区画のパルヴァライザー掃討を担当するグローバルコーテックスのランカーレイヴン、フォルディアは目前に迫った四脚型パルヴァライザーのブレード斬撃をひらりとかわし、ガラ空きの頭部めがけショットガンの零距離射撃を叩き込んだ。 パルヴァライザーは頭部を木っ端微塵に吹き飛ばされ機能を停止する。 「ラストワン。これで何回目だよ」 退けるたびに押し寄せるパルヴァライザーを悉く撃破してきたフォルディアは埒の明かない防衛線に多少イラついていた。 フォルディアはキャリア10年を超えるベテランであり、依頼されたミッションのほとんどを遂行しここまで生き残ってきた猛者である。もちろんミッションを放棄する気も...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑫
    ⑪*⑫*⑬  理論的には実現可能だとその技術概念のみが、かの財団存続時に提唱されていた、とノウラがいつか言っていた。そして、こうも。  ──そんなモノが実用化されれば、現存する地上兵器は全て無意味になるだろうな  プライマルアーマー機能──軍事転用されたコジマ粒子の新たな可能性の形──  一瞬の空白だった。その間に、その白緑色の膜に守られていたネクスト機のカメラアイに一際強い光源色が宿り──アザミはその空白を掴み損ねた。  弾き上げられた二挺突撃ライフルの砲口が至近距離で煌き、致命的な反転攻撃をゼクトラは被った。  間断なく浴びせ掛けられる弾幕が機体各部を吹き飛ばし、ブースタ逆噴射による緊急後退の最中に左脚部関節部を撃ち抜かれたゼクトラが機体を傾しがせ、その場に片膝をついた。その間にも飛来する弾雨が外部装甲を切り裂き、ゼクトラの頭部と左腕部を破壊、短機関砲の銃身が被...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十話③
    ②*③*④                  * 『開始10分前です。出撃、スタンバイしてください』 「了解。出場資格コード:GCA-L013、出場機体コード:ラピッドタイド。スタンバイ開始します」  眼前の投射型ディスプレイから溢れる灰青色の光源が染め上げるコクピットの中、ヴァネッサは静かに、しかし大きく息を吐きだした。  コンソールキーを軽やかに叩き、機体制御プログラムの完結プロトコルを起動させる。空白に満ちたディスプレイに機体情報が関連画像と共に羅列形式で出力されていく。 『リサ、起動を完結。戦術支援プログラムを第三種準備待機態勢から、セミ・アクティヴへ移行する』 「おはよう、リサ。今日がいよいよ正念場よ。よろしくね?」 『お前の、10年の成果を見せる檜舞台だ。此方こそ、宜しく頼む』  完結プロトコルに最後に起動した機体搭載のリサ──ヴァネッサが10年前に...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十話②
    第十話*②*③  Three years later...  細かい傷跡が残る古い銀製のオイルライターを擦過させ、点った火を紙巻煙草の先端に近づける。単に濃く苦い味ばかりが特徴の紫煙を肺腑へ流し込み、片手に持った電話子機の受話口に耳を当てながらノウラはワーキングチェアに腰を深く預けた。 「頃合いだと思っていたぞ、──シェルブ」 『その言草だと、既にコトは伝わっているらしいな。変らず、其方は業務熱心のようだ』  通信媒体を介しているとはいえ約二年振りに直接言葉を交わす、レイヴンズアーク時代からの古い知己の物言いに、軽くではあるが口許を歪めて見せる。とはいえ、特段互いの再会を懐かしむ間柄でもない為、一度紫煙を肺腑に含んでから吐き出した後、ノウラはそれに相応しい言葉を省略する事にした。 「其れは私達の要諦だ。この後に及んで気を害するモノでもあるまい」 『確かにな。だが、分水...
  • ブラックバロンの苦難
    「ブラックバロンの苦難」  執筆者:ギリアム 帰宅した彼の目に飛び込んできたのは、相棒の忘れ形見である少女だった。 ―玄関でずっと待っていてくれた…? それは帰宅する父親を出迎えるような本来は微笑ましい光景である。 少女が涙眼になりながらフライパンを両手に握りしめていなければ。 彼はため息をつきながら少女に問いかけた。 「ミニム…なんですかその格好は」 ミニムと呼ばれた少女は何も喋らずにじっとこちらを見つめてくる。 ―流石にまずかったでしょうか… 己の行いを振り返ってみる。 寝ているのを起こすのは悪いと思い、外出する事を告げず依頼を受け出撃し、依頼を完遂できず帰宅。 おまけに機体は先ほどの戦闘でボロボロ、武器も破壊されてしまった。 機体も武器もミニムが一生懸命整備したものだ。 それを出撃する事も告げずに持ち出してこ...
