ARMORED CORE Handed Down Heroism @ ウィキ内検索 / 「カーク・オーチャード」で検索した結果

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    ...リア・フィリックス カーク・オーチャード)   野心と陰謀が渦巻くレイヴンの「聖域」。高貴なるアークの女帝の矜持とは? ■ Coaxial (登場人物:フォルディア)   戦火に包まれた「エデンⅣ」。死闘の最中、歴戦のレイヴン「フォルディア」は何を見る。 ■ Intermission -Imitation summer- }(登場人物:ソリテュード アリス メイファ)   作り物の常夏の地で、二人のレイヴンと一人の少女は、つかの間のやすらぎを得る。 作:宮廷楽人・タカ坊 ■ The rest is silence -Vorspiel- (登場人物:アハト)   月は躯の如き静謐を纏う瓦礫の上を、厳かに昇っていく。   夜を駆ける魔物は呻きと嘆きを従いて、夜の街を彷徨い歩く。   慎ましやかなる静寂の内で繰り広げられる悲劇の序曲。   残響のみが、月明かり...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 外伝
    ARMORED CORE Handed Down Heroism -Side storys- 作:CHU ■ Dépression du chevalier (登場人物:カヴァリエ、ルガノルフ)   血気に逸る若き女騎士は、憩い場にて老いた大鴉と出会う。   彼は、一時の歓楽を玩味する代わり、彼女に自らの詮術と訓蒙を分け与えた。     Page-1   Page-2 ■ 白翼の対価 (登場人物:アルバート フラーネ)   貪婪な世界の闇は男の全てを喰らい、全てを奪い去った。   地位も、名誉も、骨肉も、――果ては人間としての尊厳さえも。   全てを奪われた男は、ある時、燦然たる光輝と出会う。   ――そしてその光輝は、新たに、男にとっての全てとなった。    Page-1 Page-2 Page-3 ■ 屍翼の奏者 (登場人物:アルバート フラーネ) ...
  • Interlude.1
    「Interlude.1」  執筆者:クワトロ大尉(偽)  とある高層ビルの一室。  大企業の重役クラス級の豪勢な執務室で一人の男がデスクトップのディスプレイを注視していた。  そこに映っているのは2機のACによる一騎打ちの映像で、真紅のACと白いACが激しい戦闘を繰り広げている。  知的な雰囲気と風貌を兼ね備えたその男は、画面内で目まぐるしく動く2機のACの動きを一瞬たりとも見逃すまいと真剣にディスプレイを見つめ続ける。  永遠に続くかと思われた戦いは互いが零距離まで接近し、白いACが真紅のACのコアをレーザーライフルで撃ち抜くことで終わりを告げた。  一般人からすれば、エンターテイメント用に誇張表現した映像にしか見えず、関係者であっても、にわかには信じ難い内容である。  しかし、この記録映像は紛れもない真実であり、つい先日起きたエデンⅣ襲撃事...
  • Interlude.2
    「Interlude.2」  執筆者:クワトロ大尉(偽)  レイヴンズアーク本社地下に設営されているACガレージ。  その内の一つに1機のACが大型エレベーターで搬入されてきた。  黒に近いダークグレイのACは大部分をクレスト系のパーツで構成された標準的な中量二脚で、大した損傷もなくミッションを遂行し、無事に帰還した。  レイヴンズアーク所属のレイヴン、バッシュことカーク・オーチャードはガレージの中央部、所定の停止位置である昇降リフト上に彼の愛機『サーベラス』を停める。  システムを通常モードからアイドリング状態へと移行したところで、専属オペレーターのジェシカ・テイラーから通信が入った。 「レイヴン、ミッションお疲れさまでした。収支結果の詳細は後ほどお伝えしますが、おおよそ7割強の報酬が見込めると思います」  上々の報酬であるにもかかわらず、カークは大し...
  • The Empress Strikes Back
    「The Empress Strikes Back*②」  執筆者:クワトロ大尉(偽)  小鳥がさえずり始め、朝日が暗い夜空を塗り替えようとする頃。広大な敷地を誇る豪奢な邸宅の一画から定期的なリズムで高音が響く。この邸宅の若き主人、セシリア・フィリックスは一人で使うには些か広すぎる彼女専用の射撃練習場で、これまた彼女専用に作られた世界でただ一つのライフル[025MSR/CC(Cecilia Custom)]による射撃訓練を行っていた。  一〇〇〇mもの距離に置かれたターゲットの中心を正確に射抜き、精練された動きで次弾を装填、再び狙いを定め、一切の揺るぎなくトリガーを引く。その一連の動きはさながら精密機械の様だ。動作に掛ける時間は常に一定。寸分の違いなくターゲットを撃ち抜いていく。  その様子を一人の男がじっと見守っていた。彼はレイヴンズアークのランカーレイヴン、カーク・オ...
  • The Empress Strikes Back②
    「The Empress Strikes Back*②」  アリーナ戦から二日たったその日の夜。セシリアはアーク本社から少し離れたビル街の路地裏を歩いていた。向かうはお忍びで通っている行きつけのバー『Harvest moon(ハーベスト・ムーン)』。雑居ビルが立ち並ぶ旧市街地の路地裏にひっそりと店を構える、知る人ぞ知る隠れた名店だ。アリーナ戦でのインタビューや雑誌記者の取材、デスクワークなどを一通り片づけ、ようやく訪れたプライベートな時間を、お気に入りのカクテル「ジャック・ローズ」を傾けながらゆっくりと過ごそうと考えたのである。  細い路地裏に、ハイヒールが地面を打ち鳴らす甲高い音が反響する。女性が歩くには、いくぶん心許ない街灯が申し訳程度に暗闇を照らす。光が届かない道端は深い闇で覆われ、何かが潜んでいそうな不気味さを孕んでいるが、セシリアはそんなことを気にも留めず、堂々と歩みを進...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第六話
    第五話①/ /第六話/ /第七話  第六話  執筆者:ユウダイ・ユウナ  少し外れにある小さな喫茶店にユウとレナはいた。特に任務や依頼がない時はレナは店の手伝いをしている。もともとこの喫茶店はレナの父親がマスターをしており、彼女もウェーターとして働いていた。ユウはこの喫茶店の常連客である。しかし、ユウにしろレナにしろ複雑な事情を過去に持つ人間だった。ユウの父親はレイヴンであり、トップランカーであった。しかし、イレギュラーの認定を受け殺された。レナの父親もレイヴンであり、同じくイレギュラー認定を受け殺されていた。今の父親は本当の父親ではなく、彼女の父親の兄が引き取って面倒を見ている。しかし、ユウは父親と同じレイヴンとして今を生き、レナは家業である喫茶店で働きながらユウの専属オペレーターとして活動していた。ユウが父と同じ道を進む可能性が高いレイヴンとして生きるのは理由がある。“父を...
