ARMORED CORE Handed Down Heroism @ ウィキ内検索 / 「シェルブ・ハートネット」で検索した結果
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シェルブ・ハートネット
原案:マド録 名前:シェルブ・ハートネット 性別:男 年齢:53 髪型:黒のオールバック 体格:大柄な筋肉質 所属:サンドゲイル 搭乗機体:ツエルブ 概要 サンドゲイルの中心人物。 レイヴンズアークの元トップクラスランカーであり、マイやシルヴィの育ての親にして師匠。 マイやシルヴィを引き取ったのは戦争屋として戦災孤児が出るのを憂い、せめてもの贖罪にと思ったからである。 高齢ながらその操縦技術は衰えておらず、重量二脚のACを軽々と扱う。
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十六話
...イルのリーダーであるシェルブ・ハートネットが持つ独自のコネクションにあった。 半ば独断に近い形でシェルブはこの交渉を行ったものの、それは決して正面からの非難に値するものではない。むしろ組織を預かる身である以上、組織の安寧を保つためのこの行動は賞賛されて然るべきなのだろう。 シェルブの判断は決して傲慢などではない。責任ある立場にある者ならば、なべて備えているべき教訓の一つだ。そうである以上、シェルブを咎めることなど出来はしない。 例え少女――イリヤを救出したのが自分であり、またその責を負うという覚悟があったとて、責任者はそれを汲み取る義務はないのだ。 マイは順次、思考をまとめていく。勢いの余り食って掛かったものの、イリヤをサンドゲイルで保持し続けるのが危険なのは、充分に理解できることだ。 純粋に各種企業からのみ狙われるのであれば、幾らかマシと言えるだろう。だが事と次...
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 外伝
...:シーア・ヘルゼン シェルブ・ハートネット) Page-1 Page-2 作:マド録 ■ 決意 (登場人物:シルヴィア)
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十六話②
...ゲイルのリーダー――シェルブ・ハートネットである。 マイは再び、リナリアへ視線を送る。 自分と少女の境遇は似て異なるものではあるが、それでも孤児であることに変わりはない。ならば、少女が自由な生を得ることが出来るまで、自分が保護しなければならない。 ――俺がやらなきゃダメなんだ。俺がやるべきことなんだ。 マイは内なる覚悟を持って、艦内の案内を開始した。 * リナリアをサンドゲイルで保護してから、既に一週間ほどが経過した。 「リナリア、走ると転ぶぞ!」 「大丈夫だよ。早くいこ、マイお兄ちゃん!」 「ま、待てって!」 シェルブはリヴァルディの廊下より響き渡る声音を聞き、歩みを止めずに物思いに耽る。 マイが傍につくようになって以来、リナリアは何をするにもマイの後を追うようになった。声音も明るくなり始めており、躍動感に満ちている。 ...
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練習ページ
...・マッケンジー シェルブ・ハートネット ショーン・ハワード シーア・ヘルゼン エイミ・ツザキ -詳細- マイ達が所属する遊撃隊兼何でも屋。 レイヴンズアークのトップランカーだったシェルブ・ハートネットが一線を退き、自らのレイヴンとしての技術を後世に少しでも残そうと、10年程前に若手の人材育成のため立ち上げた組織。 それと同時に戦争によって生まれた戦災孤児の引き取り手という側面も持つ。 それは戦争を生業とする者としてのせめてもの贖罪のつもりであり、サンドゲイルの母艦であるリヴァルディの乗員は戦争孤児が殆どを占める。 そのことについてシェルブは現実との板ばさみに悩まされている。 ■ サンドゲイル 名称:サンドゲイル(Sandgale) 種別:組織 所属:フリーランス -詳細- マイ達が所属する遊撃...
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ツエルブ
原案:マド録 機体名:ツエルブ 搭乗者:シェルブ・ハートネット 機体構成 +HEAD:YH08-MANTIS HEAD:YH08-MANTIS 肩部パーツに匹敵する高性能レーダーを搭載した索敵型 +CORE:C05-SELENA CORE:C05-SELENA EOの威力を高め、攻撃と防御を両立させた第三世代重装型 +ARMS:A04-BABOON ARMS:A04-BABOON 防御力のバランスに優れた、第三世代の重装甲型腕 +LEGS:LH13-JACKAL2 LEGS:LH13-JACKAL2 二脚タイプ中最高の防御力を持つ防御優先型
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主要登場人物
▼サンドゲイル マイ・アーヴァンク シルヴィア・マッケンジー イリヤ シェルブ・ハートネット シーア・ヘルゼン エイミ・ツザキ アハト ▼遺失技術文化社団 アザミ ノウラ ▼グローバルコーテックス エデンⅠ本社 スワロー ライラ・フェモニカ グレイ・ジェファーソン ▼グローバルコーテックス エデンⅣ支社 ソリテュード シャン・メイファ ▼レイヴンズアーク ユウ・ダイ ▼無所属 アリス レナ・セイガ 九玉
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マイ・アーヴァンク
原案:マド録 名前:マイ・アーヴァンク 性別:男 年齢:19 身長:180cm 体重:72kg 虹彩:ブラウン 髪型:ディープブルーのショート 体格:無駄な筋肉や脂肪がないボクサー体型 所属:サンドゲイル 搭乗機体:蒼竜騎 概要 独立傭兵組織サンドゲイルのAC部隊で前衛を務める少年。 性格は明朗快活。人懐っこく、悪戯っぽい一面もあるなど容貌や性格に若干のあどけなさが残る。 細かい事が苦手なため、ACの整備やメカニック知識などを敬遠する傾向があり、ACのアセンブリや戦闘にもその傾向が表れている。 ただ、興味を持った事や必要な事、求められる事に関しては努力を惜しまず、それを吸収できる力を持っている。 戦災孤児で10歳の頃に家族と死別。住んでいた町のただ一人の生存者で、瀕死に陥っているところをサンドゲイル代表のシェルブ・ハートネットに助けられ...