  • シャン・メイファ
    原案:クワトロ大尉(偽) 名前:シャン・メイファ 性別:女 年齢:23 身長:167cm 体重:55kg 虹彩:ブルー 髪型:レッドのロング 体格:スレンダーだが胸は大きい 所属:グローバルコーテックス エデンⅣ支社 搭乗機体:ファンロン 概要 アーセナル・ハザード直前にレイヴンとなった女性。 レイヴンとして高い才能を持っており、デビュー当時から華々しい戦果を上げ、瞬く間にアリーナランクを上げていった。現在はアリーナBランクの2位。 性格は底抜けに明るく前向きで、あまり悩まないタイプ。また面倒見が良い姉御肌で、困った人間を見ると放っておけない。 同じエデンⅣ支社のレイヴン、ソリテュードとは恋人同士である。 ソリテュードが保護している生体CPUのアリスを実の妹のように可愛がり、面倒を見ている。 中国拳法の使い手で活発な女性であるが、料理...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十二話③
    ②*③*④ これで多少は掛かるGが軽減される筈だ。 セントラルタワーを目指し、興行区画のメインストリートを疾走していくと、横道から1機の四脚型パルヴァライザーが滑るように姿を現した。 パルヴァライザーは両肩のレーザーキャノンの砲口をこちらに向けるが、それよりも速く高速徹甲弾がパルヴァライザーの頭部を射抜いていた。 ソリテュードはスナイパーライフルによる精密射撃でパルヴァライザーを一撃で沈黙させる。 閣座する機体を横目にセントラルタワーを目指しながら、先ほどのパルヴァライザーの挙動に少なからず違和感を覚える。 何というか、機動が甘いような気がする。 もちろん一撃で仕留めるつもりだったが、あそこまでまともに食らうとは思っていなかった。 違和感は拭いきれなかったが、目的地であるセントラルタワーが目前に迫っていたため、思考を脇に追いやる。 ゆっくりとスロットルを...
  • ユウ・ダイ
    原案:ユウダイ・ユウナ 名前:ユウ・ダイ 性別:男 年齢:18 所属:レイヴンズアーク 搭乗機体:シャドームーン 概要 若干18歳のレイヴンで、トップランカーとも引けを取らない実力を持持っているのにも拘らず、政治的な理由で下位ランクに属する。 父親がトップランカーであったため、幼いときからACの操縦技量を教わっている。それがトップランカー並みの技量を獲得した所以である。 非人道的や非合法的な任務は一切請け負わない、アリーナや対ACでは正々堂々と戦うというのがポリシーである。 トップランカーであった父親を殺した伝説の赤いACを求め、アリーナのトップランカーを目指し日々精進している。 生活費や機体維持費はユウが稼いだ報酬と、父親がかつて稼いで貯金していた報酬でまかなっている。
  • The Empress Strikes Back
    「The Empress Strikes Back*②」  執筆者:クワトロ大尉(偽)  小鳥がさえずり始め、朝日が暗い夜空を塗り替えようとする頃。広大な敷地を誇る豪奢な邸宅の一画から定期的なリズムで高音が響く。この邸宅の若き主人、セシリア・フィリックスは一人で使うには些か広すぎる彼女専用の射撃練習場で、これまた彼女専用に作られた世界でただ一つのライフル[025MSR/CC(Cecilia Custom)]による射撃訓練を行っていた。  一〇〇〇mもの距離に置かれたターゲットの中心を正確に射抜き、精練された動きで次弾を装填、再び狙いを定め、一切の揺るぎなくトリガーを引く。その一連の動きはさながら精密機械の様だ。動作に掛ける時間は常に一定。寸分の違いなくターゲットを撃ち抜いていく。  その様子を一人の男がじっと見守っていた。彼はレイヴンズアークのランカーレイヴン、カーク・オ...
  • ソリテュード
    原案:クワトロ大尉(偽) 名前:ソリテュード 性別:男 年齢:27 身長:175cm 体重:67kg 虹彩:ブラック 髪型:黒のショート 体格:痩せているが筋肉で引き締まっている 所属:グローバルコーテックス エデンⅣ支社 搭乗機体:ブリューナグ 概要 グローバルコーテックスのエデンⅣ支社に所属するレイヴン。アリーナでAランク3位の実力を持つ。 17歳でグローバルコーテックスのレイヴン試験に合格し、以後レイヴンとして活動する。 性格は冷静沈着で寡黙。 戦闘時においては、先見の明を活かし、戦局を正確に読み、あらゆる事態に対応する。 生身の体でありながら、技術と経験に裏付けされた確かな力を持ち、その実力は有力な強化人間にも匹敵する。 アーセナル・ハザード時に複数存在した巨大遺跡の一つに単身突入し、これを沈黙させた実績を持つ。これ以降、世...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十四話
    第十三話/ /第十四話/ /第十五話  第十四話 執筆者:ユウダイ・ユウナ 店内には客の姿はない。だが、マスターは気にせずカップを磨く。客がいないときはいないときで、その静かな時間を彼は好んだ。娘は所要で出かけているため働ける人間は彼しかいない。人を雇うことをしないのは、娘と一緒に経営することが楽しみの一つであり、その一時が幸せだからだ。しかし、娘はあるレイヴンのオペレーターも兼業しているため、依頼があればオペレーターの仕事をするために家を留守にする。それでも、彼は止めることはしなかった。娘の生き方は娘が決めること、強制することではない。彼女の“本当の父親”の遺言を尊重してのことだった。カランと入り口の鐘がなり、客が来たことを認識すると、いつも通り「いらっしゃい」と声をかけようとした。だが、言えなかった。久々に会う女性がそこにいたからだ。 「久しいな。」 その様子を悟っ...