  • シャドー
    「シャドー」  執筆者:ユウダイ・ユウナ ロッカールームで彼は対Gスーツに着替えていた。鏡には裸の自分の背中が写っていた。大きな傷が目立つ。 「もし・・・真実を知ったとき、ユウもレナもどう思うだろうか・・・。」 スーツを着こみながら、そんなことをつぶやく。着替え終わり、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を手に持ち、ロッカールームを後にして愛機の元へ向かう。 「お前との約束、ちゃんと果たすまでは影として生きる。」 愛機を見上げながら、シャドーは友との約束を思いつぶやく。そしてHMDをかぶり、愛機に乗り込む。  シャドーの愛機はかつてセルゲイ・ダイの良きパートナーだったミュラン・ハーヴェイが乗ったAC、ダークフェイスとまったく同じアセンブルだった。厳密に言えば、ダークフェイスそのものである。彼がミュランのACに乗っているかは、深い事情があった。彼はある事情を抱えており、...
  • Coaxial
    「Coaxial*②*③」  執筆者:クワトロ大尉(偽) エデンⅣ、午前9時前後。 未だ停電によって巨大な天蓋が不吉な闇を落とすその下では、地獄絵図のような激戦が繰り広げられていた。 興行区画のパルヴァライザー掃討を担当するグローバルコーテックスのランカーレイヴン、フォルディアは目前に迫った四脚型パルヴァライザーのブレード斬撃をひらりとかわし、ガラ空きの頭部めがけショットガンの零距離射撃を叩き込んだ。 パルヴァライザーは頭部を木っ端微塵に吹き飛ばされ機能を停止する。 「ラストワン。これで何回目だよ」 退けるたびに押し寄せるパルヴァライザーを悉く撃破してきたフォルディアは埒の明かない防衛線に多少イラついていた。 フォルディアはキャリア10年を超えるベテランであり、依頼されたミッションのほとんどを遂行しここまで生き残ってきた猛者である。もちろんミッションを放棄する気も...
  • Dépression du chevalier②
    「Dépression du chevalier*②」 (何をしたんだ、いったい!?)  よもや直進して来る重量級の機体に回避されることなど完全に想定外だったため、カヴァリエは混乱から一瞬の隙を曝す。そしてその一瞬さえも相対する敵には致命となり得ることをカヴァリエは思い知らされる。  ガッガンッ!とコックピットを連続で揺さぶる衝撃によりカヴァリエは我に帰った。  何をされたかなど機体AIの報告を聞くまでもない。反撃を受けたのだ。恐らくは右腕部の得物であるスナイパーライフルで。 【機体AP低下、左腕部損傷軽微、コア損傷軽微】 「チィッ……!」  機体AIの報告を聞き、カヴァリエは軽く舌打ちしつつも【キュラシェーア】を後退させ、再度チャージの完了したレールキャノンを構える。 「足さえ止めれば!」  再び【アイムール】の脚部に向け放たれた光条は、やはり狙いを外されアリーナの床...
  • ~ザックセルVSスコープアイ~
    「~ザックセルVSスコープアイ~*②」  執筆者:Ryo リヴァルディのガレージ内、PCの前で、シーアとショーンは論を交わしていた。 「ブースターも追加するべきだろ! じゃないと意味がねぇ!」 「だから、それだと重過ぎると言ってるだろう!」 今話しているのは、ショーン設計のAC用大型追加ブースタータンクのことだ。 リヴァルディでの目的地近辺への接近が難しい場合や、AC単体での長距離移動が必要な際に役立つだろうと考え、今も設計の真っ最中である。 「……まぁいい、どっちにしろ問題はどこに接続するかだ。 お前さんならどうする?」 「肩武器に干渉しないのがベストだ。 となるとエクステンションの位置だが、これは保持力が弱い上にバランスが崩れる。 無理だろうな」 「だよなぁ、やっぱりコア側の改造しかないか」 「オレの機体で試そう。 正規品よりは手を加え易いは...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第七話
    第六話/ /第七話/ /第八話  第七話  執筆者:Ryo 夕暮れを走るリヴァルディに向かう途中で、突如通信が入った。 『シーア! また勝手に動いたわね!!』 エイミの怒声がコクピット内に響く。 「ああ、悪かった。 だがシェルブといいさっきのやつといい、あれだけの腕だ。 熱くならずにはいられない。 また近いうちに会えるといいが」 反省するどころかむしろ上機嫌のシーアに、エイミは呆れた。 『もう、まだシェルブたちとは会って間もないんだから、悪い印象を持たれるのは嫌よ』 エイミの言う通り、サンドゲイルのメンバーになったのはつい最近だ。 自分のことはあまり知られたくなかったが、そもそも有名なサンドゲイルに、噂の『暗殺者』が加わったのだから、情報が出回らないわけがない。 先程のレイヴンのオペレーターもこっちのことを知っていた。 まだ機体の詳しい情報が出回...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十二話③
    ②*③*④ これで多少は掛かるGが軽減される筈だ。 セントラルタワーを目指し、興行区画のメインストリートを疾走していくと、横道から1機の四脚型パルヴァライザーが滑るように姿を現した。 パルヴァライザーは両肩のレーザーキャノンの砲口をこちらに向けるが、それよりも速く高速徹甲弾がパルヴァライザーの頭部を射抜いていた。 ソリテュードはスナイパーライフルによる精密射撃でパルヴァライザーを一撃で沈黙させる。 閣座する機体を横目にセントラルタワーを目指しながら、先ほどのパルヴァライザーの挙動に少なからず違和感を覚える。 何というか、機動が甘いような気がする。 もちろん一撃で仕留めるつもりだったが、あそこまでまともに食らうとは思っていなかった。 違和感は拭いきれなかったが、目的地であるセントラルタワーが目前に迫っていたため、思考を脇に追いやる。 ゆっくりとスロットルを...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十四話
    第十三話/ /第十四話/ /第十五話  第十四話 執筆者:ユウダイ・ユウナ 店内には客の姿はない。だが、マスターは気にせずカップを磨く。客がいないときはいないときで、その静かな時間を彼は好んだ。娘は所要で出かけているため働ける人間は彼しかいない。人を雇うことをしないのは、娘と一緒に経営することが楽しみの一つであり、その一時が幸せだからだ。しかし、娘はあるレイヴンのオペレーターも兼業しているため、依頼があればオペレーターの仕事をするために家を留守にする。それでも、彼は止めることはしなかった。娘の生き方は娘が決めること、強制することではない。彼女の“本当の父親”の遺言を尊重してのことだった。カランと入り口の鐘がなり、客が来たことを認識すると、いつも通り「いらっしゃい」と声をかけようとした。だが、言えなかった。久々に会う女性がそこにいたからだ。 「久しいな。」 その様子を悟っ...
