ARMORED CORE Handed Down Heroism @ ウィキ内検索 / 「ファレ・ノプシス」で検索した結果

検索 :
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 外伝
    ...at― (登場人物:ファレ・ノプシス)   “Halloween”――それは、歴史に名を残すことなく葬られた技術者達の夢物語。   もし、それが現世に受肉したのであれば、須く、その放胆な光は破壊と災厄を戦場に齎すことだろう。 作:ユウダイ・ユウナ ■ レイヴンズ・レポート -レナ・セイガ編- (登場人物:レナ・セイガ) ■ シャドー (登場人物:シャドー) 作:Ryo ■ ~ザックセルVSスコープアイ~ (登場人物:シーア・ヘルゼン シェルブ・ハートネット)     Page-1   Page-2 作:マド録 ■ 決意 (登場人物:シルヴィア)
  • ―Trick or treat―
     執筆者:継@(適当にどうぞ) 「AC用新型EN兵器運用試験」  今回ファレが請け負ったミッションだ。  新型と言うフレーズに胡散臭さを感じつつミッションを受託したが、怪しげなものに胸が躍るのは、技術者上がりの性だろうか。  おそらく一般的な傭兵には味わう事のない感情だろう。  まぁ、味わったところで、なにか得をする訳でもないような気もする。  彼の愛機「パスカル」は一足先にクライアントへ出向いている。  今回試験を行なう装置との相性や、試験兵器の情報漏洩を防ぐ調査のためだ。  そしてファレ自身も作戦領域まで、これまた機密保持のため、愛機との再会を禁じられている。  試験対象と、変わり果てた愛機の姿を想像し、期待と不安を交互に感じながら、彼はクライアントの輸送機の中で作戦領域への到着を待っていた。  作戦開始30分前、一...
  • 練習ページ
    ・登場人物(リンク名 ) サンドゲイル  マイ  シルヴィア クレスト社 ミラージュ社  リヒト  カイ レイヴンズネスト ナーヴスコンコード グローバルコーテックス レイヴンズアーク その他組織  所属不明・フリーランス ここはページ作成や編集の練習など、WIKIを効果的に使いこなすための練習ページです。 誰でも気軽に編集してみよう。 ■ サンドゲイル  名称:サンドゲイル(Sandgale)  種別:組織  所属:フリーランス +構成員  マイ・アーヴァンク  シルヴィア・マッケンジー  シェルブ・ハートネット  ショーン・ハワード  シーア・ヘルゼン  エイミ・ツザキ  -詳細-  マイ達が所属する遊撃隊兼何でも屋。  レイヴンズアークのトップランカーだったシェルブ・ハート...
  • ファンロン
    原案:クワトロ大尉(偽) 機体名:ファンロン 搭乗者:シャン・メイファ 機体構成 +HEAD:YH08-MANTIS HEAD:YH08-MANTIS 肩部パーツに匹敵する高性能レーダーを搭載した索敵型 +CORE:CR-C98E2 CORE:CR-C98E2 C89Eを調整、軽量化を実現した新鋭機 +ARMS:CR-A92XS ARMS:CR-A92XS 消費エネルギーを大幅に削減し、機体負荷を小さくした第四世代機 +LEGS:CR-LF93A2 LEGS:CR-LF93A2 高い防御力と積載量を持つ、重装タイプの改良型 +BOOSTER:B05-GULL BOOSTER:B05-GULL VULTUREをベースに再設計を行った最新型 +F.C.S:MONJU F.C....
  • シャン・メイファ
    原案:クワトロ大尉(偽) 名前:シャン・メイファ 性別:女 年齢:23 身長:167cm 体重:55kg 虹彩:ブルー 髪型:レッドのロング 体格:スレンダーだが胸は大きい 所属:グローバルコーテックス エデンⅣ支社 搭乗機体:ファンロン 概要 アーセナル・ハザード直前にレイヴンとなった女性。 レイヴンとして高い才能を持っており、デビュー当時から華々しい戦果を上げ、瞬く間にアリーナランクを上げていった。現在はアリーナBランクの2位。 性格は底抜けに明るく前向きで、あまり悩まないタイプ。また面倒見が良い姉御肌で、困った人間を見ると放っておけない。 同じエデンⅣ支社のレイヴン、ソリテュードとは恋人同士である。 ソリテュードが保護している生体CPUのアリスを実の妹のように可愛がり、面倒を見ている。 中国拳法の使い手で活発な女性であるが、料理...