  • Coaxial②
    「Coaxial*②*③」 フォルディアはオーバードブーストで最接近しつつ、目前の敵集団にグレーネードが着弾するのに合わせてブーストをカット、急制動をかけ、こちらを見失っている隙を突き、ブーストジャンプでパルヴァライザーの無防備な上を取り、苛烈なトップアタックを仕掛ける。 「まったく・・・進歩ねぇな、コイツら」 編隊を組んで密集している部分を狙い、トリプルロケットの連続射撃を見舞う。 前方からの強烈なグレネードキャノンによる砲撃と頭上から雨のように降り注ぐロケット弾の斉射によりパルヴァライザーの集団は成す術もなく瓦解していった。 編隊を崩され、散り散りになり、右往左往するパルヴァライザーの群れの中にフォルディアはあろうことか自ら降り立っていった。 ブーストを吹かしながら軟着陸すると、生き残ったパルヴァライザーは一斉にルーンへと狙いを定め、取り囲むように急接近してきた。 ...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話③
    ②*③*④ 「……良い味だ。こういった物が無くなっては、財産の損失だな」  立ち上がった所でもう一本抜き出した紙巻煙草を口許に咥え、先端に紅点を点した。何度か紫煙を吹かして静かな時間が過ぎた後、同じく紫煙を地べたで味わっていた男が切り出した。  「──生け捕りの割には、随分と迷いのない立ち回りだったな?」 「妙な言い回しだな。何が言いたい」  片頬を地べたに付けた格好のまま、壮年の男は何らかの意図を宿した鋭い視線をこちらに上げてみせる。その相貌に姦計といえる感情はなく、ただ、此方への純粋な問いかけのようにリサには感じ取ることができた。そして正にその通り、男はその言葉を口にしてみせる。 「なに、唯の問いだよ。──どうにも君は、見慣れない種類の人間のように思えてね」  その男の言葉は、彼という人間がこれまでに渡って来た世の凄惨さそのものを反映しているようであった。 ...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話②
    第十三話*②*③  兵器開発部の連中は、そういうイメージが重要だとも言っていた。搭乗者其々でイメージは異なり、それに合わせて統合制御体は意思判断の反映解釈を複雑化させていくのだと。  ──つまり、過去の経験に裏打ちされた意思判断が、自身によるネクスト兵器の制御技術の根幹となっているのである。  二度目に吹かした追加推力によって前方展開中の二機の目標との距離を瞬時に詰み切る。まともな迎撃態勢を取る事すらできずに隙を曝し出した二機の胸部に其々砲口を突き付け、至近距離からの掃射攻撃で胸部を吹き飛ばした。搭乗者の即死によって機体制御を崩した機体が明後日の方向に突撃銃の弾幕をばら撒きながら、路上に地響きを立てて斃れる。  死の間際、搭乗者達は無意識に呪っていたかもしれんな。  地下トンネルという閉鎖空間の中で、真正面から唯のAC機体が突っ込んで来ていたという事実を額面通りに信用し...
  • Dépression du chevalier②
    「Dépression du chevalier*②」 (何をしたんだ、いったい!?)  よもや直進して来る重量級の機体に回避されることなど完全に想定外だったため、カヴァリエは混乱から一瞬の隙を曝す。そしてその一瞬さえも相対する敵には致命となり得ることをカヴァリエは思い知らされる。  ガッガンッ!とコックピットを連続で揺さぶる衝撃によりカヴァリエは我に帰った。  何をされたかなど機体AIの報告を聞くまでもない。反撃を受けたのだ。恐らくは右腕部の得物であるスナイパーライフルで。 【機体AP低下、左腕部損傷軽微、コア損傷軽微】 「チィッ……!」  機体AIの報告を聞き、カヴァリエは軽く舌打ちしつつも【キュラシェーア】を後退させ、再度チャージの完了したレールキャノンを構える。 「足さえ止めれば!」  再び【アイムール】の脚部に向け放たれた光条は、やはり狙いを外されアリーナの床...
  • Armored Core - Execution -
    Armored Core - Execution -*②*③ 執筆者:柊南天  Armored Core - Execution - EpisodeⅠ  第一種戦闘態勢を継続維持中の各種センサー機能が戦域環境情報を逐次収集し、HMDに出力したエリアマップに状況を更新していく。  マルチコンソールを操作してエリアマップを回転──多数の動体反応が著しく動く位置座標を見咎め、ヴァロージャは眼球動作に追従機能するフレームシステムを用いて搭乗機の頭部カメラアイを眼下の地上へ傾けた。  上空域にまで届く黒煙の切れ目に覗く広大な赤土の岩壁地帯、その地上部で動体反応源である前線兵力が火線を交えている。複雑な岩壁地形の地上で敵味方の機械化部隊が高密度に衝突し、大きな爆発音が幾度となく響く。  有視界に映る有り触れた戦場の光景を見つめていた時、作戦支援室から通信要請が入り、ヴァロ...