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~ザックセルVSスコープアイ~
...? 俺は…』 「シェルブ・ハートネット。 元エクストリーム・アリーナのトップランカーにして、企業や政府からは最恐とも言われた戦争屋。 11年前のある作戦によって問題を起こし、レイヴンズアークから身を引き、遊撃部隊サンドゲイルを立ち上げた。 そうだろう偽善者?」 『……どこまで知っている?』 ザックセルの声色が変わる。 こちらを敵と認めた、殺意を含む声。 「ここまでしか知らない。 だからわざわざ聞きにきた。 11年前、何があった? なぜ関連する記録のほぼ全てが隠蔽されている? お前らは何を知っていて、何を隠している?」 『……それが、お前に何の関係がある?』 気に入らない。 聞いているのは自分であって、答えるべきは相手だ。 そう思いながらも、トリガーにかけられた指をなんとか離して、話を続ける。 「関係があるから、聞いている。 ジシス財団と、その先進技術開発...
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十六話③
... 「懸命な判断だよ、シェルブ・ハートネット。そういうことさ。仮に今、君等が僕を殺すことが出来たとしても何の解決にもならない。その行動はミラージュと明確に敵対することになる。交渉は完全にオジャンだね。あぁ、それを望むなら僕を殺せばいい」 「くっ……!」 マイはカイを突き放す。カイは口元から滴る血を舌で舐め取る。 「――君等はつくづく、不思議な集団だね」 カイは周囲にいるサンドゲイル所属の面々の顔を見据え、その各々を確認し、呆れたように言葉を漏らす。 「アークの元トップランカーが率いているってだけで面白おかしいのに、スフィアやロアにまでコネクトがあるなんて。それにグラズヘイムのUebermensch(超人)、さらに赤い瞳の暗殺者までいるらしいじゃないか」 カイは艦橋を見渡しつつ、心底から不思議そうな声音を発する。その声音は理解し難い、という感情さえ含まれているように思え...
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第九話②
第九話*②*③ ミラージュ社直轄経済管轄領、閉鎖型自治区【ソグラト】── 午後一五時三〇分──。 艦艇上部区画の展望施設から臨む荒野に、黄塵を含んだ陣風が不規則に渦巻いている。 霞むその荒野の中に数日見なかった人工物──都市全域を覆う外殻機構を見咎めた時、艦内内線を通じてインカムに通信が届いた。 『繋留コロニーに着くわ、マイ。ボーディング・ブリッジに移動するから、手伝ってちょうだい』 「オーケー、すぐに行くよ」 外景に傾注していた視線を戻し、マイは艦内八階の乗降施設に直結する連絡通路へ再び足を向けた。 繋留施設への接近報告が艦内放送を通じて響き、先程まで落ち着いた静けさを保っていた艦内が俄かに騒がしくなり始める。繋留準備の為に通路を行き交う見知りのクルーらと目礼を交わし、込み合う昇降設備を避けて連絡階段で一気に八階まで駆け上がった。 すぐ右手、右舷第七...
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十話②
第十話*②*③ Three years later... 細かい傷跡が残る古い銀製のオイルライターを擦過させ、点った火を紙巻煙草の先端に近づける。単に濃く苦い味ばかりが特徴の紫煙を肺腑へ流し込み、片手に持った電話子機の受話口に耳を当てながらノウラはワーキングチェアに腰を深く預けた。 「頃合いだと思っていたぞ、──シェルブ」 『その言草だと、既にコトは伝わっているらしいな。変らず、其方は業務熱心のようだ』 通信媒体を介しているとはいえ約二年振りに直接言葉を交わす、レイヴンズアーク時代からの古い知己の物言いに、軽くではあるが口許を歪めて見せる。とはいえ、特段互いの再会を懐かしむ間柄でもない為、一度紫煙を肺腑に含んでから吐き出した後、ノウラはそれに相応しい言葉を省略する事にした。 「其れは私達の要諦だ。この後に及んで気を害するモノでもあるまい」 『確かにな。だが、分水...
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第九話⑤
④*⑤*⑥ 停泊ポートに迫る制圧部隊を他施設との連結通路を隔てて圧し留め、水際での近距離戦に突入してから数分が経過していた。 練達した技量を持って連綿な戦術を駆使する制圧部隊を前に、サンドゲイの歩兵戦力は初期に築いた防衛線から順序後退し、既に最後衛へその拠点を移していた。 『正面第五、第六搬入通路の封鎖完了──』 「よくやった。迂回路を進行し、五〇秒で拠点に合流しろ」 地下へ遣した爆破工作班を労い、シェルブは次の作戦段階に意識を移す。 (戦局はまずまずといった所か……稼げて、残り一五分弱。そろそろ来るな) 敵征圧部隊の技量が確かな事も無関係ではないが、シェルブは時間稼ぎの為の機動防御を当初から指示していた。施設管理局の承諾を得て爆破工作班に地下の物資搬入路を封鎖させた事により、敵部隊が武力による進入を確実にするには正面から乗り込むしかない。 あらゆる時間稼ぎを使...
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十五話
第十四話/ /第十五話*② 第十五話 執筆者:Ryo ―AD109/07/23 PM12 00― 太陽が頭を真上から照らし、街を歩く人々の額に汗が流れる、真夏の昼時。 リヴァルディのガレージの中、シーアとショーンは茹だる熱気の中で黙々と作業を続けていた。 「シーア、そっちはどうだ?」 「エネルギー供給系のバイパスは済んだ、そっちは?」 各ACの防塵処理や注油等のメンテナンスを終え、今は二人ともフィクスブラウの改造に着手していた。以前ショーンが設計したオリジナルパーツである増設ブースターを搭載させる為には、どうしても機体側を直接改造する以外に方法が無かったためである。 コア内部のエネルギー供給パイプ、配線や電子機器、センサー等に干渉させずに改造を施すのは非常に骨の折れる作業だが、ジャンク屋時代からかなりの回数の改造を繰り返してきたシーアにとってはそれほ...