  • グレイ・ジェファーソン
    原案:CHU 名前:グレイ・ジェファーソン 性別:男 年齢:21 身長:175cm 体重:70kg 虹彩:グレー 髪型:ブラウンのショート 体格:スポーツマン体型 所属:グローバルコーテックス エデンⅠ本社 搭乗機体:ネイリング 概要 グローバルコーテックスに登録されて間もない新人レイヴン。 スワローの後継とされ、彼の選んだ教導役の下でレイヴンとしての所作を学ぶ。 性格は明るく、誰とでも仲良くなれる大らかな気質を持つが、ずけずけとした物言いなためか、意図せずして相手の気を悪くしてしまうこともある。 スワローとは別種の非凡な素質を備え、コーテックスのネクストプロジェクトの中核を成す。
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑨
    ⑧*⑨*⑩  その中の一人が、最重要兵器開発要綱に参加していたテストパイロットの一人であり、現在ガロの眼前で対峙する男、ファントムヘイズであった──  姿を消した彼らが、何を思って紅い亡霊と共に裏側の戦場へエントリーしたのかは、現在ではまだ明かされていない。  財団崩壊後、オリジナルの紅い亡霊が関与したとされる戦闘記録は、非公式にではあるが幾つか残されている。その非公式記録についてはターミナルスフィアに所属しているガロも、保管資料から大体の詳細を知り得ていた。  彼の望むモノ。ファントムヘイズは、確かにそう口にした。  ガロはその言葉が意味する可能性を瞬時に記憶から弾き出すことができた。  確かに、紅い亡霊がそれを目的として代理人としてファントムヘイズを、騒乱の混乱に乗じて送り込んできたのだとすれば、目的としての筋道は立つ。  しかし、それは同時にこの騒乱が最初...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑧
    ⑦*⑧*⑨  途中幾度か、前衛撹乱型のパルヴァライザーと交戦を経てガロは、大した損耗を被ることもなくコーテックスビルを中心とする建築物群エリアに進入した。周辺戦域に追跡動体が接近していない事を確認してから、エンシェントワークスの保有する運搬用の私設ターミナルへ滑り込み、同施設の制御ネットワークにアクセスする。 『──識別符号:TS002-EW011』 『──識別符号、照会完了しました。どうぞ、進入してください』  ネットワークの制御システムが承認の返答を遣し、それと共に自動シャッターが開口した資材搬入用の保管廠内部へシックフロントの機体を滑り込ませた。大型資材運搬用の昇降台へ機体を搭載し、制御ネットワークに最下 層地下核部への降下を指示する。 『了解しました。到着所要時間は五分です──降下を開始します』  通達と同時に一瞬接地面が震動、昇降台が降下を開始しガロは...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十四話
    第十三話/ /第十四話/ /第十五話  第十四話 執筆者:ユウダイ・ユウナ 店内には客の姿はない。だが、マスターは気にせずカップを磨く。客がいないときはいないときで、その静かな時間を彼は好んだ。娘は所要で出かけているため働ける人間は彼しかいない。人を雇うことをしないのは、娘と一緒に経営することが楽しみの一つであり、その一時が幸せだからだ。しかし、娘はあるレイヴンのオペレーターも兼業しているため、依頼があればオペレーターの仕事をするために家を留守にする。それでも、彼は止めることはしなかった。娘の生き方は娘が決めること、強制することではない。彼女の“本当の父親”の遺言を尊重してのことだった。カランと入り口の鐘がなり、客が来たことを認識すると、いつも通り「いらっしゃい」と声をかけようとした。だが、言えなかった。久々に会う女性がそこにいたからだ。 「久しいな。」 その様子を悟っ...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑤
    ④*⑤*⑥  つまり、今はそういう事態という事だ。  グローバルコーテックス支社内部には、その規定が発動した際に統合司令部として機能する施設が設けられており、ターミナルスフィアも招集令を受けて現在その指令機能を移転中なのだろう。  レイヴンであると同時に事務所所長であるノウラは、その陣頭指揮を取る為に出向しなければならないため、今回レイヴンとしての仕事をこなすのは若干の無理がある。  そうでなくともノウラの本業はレイヴンではないため、そこまで彼女に望むのは酷だとファイーナは軽く考えた。 「そこまで期待はしないさ。それよりノウラ、此れを観ろ──」  ファイーナは戦術支援AIに指示して予め編集保存していた先ほどの映像ファイルを、ノウラの下へ転送した。メインディスプレイに出力した通信映像に映るノウラは、左頬を人差し指でかく真似をしてみせる。 『ふむ、やはりナインボール...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十二話④
    ③*④/ /第十三話 ――ガレージに戻って武装を整えるしか手が無いな。 ミランダにガレージへの最短ルートの検索を頼もうとしたその時、嫌な予感がしてアリスを庇いながら咄嗟にフルブレーキングする。 直後、目の前で大爆発が起き、路面を大きく抉り返し、爆風と瓦礫がブリューナグを震わせる。 背後に迫る無機質な殺気を感じ、振り向くと、そこには1機の赤いACが立ちはだかっていた。 ――やはりな、とうとう現れやがったか。 「ナインボール・・・コピーか」 ―ナインボール・コピー― 統一政府がイレギュラーと認定したレイヴンを抹殺するために暗躍する、ネクスト技術を取り入れたAC。完全自律制御で、オリジナルよりもデチューンされているとはいえ、既存のACを凌駕する性能を持っている。 「な、ナイン・・・ボール、ですって?有り得ません!ソリテュードがイレギュラー認定されるなど!!」 ...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑪
    ⑩*⑪*⑫  昇降機の下降制御情報によると、現在地下高度は千数百メートルまで下がっている。エデンⅣ全域に散在する区画隔壁管理局の運営する昇降機でも通常では、地下数百メートル程度の経済管轄階層までしか降りられない。それより先へ進むには、制御システムに専用コードでアクセス指令を出すかプログラム自体を改竄する方法と取らねばならない。  地下核部構造体は複数の空間層によって構築されているが、不定勢力の依頼主が指定してきた作戦領域はその最下層区域であった。  その最下層へ、間もなく到着する──  数十秒後、昇降機の停止と共に制御システムが最下層区域への到着をプログラムヴォイスで伝え、隔壁扉が開放される。 「動体反応はない、が──」  前方に伸びる連絡通路は赤黒く点滅する警戒灯によってその全貌を淡く映し出しており、ルートマップ上でゼクトラの現在位置を把握。搭載レーダー機能を戦術...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十話④
    ③*④/ /第十一話                                *  新鋭レイヴンのアリーナ本戦出場を快く思わない武装勢力による妨害工作を阻止せよ──  事前にあらゆる手を使って【ターミナル・エリア】は、詳細情報を入手。予備大会決勝後の隙を狙って、新鋭レイヴンの命を頂戴すべく潜伏待機していた武装勢力を急襲、制圧した事により作戦は滞りなく成功した。  拘束された武装勢力の実行部隊が、ガロの指揮した機械化急襲部隊員に引連れられて傍の車道に待機していた装甲輸送車に載せられていく。  アリーナ内部に侵入せずに決勝終了後の隙を外部から狙おうとしていた当たりは、賢しいといっていいレベルだが、逆に出来ること言えばそんな程度のものだと、ガロは胸中で悪態をつく。  グローバル・コーテックス相手の新鋭レイヴンが本戦への出場資格を手にした場合、武装勢力は作戦自体を放...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑩
    ⑨*⑩*⑪  変わらず抑揚を欠いた言葉。しかし、ガロはその口調の裏側に僅かな焦りの介在を感じ取っていた。  統合制御体がファントムヘイズとの近接対峙を前に、機体制御態勢の速やかな移行を推奨する。 「知らんだろうな。貴様が世界の裏側でのんびりとしている間に、この地上世界は大きく変容した──」  意思判断し、左腕部に携えた適合兵装を持ち上げる。それに合わせてファントムヘイズも狙撃銃の銃口を動かした。長鑓を思わせる長大なひとつの銃身を基軸とし、レールシステムの搭載によって多種兵装の搭載を可能にした実働試験機体:マルシアの為のみに製造された大型の適合兵装。 『貴様に見せてやる。この五年間、世界がどう動いたのかをな──』  その言葉を最後とし、一方的に通信回線を解除。  統合制御体に指示し、機体制御態勢の速やかな移行を指示する。  その間際、再びハルフテルが最後に言い...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑫
    ⑪*⑫*⑬  理論的には実現可能だとその技術概念のみが、かの財団存続時に提唱されていた、とノウラがいつか言っていた。そして、こうも。  ──そんなモノが実用化されれば、現存する地上兵器は全て無意味になるだろうな  プライマルアーマー機能──軍事転用されたコジマ粒子の新たな可能性の形──  一瞬の空白だった。その間に、その白緑色の膜に守られていたネクスト機のカメラアイに一際強い光源色が宿り──アザミはその空白を掴み損ねた。  弾き上げられた二挺突撃ライフルの砲口が至近距離で煌き、致命的な反転攻撃をゼクトラは被った。  間断なく浴びせ掛けられる弾幕が機体各部を吹き飛ばし、ブースタ逆噴射による緊急後退の最中に左脚部関節部を撃ち抜かれたゼクトラが機体を傾しがせ、その場に片膝をついた。その間にも飛来する弾雨が外部装甲を切り裂き、ゼクトラの頭部と左腕部を破壊、短機関砲の銃身が被...
  • ARROWS
    原案:CHU 機体名:ARROWS 搭乗者:スワロー 概要 ジシス財団で培ったネクスト技術を持ち帰り、グローバルコーテックス本社が秘密裏に開発中の試作ネクスト。 フレームや内部パーツには既存の企業規格製品が使用されているが、ネクスト技術によって改良が加えられており、パラメータを見れば全く別の代物と言って良い。バックブースターとサイドブースターに至ってはコーテックス社の完全なオリジナルパーツである。 機体操縦システムにAMSではなく、ICS(Integrate Control System)というAMSの劣化版ともいえるものを採用している。その結果、性能そのものはAMSに大きく譲るものの、パイロットに掛かる負荷をAMSに比べてかなり軽減することが可能となっている。 普段は隠蔽用の重量装甲を纏っているが、機体及びパイロットに危険が迫ると装甲を爆薬によってパージ...
  • The rest is silence -Erster Akt-②
    「The rest is silence -Erster Akt-*②」  -Arena・Corridor-  ――その復讐が果たされたとき、貴方は自分自身に何を思うでしょうね。  脳内に木霊する黒騎士の言葉。黒騎士のどこか見下したような独特の口調とその態度、そして「あの言葉」はアハトの精神を揺さぶるのに十分な効果を得たが、それでも彼はこの復讐というものがいずれ破滅をもたらすであろうことを充分に理解していた。  死神に拐かされ、一度は暗闇で満たされた向こう岸へと進めた歩み。如何なる手違いか、あるいは書類に不備でもあったのか。許可されたはずの死は何者かによって剥奪され、自分は再び闘争と略奪が満ちる地上へと送り返された。  再び手にすることができた生命。あるいは万人ならば、喜び勇むところなのかもしれない。  だが戻されたのは己の命のみ。故郷であるヴォルムスは瓦礫の山と...
  • The Empress Strikes Back
    「The Empress Strikes Back*②」  執筆者:クワトロ大尉(偽)  小鳥がさえずり始め、朝日が暗い夜空を塗り替えようとする頃。広大な敷地を誇る豪奢な邸宅の一画から定期的なリズムで高音が響く。この邸宅の若き主人、セシリア・フィリックスは一人で使うには些か広すぎる彼女専用の射撃練習場で、これまた彼女専用に作られた世界でただ一つのライフル[025MSR/CC(Cecilia Custom)]による射撃訓練を行っていた。  一〇〇〇mもの距離に置かれたターゲットの中心を正確に射抜き、精練された動きで次弾を装填、再び狙いを定め、一切の揺るぎなくトリガーを引く。その一連の動きはさながら精密機械の様だ。動作に掛ける時間は常に一定。寸分の違いなくターゲットを撃ち抜いていく。  その様子を一人の男がじっと見守っていた。彼はレイヴンズアークのランカーレイヴン、カーク・オ...