  • Armored Core - Execution - 1‐1
    「Armored Core - Execution - 1‐1 * Armored Core - Execution - 1‐2 * Armored Core - Execution - 1‐3」  執筆者:柊南天  第一種戦闘態勢を継続維持中の各種センサー機能が戦域環境情報を逐次収集し、HMDに出力したエリアマップに状況を更新していく。  マルチコンソールを操作してエリアマップを回転──多数の動体反応が著しく動く位置座標を見咎め、ヴァロージャは眼球動作に追従機能するフレームシステムを用いて搭乗機の頭部カメラアイを眼下の地上へ傾けた。  上空域にまで届く黒煙の切れ目に覗く広大な赤土の岩壁地帯、その地上部で動体反応源である前線兵力が火線を交えている。複雑な岩壁地形の地上で敵味方の機械化部隊が高密度に衝突し、大きな爆発音が幾度となく響く。  有視界に映る有り触れた戦場の光景...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十話④
    ③*④/ /第十一話                                *  新鋭レイヴンのアリーナ本戦出場を快く思わない武装勢力による妨害工作を阻止せよ──  事前にあらゆる手を使って【ターミナル・エリア】は、詳細情報を入手。予備大会決勝後の隙を狙って、新鋭レイヴンの命を頂戴すべく潜伏待機していた武装勢力を急襲、制圧した事により作戦は滞りなく成功した。  拘束された武装勢力の実行部隊が、ガロの指揮した機械化急襲部隊員に引連れられて傍の車道に待機していた装甲輸送車に載せられていく。  アリーナ内部に侵入せずに決勝終了後の隙を外部から狙おうとしていた当たりは、賢しいといっていいレベルだが、逆に出来ること言えばそんな程度のものだと、ガロは胸中で悪態をつく。  グローバル・コーテックス相手の新鋭レイヴンが本戦への出場資格を手にした場合、武装勢力は作戦自体を放...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第六話
    第五話①/ /第六話/ /第七話  第六話  執筆者:ユウダイ・ユウナ  少し外れにある小さな喫茶店にユウとレナはいた。特に任務や依頼がない時はレナは店の手伝いをしている。もともとこの喫茶店はレナの父親がマスターをしており、彼女もウェーターとして働いていた。ユウはこの喫茶店の常連客である。しかし、ユウにしろレナにしろ複雑な事情を過去に持つ人間だった。ユウの父親はレイヴンであり、トップランカーであった。しかし、イレギュラーの認定を受け殺された。レナの父親もレイヴンであり、同じくイレギュラー認定を受け殺されていた。今の父親は本当の父親ではなく、彼女の父親の兄が引き取って面倒を見ている。しかし、ユウは父親と同じレイヴンとして今を生き、レナは家業である喫茶店で働きながらユウの専属オペレーターとして活動していた。ユウが父と同じ道を進む可能性が高いレイヴンとして生きるのは理由がある。“父を...
  • -レイヴンズ・レポート レナ・セイガ編-
    「-レイヴンズ・レポート レナ・セイガ編-」  執筆者:ユウダイ・ユウナ 今日はお越しいただきありがとうございます。 いえ、こちらこそよろしくお願いします。 早速ですが、あなたはアークに所属しているユウ・ダイのオペレーターをされているそうですが、きっかけはなんだったんですか? きっかけは・・・、彼が「エクスカリバー」というACを使わなくなってからですね。 つまり、彼はシャドームーン以外にもACを所有していると。 シャドームーンは元々彼の父のACなんです。彼は物心ついた時からレイヴンとしての才能を開花させたそうです。そこで、父親が所有していたパーツを使ってもう1機ACを組んだ。それが「エクスカリバー」なんです。最初はそれで訓練していたんですが、ある日を境に「エクスカリバー」には乗らなくなったんです。 そうなんですか・・・。でも、今は「シャドームー...
  • Coaxial③
    「Coaxial*②*③」 一方、同じころ。 重工業区画の一角に、金色をベースにしたお世辞にも趣味がいいとは言い難い1機の中量二脚ACが息を潜めるように、ゆっくりと歩行していた。 構成パーツの全てをクレスト製品で固めたこの機体こそ、エデンⅣアリーナのAクラス2位に君臨するAC「キングスターク」であった。 それを操るレイヴン、ノーブルマインドは、まるで何かに怯えるように息を荒くし冷や汗をかきながら、ある場所を目指していた。 目を血走らせながら周囲を忙しなく警戒し、暗く細い路地を進んでゆくその姿はドブネズミのようだ。 もはやそこにAランク2位という輝かしい地位や名声などある筈もなかった。 「くそ、くそくそくそっ!冗談じゃない、こんな事に付き合ってられるか!!」 ノーブルマインドは誰に聞かせるでもなく、しかし、まるで誰かに聞いてほしいかのように大声で毒づいた。 「ちくしょ...
  • The Empress Strikes Back②
    「The Empress Strikes Back*②」  アリーナ戦から二日たったその日の夜。セシリアはアーク本社から少し離れたビル街の路地裏を歩いていた。向かうはお忍びで通っている行きつけのバー『Harvest moon(ハーベスト・ムーン)』。雑居ビルが立ち並ぶ旧市街地の路地裏にひっそりと店を構える、知る人ぞ知る隠れた名店だ。アリーナ戦でのインタビューや雑誌記者の取材、デスクワークなどを一通り片づけ、ようやく訪れたプライベートな時間を、お気に入りのカクテル「ジャック・ローズ」を傾けながらゆっくりと過ごそうと考えたのである。  細い路地裏に、ハイヒールが地面を打ち鳴らす甲高い音が反響する。女性が歩くには、いくぶん心許ない街灯が申し訳程度に暗闇を照らす。光が届かない道端は深い闇で覆われ、何かが潜んでいそうな不気味さを孕んでいるが、セシリアはそんなことを気にも留めず、堂々と歩みを進...