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第九話③
②*③*④ 艦載レーダーと各種センサー群を最大レンジで展開した所、襲撃現場を中心にして南北二箇所から機動物体の動体反応を捕捉、その片割れに向かってシェルブはリヴァルディの舵を切らせた。 幾つかの事前情報を吟味した結果、南方戦域で探知できる反応の一つは先に派遣したフィクスブラウである事は識別信号からも疑いようはない。その搭乗者であるシーアがよこした情報に準拠すると、リヴァルディが現在急行中の北方戦域に探知した動体反応の一つが、嘗ての〝仲間〟である可能性は高い。 レーダー及びセンサ情報で把握していた戦況も急行する最中に収束しており、これ以上ないと言って良い手際の良さから、シェルブ自身もある程度の確信を持っていた。 「しかし、ごろつきと断定するには聊か、規模が過ぎるな……」 黒髪の総髪を掻きあげながら、地理情報の映像詳細を出力したデスクデバイスを注視する。 単純な兵力規...
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シルヴィア・マッケンジー
原案:マド録 名前:シルヴィア・マッケンジー 性別:女 年齢:16 身長:160cm 体重:47kg 虹彩:ブルー 髪型:ブルーのミディアムショート 体格:スレンダーで発達途上な身体つき 所属:サンドゲイル 搭乗機体:ジルエリッタ 概要 独立傭兵組織サンドゲイルのAC部隊で後衛及び狙撃を担当する少女。 性格は明るく、しっかり者。早く自立できるようにと何でも自分でやろうとするが、時々それが空回りしてしまう。 一人称に「ボク」を使う珍しい女の子。 マイと同じく戦災孤児で、幼いころに両親と死別し、サンドゲイルに拾われる。 両親と死別したショックで塞ぎこんでいたが、シェルブに世話を頼まれたマイが外に連れ出したり、一緒に遊んだりした事で立ち直る。 狙撃を担当するだけあり、視力は非常に良い。
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第七話
第六話/ /第七話/ /第八話 第七話 執筆者:Ryo 夕暮れを走るリヴァルディに向かう途中で、突如通信が入った。 『シーア! また勝手に動いたわね!!』 エイミの怒声がコクピット内に響く。 「ああ、悪かった。 だがシェルブといいさっきのやつといい、あれだけの腕だ。 熱くならずにはいられない。 また近いうちに会えるといいが」 反省するどころかむしろ上機嫌のシーアに、エイミは呆れた。 『もう、まだシェルブたちとは会って間もないんだから、悪い印象を持たれるのは嫌よ』 エイミの言う通り、サンドゲイルのメンバーになったのはつい最近だ。 自分のことはあまり知られたくなかったが、そもそも有名なサンドゲイルに、噂の『暗殺者』が加わったのだから、情報が出回らないわけがない。 先程のレイヴンのオペレーターもこっちのことを知っていた。 まだ機体の詳しい情報が出回...
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~ザックセルVSスコープアイ②
「~ザックセルVSスコープアイ~*②」 『シーア、逃げて!』 エイミが声を荒げて叫んでいた。 普段の落ち着きが一切見受けられないことから、かなり切迫した状況であることが容易に理解できた。 「こんな時に……!」 目の前には、自分が望んだ最強の敵がいる。 あともう少し、もう少しで決着がつく。 だというのに、体が動かない。 自分は、どうするべきなのか。 間違いなく、エイミは危険な状況にいる。 だが自分も敵と睨み合っている状況であり、迂闊に動けない。 自分は、どちらを優先すべきなのか。 答えは当然決まっていた。 それでも、それが正解なのか、自信がない。 迷っている時間はないとわかっているのに、身体は動かなかった。 堂々巡りの逡巡の中、目の前の敵が話しかけてきた。 『選べ、生死の選択だ。 お前はどちらを選ぶ?』 その言葉で、シーアは覚悟を決...
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十五話③
②*③/ /第十六話 ―AD109/07/23 二三 四七― 「ボス、スコープアイが、基地制圧を開始しました。 ポイントレッドのMTも、ほとんど撃墜いたそうです」 「よし。 少し早いが、作戦を開始する。 各員、レーダーには常に気を配れ」 予測の通り事が運べば、敵部隊は既に警戒している三方向からしか攻めて来ることはない。 だが、シェルブはもう一つ、ある可能性を懸念していた。 ――そんな事態に、ならなければいいが そう考えずにはいられない。 レイヴンならば誰もがいつかは経験する、ある危険性をこの任務は孕んでいる。 だが、今このタイミングにおけるそれは、少しばかり厄介だ。 だが、同時にそれを経験することで、成長も期待できる。 いずれは超えねばならない壁なのだ。 「――マイ、聞こえるか」 『何ですか親方?』 「……気を引き締めろ、予測とは違う方向から...
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第九話④
③*④*⑤ 瞑った眼を開けると、白磁の大地が静かに、遠くさざなんでいた。 その遠く、遠くを、見知った背中が歩いてゆく。 追いかけた。自分の吐息が、白い世界に溶けて感じられなくなるまで。 その人が、最後に囁いた。 君の手を取って共に生きてくれる人々が、その世界にいる筈だよ── 彼らと、同じ日々を歩いてみなさい。 ──君が次に目覚めた時は、やさしい世界でありますように── アレから途方もない年月が経過したのだろう。水面に立つ波紋が緩やかに拡がるように、それまで半永久的な休止状態を維持していた意識が、閉ざされた白磁の世界から私の袖口を引っ張る。 来たというのか──。 「あ──ん、う……」 伸ばされた影が未練を残している。身体機能は未だ休止期間を必要とし、しかし、私は反抗するそれを強引に意識下へ隷属させた。統合意思が上手く機能し...