  • 設定
    あ行  アスセナ  アンオフィシャル・オペレーション  アンディオン地域  遺失技術文化社団  エクストリームアリーナ  エデンタイプコロニー都市  エデンⅣ か行  旧世代技術解析財団  旧世代技術解析財団所属・先進技術開発部  旧ナルバエス地方  ケレト大断崖  コード:ヴェイロン・アプローチ さ行  サンドゲイル  生体CPU た行  テラブースト  特殊技術戦力開発局  トラキア な行 は行  兵器災害 ま行  マーフア研究所 や行 ら行  リヴァルディ わ・を・ん 記号・数字  BRS(Biochip Regulating System)  ICS(Integrate Control System) アスセナ  ミラージュ社旧経済管轄区最南端に位置する旧世代遺跡。六年前にミラージュ社によってその存在のみが確...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑥
    ⑤*⑥*⑦  含みを持たせた言葉にガロが冷静な返答をよこす。  中央メインモニターに都市全域への戦力配備状況が次々と舞い込み、統合司令部の指揮機能確立に従って戦線が徐々にではあるが、確立しつつある。 「此れからが本当の戦場だ。──貴様らが何を望んでいるのが、ゆっくり教えてもらう事としよう」  かつて自らが与えた叡知を使い統一連邦は何を求めているのか、この騒乱の終わりの時にどんな結末が用意されているのかを想起し、ノウラは口許を大きく歪めた。  AM08 05──                                   *  ──その戦闘は後に【ナヴラティロヴァの惨禍】と呼ばれ、30年以上に渡って戦争史に語り継がれる事となった。 『──完全な奇襲及び殲滅戦闘だ。目に映る者全てを逃すな、徹底的に蹂躙しろ』  無線を介した部隊...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話②
    第十三話*②*③  兵器開発部の連中は、そういうイメージが重要だとも言っていた。搭乗者其々でイメージは異なり、それに合わせて統合制御体は意思判断の反映解釈を複雑化させていくのだと。  ──つまり、過去の経験に裏打ちされた意思判断が、自身によるネクスト兵器の制御技術の根幹となっているのである。  二度目に吹かした追加推力によって前方展開中の二機の目標との距離を瞬時に詰み切る。まともな迎撃態勢を取る事すらできずに隙を曝し出した二機の胸部に其々砲口を突き付け、至近距離からの掃射攻撃で胸部を吹き飛ばした。搭乗者の即死によって機体制御を崩した機体が明後日の方向に突撃銃の弾幕をばら撒きながら、路上に地響きを立てて斃れる。  死の間際、搭乗者達は無意識に呪っていたかもしれんな。  地下トンネルという閉鎖空間の中で、真正面から唯のAC機体が突っ込んで来ていたという事実を額面通りに信用し...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十話
    第九話/ /第十話*②  第十話  執筆者:柊南天  Three years ago...  肺が爛れたように熱く、息は浅く短くでしか続かない。両脚も鋼鉄の足枷を嵌められたように重い。だが、それに対して焦燥を迫る必要性はない。無視できる。年月の経過に伴って老衰を経てきた身体を酷使し、残骸の散らばる連結通路を疾っていく。  戦場の一線を退いてから8年が経過して尚、あらゆる身体機能を現役時代のそれと同等に扱えるよう、研鑽を重ねてきた。しかしそれを鑑みてすら、今回の一連の騒乱を生き抜いた暁には、心肺機能の一部くらいは人工臓器に置換すべきだろうと、そう考えた。一線を退いたとはいえ、老衰を騙し続けている生身の人間のままでは、戦場に身を置き続けるには非常な困難を迫られるだろう。  ──北棟兵器格納庫に直接繋がる連結通路に漂う臭気を鼻腔が捉え、床上に散らばる瓦礫の残骸に交じって倒...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第五話
    第四話/ /第五話*②  第五話  執筆者:クワトロ大尉(偽)  人類を襲った未曾有の危機、『アーセナル・ハザード』により世界が荒廃して5年。  世界は混迷を極めていた。  企業は己の利権を広げようと躍起になり、政府は政治主導を企業に乗っ取られるのを危惧して勢力の立て直しと拡大にのみ力を注いだ。  誰も自分の手に余る世界などというものを救おうとはせず、ただ己の幸福を追求した。  結果、企業や政府に係り合いのない多くの人々は虐げられ弱肉強食の分かりやすい理論が横行していた。  金のない人間は常に古代兵器の襲撃に怯え、金のある人間は安全な場所で豊かな暮らしを約束された。  コロニー『エデンⅣ』。各企業がしのぎを削る商業区画の隣に位置する居住区画。  快適な環境のマンションが立ち並ぶ居住区画だが、その中でもひときわ快適な高級マンションの一室で、若い男が通信用マルチ...
  • Intermission -Imitation summer-②
    「Intermission -Imitation summer-*②」  メイファは頼りなさげにプールへと入って行くアリスに手を差し伸べ、その手を取ると、寄り添うように歩き、アリスの腰くらいまでの深さの所まで連れてくる。 「これくらいなら、怖くないでしょ。どう?アリスちゃん。初めてのプールは」 「みず、つめたい。でも、きもちいい」 「よかった。じゃあ早速、水遊びの入門編!まずはコレね」  そう言うと、メイファは唐突に手ですくった水をアリスへ振りまいた。 「きゃ!?」  突然、顔と上半身に水をかけられたアリスは何が起こったか分からず、きょとんとして固まっていた。 「ほら、アリスちゃんも私にやりかえさなきゃ。えい!」  そうして、先程と同じようにアリスへ水をかけるメイファ。 「ふみゃ!?・・・ん、えい」  やっとアリスも要領を得たのか、見よう見まねで小さな手を懸命に...