  • The rest is silence -Erster Akt-②
    「The rest is silence -Erster Akt-*②」  -Arena・Corridor-  ――その復讐が果たされたとき、貴方は自分自身に何を思うでしょうね。  脳内に木霊する黒騎士の言葉。黒騎士のどこか見下したような独特の口調とその態度、そして「あの言葉」はアハトの精神を揺さぶるのに十分な効果を得たが、それでも彼はこの復讐というものがいずれ破滅をもたらすであろうことを充分に理解していた。  死神に拐かされ、一度は暗闇で満たされた向こう岸へと進めた歩み。如何なる手違いか、あるいは書類に不備でもあったのか。許可されたはずの死は何者かによって剥奪され、自分は再び闘争と略奪が満ちる地上へと送り返された。  再び手にすることができた生命。あるいは万人ならば、喜び勇むところなのかもしれない。  だが戻されたのは己の命のみ。故郷であるヴォルムスは瓦礫の山と...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十一話
    第十話/ /第十一話*②  第十一話 執筆者:CHU 曰く――幾多の大企業の本社ビルが置かれ、常に権謀術数が渦巻く坩堝。 曰く――他者を少しでも出し抜き、甘露にありつこうとする狸共の巣穴。 あらゆるシェルター都市を凌駕した堅牢な都市防衛機能――最早要塞とも呼べるレベルのそれを備えたエデンタイプコロニー。それがこの〈エデンⅠ〉だ。 グローバルコーテックスもまた、他の巨大軍需企業と相違無く〈エデンⅠ〉に本社を置いている。 そのコーテックス本社ビルの地下三階から地下九階は、『自衛と自社占有利益の確保』を標榜する《特殊技術戦力開発局》の研究棟となっている。完璧な防音処理が施された研究棟の一室で、今まさに密談が始まろうとしていた。 一人は青いロングコートに身を包んだ若い風貌の男――グローバルコーテックス専属レイヴンのスワローだ。 そしてもう一人は、特殊技術戦力開発...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第五話
    第四話/ /第五話*②  第五話  執筆者:クワトロ大尉(偽)  人類を襲った未曾有の危機、『アーセナル・ハザード』により世界が荒廃して5年。  世界は混迷を極めていた。  企業は己の利権を広げようと躍起になり、政府は政治主導を企業に乗っ取られるのを危惧して勢力の立て直しと拡大にのみ力を注いだ。  誰も自分の手に余る世界などというものを救おうとはせず、ただ己の幸福を追求した。  結果、企業や政府に係り合いのない多くの人々は虐げられ弱肉強食の分かりやすい理論が横行していた。  金のない人間は常に古代兵器の襲撃に怯え、金のある人間は安全な場所で豊かな暮らしを約束された。  コロニー『エデンⅣ』。各企業がしのぎを削る商業区画の隣に位置する居住区画。  快適な環境のマンションが立ち並ぶ居住区画だが、その中でもひときわ快適な高級マンションの一室で、若い男が通信用マルチ...
  • アリス
    原案:クワトロ大尉(偽) 名前:アリス 性別:女 年齢:不明 身長:134cm 体重:35kg 虹彩:レッド 髪型:プラチナブロンドのロング 体格:未発達の幼い体つき 概要 旧世代遺跡の最奥部で発見された人工生命体。 現在の世界で生体CPUと呼ばれるうちの1体。シリアル番号はNo.01。 グローバルコーテックス・エデンⅣ支社のレイヴン、ソリテュードが発見し個人で保護している個体。アリスという名前はソリテュードが名付けたもの。 生体CPUだということは判明しているものの、詳細は分からず、個別特殊能力なども明らかになっていない。 他に発見されている個体に比べ、身体や思考系統が圧倒的に幼く、育成途上で何らかの理由により凍結し保存されていたと推測されている。 性格は非常に大人しく感情表現に乏しいため、何を考えているのかよく分からず、ミステリアスな雰囲気...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十一話②
    第十一話*②*③ コーテックスの社有ガレージは本社施設の地下に備え付けられている。 地下に張り巡らせられたリニアなどの交通機関を利用しやすくするためだ。 もっとも、これは一般的な貸ガレージにも言えることである。 スワローはガレージの入口に取り付けてあるセキュリティーにIDカードを滑らせ、十六桁にも及ぶ暗証コードを空で打ち込む。最後に指紋と虹彩認証をパスすると、やっとドアロックが解除された。 ガレージに足を踏み入れると、赤外線センサーで人の入室を感知した照明が、自動でガレージ内を照らし出した。 只広いガレージ内には三機のACが立ち並んでいる。 一つは【ARROWS】――コーテックスの試作ネクストだ。 近日中に行われる換装作業のためか擬装装甲が外されており、専用の武器もこの間のクレスト新型戦で破壊されたため、ハードポイントには何も取り付けられていない。 ...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十二話②
    第十二話①*②*③ アザミは人間を遥かに超えた動きでガトリングガンの暴風雨のような弾幕を掻い潜り、MTを翻弄していた。 目標が小さすぎる上に、あのスピードだ。MTのカメラアイとFCSでは捉えきれないだろう。 アザミの余裕すら感じられる動きに多少の安心感を覚えつつ、自分も加勢できる瞬間がないかと機会を窺う。 MT相手に少しも止まることを知らないアザミに業を煮やしたのか、MTのうちの1機のバズーカが火を噴いた。 その砲弾はアザミの前方の道路に着弾し、路面を派手に抉りながら無数の破片をまき散らす。 アザミは雨のように降り注ぐ瓦礫片に臆することもなく、腕の中のアリスを庇いながら抉れた路面を低い姿勢で軽々と跳躍しつつ、身体を捻り、片手でグレネードランチャーを自身へ狙いを定めているMTに向けた。 その砲口がMTのカメラアイへ向けられていることに気付いたソリテュードは自分も打...