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十五話②
第十五話*②*③ 「恥ずかしながら、まったくもってその通りだ……他の部位の修理は大体済んでいるんだが、右腕は丸ごと無くなっちまってるからな、どうしようもないのさ。おまけに自分の身体の怪我も完治したワケじゃねぇのにエデンⅣ防衛にもなんだかんだで駆り出されるし、ツイてねぇよ……」 「そんなわけで、ウチで修理をすることになってんだ。運のいいことにパーツの在庫がある、なんとかなるだろ。それに俺たちはこのままトラキアに戻るから、ついでに乗せて行くことになったわけだ。 納得したか坊主?」 と、ショーンが突然マイの背中を叩きながら訳知り顔で顔を出した。 「ってなわけで、ゼオはシーアの基地制圧完了を見計らってからウチのガレージに寄って、それから作戦に参加ってことになるわけだ。これで満足したか?」 まだ完全に納得したわけではない、とでも言いたいような渋い顔のままだったが、マイは仕方なく...
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設定
あ行 アスセナ アンオフィシャル・オペレーション アンディオン地域 遺失技術文化社団 エクストリームアリーナ エデンタイプコロニー都市 エデンⅣ か行 旧世代技術解析財団 旧世代技術解析財団所属・先進技術開発部 旧ナルバエス地方 ケレト大断崖 コード:ヴェイロン・アプローチ さ行 サンドゲイル 生体CPU た行 テラブースト 特殊技術戦力開発局 トラキア な行 は行 兵器災害 ま行 マーフア研究所 や行 ら行 リヴァルディ わ・を・ん 記号・数字 BRS(Biochip Regulating System) ICS(Integrate Control System) アスセナ ミラージュ社旧経済管轄区最南端に位置する旧世代遺跡。六年前にミラージュ社によってその存在のみが確...
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決意
「決意」 執筆者:マド録 リヴァルディの食堂。 他の人がおしゃべりに夢中な中、シルヴィが一人何やら考え込んでいた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「行ってきます。」 答える者がいないとわかっていてもつい言ってしまう挨拶。 5年来続くルア・リーフェスの朝の日常だ。幼いころに両親を亡くしたルアは歳の離れた兄の仕送りで暮らしている。兄はミラージュの本社勤務で一緒には暮らしていない。一緒に暮らしてもよいのだがせっかく両親が残してくれた家を出る気にはなれなかった。 シェルター都市である「リエルシティ」の電車に乗り通学する。今朝も車窓からから外を眺めるといつもと変わらず、林立したビル群の景色が流れていった。電車に揺られること15分。ハイスクール最寄の駅に着いた。人工的に作られた...
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第九話⑥
⑤*⑥/ /第十話 蓋を開けてみれば何から何まで事前情報と異なるとは、こういう事を言うらしい──。 後退支援戦闘に当たって迎撃戦闘に転じた部下の二人ともが瞬く間に撃滅された状況下にあって、ウルフ・アッドは冷静に事態を捉えていた。 本社情報部の連中が遣した詳細に依れば、独立系傭兵部隊〝サンドゲイル〟は比較的優秀なAC戦力を保有しているものの、独立勢力としては目立った所のない一勢力に過ぎないとの事だった。 やはり、本社の情報部は信用ならんな──。 先だって投入された先行戦力群──グレイヴ・メイカーという戦闘に際しては素人の域を出ない技術屋集団が壊走したのは当然の顛末だったとして、それは否定しない。 同時に、その壊走が始まるまでの戦域映像が本社からの指示でデータリンク適用外とされていた事が、仇になったのもまた、否めない感があった。 仮にも特殊部隊管轄軍の精鋭部隊を...
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Armored Core - Execution -
Armored Core - Execution -*②*③ 執筆者:柊南天 Armored Core - Execution - EpisodeⅠ 第一種戦闘態勢を継続維持中の各種センサー機能が戦域環境情報を逐次収集し、HMDに出力したエリアマップに状況を更新していく。 マルチコンソールを操作してエリアマップを回転──多数の動体反応が著しく動く位置座標を見咎め、ヴァロージャは眼球動作に追従機能するフレームシステムを用いて搭乗機の頭部カメラアイを眼下の地上へ傾けた。 上空域にまで届く黒煙の切れ目に覗く広大な赤土の岩壁地帯、その地上部で動体反応源である前線兵力が火線を交えている。複雑な岩壁地形の地上で敵味方の機械化部隊が高密度に衝突し、大きな爆発音が幾度となく響く。 有視界に映る有り触れた戦場の光景を見つめていた時、作戦支援室から通信要請が入り、ヴァロ...
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Armored Core - Execution - 1‐1
「Armored Core - Execution - 1‐1 * Armored Core - Execution - 1‐2 * Armored Core - Execution - 1‐3」 執筆者:柊南天 第一種戦闘態勢を継続維持中の各種センサー機能が戦域環境情報を逐次収集し、HMDに出力したエリアマップに状況を更新していく。 マルチコンソールを操作してエリアマップを回転──多数の動体反応が著しく動く位置座標を見咎め、ヴァロージャは眼球動作に追従機能するフレームシステムを用いて搭乗機の頭部カメラアイを眼下の地上へ傾けた。 上空域にまで届く黒煙の切れ目に覗く広大な赤土の岩壁地帯、その地上部で動体反応源である前線兵力が火線を交えている。複雑な岩壁地形の地上で敵味方の機械化部隊が高密度に衝突し、大きな爆発音が幾度となく響く。 有視界に映る有り触れた戦場の光景...