  • アストラ・カストラ
    原案:タカ坊 機体名:アストラ・カストラ 搭乗者:アハト 機体構成 +HEAD:CR-H98XS-EYE2 HEAD:CR-H98XS-EYE2 装甲を強化し、より実戦向けに改修されたH97XSの姉妹機 +CORE:C03-HELIOS CORE:C03-HELIOS 装甲を犠牲に高出力のOBを採用した機動戦特化コア +ARMS:CR-A92XS ARMS:CR-A92XS 消費エネルギーを大幅に削減し、機体負荷を小さくした第四世代機 +LEGS:LH06-JAGUAR LEGS:LH06-JAGUAR PANTHERの防御力を強化、長期戦に耐えうる高機動二脚 +BOOSTER:CR-B81 BOOSTER:CR-B81 使用時の消費ENと発熱量を低減させた持久戦型 +F.C...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十話④
    ③*④/ /第十一話                                *  新鋭レイヴンのアリーナ本戦出場を快く思わない武装勢力による妨害工作を阻止せよ──  事前にあらゆる手を使って【ターミナル・エリア】は、詳細情報を入手。予備大会決勝後の隙を狙って、新鋭レイヴンの命を頂戴すべく潜伏待機していた武装勢力を急襲、制圧した事により作戦は滞りなく成功した。  拘束された武装勢力の実行部隊が、ガロの指揮した機械化急襲部隊員に引連れられて傍の車道に待機していた装甲輸送車に載せられていく。  アリーナ内部に侵入せずに決勝終了後の隙を外部から狙おうとしていた当たりは、賢しいといっていいレベルだが、逆に出来ること言えばそんな程度のものだと、ガロは胸中で悪態をつく。  グローバル・コーテックス相手の新鋭レイヴンが本戦への出場資格を手にした場合、武装勢力は作戦自体を放...
  • フィクスブラウ
    原案:Ryo 機体名:フィクスブラウ 搭乗者:シーア・ヘルゼン 機体構成 +HEAD:CHD-MISTEYE HEAD:CHD-MISTEYE SKYEYEを強化改修した姉妹型 +CORE:C03-HELIOS CORE:C03-HELIOS 装甲を犠牲に高出力のOBを採用した機動戦特化コア +ARMS:A11-MACAQUE ARNS:A11-MACAQUE 先端技術を用い、新たに設計された最新鋭機 +LEGS:LH09-COUGAR2 LEGS:LH09-COUGAR2 軽量化を施したCOUGARの改修型、ミラージュの第四世代パーツ +BOOSTER:CR-B83TP BOOSTER:CR-B83TP 重装型にも対応できる高出力型、使用時の消費エネルギーが大きい +E...
  • シェルブ・ハートネット
    原案:マド録 名前:シェルブ・ハートネット 性別:男 年齢:53 髪型:黒のオールバック 体格:大柄な筋肉質 所属:サンドゲイル 搭乗機体:ツエルブ 概要 サンドゲイルの中心人物。 レイヴンズアークの元トップクラスランカーであり、マイやシルヴィの育ての親にして師匠。 マイやシルヴィを引き取ったのは戦争屋として戦災孤児が出るのを憂い、せめてもの贖罪にと思ったからである。 高齢ながらその操縦技術は衰えておらず、重量二脚のACを軽々と扱う。
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑫
    ⑪*⑫*⑬  理論的には実現可能だとその技術概念のみが、かの財団存続時に提唱されていた、とノウラがいつか言っていた。そして、こうも。  ──そんなモノが実用化されれば、現存する地上兵器は全て無意味になるだろうな  プライマルアーマー機能──軍事転用されたコジマ粒子の新たな可能性の形──  一瞬の空白だった。その間に、その白緑色の膜に守られていたネクスト機のカメラアイに一際強い光源色が宿り──アザミはその空白を掴み損ねた。  弾き上げられた二挺突撃ライフルの砲口が至近距離で煌き、致命的な反転攻撃をゼクトラは被った。  間断なく浴びせ掛けられる弾幕が機体各部を吹き飛ばし、ブースタ逆噴射による緊急後退の最中に左脚部関節部を撃ち抜かれたゼクトラが機体を傾しがせ、その場に片膝をついた。その間にも飛来する弾雨が外部装甲を切り裂き、ゼクトラの頭部と左腕部を破壊、短機関砲の銃身が被...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第五話
    第四話/ /第五話*②  第五話  執筆者:クワトロ大尉(偽)  人類を襲った未曾有の危機、『アーセナル・ハザード』により世界が荒廃して5年。  世界は混迷を極めていた。  企業は己の利権を広げようと躍起になり、政府は政治主導を企業に乗っ取られるのを危惧して勢力の立て直しと拡大にのみ力を注いだ。  誰も自分の手に余る世界などというものを救おうとはせず、ただ己の幸福を追求した。  結果、企業や政府に係り合いのない多くの人々は虐げられ弱肉強食の分かりやすい理論が横行していた。  金のない人間は常に古代兵器の襲撃に怯え、金のある人間は安全な場所で豊かな暮らしを約束された。  コロニー『エデンⅣ』。各企業がしのぎを削る商業区画の隣に位置する居住区画。  快適な環境のマンションが立ち並ぶ居住区画だが、その中でもひときわ快適な高級マンションの一室で、若い男が通信用マルチ...