  • Armored Core - Overdrive -
    「Armored Core - Overdrive -」  執筆者:柊南天 『──本日は、GCA(Global Cortex Airlines)をご利用頂き、誠にありがとうございます。当便は、GCA155便、【GC.Eden.ⅳ】行きで御座います──……当機の離陸予定時刻は──』  ファーストクラスの座席に着いて、何度目かの機内アナウンスが流れる。頬杖を付いて視線を傾ける客室窓の外は未だ暗く、警戒灯が緩やかに明滅して主要滑走路の輪郭を朧に浮かび上がらせていた。  客席の近くに人気を感じて頬杖を解いた時、丁度傍を通りかかった若い風貌のアテンダントと視線が交わる。  ハイクラス専用の航空機とあり、アテンダントは洗練した挨拶を述べ、入用のものはないかと尋ねた。  さして食欲もなかったリオは、舌を湿らせる程度にと珈琲をオーダーした。 「──エスプレッソを」  恭しく応えたア...
  • The rest is silence -Erster Akt-
    「The rest is silence -Erster Akt-*②」  執筆者 宮廷楽人・タカ坊  舞台 アリーナ  種別 決闘劇  演奏形式 二重奏  楽器構成 短機関銃×2、自動小銃×1、電磁投射砲×1、榴弾砲×1  配役  ・黒騎士 ブラックバロン  ・復讐鬼 アハト  では、始まりの鐘を打ち鳴らそうか。第一幕の幕開けである。  瞳を向けて欲しい、耳を傾けておくれ。  今宵の催し物は如何にも貴方達を充足させることだろう。  人は誰しも、他者の悲劇を好むのだから――。  さて、歌い手は彼、ただ一人だ。独唱。そう、如何にも独唱だ。  彼は黒百合で満ちた沼を獣のように泳ぎ、蟲のように足掻き、そして――人のように苦しむ。  恋焦がれ、追い求め、妄執した復讐。だが、その果てにあるのは限りないほどの空隙だ。  必死の思いでたどり着い...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑩
    ⑨*⑩*⑪  変わらず抑揚を欠いた言葉。しかし、ガロはその口調の裏側に僅かな焦りの介在を感じ取っていた。  統合制御体がファントムヘイズとの近接対峙を前に、機体制御態勢の速やかな移行を推奨する。 「知らんだろうな。貴様が世界の裏側でのんびりとしている間に、この地上世界は大きく変容した──」  意思判断し、左腕部に携えた適合兵装を持ち上げる。それに合わせてファントムヘイズも狙撃銃の銃口を動かした。長鑓を思わせる長大なひとつの銃身を基軸とし、レールシステムの搭載によって多種兵装の搭載を可能にした実働試験機体:マルシアの為のみに製造された大型の適合兵装。 『貴様に見せてやる。この五年間、世界がどう動いたのかをな──』  その言葉を最後とし、一方的に通信回線を解除。  統合制御体に指示し、機体制御態勢の速やかな移行を指示する。  その間際、再びハルフテルが最後に言い...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第八話
    第七話/ /第八話/ /第九話  第八話  執筆者:ヤマト 「また、この感覚」 生体と機械が感覚を共有する時の独特の不快感、知らない筈の知識、わからない筈の感覚が一瞬で未知から既知へとシフトする。ついで自分の中に他人がいる。旧世代の技術を復活さようとしている組織を攻撃する為にナインボールを起動させたハスラーワンという名の男だ。 「っ…ハスラー、入り過ぎ」 (解った) 私の中に入り過ぎたハスラーワンの意識を外側へ追い出しながら起動シーケンスを立ち上げる。 本来ならナインボールの起動に私は必要ない。このナインボールは負荷低減型ネクストのためAMS適正の高いハスラーワンなら一人で操れる。にも関わらず生体CPUである私が同乗しているのは戦闘になるとハスラーワンが機体の限界以上の性能を要求し機体がオーバーロードするからだ。パイロットを守るはずの私は機体を守るためのリ...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第五話②
    第五話*②/ /第六話  リニアは少しもスピードを落とさずに目的地へと向かう。  運搬用リニアはもちろん無人で、入力されたプログラム通りの進路を走っていく。  今通っているのはサービストンネルと呼ばれる場所で、エデンの地下階層にクモの巣のように張り巡らされている。  同じようにエデンに路線が張り巡らされているリニアとの違いは行き先だ。  サービストンネルは工場や制御区の制御棟のジェネレーターや制御装置が設置されている地下階層に素早くアクセスする連絡通路で、業者や政府関係者しか利用できないのだが、グローバルコーテックスはエデンⅣ建設のおり、エデン内部での作戦時に素早く展開できるようにサービストンネルの利用許可と路線の開通権を取得していたのである。  政府も建設に巨額の出費をし、完全中立を掲げるグローバルコーテックスにノーとは言えなかったためだ。  程なくして、リニアは制...