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第八話
第七話/ /第八話/ /第九話 第八話 執筆者:ヤマト 「また、この感覚」 生体と機械が感覚を共有する時の独特の不快感、知らない筈の知識、わからない筈の感覚が一瞬で未知から既知へとシフトする。ついで自分の中に他人がいる。旧世代の技術を復活さようとしている組織を攻撃する為にナインボールを起動させたハスラーワンという名の男だ。 「っ…ハスラー、入り過ぎ」 (解った) 私の中に入り過ぎたハスラーワンの意識を外側へ追い出しながら起動シーケンスを立ち上げる。 本来ならナインボールの起動に私は必要ない。このナインボールは負荷低減型ネクストのためAMS適正の高いハスラーワンなら一人で操れる。にも関わらず生体CPUである私が同乗しているのは戦闘になるとハスラーワンが機体の限界以上の性能を要求し機体がオーバーロードするからだ。パイロットを守るはずの私は機体を守るためのリ...
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白翼の対価③
「白翼の対価*②*③」 わざわざ身構えている敵部隊のド真ん中に突っ込むのは愚策中の愚策であるが、不思議と何とかなるだろうと思えた。何しろ、まったく負ける気がしないのだ。 こちらを狙う殺意に似た何かが、火線となって見える。どう躱せばいいか、どう動けばいいか、どう撃てばいいか、手に取るように解る。 グレネードを避けながら重装型MTのメインカメラを正確に撃ち抜き、襲い来るミサイルを避けながらロケットで逆関節MTを吹き飛ばす。 「残り六」 マシンガンが機体の装甲を掠めるのも想定内だ。心地良い衝撃に身を委ね、踊るように機体を操る。 メインカメラを撃ち抜かれ、視界を狭められた重装型MTがグレネードを連射して来る。射線をほんの少し誘導してやれば、面白いくらい素直に撃って来た。僅かに、機体を揺らす程度の感覚で左にズレると、グレネードの榴弾は【プロトキャット】を外れ、その背後に居た逆...
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白翼の対価②
「白翼の対価*②*③」 普段の生活を考えると、今日は忙しい一日になったものだ。 フラーネのマンションで腰を落ち着ける暇も無く、今度は居住区の隣にある商業区のショッピングセンターに繰り出す事になった。目的は、アルバートの服や寝具を揃えるため。もちろん陣頭指揮を執るのはフラーネだ。 彼女に引き連れられて最初に乗り込んだのは、店構えからして高級感溢れるブティックだった。 言うまでもなく、始めて足を踏み入れる類の店である。 そこでアルバートは、モデルと言うよりショーケースのマネキン宜しく、フラーネに乞われるがまま次から次へと服を取り替えていく。 単なる着せ替え人形に成るのならばまだ気が楽なのだが、フラーネはこちらに意見を求めて来るので質が悪い。生憎と自分はファッションセンスなど持ち合わせていないため、どうしても気の無い返事ばかりしてしまう。 ただし、「どうでもいい」が...
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Armored Core - Execution - 1‐3
「Armored Core - Execution - 1‐1 * Armored Core - Execution -1‐2 * Armored Core - Execution - 1‐3」 ──シェルブさん ──あの小僧は、お前が引き継げ ──"アース・ブルー"はどうなるんです ──騒乱収束迄に、内々に処理する方向で進捗調整会議は合意した。"アース・ブルー作戦"は、進捗調整会議が今後用意する代替作戦に取って代わられる。私もお前もその作戦に加わる。今の内に準備を済ませておけ。 ──という事は、ルアナと、ゼノビアさんもですか? ──ああ。現場に居た者全員に参加命令が下っている。此処までやって来て、今更無関係とはいかん ──そうですか ──ロジオン ──はい ──あの小僧が何時か、同じ道を辿る事になるとし...
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Armored Core - Execution -③
Armored Core - Execution -*②*③ ──シェルブさん ──あの小僧は、お前が引き継げ ──"アース・ブルー"はどうなるんです ──騒乱収束迄に、内々に処理する方向で進捗調整会議は合意した。"アース・ブルー作戦"は、進捗調整会議が今後用意する代替作戦に取って代わられる。私もお前もその作戦に加わる。今の内に準備を済ませておけ。 ──という事は、ルアナと、ゼノビアさんもですか? ──ああ。現場に居た者全員に参加命令が下っている。此処までやって来て、今更無関係とはいかん ──そうですか ──ロジオン ──はい ──あの小僧が何時か、同じ道を辿る事になるとしても、お前は何も伝えるな。此れから抹消される過去を追いかける生涯に、真っ当な意義などはないからな ──分かりました。シェルブさん、...
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Armored Core - Execution - 1‐2
「Armored Core - Execution - 1‐1 * Armored Core - Execution - 1‐2 * Armored Core - Execution - 1‐3」 誘導灯が不規則に明滅する薄暗い搬入路を十数秒で突き抜け、内郭部出口へリスタートを滑り込ませる。 「これは──結構な有様だな……」 進入に成功した内郭都市部の惨状を目にした時、先ほど作戦領域上空より緊急離脱した輸送機から通信要請が発信されてきた。戦術支援AIに口頭指示して、戦時回線を確立させる。 「此方、戦力コード【リスタート】。大丈夫か、カテリーナ──?」 『はい。後部カーゴをパージしましたが、何とか……。現在、友軍増援部隊との合流進路にて待機中です。ヴァロージャ、其方は──?』 「現在、シェルター内部へ進入した所だが──」 『成程、酷いようですね──』 稼動中のデー...