  • ~he's coming back~
    「~he s coming back~」  執筆者:ヤマト 夜闇を妖しく炎が照らす。 小さな採掘基地での暴動を鎮圧すべく一人のレイヴンが雇われたのだ。 ガイアフレア/ダイスケ かつてはツヴァイと呼ばれた特務部隊員。現在はフリーランスのレイヴンとして第一線で活躍中である。 「呪うのならば、武力蜂起を掲げたお前達のリーダーを呪うのだな」 すでに物言わぬ鉄屑へと変わったMTに言葉を投げる。 今回の戦闘も例に漏れず酷い有様だった。 中量2脚型のACの動きについていける機体は無く、1機、また1機と破壊されていく。 なにしろ作業用MTにACのバズーカやグレネードを積んだだけの粗悪な構成では攻撃力だけはあるが防御力、機動力がないに等しい。 結果、初弾を避けられたら自然と撃破されるのを待つような状態に陥る。 戦闘開始...
  • Intermission -Imitation summer-
    「Intermission -Imitation summer-*②」  執筆者:クワトロ大尉(偽) エデンⅣのとある高級マンションの一室。  シックな家具と内装で統一されたダイニングには中華料理特有の匂いが漂っていた。  テーブルには色鮮やかな料理が並べられ、これらを作った本人でもあるメイファは自分を含め、3人分の料理を小皿へ器用に取り分ける。 「はい、鶏肉のカシューナッツ炒め。今日の自信作なの、コレ」  ソリテュードは微笑むメイファから小皿を受け取り、器用に箸を使いながら料理を口へと運ぶ。  ジューシーな鶏肉と香ばしいカシューナッツが醤油とオイスターソースの味と絡みあい、絶妙な旨味が口に広がる。 「うん、美味い。いつもながらいい腕だ」 「おいしい」 ソリテュードの隣に座るアリスも、たどたどしい手つきで箸を使いながら料理を口へ運ぶ。 アリスはいつものように...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第三話
    第二話/ /第三話/ /第四話  第三話  執筆者:ギリアム 一機のACが巨大なホバータンクの横を通り過ぎ、古代遺跡の中へ進行すべくブースターを吹かした。 その時、左腕を損傷したACとすれ違ったが、気にも留めなかった。 負傷したACなどに興味は無い。彼が求めるのは真の強者のみだった。 始まりは一通のメールからだった。差出人はミラージュ。 「滅多に依頼を受けることの無い私に依頼とは…」 訝しみながらもメールを確認すると、そこには簡単な依頼が書かれているだけだった。 『古代文明遺跡にて、古代兵器駆逐のために派遣したAC部隊を撃破して欲しい』 「古代文明遺跡…」 この言葉には聞き覚えがあった。 ミラージュが古代文明の遺跡調査のためにパルヴァライザーの掃討作戦をすべく、レイヴンをかき集めていたの...
  • ~ザックセルVSスコープアイ②
    「~ザックセルVSスコープアイ~*②」 『シーア、逃げて!』 エイミが声を荒げて叫んでいた。 普段の落ち着きが一切見受けられないことから、かなり切迫した状況であることが容易に理解できた。 「こんな時に……!」 目の前には、自分が望んだ最強の敵がいる。 あともう少し、もう少しで決着がつく。 だというのに、体が動かない。 自分は、どうするべきなのか。 間違いなく、エイミは危険な状況にいる。 だが自分も敵と睨み合っている状況であり、迂闊に動けない。 自分は、どちらを優先すべきなのか。 答えは当然決まっていた。 それでも、それが正解なのか、自信がない。 迷っている時間はないとわかっているのに、身体は動かなかった。 堂々巡りの逡巡の中、目の前の敵が話しかけてきた。 『選べ、生死の選択だ。 お前はどちらを選ぶ?』 その言葉で、シーアは覚悟を決...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑩
    ⑨*⑩*⑪  変わらず抑揚を欠いた言葉。しかし、ガロはその口調の裏側に僅かな焦りの介在を感じ取っていた。  統合制御体がファントムヘイズとの近接対峙を前に、機体制御態勢の速やかな移行を推奨する。 「知らんだろうな。貴様が世界の裏側でのんびりとしている間に、この地上世界は大きく変容した──」  意思判断し、左腕部に携えた適合兵装を持ち上げる。それに合わせてファントムヘイズも狙撃銃の銃口を動かした。長鑓を思わせる長大なひとつの銃身を基軸とし、レールシステムの搭載によって多種兵装の搭載を可能にした実働試験機体:マルシアの為のみに製造された大型の適合兵装。 『貴様に見せてやる。この五年間、世界がどう動いたのかをな──』  その言葉を最後とし、一方的に通信回線を解除。  統合制御体に指示し、機体制御態勢の速やかな移行を指示する。  その間際、再びハルフテルが最後に言い...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十二話
    第十一話/ /第十二話*②  第十二話 執筆者:クワトロ大尉(偽) コロニー『エデンⅣ』の居住区画。 現在の時刻は午前7時過ぎ。 いつもならば会社や学校へ向かうサラリーマンや学生が、せわしなく行き来し、活気づいているはずのメインストリートは混乱の渦に巻き込まれていた。 本来なら人工とはいえ燦々と降り注いでいるはずの朝日は見る影もなく、エデン4の高い天蓋は不吉な闇を落としている。 その混乱の最中、悲鳴と怒号が支配する闇を切り裂くように一人の男が、人々の流れと逆行しながら駆け抜けていく。 向かう先は居住区画と商業区画の間に位置する興行区画。 避難警報が発令されている現場そのものに全速力で走っていく。 グローバルコーテックス所属のレイヴン、ソリテュードは滅多に見せない焦りの表情を浮かべていた。 ――まずいことになった。 彼を焦燥させる理由は唯一つ。...