  • Interlude.2
    「Interlude.2」  執筆者:クワトロ大尉(偽)  レイヴンズアーク本社地下に設営されているACガレージ。  その内の一つに1機のACが大型エレベーターで搬入されてきた。  黒に近いダークグレイのACは大部分をクレスト系のパーツで構成された標準的な中量二脚で、大した損傷もなくミッションを遂行し、無事に帰還した。  レイヴンズアーク所属のレイヴン、バッシュことカーク・オーチャードはガレージの中央部、所定の停止位置である昇降リフト上に彼の愛機『サーベラス』を停める。  システムを通常モードからアイドリング状態へと移行したところで、専属オペレーターのジェシカ・テイラーから通信が入った。 「レイヴン、ミッションお疲れさまでした。収支結果の詳細は後ほどお伝えしますが、おおよそ7割強の報酬が見込めると思います」  上々の報酬であるにもかかわらず、カークは大し...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑪
    ⑩*⑪*⑫  昇降機の下降制御情報によると、現在地下高度は千数百メートルまで下がっている。エデンⅣ全域に散在する区画隔壁管理局の運営する昇降機でも通常では、地下数百メートル程度の経済管轄階層までしか降りられない。それより先へ進むには、制御システムに専用コードでアクセス指令を出すかプログラム自体を改竄する方法と取らねばならない。  地下核部構造体は複数の空間層によって構築されているが、不定勢力の依頼主が指定してきた作戦領域はその最下層区域であった。  その最下層へ、間もなく到着する──  数十秒後、昇降機の停止と共に制御システムが最下層区域への到着をプログラムヴォイスで伝え、隔壁扉が開放される。 「動体反応はない、が──」  前方に伸びる連絡通路は赤黒く点滅する警戒灯によってその全貌を淡く映し出しており、ルートマップ上でゼクトラの現在位置を把握。搭載レーダー機能を戦術...
  • Interlude.1
    「Interlude.1」  執筆者:クワトロ大尉(偽)  とある高層ビルの一室。  大企業の重役クラス級の豪勢な執務室で一人の男がデスクトップのディスプレイを注視していた。  そこに映っているのは2機のACによる一騎打ちの映像で、真紅のACと白いACが激しい戦闘を繰り広げている。  知的な雰囲気と風貌を兼ね備えたその男は、画面内で目まぐるしく動く2機のACの動きを一瞬たりとも見逃すまいと真剣にディスプレイを見つめ続ける。  永遠に続くかと思われた戦いは互いが零距離まで接近し、白いACが真紅のACのコアをレーザーライフルで撃ち抜くことで終わりを告げた。  一般人からすれば、エンターテイメント用に誇張表現した映像にしか見えず、関係者であっても、にわかには信じ難い内容である。  しかし、この記録映像は紛れもない真実であり、つい先日起きたエデンⅣ襲撃事...
  • Armored Core - Execution - 1‐2
    「Armored Core - Execution - 1‐1 * Armored Core - Execution - 1‐2 * Armored Core - Execution - 1‐3」  誘導灯が不規則に明滅する薄暗い搬入路を十数秒で突き抜け、内郭部出口へリスタートを滑り込ませる。 「これは──結構な有様だな……」  進入に成功した内郭都市部の惨状を目にした時、先ほど作戦領域上空より緊急離脱した輸送機から通信要請が発信されてきた。戦術支援AIに口頭指示して、戦時回線を確立させる。 「此方、戦力コード【リスタート】。大丈夫か、カテリーナ──?」 『はい。後部カーゴをパージしましたが、何とか……。現在、友軍増援部隊との合流進路にて待機中です。ヴァロージャ、其方は──?』 「現在、シェルター内部へ進入した所だが──」 『成程、酷いようですね──』  稼動中のデー...
  • Armored Core - Execution -②
    Armored Core - Execution -*②*③  誘導灯が不規則に明滅する薄暗い搬入路を十数秒で突き抜け、内郭部出口へリスタートを滑り込ませる。 「これは──結構な有様だな……」  進入に成功した内郭都市部の惨状を目にした時、先ほど作戦領域上空より緊急離脱した輸送機から通信要請が発信されてきた。戦術支援AIに口頭指示して、戦時回線を確立させる。 「此方、戦力コード【リスタート】。大丈夫か、カテリーナ──?」 『はい。後部カーゴをパージしましたが、何とか……。現在、友軍増援部隊との合流進路にて待機中です。ヴァロージャ、其方は──?』 「現在、シェルター内部へ進入した所だが──」 『成程、酷いようですね──』  稼動中のデータリンクシステムによって転送され続けている有視界映像を目にしたのだろう、カテリーナは自身と似たような言葉を口にした後、小さく息をついた。...
  • 屍翼の奏者②
    「屍翼の奏者*②」 「反対に、専属契約を結んだレイヴンは依頼の選択権が基本的に無い。そして優先的に達成困難な依頼が回される事になるが、拒否権も無い。隷属化と言えば聞こえは悪いが、そのようなものと思ってくれて結構だ」 「……けったいな話だ」 「何も悪い面だけ話している訳ではないよ。報酬は相場に比べて遥かに高額であるし、機体の修理費・弾薬費・維持費・ガレージ料などは全てコーテックス側が持つ。もちろん機体パーツや新しい武装も望めば無償で提供される。社員扱いに当たるから、シーズン毎にボーナスも出るね。輸送機や交通機関なども使いたい放題。食事無料で邸宅も完備!どうかな、悪いだけじゃないだろう?」 ギュスターヴは手を大仰に広げ、道化じみた仕草で語る。 「夢のような話だ」 「そう、それ故に専属を希望する者は後を絶たないが、我々が望むのは優秀な戦力だ。どこにでも居るような匹夫ではな...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十二話④
    ③*④/ /第十三話 ――ガレージに戻って武装を整えるしか手が無いな。 ミランダにガレージへの最短ルートの検索を頼もうとしたその時、嫌な予感がしてアリスを庇いながら咄嗟にフルブレーキングする。 直後、目の前で大爆発が起き、路面を大きく抉り返し、爆風と瓦礫がブリューナグを震わせる。 背後に迫る無機質な殺気を感じ、振り向くと、そこには1機の赤いACが立ちはだかっていた。 ――やはりな、とうとう現れやがったか。 「ナインボール・・・コピーか」 ―ナインボール・コピー― 統一政府がイレギュラーと認定したレイヴンを抹殺するために暗躍する、ネクスト技術を取り入れたAC。完全自律制御で、オリジナルよりもデチューンされているとはいえ、既存のACを凌駕する性能を持っている。 「な、ナイン・・・ボール、ですって?有り得ません!ソリテュードがイレギュラー認定されるなど!!」 ...