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Armored Core - Execution -②
Armored Core - Execution -*②*③ 誘導灯が不規則に明滅する薄暗い搬入路を十数秒で突き抜け、内郭部出口へリスタートを滑り込ませる。 「これは──結構な有様だな……」 進入に成功した内郭都市部の惨状を目にした時、先ほど作戦領域上空より緊急離脱した輸送機から通信要請が発信されてきた。戦術支援AIに口頭指示して、戦時回線を確立させる。 「此方、戦力コード【リスタート】。大丈夫か、カテリーナ──?」 『はい。後部カーゴをパージしましたが、何とか……。現在、友軍増援部隊との合流進路にて待機中です。ヴァロージャ、其方は──?』 「現在、シェルター内部へ進入した所だが──」 『成程、酷いようですね──』 稼動中のデータリンクシステムによって転送され続けている有視界映像を目にしたのだろう、カテリーナは自身と似たような言葉を口にした後、小さく息をついた。...
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑩
⑨*⑩*⑪ 変わらず抑揚を欠いた言葉。しかし、ガロはその口調の裏側に僅かな焦りの介在を感じ取っていた。 統合制御体がファントムヘイズとの近接対峙を前に、機体制御態勢の速やかな移行を推奨する。 「知らんだろうな。貴様が世界の裏側でのんびりとしている間に、この地上世界は大きく変容した──」 意思判断し、左腕部に携えた適合兵装を持ち上げる。それに合わせてファントムヘイズも狙撃銃の銃口を動かした。長鑓を思わせる長大なひとつの銃身を基軸とし、レールシステムの搭載によって多種兵装の搭載を可能にした実働試験機体:マルシアの為のみに製造された大型の適合兵装。 『貴様に見せてやる。この五年間、世界がどう動いたのかをな──』 その言葉を最後とし、一方的に通信回線を解除。 統合制御体に指示し、機体制御態勢の速やかな移行を指示する。 その間際、再びハルフテルが最後に言い...
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Intermission -operation bitter and sweet-②
「Intermission -operation bitter and sweet-*②*③」 ―Main story― 2月13日、早朝。エイミの部屋の簡易キッチンには先日買い揃えてきた調理道具と材料が所狭しと並べられていた。 あの後、二人は寄港しているコロニーへ人目を盗んで買い出しに行き、早速試しに手作りチョコレートを作ってみたのだが、結果は玉砕と言わざるを得なかった。 シルヴィは元々お菓子など作った事が無く、料理もほとんど覚えていない。そのため、わざわざ手作りするより既製品を買って食べた方がマシという散々な出来だった。 エイミも料理はできるが、お菓子作りとなると勝手が違う部分もあり、シルヴィほどではないにしろ、人に送るのは躊躇われる出来だった。 その後もう一度トライしたものの、シルヴィは相変わらずの出来栄えで、エイミは最初よりも随分マシなものになったが、...
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Intermission -operation bitter and sweet-③
「Intermission -operation bitter and sweet-*②*③」 ―SideA― 2月13日、夕方。エデンⅣの高級マンションの一室。ソリテュードの部屋にアリスとメイファはいた。二人は共にエプロンを着け、キッチンで何かを作っている。 家主であるソリテュードは遠方のミッションに出撃しており不在で、帰ってくるのは明日の朝である。それを見越して今日と明日をオフにしていたメイファはアリスの世話と留守番を買って出たのだ。もちろん彼女たちにとって、この状況は好都合だったのは言うまでもない。 「よいしょ……よいしょ……」 「いい調子よ、アリスちゃん。もうちょっとだから頑張って」 「うん、がんばる」 アリスはメイファが支えているボウルの中身をヘラで一生懸命かき混ぜていた。キッチンに背が届かないので子供用の台に乗ってボウルの中を覗き込むような格好だ。...
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第五話
第四話/ /第五話*② 第五話 執筆者:クワトロ大尉(偽) 人類を襲った未曾有の危機、『アーセナル・ハザード』により世界が荒廃して5年。 世界は混迷を極めていた。 企業は己の利権を広げようと躍起になり、政府は政治主導を企業に乗っ取られるのを危惧して勢力の立て直しと拡大にのみ力を注いだ。 誰も自分の手に余る世界などというものを救おうとはせず、ただ己の幸福を追求した。 結果、企業や政府に係り合いのない多くの人々は虐げられ弱肉強食の分かりやすい理論が横行していた。 金のない人間は常に古代兵器の襲撃に怯え、金のある人間は安全な場所で豊かな暮らしを約束された。 コロニー『エデンⅣ』。各企業がしのぎを削る商業区画の隣に位置する居住区画。 快適な環境のマンションが立ち並ぶ居住区画だが、その中でもひときわ快適な高級マンションの一室で、若い男が通信用マルチ...
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第一話③
②*③/ /第二話 バイザー越しに白銀の世界を見回しつつ、内壁部分へと進む。隔壁を隔てた先ほどの空間と異なり、緩いカーブを描いた環状形の空間構造になっているらしい。内壁部分には人型大程度のシリンダーが密集して納められており、果実の房が成るように多重構造となっていた。 その内の一つに近づき、外装部にこびりつく氷結を手でこそぎ取る。 中身が透過できる程度に氷結部分を処理し、少し背を伸ばしてシリンダーの内部を覗き込んだ。 「──人間?」 一瞬ぎょっとしたが、取り乱すさず内部を見渡す。シリンダー内部には人間のものと思しき痩せ細った死体がちょこんと収まっており、状態から推察するに完全にミイラ化しているという事がとりあえず分かる。 自身は学者でも何でもないので分からないが、素人目に見ても、数十年やその程度の時間で形成された代物でないという位は推測できる。 マイは数歩足を下...