  • 設定
    あ行  アスセナ  アンオフィシャル・オペレーション  アンディオン地域  遺失技術文化社団  エクストリームアリーナ  エデンタイプコロニー都市  エデンⅣ か行  旧世代技術解析財団  旧世代技術解析財団所属・先進技術開発部  旧ナルバエス地方  ケレト大断崖  コード:ヴェイロン・アプローチ さ行  サンドゲイル  生体CPU た行  テラブースト  特殊技術戦力開発局  トラキア な行 は行  兵器災害 ま行  マーフア研究所 や行 ら行  リヴァルディ わ・を・ん 記号・数字  BRS(Biochip Regulating System)  ICS(Integrate Control System) アスセナ  ミラージュ社旧経済管轄区最南端に位置する旧世代遺跡。六年前にミラージュ社によってその存在のみが確...
  • Dépression du chevalier
    「Dépression du chevalier*②」  執筆者:CHU  アリーナのドームに試合終了を知らせる電子音のゴングが鳴り響く。 『試合終了ぉ~!勝者は!ブルーコーナー、ハイネケン!』  テンションの高い女性パーソナリティーが試合の勝敗を声高に叫ぶ。それと同時に落胆の怨嗟や歓喜の雄叫びが、バトルフィールドの外に設けられた観客席から漏れ出した。  そのない交ぜになった喚声は、機体の集音マイクを通じて嫌でも私の耳に入って来る。 『残念ながら敗れてしまったレッドコーナーのカヴァリエにも!どうか惜しみない拍手をお願いしまぁす!』  パーソナリティーのおざなりな定型句も、今の私には耳障りなだけだ。 「くそっ、また負けた……」  勝ったアイツの機体【バッドアイズ】はスポットライトを浴び、反対に私の機体【キュラシェーア】はすごすごと格納スペースに引っ込まされる。観客達...
  • The rest is silence -Erster Akt-
    「The rest is silence -Erster Akt-*②」  執筆者 宮廷楽人・タカ坊  舞台 アリーナ  種別 決闘劇  演奏形式 二重奏  楽器構成 短機関銃×2、自動小銃×1、電磁投射砲×1、榴弾砲×1  配役  ・黒騎士 ブラックバロン  ・復讐鬼 アハト  では、始まりの鐘を打ち鳴らそうか。第一幕の幕開けである。  瞳を向けて欲しい、耳を傾けておくれ。  今宵の催し物は如何にも貴方達を充足させることだろう。  人は誰しも、他者の悲劇を好むのだから――。  さて、歌い手は彼、ただ一人だ。独唱。そう、如何にも独唱だ。  彼は黒百合で満ちた沼を獣のように泳ぎ、蟲のように足掻き、そして――人のように苦しむ。  恋焦がれ、追い求め、妄執した復讐。だが、その果てにあるのは限りないほどの空隙だ。  必死の思いでたどり着い...
  • Intermission -Imitation summer-②
    「Intermission -Imitation summer-*②」  メイファは頼りなさげにプールへと入って行くアリスに手を差し伸べ、その手を取ると、寄り添うように歩き、アリスの腰くらいまでの深さの所まで連れてくる。 「これくらいなら、怖くないでしょ。どう?アリスちゃん。初めてのプールは」 「みず、つめたい。でも、きもちいい」 「よかった。じゃあ早速、水遊びの入門編!まずはコレね」  そう言うと、メイファは唐突に手ですくった水をアリスへ振りまいた。 「きゃ!?」  突然、顔と上半身に水をかけられたアリスは何が起こったか分からず、きょとんとして固まっていた。 「ほら、アリスちゃんも私にやりかえさなきゃ。えい!」  そうして、先程と同じようにアリスへ水をかけるメイファ。 「ふみゃ!?・・・ん、えい」  やっとアリスも要領を得たのか、見よう見まねで小さな手を懸命に...
  • ソリテュード
    原案:クワトロ大尉(偽) 名前:ソリテュード 性別:男 年齢:27 身長:175cm 体重:67kg 虹彩:ブラック 髪型:黒のショート 体格:痩せているが筋肉で引き締まっている 所属:グローバルコーテックス エデンⅣ支社 搭乗機体:ブリューナグ 概要 グローバルコーテックスのエデンⅣ支社に所属するレイヴン。アリーナでAランク3位の実力を持つ。 17歳でグローバルコーテックスのレイヴン試験に合格し、以後レイヴンとして活動する。 性格は冷静沈着で寡黙。 戦闘時においては、先見の明を活かし、戦局を正確に読み、あらゆる事態に対応する。 生身の体でありながら、技術と経験に裏付けされた確かな力を持ち、その実力は有力な強化人間にも匹敵する。 アーセナル・ハザード時に複数存在した巨大遺跡の一つに単身突入し、これを沈黙させた実績を持つ。これ以降、世...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第四話
    第三話/ /第四話/ /第五話  第四話  執筆者:CHU シェルター都市『MA31-HOPE』 ミラージュの庇護下にある人類の楽園だ。少なくとも居住している富裕層にとっての話だが。 ここに自分のオフィスを持つグローバルコーテックス所属レイヴン「スワロー」は、この日新人の専任オペレーター「ライラ・フェモニカ」と通信で依頼の吟味をしていた。 『レイヴン、こちらの依頼はどうですか。【MT部隊撃滅】報酬も悪くありませんし、ターゲットもMTですので簡単かと』 「うーん……、場所が森林区画だし、見通しが悪そうだなあ。そうすると死角からの被弾は避けられないだろうし、修理費がねえ……」 不平不満は聞き飽きたといった口調でライラが諌める。 『お言葉ですがレイヴン、この程度の依頼がこなせない様では、レイヴンとしての沽券に関わるのではありませんか?』 他にも色々な...