  • Intermission -Imitation summer-
    「Intermission -Imitation summer-*②」  執筆者:クワトロ大尉(偽) エデンⅣのとある高級マンションの一室。  シックな家具と内装で統一されたダイニングには中華料理特有の匂いが漂っていた。  テーブルには色鮮やかな料理が並べられ、これらを作った本人でもあるメイファは自分を含め、3人分の料理を小皿へ器用に取り分ける。 「はい、鶏肉のカシューナッツ炒め。今日の自信作なの、コレ」  ソリテュードは微笑むメイファから小皿を受け取り、器用に箸を使いながら料理を口へと運ぶ。  ジューシーな鶏肉と香ばしいカシューナッツが醤油とオイスターソースの味と絡みあい、絶妙な旨味が口に広がる。 「うん、美味い。いつもながらいい腕だ」 「おいしい」 ソリテュードの隣に座るアリスも、たどたどしい手つきで箸を使いながら料理を口へ運ぶ。 アリスはいつものように...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第五話②
    第五話*②/ /第六話  リニアは少しもスピードを落とさずに目的地へと向かう。  運搬用リニアはもちろん無人で、入力されたプログラム通りの進路を走っていく。  今通っているのはサービストンネルと呼ばれる場所で、エデンの地下階層にクモの巣のように張り巡らされている。  同じようにエデンに路線が張り巡らされているリニアとの違いは行き先だ。  サービストンネルは工場や制御区の制御棟のジェネレーターや制御装置が設置されている地下階層に素早くアクセスする連絡通路で、業者や政府関係者しか利用できないのだが、グローバルコーテックスはエデンⅣ建設のおり、エデン内部での作戦時に素早く展開できるようにサービストンネルの利用許可と路線の開通権を取得していたのである。  政府も建設に巨額の出費をし、完全中立を掲げるグローバルコーテックスにノーとは言えなかったためだ。  程なくして、リニアは制...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第七話
    第六話/ /第七話/ /第八話  第七話  執筆者:Ryo 夕暮れを走るリヴァルディに向かう途中で、突如通信が入った。 『シーア! また勝手に動いたわね!!』 エイミの怒声がコクピット内に響く。 「ああ、悪かった。 だがシェルブといいさっきのやつといい、あれだけの腕だ。 熱くならずにはいられない。 また近いうちに会えるといいが」 反省するどころかむしろ上機嫌のシーアに、エイミは呆れた。 『もう、まだシェルブたちとは会って間もないんだから、悪い印象を持たれるのは嫌よ』 エイミの言う通り、サンドゲイルのメンバーになったのはつい最近だ。 自分のことはあまり知られたくなかったが、そもそも有名なサンドゲイルに、噂の『暗殺者』が加わったのだから、情報が出回らないわけがない。 先程のレイヴンのオペレーターもこっちのことを知っていた。 まだ機体の詳しい情報が出回...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十五話
    第十四話/ /第十五話*②  第十五話 執筆者:Ryo ―AD109/07/23 PM12 00― 太陽が頭を真上から照らし、街を歩く人々の額に汗が流れる、真夏の昼時。 リヴァルディのガレージの中、シーアとショーンは茹だる熱気の中で黙々と作業を続けていた。 「シーア、そっちはどうだ?」 「エネルギー供給系のバイパスは済んだ、そっちは?」 各ACの防塵処理や注油等のメンテナンスを終え、今は二人ともフィクスブラウの改造に着手していた。以前ショーンが設計したオリジナルパーツである増設ブースターを搭載させる為には、どうしても機体側を直接改造する以外に方法が無かったためである。 コア内部のエネルギー供給パイプ、配線や電子機器、センサー等に干渉させずに改造を施すのは非常に骨の折れる作業だが、ジャンク屋時代からかなりの回数の改造を繰り返してきたシーアにとってはそれほ...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑭
    ⑬*⑭/ /第十四話  ノウラは既に、事実関係の大半を知り得ていた。  だからこそ、当事者達からの直接の言葉などは無為に等しきものであると断じ、代わりに彼らに告げるべき事実を告げる為に、次の口を開いた。 「──我々一族は、貴君等に多くの叡智を与えた。貴君等、統一政府が衰退した人類の復興の一助となり、賢明な統治者として君臨するであろう事を、望んだからだ」  ノウラは語る。自らの身体に流れる、何世代にも渡って受け継がれてきた血筋を。自身の一族が統一連邦政府と共に在り続けてきた過去を。彼らが今回の件──【エデンⅣ騒乱】で、人類の今後の在り方を確実に変えてしまう失態を犯した事を、彼ら自身に思い知らせる為に。 「貴君等の先達の遺した遺産を見誤り、貴君等は自ら王道を踏み外した。──末路は、自らが語れ」  十数時間前──【エデンⅣ騒乱】の引き金を引いた政府一派の暴走を、賢人会議は...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十一話②
    第十一話*②*③ コーテックスの社有ガレージは本社施設の地下に備え付けられている。 地下に張り巡らせられたリニアなどの交通機関を利用しやすくするためだ。 もっとも、これは一般的な貸ガレージにも言えることである。 スワローはガレージの入口に取り付けてあるセキュリティーにIDカードを滑らせ、十六桁にも及ぶ暗証コードを空で打ち込む。最後に指紋と虹彩認証をパスすると、やっとドアロックが解除された。 ガレージに足を踏み入れると、赤外線センサーで人の入室を感知した照明が、自動でガレージ内を照らし出した。 只広いガレージ内には三機のACが立ち並んでいる。 一つは【ARROWS】――コーテックスの試作ネクストだ。 近日中に行われる換装作業のためか擬装装甲が外されており、専用の武器もこの間のクレスト新型戦で破壊されたため、ハードポイントには何も取り付けられていない。 ...