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑧
⑦*⑧*⑨ 途中幾度か、前衛撹乱型のパルヴァライザーと交戦を経てガロは、大した損耗を被ることもなくコーテックスビルを中心とする建築物群エリアに進入した。周辺戦域に追跡動体が接近していない事を確認してから、エンシェントワークスの保有する運搬用の私設ターミナルへ滑り込み、同施設の制御ネットワークにアクセスする。 『──識別符号:TS002-EW011』 『──識別符号、照会完了しました。どうぞ、進入してください』 ネットワークの制御システムが承認の返答を遣し、それと共に自動シャッターが開口した資材搬入用の保管廠内部へシックフロントの機体を滑り込ませた。大型資材運搬用の昇降台へ機体を搭載し、制御ネットワークに最下 層地下核部への降下を指示する。 『了解しました。到着所要時間は五分です──降下を開始します』 通達と同時に一瞬接地面が震動、昇降台が降下を開始しガロは...
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話③
②*③*④ 「……良い味だ。こういった物が無くなっては、財産の損失だな」 立ち上がった所でもう一本抜き出した紙巻煙草を口許に咥え、先端に紅点を点した。何度か紫煙を吹かして静かな時間が過ぎた後、同じく紫煙を地べたで味わっていた男が切り出した。 「──生け捕りの割には、随分と迷いのない立ち回りだったな?」 「妙な言い回しだな。何が言いたい」 片頬を地べたに付けた格好のまま、壮年の男は何らかの意図を宿した鋭い視線をこちらに上げてみせる。その相貌に姦計といえる感情はなく、ただ、此方への純粋な問いかけのようにリサには感じ取ることができた。そして正にその通り、男はその言葉を口にしてみせる。 「なに、唯の問いだよ。──どうにも君は、見慣れない種類の人間のように思えてね」 その男の言葉は、彼という人間がこれまでに渡って来た世の凄惨さそのものを反映しているようであった。 ...
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話④
③*④*⑤ 敵性目標は高密度火力で此方を釘付けにしつつ、通常歩行で距離を詰めてきている。 手堅く此方を粉砕するつもりか── 豊富な搭載火力を当てにした単純ではあるが、しかし、地形を有効に利用した確実な攻略法である。 いつでも応対射撃に出れるよう構えながら、左手で腰元のポーチをまさぐるがそこには既にハンドグレネード類は収まっていない。先ほどパルヴァライザーと交戦した時に使い果たしてしまっていた。 センサー群で集約した情報を吟味した上で対向戦術の確立を図ったが相手の電子機器を麻痺させる装備もなく単純火力ですら劣性である現状で、戦況を覆すだけの要素は考えうる限りでは見当たらなかった。 (単純機動での強襲成功率は34,5%──厳しいな) 強化内骨格である自身の身体機能を用いて正面からの強襲攻撃を試みた所で、相手の集中弾幕を被弾覚悟で搔い潜ったとしてその後殲滅...
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Intermission -operation bitter and sweet-
「Intermission -operation bitter and sweet-*②*③」 執筆者:クワトロ大尉(偽) ―Main story シルヴィア&エイミ― リヴァルディ艦内の一室。簡素で無骨な造りの部屋であるが、可愛らしい小物や家具が置かれていることから、一目で年頃の女の子が使っていると分かる。 その部屋のベッドの上で、ティーンズ向けの雑誌とにらめっこをしている一人の少女。リヴァルディの若きレイヴン、シルヴィア・マッケンジーは雑誌の特集記事を見ながら一人、悶々と悩んでいた。 「うーん……どうしよう。作り方は大体分かったけど、経験がないからなぁ」 彼女が見ている誌面にはファンシーなイラストと共にあるお菓子の作り方が掲載されていた。様々な形をした、光沢のあるブラウンの菓子。老若男女問わず人気のある魅惑のスウィーツ、チョコレートだ。 シルヴ...
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十二話
第十一話/ /第十二話*② 第十二話 執筆者:クワトロ大尉(偽) コロニー『エデンⅣ』の居住区画。 現在の時刻は午前7時過ぎ。 いつもならば会社や学校へ向かうサラリーマンや学生が、せわしなく行き来し、活気づいているはずのメインストリートは混乱の渦に巻き込まれていた。 本来なら人工とはいえ燦々と降り注いでいるはずの朝日は見る影もなく、エデン4の高い天蓋は不吉な闇を落としている。 その混乱の最中、悲鳴と怒号が支配する闇を切り裂くように一人の男が、人々の流れと逆行しながら駆け抜けていく。 向かう先は居住区画と商業区画の間に位置する興行区画。 避難警報が発令されている現場そのものに全速力で走っていく。 グローバルコーテックス所属のレイヴン、ソリテュードは滅多に見せない焦りの表情を浮かべていた。 ――まずいことになった。 彼を焦燥させる理由は唯一つ。...
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑥
⑤*⑥*⑦ 含みを持たせた言葉にガロが冷静な返答をよこす。 中央メインモニターに都市全域への戦力配備状況が次々と舞い込み、統合司令部の指揮機能確立に従って戦線が徐々にではあるが、確立しつつある。 「此れからが本当の戦場だ。──貴様らが何を望んでいるのが、ゆっくり教えてもらう事としよう」 かつて自らが与えた叡知を使い統一連邦は何を求めているのか、この騒乱の終わりの時にどんな結末が用意されているのかを想起し、ノウラは口許を大きく歪めた。 AM08 05── * ──その戦闘は後に【ナヴラティロヴァの惨禍】と呼ばれ、30年以上に渡って戦争史に語り継がれる事となった。 『──完全な奇襲及び殲滅戦闘だ。目に映る者全てを逃すな、徹底的に蹂躙しろ』 無線を介した部隊...