  • ~鬼神の妖精~
    「鬼神の妖精」  執筆者:ヤマト エデンⅠ[HOPEⅠ] 定期身体検査も終わり、自宅へと歩き出す。 いつもなら車を用意されているのだが 「今日は歩きたい気分なんだ」 と、言ってコーテックスのビルを出たのが30分程前、スワローは商業区にいた。 特に欲しい物があった訳では無い。ただなんとなく足が向いただけの事だ。 ブティックのウィンドウを冷やかしに見たり、道往く女性を物色したり、そんな何気ない散歩。 しばらく歩くと視界に珍しいモノが入った。 濃紺の生地に真っ赤な紅葉を散りばめた和服の少女。 人形のような美しさを持った少女だ。 「ほう」 思わずそんな言葉が口から出る。 これほどの容姿を持つ者はそういない。 どうせ目的の無い散歩だ、この人形のような可憐さを持った少女と時を過ごすのも悪くない。 そう思ったスワローは声をか...
  • ブラックバロンの苦難
    「ブラックバロンの苦難」  執筆者:ギリアム 帰宅した彼の目に飛び込んできたのは、相棒の忘れ形見である少女だった。 ―玄関でずっと待っていてくれた…? それは帰宅する父親を出迎えるような本来は微笑ましい光景である。 少女が涙眼になりながらフライパンを両手に握りしめていなければ。 彼はため息をつきながら少女に問いかけた。 「ミニム…なんですかその格好は」 ミニムと呼ばれた少女は何も喋らずにじっとこちらを見つめてくる。 ―流石にまずかったでしょうか… 己の行いを振り返ってみる。 寝ているのを起こすのは悪いと思い、外出する事を告げず依頼を受け出撃し、依頼を完遂できず帰宅。 おまけに機体は先ほどの戦闘でボロボロ、武器も破壊されてしまった。 機体も武器もミニムが一生懸命整備したものだ。 それを出撃する事も告げずに持ち出してこ...
  • Coaxial③
    「Coaxial*②*③」 一方、同じころ。 重工業区画の一角に、金色をベースにしたお世辞にも趣味がいいとは言い難い1機の中量二脚ACが息を潜めるように、ゆっくりと歩行していた。 構成パーツの全てをクレスト製品で固めたこの機体こそ、エデンⅣアリーナのAクラス2位に君臨するAC「キングスターク」であった。 それを操るレイヴン、ノーブルマインドは、まるで何かに怯えるように息を荒くし冷や汗をかきながら、ある場所を目指していた。 目を血走らせながら周囲を忙しなく警戒し、暗く細い路地を進んでゆくその姿はドブネズミのようだ。 もはやそこにAランク2位という輝かしい地位や名声などある筈もなかった。 「くそ、くそくそくそっ!冗談じゃない、こんな事に付き合ってられるか!!」 ノーブルマインドは誰に聞かせるでもなく、しかし、まるで誰かに聞いてほしいかのように大声で毒づいた。 「ちくしょ...
  • ―Trick or treat―
     執筆者:継@(適当にどうぞ) 「AC用新型EN兵器運用試験」  今回ファレが請け負ったミッションだ。  新型と言うフレーズに胡散臭さを感じつつミッションを受託したが、怪しげなものに胸が躍るのは、技術者上がりの性だろうか。  おそらく一般的な傭兵には味わう事のない感情だろう。  まぁ、味わったところで、なにか得をする訳でもないような気もする。  彼の愛機「パスカル」は一足先にクライアントへ出向いている。  今回試験を行なう装置との相性や、試験兵器の情報漏洩を防ぐ調査のためだ。  そしてファレ自身も作戦領域まで、これまた機密保持のため、愛機との再会を禁じられている。  試験対象と、変わり果てた愛機の姿を想像し、期待と不安を交互に感じながら、彼はクライアントの輸送機の中で作戦領域への到着を待っていた。  作戦開始30分前、一...
  • ユウ・ダイ
    原案:ユウダイ・ユウナ 名前:ユウ・ダイ 性別:男 年齢:18 所属:レイヴンズアーク 搭乗機体:シャドームーン 概要 若干18歳のレイヴンで、トップランカーとも引けを取らない実力を持持っているのにも拘らず、政治的な理由で下位ランクに属する。 父親がトップランカーであったため、幼いときからACの操縦技量を教わっている。それがトップランカー並みの技量を獲得した所以である。 非人道的や非合法的な任務は一切請け負わない、アリーナや対ACでは正々堂々と戦うというのがポリシーである。 トップランカーであった父親を殺した伝説の赤いACを求め、アリーナのトップランカーを目指し日々精進している。 生活費や機体維持費はユウが稼いだ報酬と、父親がかつて稼いで貯金していた報酬でまかなっている。
  • Intermission -operation bitter and sweet-
    「Intermission -operation bitter and sweet-*②*③」  執筆者:クワトロ大尉(偽)  ―Main story シルヴィア&エイミ―  リヴァルディ艦内の一室。簡素で無骨な造りの部屋であるが、可愛らしい小物や家具が置かれていることから、一目で年頃の女の子が使っていると分かる。  その部屋のベッドの上で、ティーンズ向けの雑誌とにらめっこをしている一人の少女。リヴァルディの若きレイヴン、シルヴィア・マッケンジーは雑誌の特集記事を見ながら一人、悶々と悩んでいた。 「うーん……どうしよう。作り方は大体分かったけど、経験がないからなぁ」  彼女が見ている誌面にはファンシーなイラストと共にあるお菓子の作り方が掲載されていた。様々な形をした、光沢のあるブラウンの菓子。老若男女問わず人気のある魅惑のスウィーツ、チョコレートだ。  シルヴ...