  • Interlude.2
    「Interlude.2」  執筆者:クワトロ大尉(偽)  レイヴンズアーク本社地下に設営されているACガレージ。  その内の一つに1機のACが大型エレベーターで搬入されてきた。  黒に近いダークグレイのACは大部分をクレスト系のパーツで構成された標準的な中量二脚で、大した損傷もなくミッションを遂行し、無事に帰還した。  レイヴンズアーク所属のレイヴン、バッシュことカーク・オーチャードはガレージの中央部、所定の停止位置である昇降リフト上に彼の愛機『サーベラス』を停める。  システムを通常モードからアイドリング状態へと移行したところで、専属オペレーターのジェシカ・テイラーから通信が入った。 「レイヴン、ミッションお疲れさまでした。収支結果の詳細は後ほどお伝えしますが、おおよそ7割強の報酬が見込めると思います」  上々の報酬であるにもかかわらず、カークは大し...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話③
    ②*③*④ 「……良い味だ。こういった物が無くなっては、財産の損失だな」  立ち上がった所でもう一本抜き出した紙巻煙草を口許に咥え、先端に紅点を点した。何度か紫煙を吹かして静かな時間が過ぎた後、同じく紫煙を地べたで味わっていた男が切り出した。  「──生け捕りの割には、随分と迷いのない立ち回りだったな?」 「妙な言い回しだな。何が言いたい」  片頬を地べたに付けた格好のまま、壮年の男は何らかの意図を宿した鋭い視線をこちらに上げてみせる。その相貌に姦計といえる感情はなく、ただ、此方への純粋な問いかけのようにリサには感じ取ることができた。そして正にその通り、男はその言葉を口にしてみせる。 「なに、唯の問いだよ。──どうにも君は、見慣れない種類の人間のように思えてね」  その男の言葉は、彼という人間がこれまでに渡って来た世の凄惨さそのものを反映しているようであった。 ...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十二話②
    第十二話①*②*③ アザミは人間を遥かに超えた動きでガトリングガンの暴風雨のような弾幕を掻い潜り、MTを翻弄していた。 目標が小さすぎる上に、あのスピードだ。MTのカメラアイとFCSでは捉えきれないだろう。 アザミの余裕すら感じられる動きに多少の安心感を覚えつつ、自分も加勢できる瞬間がないかと機会を窺う。 MT相手に少しも止まることを知らないアザミに業を煮やしたのか、MTのうちの1機のバズーカが火を噴いた。 その砲弾はアザミの前方の道路に着弾し、路面を派手に抉りながら無数の破片をまき散らす。 アザミは雨のように降り注ぐ瓦礫片に臆することもなく、腕の中のアリスを庇いながら抉れた路面を低い姿勢で軽々と跳躍しつつ、身体を捻り、片手でグレネードランチャーを自身へ狙いを定めているMTに向けた。 その砲口がMTのカメラアイへ向けられていることに気付いたソリテュードは自分も打...
  • 主要登場人物
    ▼サンドゲイル  マイ・アーヴァンク  シルヴィア・マッケンジー  イリヤ  シェルブ・ハートネット  シーア・ヘルゼン  エイミ・ツザキ  アハト ▼遺失技術文化社団  アザミ  ノウラ ▼グローバルコーテックス エデンⅠ本社  スワロー  ライラ・フェモニカ  グレイ・ジェファーソン ▼グローバルコーテックス エデンⅣ支社  ソリテュード  シャン・メイファ ▼レイヴンズアーク  ユウ・ダイ ▼無所属  アリス  レナ・セイガ  九玉
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十二話③
    ②*③*④ これで多少は掛かるGが軽減される筈だ。 セントラルタワーを目指し、興行区画のメインストリートを疾走していくと、横道から1機の四脚型パルヴァライザーが滑るように姿を現した。 パルヴァライザーは両肩のレーザーキャノンの砲口をこちらに向けるが、それよりも速く高速徹甲弾がパルヴァライザーの頭部を射抜いていた。 ソリテュードはスナイパーライフルによる精密射撃でパルヴァライザーを一撃で沈黙させる。 閣座する機体を横目にセントラルタワーを目指しながら、先ほどのパルヴァライザーの挙動に少なからず違和感を覚える。 何というか、機動が甘いような気がする。 もちろん一撃で仕留めるつもりだったが、あそこまでまともに食らうとは思っていなかった。 違和感は拭いきれなかったが、目的地であるセントラルタワーが目前に迫っていたため、思考を脇に追いやる。 ゆっくりとスロットルを...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第八話
    第七話/ /第八話/ /第九話  第八話  執筆者:ヤマト 「また、この感覚」 生体と機械が感覚を共有する時の独特の不快感、知らない筈の知識、わからない筈の感覚が一瞬で未知から既知へとシフトする。ついで自分の中に他人がいる。旧世代の技術を復活さようとしている組織を攻撃する為にナインボールを起動させたハスラーワンという名の男だ。 「っ…ハスラー、入り過ぎ」 (解った) 私の中に入り過ぎたハスラーワンの意識を外側へ追い出しながら起動シーケンスを立ち上げる。 本来ならナインボールの起動に私は必要ない。このナインボールは負荷低減型ネクストのためAMS適正の高いハスラーワンなら一人で操れる。にも関わらず生体CPUである私が同乗しているのは戦闘になるとハスラーワンが機体の限界以上の性能を要求し機体がオーバーロードするからだ。パイロットを守るはずの私は機体を守るためのリ...