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十一話②
第十一話*②*③ コーテックスの社有ガレージは本社施設の地下に備え付けられている。 地下に張り巡らせられたリニアなどの交通機関を利用しやすくするためだ。 もっとも、これは一般的な貸ガレージにも言えることである。 スワローはガレージの入口に取り付けてあるセキュリティーにIDカードを滑らせ、十六桁にも及ぶ暗証コードを空で打ち込む。最後に指紋と虹彩認証をパスすると、やっとドアロックが解除された。 ガレージに足を踏み入れると、赤外線センサーで人の入室を感知した照明が、自動でガレージ内を照らし出した。 只広いガレージ内には三機のACが立ち並んでいる。 一つは【ARROWS】――コーテックスの試作ネクストだ。 近日中に行われる換装作業のためか擬装装甲が外されており、専用の武器もこの間のクレスト新型戦で破壊されたため、ハードポイントには何も取り付けられていない。 ...
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Dépression du chevalier②
「Dépression du chevalier*②」 (何をしたんだ、いったい!?) よもや直進して来る重量級の機体に回避されることなど完全に想定外だったため、カヴァリエは混乱から一瞬の隙を曝す。そしてその一瞬さえも相対する敵には致命となり得ることをカヴァリエは思い知らされる。 ガッガンッ!とコックピットを連続で揺さぶる衝撃によりカヴァリエは我に帰った。 何をされたかなど機体AIの報告を聞くまでもない。反撃を受けたのだ。恐らくは右腕部の得物であるスナイパーライフルで。 【機体AP低下、左腕部損傷軽微、コア損傷軽微】 「チィッ……!」 機体AIの報告を聞き、カヴァリエは軽く舌打ちしつつも【キュラシェーア】を後退させ、再度チャージの完了したレールキャノンを構える。 「足さえ止めれば!」 再び【アイムール】の脚部に向け放たれた光条は、やはり狙いを外されアリーナの床...
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑨
⑧*⑨*⑩ その中の一人が、最重要兵器開発要綱に参加していたテストパイロットの一人であり、現在ガロの眼前で対峙する男、ファントムヘイズであった── 姿を消した彼らが、何を思って紅い亡霊と共に裏側の戦場へエントリーしたのかは、現在ではまだ明かされていない。 財団崩壊後、オリジナルの紅い亡霊が関与したとされる戦闘記録は、非公式にではあるが幾つか残されている。その非公式記録についてはターミナルスフィアに所属しているガロも、保管資料から大体の詳細を知り得ていた。 彼の望むモノ。ファントムヘイズは、確かにそう口にした。 ガロはその言葉が意味する可能性を瞬時に記憶から弾き出すことができた。 確かに、紅い亡霊がそれを目的として代理人としてファントムヘイズを、騒乱の混乱に乗じて送り込んできたのだとすれば、目的としての筋道は立つ。 しかし、それは同時にこの騒乱が最初...
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Coaxial
「Coaxial*②*③」 執筆者:クワトロ大尉(偽) エデンⅣ、午前9時前後。 未だ停電によって巨大な天蓋が不吉な闇を落とすその下では、地獄絵図のような激戦が繰り広げられていた。 興行区画のパルヴァライザー掃討を担当するグローバルコーテックスのランカーレイヴン、フォルディアは目前に迫った四脚型パルヴァライザーのブレード斬撃をひらりとかわし、ガラ空きの頭部めがけショットガンの零距離射撃を叩き込んだ。 パルヴァライザーは頭部を木っ端微塵に吹き飛ばされ機能を停止する。 「ラストワン。これで何回目だよ」 退けるたびに押し寄せるパルヴァライザーを悉く撃破してきたフォルディアは埒の明かない防衛線に多少イラついていた。 フォルディアはキャリア10年を超えるベテランであり、依頼されたミッションのほとんどを遂行しここまで生き残ってきた猛者である。もちろんミッションを放棄する気も...
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ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十話③
②*③*④ * 『開始10分前です。出撃、スタンバイしてください』 「了解。出場資格コード:GCA-L013、出場機体コード:ラピッドタイド。スタンバイ開始します」 眼前の投射型ディスプレイから溢れる灰青色の光源が染め上げるコクピットの中、ヴァネッサは静かに、しかし大きく息を吐きだした。 コンソールキーを軽やかに叩き、機体制御プログラムの完結プロトコルを起動させる。空白に満ちたディスプレイに機体情報が関連画像と共に羅列形式で出力されていく。 『リサ、起動を完結。戦術支援プログラムを第三種準備待機態勢から、セミ・アクティヴへ移行する』 「おはよう、リサ。今日がいよいよ正念場よ。よろしくね?」 『お前の、10年の成果を見せる檜舞台だ。此方こそ、宜しく頼む』 完結プロトコルに最後に起動した機体搭載のリサ──ヴァネッサが10年前に...
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Dépression du chevalier
「Dépression du chevalier*②」 執筆者:CHU アリーナのドームに試合終了を知らせる電子音のゴングが鳴り響く。 『試合終了ぉ~!勝者は!ブルーコーナー、ハイネケン!』 テンションの高い女性パーソナリティーが試合の勝敗を声高に叫ぶ。それと同時に落胆の怨嗟や歓喜の雄叫びが、バトルフィールドの外に設けられた観客席から漏れ出した。 そのない交ぜになった喚声は、機体の集音マイクを通じて嫌でも私の耳に入って来る。 『残念ながら敗れてしまったレッドコーナーのカヴァリエにも!どうか惜しみない拍手をお願いしまぁす!』 パーソナリティーのおざなりな定型句も、今の私には耳障りなだけだ。 「くそっ、また負けた……」 勝ったアイツの機体【バッドアイズ】はスポットライトを浴び、反対に私の機体【キュラシェーア】はすごすごと格納スペースに引っ込まされる。観客達...
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