  • 屍翼の奏者
    「屍翼の奏者*②」  執筆者:CHU AD102_10/18_20:42 時刻は既に二十時を回り、夜闇が辺りを支配して久しい。 人の手を離れて寂れ果てた都市の静寂を、鋼鉄の巨躯が発する呻きにも似たジェネレーターの駆動音が掻き乱し、蛍火の如き明滅する光が、夜闇から辺りをほんの少しだけ切り取る。 ――マズルフラッシュ。 それは人の手による戦闘行為の証だ。 発砲による爆音と、巨大な空薬莢が跳ねて奏でる不協和音を機体の集音マイクを通して聞きながら、鋼鉄の巨人〈アーマードコア〉の操者は口笛を吹きながら視界に映るターゲットを次々と破壊していく。 その様子は休日に釣りでも楽しむかのようにお気楽で、とてもではないが命を懸けた戦闘の貌には見えなかった。 型落ちした旧式のACがミラージュ社自慢の最新可変型MTを屠るその様は、機体の性能を熟知している者である程に現実の...
  • Coaxial②
    「Coaxial*②*③」 フォルディアはオーバードブーストで最接近しつつ、目前の敵集団にグレーネードが着弾するのに合わせてブーストをカット、急制動をかけ、こちらを見失っている隙を突き、ブーストジャンプでパルヴァライザーの無防備な上を取り、苛烈なトップアタックを仕掛ける。 「まったく・・・進歩ねぇな、コイツら」 編隊を組んで密集している部分を狙い、トリプルロケットの連続射撃を見舞う。 前方からの強烈なグレネードキャノンによる砲撃と頭上から雨のように降り注ぐロケット弾の斉射によりパルヴァライザーの集団は成す術もなく瓦解していった。 編隊を崩され、散り散りになり、右往左往するパルヴァライザーの群れの中にフォルディアはあろうことか自ら降り立っていった。 ブーストを吹かしながら軟着陸すると、生き残ったパルヴァライザーは一斉にルーンへと狙いを定め、取り囲むように急接近してきた。 ...
  • 白翼の対価③
    「白翼の対価*②*③」  わざわざ身構えている敵部隊のド真ん中に突っ込むのは愚策中の愚策であるが、不思議と何とかなるだろうと思えた。何しろ、まったく負ける気がしないのだ。  こちらを狙う殺意に似た何かが、火線となって見える。どう躱せばいいか、どう動けばいいか、どう撃てばいいか、手に取るように解る。  グレネードを避けながら重装型MTのメインカメラを正確に撃ち抜き、襲い来るミサイルを避けながらロケットで逆関節MTを吹き飛ばす。 「残り六」  マシンガンが機体の装甲を掠めるのも想定内だ。心地良い衝撃に身を委ね、踊るように機体を操る。  メインカメラを撃ち抜かれ、視界を狭められた重装型MTがグレネードを連射して来る。射線をほんの少し誘導してやれば、面白いくらい素直に撃って来た。僅かに、機体を揺らす程度の感覚で左にズレると、グレネードの榴弾は【プロトキャット】を外れ、その背後に居た逆...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十一話③
    ②*③/ /第十二話 着地の音は雨に紛れ、掻き消えていく。 雨粒が装甲を叩く音が、やけに大きく聞こえた。 「言い忘れたが、君にはオペレーターがついていないのでね、ボクがサポートすることになる」 『了解』 「早速ターゲットが出てきたぞ。数は四」 【ベルフェゴル】のレーダーが、坑道から出て来る機影を捉えていた。 「好きにやればいい。君の力を見せてくれ」 そう言ってスワローは【ベルフェゴル】を戦場を俯瞰しやすい高台に移動させる。 「ラフ、グレイ機の機体AIと同期しろ」 【了解――同期完了】 これであちらの機体情報がダイレクトに届くようになった。 同時に【ベルフェゴル】を索敵モードに変更。情報処理能力に特化させる。 そこでようやく異変に気付いた。 敵を示す熱源が、予想されたデータより遥かに大きい。 その理由はすぐに判明した。 ――坑道...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十話③
    ②*③*④                  * 『開始10分前です。出撃、スタンバイしてください』 「了解。出場資格コード:GCA-L013、出場機体コード:ラピッドタイド。スタンバイ開始します」  眼前の投射型ディスプレイから溢れる灰青色の光源が染め上げるコクピットの中、ヴァネッサは静かに、しかし大きく息を吐きだした。  コンソールキーを軽やかに叩き、機体制御プログラムの完結プロトコルを起動させる。空白に満ちたディスプレイに機体情報が関連画像と共に羅列形式で出力されていく。 『リサ、起動を完結。戦術支援プログラムを第三種準備待機態勢から、セミ・アクティヴへ移行する』 「おはよう、リサ。今日がいよいよ正念場よ。よろしくね?」 『お前の、10年の成果を見せる檜舞台だ。此方こそ、宜しく頼む』  完結プロトコルに最後に起動した機体搭載のリサ──ヴァネッサが10年前に...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑧
    ⑦*⑧*⑨  途中幾度か、前衛撹乱型のパルヴァライザーと交戦を経てガロは、大した損耗を被ることもなくコーテックスビルを中心とする建築物群エリアに進入した。周辺戦域に追跡動体が接近していない事を確認してから、エンシェントワークスの保有する運搬用の私設ターミナルへ滑り込み、同施設の制御ネットワークにアクセスする。 『──識別符号:TS002-EW011』 『──識別符号、照会完了しました。どうぞ、進入してください』  ネットワークの制御システムが承認の返答を遣し、それと共に自動シャッターが開口した資材搬入用の保管廠内部へシックフロントの機体を滑り込ませた。大型資材運搬用の昇降台へ機体を搭載し、制御ネットワークに最下 層地下核部への降下を指示する。 『了解しました。到着所要時間は五分です──降下を開始します』  通達と同時に一瞬接地面が震動、昇降台が降下を開始しガロは...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十話