  • Dépression du chevalier
    「Dépression du chevalier*②」  執筆者:CHU  アリーナのドームに試合終了を知らせる電子音のゴングが鳴り響く。 『試合終了ぉ~!勝者は!ブルーコーナー、ハイネケン!』  テンションの高い女性パーソナリティーが試合の勝敗を声高に叫ぶ。それと同時に落胆の怨嗟や歓喜の雄叫びが、バトルフィールドの外に設けられた観客席から漏れ出した。  そのない交ぜになった喚声は、機体の集音マイクを通じて嫌でも私の耳に入って来る。 『残念ながら敗れてしまったレッドコーナーのカヴァリエにも!どうか惜しみない拍手をお願いしまぁす!』  パーソナリティーのおざなりな定型句も、今の私には耳障りなだけだ。 「くそっ、また負けた……」  勝ったアイツの機体【バッドアイズ】はスポットライトを浴び、反対に私の機体【キュラシェーア】はすごすごと格納スペースに引っ込まされる。観客達...
  • Armored Core - Execution - 1‐2
    「Armored Core - Execution - 1‐1 * Armored Core - Execution - 1‐2 * Armored Core - Execution - 1‐3」  誘導灯が不規則に明滅する薄暗い搬入路を十数秒で突き抜け、内郭部出口へリスタートを滑り込ませる。 「これは──結構な有様だな……」  進入に成功した内郭都市部の惨状を目にした時、先ほど作戦領域上空より緊急離脱した輸送機から通信要請が発信されてきた。戦術支援AIに口頭指示して、戦時回線を確立させる。 「此方、戦力コード【リスタート】。大丈夫か、カテリーナ──?」 『はい。後部カーゴをパージしましたが、何とか……。現在、友軍増援部隊との合流進路にて待機中です。ヴァロージャ、其方は──?』 「現在、シェルター内部へ進入した所だが──」 『成程、酷いようですね──』  稼動中のデー...
  • Armored Core - Execution -②
    Armored Core - Execution -*②*③  誘導灯が不規則に明滅する薄暗い搬入路を十数秒で突き抜け、内郭部出口へリスタートを滑り込ませる。 「これは──結構な有様だな……」  進入に成功した内郭都市部の惨状を目にした時、先ほど作戦領域上空より緊急離脱した輸送機から通信要請が発信されてきた。戦術支援AIに口頭指示して、戦時回線を確立させる。 「此方、戦力コード【リスタート】。大丈夫か、カテリーナ──?」 『はい。後部カーゴをパージしましたが、何とか……。現在、友軍増援部隊との合流進路にて待機中です。ヴァロージャ、其方は──?』 「現在、シェルター内部へ進入した所だが──」 『成程、酷いようですね──』  稼動中のデータリンクシステムによって転送され続けている有視界映像を目にしたのだろう、カテリーナは自身と似たような言葉を口にした後、小さく息をついた。...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第一話②
    第一話*②*③  若干離れた場所から本来の進路へ復帰した直後、通信回線に指示が入る。 『施設外周部戦域の制圧が完了しました。隔壁開放と共に、速やかに施設内部へ進攻して下さい──』  総合通信士が述べ、マイは前方二四五メートル前方に聳える旧世代施設の大型隔壁を拡視界に納める。第二陣主戦力より先行していた供出軍の特殊工作MTが複数機、隔壁設備外盤部に取り付いている。  機構制御を直接掌握する算段なのだろう。遥か前方を突出していた友軍機〝シックザール〟が機動速度を緩め、後続戦力の到着を待つと共に機体姿勢を臨戦態勢へと移行する。 『──さあて。お仕事、お仕事♡』  今か今かと手を揉んでコクピット内部で待つ彼の姿を脳裏に浮かべ、アレで仕事上本腰入れているのだから何だかな──マイは一人思った。  特定周波数で結んである通信回線から漏れた独り言を聞き流し、蒼竜騎に戦闘態勢を取らせる。予...