  • ARROWS
    原案:CHU 機体名:ARROWS 搭乗者:スワロー 概要 ジシス財団で培ったネクスト技術を持ち帰り、グローバルコーテックス本社が秘密裏に開発中の試作ネクスト。 フレームや内部パーツには既存の企業規格製品が使用されているが、ネクスト技術によって改良が加えられており、パラメータを見れば全く別の代物と言って良い。バックブースターとサイドブースターに至ってはコーテックス社の完全なオリジナルパーツである。 機体操縦システムにAMSではなく、ICS(Integrate Control System)というAMSの劣化版ともいえるものを採用している。その結果、性能そのものはAMSに大きく譲るものの、パイロットに掛かる負荷をAMSに比べてかなり軽減することが可能となっている。 普段は隠蔽用の重量装甲を纏っているが、機体及びパイロットに危険が迫ると装甲を爆薬によってパージ...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十六話②
    本編十六話*②* ③  マイはリナリアと名乗った少女の手をとり、共に簡素な照明が照らす艦内通路を歩む。少女の手は小さく繊細であり、僅かながら冷えている。歩みにややぎこちなさがあるのは、緊張のためだろうか。  マイは立ち止まり、少女に向き直る。 「それじゃ、改めて……俺はマイ――マイ・アーヴァンク。よろしくな」 「は、はい……。リナリアです……」  硬い動きでお辞儀をする少女。制動のはっきりした動作ゆえに、その勢いに負けて少女の頭部に乗っていた白磁の帽子が零れ落ちる。栗色の長い髪が扇状に揺れる。  マイは帽子が地に落ちる前に掴み取る。 「あ――」 「――ふー。何とか落ちずに済んだ。はい、これ」  マイは薄蒼色のリボンが小さく備え付けられた帽子を、少女に手渡す。少女――リナリアは栗色の髪を押さえ、俯きつつも言葉を紡ぐ。 「あ、ありがと……ございます」  途切れ途...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第九話②
    第九話*②*③  ミラージュ社直轄経済管轄領、閉鎖型自治区【ソグラト】── 午後一五時三〇分──。  艦艇上部区画の展望施設から臨む荒野に、黄塵を含んだ陣風が不規則に渦巻いている。  霞むその荒野の中に数日見なかった人工物──都市全域を覆う外殻機構を見咎めた時、艦内内線を通じてインカムに通信が届いた。 『繋留コロニーに着くわ、マイ。ボーディング・ブリッジに移動するから、手伝ってちょうだい』 「オーケー、すぐに行くよ」  外景に傾注していた視線を戻し、マイは艦内八階の乗降施設に直結する連絡通路へ再び足を向けた。  繋留施設への接近報告が艦内放送を通じて響き、先程まで落ち着いた静けさを保っていた艦内が俄かに騒がしくなり始める。繋留準備の為に通路を行き交う見知りのクルーらと目礼を交わし、込み合う昇降設備を避けて連絡階段で一気に八階まで駆け上がった。  すぐ右手、右舷第七...
  • The rest is silence -Vorspiel-
    「The rest is silence -Vorspiel-」  執筆者 宮廷楽人・タカ坊  ――いた。  月明かりが照らす地上。文明という素材で組み上げた瓦礫の塔の市街地。瞬いているのは、街灯とオフィスの灯火。  乱立する鈍色の高層ビル。密集したそれらの間を縫うように飛び交う人影が一つ。その軌跡は緩やかだが、時に切先のように鋭角だ。  視線が暗躍する人影を追う。鈍色を満遍なく敷き詰めた景色の中で、その人影は夜空に瞬く星のように浮き彫りだ。人影は地上三〇〇メートルのビルの屋上を、飛び移りながら移動している。屋上から屋上へ、蜘蛛を思わせる動きで翔け抜けていく。  ビル間を跳躍するという常軌を逸脱した移動方法とその速度、常人の眼で追うのは決して容易くはない。この右目でなければ疾うの昔に見失っていたことだろう。  人影が円柱形のビルの屋上で静止した。位置は...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑥
    ⑤*⑥*⑦  含みを持たせた言葉にガロが冷静な返答をよこす。  中央メインモニターに都市全域への戦力配備状況が次々と舞い込み、統合司令部の指揮機能確立に従って戦線が徐々にではあるが、確立しつつある。 「此れからが本当の戦場だ。──貴様らが何を望んでいるのが、ゆっくり教えてもらう事としよう」  かつて自らが与えた叡知を使い統一連邦は何を求めているのか、この騒乱の終わりの時にどんな結末が用意されているのかを想起し、ノウラは口許を大きく歪めた。  AM08 05──                                   *  ──その戦闘は後に【ナヴラティロヴァの惨禍】と呼ばれ、30年以上に渡って戦争史に語り継がれる事となった。 『──完全な奇襲及び殲滅戦闘だ。目に映る者全てを逃すな、徹底的に蹂躙しろ』  無線を介した部隊...
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