    第九話/ /第十話*②  第十話  執筆者:柊南天  Three years ago...  肺が爛れたように熱く、息は浅く短くでしか続かない。両脚も鋼鉄の足枷を嵌められたように重い。だが、それに対して焦燥を迫る必要性はない。無視できる。年月の経過に伴って老衰を経てきた身体を酷使し、残骸の散らばる連結通路を疾っていく。  戦場の一線を退いてから8年が経過して尚、あらゆる身体機能を現役時代のそれと同等に扱えるよう、研鑽を重ねてきた。しかしそれを鑑みてすら、今回の一連の騒乱を生き抜いた暁には、心肺機能の一部くらいは人工臓器に置換すべきだろうと、そう考えた。一線を退いたとはいえ、老衰を騙し続けている生身の人間のままでは、戦場に身を置き続けるには非常な困難を迫られるだろう。  ──北棟兵器格納庫に直接繋がる連結通路に漂う臭気を鼻腔が捉え、床上に散らばる瓦礫の残骸に交じって倒...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十一話②
    第十一話*②*③ コーテックスの社有ガレージは本社施設の地下に備え付けられている。 地下に張り巡らせられたリニアなどの交通機関を利用しやすくするためだ。 もっとも、これは一般的な貸ガレージにも言えることである。 スワローはガレージの入口に取り付けてあるセキュリティーにIDカードを滑らせ、十六桁にも及ぶ暗証コードを空で打ち込む。最後に指紋と虹彩認証をパスすると、やっとドアロックが解除された。 ガレージに足を踏み入れると、赤外線センサーで人の入室を感知した照明が、自動でガレージ内を照らし出した。 只広いガレージ内には三機のACが立ち並んでいる。 一つは【ARROWS】――コーテックスの試作ネクストだ。 近日中に行われる換装作業のためか擬装装甲が外されており、専用の武器もこの間のクレスト新型戦で破壊されたため、ハードポイントには何も取り付けられていない。 ...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十話②
    第十話*②*③  Three years later...  細かい傷跡が残る古い銀製のオイルライターを擦過させ、点った火を紙巻煙草の先端に近づける。単に濃く苦い味ばかりが特徴の紫煙を肺腑へ流し込み、片手に持った電話子機の受話口に耳を当てながらノウラはワーキングチェアに腰を深く預けた。 「頃合いだと思っていたぞ、──シェルブ」 『その言草だと、既にコトは伝わっているらしいな。変らず、其方は業務熱心のようだ』  通信媒体を介しているとはいえ約二年振りに直接言葉を交わす、レイヴンズアーク時代からの古い知己の物言いに、軽くではあるが口許を歪めて見せる。とはいえ、特段互いの再会を懐かしむ間柄でもない為、一度紫煙を肺腑に含んでから吐き出した後、ノウラはそれに相応しい言葉を省略する事にした。 「其れは私達の要諦だ。この後に及んで気を害するモノでもあるまい」 『確かにな。だが、分水...
  • -レイヴンズ・レポート レナ・セイガ編-
    「-レイヴンズ・レポート レナ・セイガ編-」  執筆者:ユウダイ・ユウナ 今日はお越しいただきありがとうございます。 いえ、こちらこそよろしくお願いします。 早速ですが、あなたはアークに所属しているユウ・ダイのオペレーターをされているそうですが、きっかけはなんだったんですか? きっかけは・・・、彼が「エクスカリバー」というACを使わなくなってからですね。 つまり、彼はシャドームーン以外にもACを所有していると。 シャドームーンは元々彼の父のACなんです。彼は物心ついた時からレイヴンとしての才能を開花させたそうです。そこで、父親が所有していたパーツを使ってもう1機ACを組んだ。それが「エクスカリバー」なんです。最初はそれで訓練していたんですが、ある日を境に「エクスカリバー」には乗らなくなったんです。 そうなんですか・・・。でも、今は「シャドームー...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十二話②
    第十二話①*②*③ アザミは人間を遥かに超えた動きでガトリングガンの暴風雨のような弾幕を掻い潜り、MTを翻弄していた。 目標が小さすぎる上に、あのスピードだ。MTのカメラアイとFCSでは捉えきれないだろう。 アザミの余裕すら感じられる動きに多少の安心感を覚えつつ、自分も加勢できる瞬間がないかと機会を窺う。 MT相手に少しも止まることを知らないアザミに業を煮やしたのか、MTのうちの1機のバズーカが火を噴いた。 その砲弾はアザミの前方の道路に着弾し、路面を派手に抉りながら無数の破片をまき散らす。 アザミは雨のように降り注ぐ瓦礫片に臆することもなく、腕の中のアリスを庇いながら抉れた路面を低い姿勢で軽々と跳躍しつつ、身体を捻り、片手でグレネードランチャーを自身へ狙いを定めているMTに向けた。 その砲口がMTのカメラアイへ向けられていることに気付いたソリテュードは自分も打...
  • 白翼の対価②
    「白翼の対価*②*③」  普段の生活を考えると、今日は忙しい一日になったものだ。  フラーネのマンションで腰を落ち着ける暇も無く、今度は居住区の隣にある商業区のショッピングセンターに繰り出す事になった。目的は、アルバートの服や寝具を揃えるため。もちろん陣頭指揮を執るのはフラーネだ。  彼女に引き連れられて最初に乗り込んだのは、店構えからして高級感溢れるブティックだった。  言うまでもなく、始めて足を踏み入れる類の店である。  そこでアルバートは、モデルと言うよりショーケースのマネキン宜しく、フラーネに乞われるがまま次から次へと服を取り替えていく。  単なる着せ替え人形に成るのならばまだ気が楽なのだが、フラーネはこちらに意見を求めて来るので質が悪い。生憎と自分はファッションセンスなど持ち合わせていないため、どうしても気の無い返事ばかりしてしまう。  ただし、「どうでもいい」が...
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