  • Intermission -operation bitter and sweet-
    「Intermission -operation bitter and sweet-*②*③」  執筆者:クワトロ大尉(偽)  ―Main story シルヴィア&エイミ―  リヴァルディ艦内の一室。簡素で無骨な造りの部屋であるが、可愛らしい小物や家具が置かれていることから、一目で年頃の女の子が使っていると分かる。  その部屋のベッドの上で、ティーンズ向けの雑誌とにらめっこをしている一人の少女。リヴァルディの若きレイヴン、シルヴィア・マッケンジーは雑誌の特集記事を見ながら一人、悶々と悩んでいた。 「うーん……どうしよう。作り方は大体分かったけど、経験がないからなぁ」  彼女が見ている誌面にはファンシーなイラストと共にあるお菓子の作り方が掲載されていた。様々な形をした、光沢のあるブラウンの菓子。老若男女問わず人気のある魅惑のスウィーツ、チョコレートだ。  シルヴ...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話④
    ③*④*⑤  敵性目標は高密度火力で此方を釘付けにしつつ、通常歩行で距離を詰めてきている。  手堅く此方を粉砕するつもりか──  豊富な搭載火力を当てにした単純ではあるが、しかし、地形を有効に利用した確実な攻略法である。  いつでも応対射撃に出れるよう構えながら、左手で腰元のポーチをまさぐるがそこには既にハンドグレネード類は収まっていない。先ほどパルヴァライザーと交戦した時に使い果たしてしまっていた。  センサー群で集約した情報を吟味した上で対向戦術の確立を図ったが相手の電子機器を麻痺させる装備もなく単純火力ですら劣性である現状で、戦況を覆すだけの要素は考えうる限りでは見当たらなかった。 (単純機動での強襲成功率は34,5%──厳しいな)  強化内骨格である自身の身体機能を用いて正面からの強襲攻撃を試みた所で、相手の集中弾幕を被弾覚悟で搔い潜ったとしてその後殲滅...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十一話③
    ②*③/ /第十二話 着地の音は雨に紛れ、掻き消えていく。 雨粒が装甲を叩く音が、やけに大きく聞こえた。 「言い忘れたが、君にはオペレーターがついていないのでね、ボクがサポートすることになる」 『了解』 「早速ターゲットが出てきたぞ。数は四」 【ベルフェゴル】のレーダーが、坑道から出て来る機影を捉えていた。 「好きにやればいい。君の力を見せてくれ」 そう言ってスワローは【ベルフェゴル】を戦場を俯瞰しやすい高台に移動させる。 「ラフ、グレイ機の機体AIと同期しろ」 【了解――同期完了】 これであちらの機体情報がダイレクトに届くようになった。 同時に【ベルフェゴル】を索敵モードに変更。情報処理能力に特化させる。 そこでようやく異変に気付いた。 敵を示す熱源が、予想されたデータより遥かに大きい。 その理由はすぐに判明した。 ――坑道...
  • Intermission -operation bitter and sweet-③
    「Intermission -operation bitter and sweet-*②*③」  ―SideA―  2月13日、夕方。エデンⅣの高級マンションの一室。ソリテュードの部屋にアリスとメイファはいた。二人は共にエプロンを着け、キッチンで何かを作っている。 家主であるソリテュードは遠方のミッションに出撃しており不在で、帰ってくるのは明日の朝である。それを見越して今日と明日をオフにしていたメイファはアリスの世話と留守番を買って出たのだ。もちろん彼女たちにとって、この状況は好都合だったのは言うまでもない。 「よいしょ……よいしょ……」 「いい調子よ、アリスちゃん。もうちょっとだから頑張って」 「うん、がんばる」  アリスはメイファが支えているボウルの中身をヘラで一生懸命かき混ぜていた。キッチンに背が届かないので子供用の台に乗ってボウルの中を覗き込むような格好だ。...
  • 主要登場機体
    ▼サンドゲイル 蒼竜騎 ジルエリッタ ツエルブ フィクスブラウ アストラ・カストラ ▼遺失技術文化社団 ゼクトラ ホワイトサン ▼グローバルコーテックス エデンⅠ本社 ARROWS ネイリング ▼グローバルコーテックス エデンⅣ支社 ブリューナグ ファンロン ▼レイヴンズアーク シャドームーン
  • Interlude.1
    「Interlude.1」  執筆者:クワトロ大尉(偽)  とある高層ビルの一室。  大企業の重役クラス級の豪勢な執務室で一人の男がデスクトップのディスプレイを注視していた。  そこに映っているのは2機のACによる一騎打ちの映像で、真紅のACと白いACが激しい戦闘を繰り広げている。  知的な雰囲気と風貌を兼ね備えたその男は、画面内で目まぐるしく動く2機のACの動きを一瞬たりとも見逃すまいと真剣にディスプレイを見つめ続ける。  永遠に続くかと思われた戦いは互いが零距離まで接近し、白いACが真紅のACのコアをレーザーライフルで撃ち抜くことで終わりを告げた。  一般人からすれば、エンターテイメント用に誇張表現した映像にしか見えず、関係者であっても、にわかには信じ難い内容である。  しかし、この記録映像は紛れもない真実であり、つい先日起きたエデンⅣ襲撃事...
  • 白翼の対価③
    「白翼の対価*②*③」  わざわざ身構えている敵部隊のド真ん中に突っ込むのは愚策中の愚策であるが、不思議と何とかなるだろうと思えた。何しろ、まったく負ける気がしないのだ。  こちらを狙う殺意に似た何かが、火線となって見える。どう躱せばいいか、どう動けばいいか、どう撃てばいいか、手に取るように解る。  グレネードを避けながら重装型MTのメインカメラを正確に撃ち抜き、襲い来るミサイルを避けながらロケットで逆関節MTを吹き飛ばす。 「残り六」  マシンガンが機体の装甲を掠めるのも想定内だ。心地良い衝撃に身を委ね、踊るように機体を操る。  メインカメラを撃ち抜かれ、視界を狭められた重装型MTがグレネードを連射して来る。射線をほんの少し誘導してやれば、面白いくらい素直に撃って来た。僅かに、機体を揺らす程度の感覚で左にズレると、グレネードの榴弾は【プロトキャット】を外れ、その背後に居た逆...
  • Armored Core - Execution - 1‐1
    「Armored Core - Execution - 1‐1 * Armored Core - Execution - 1‐2 * Armored Core - Execution - 1‐3」  執筆者:柊南天  第一種戦闘態勢を継続維持中の各種センサー機能が戦域環境情報を逐次収集し、HMDに出力したエリアマップに状況を更新していく。  マルチコンソールを操作してエリアマップを回転──多数の動体反応が著しく動く位置座標を見咎め、ヴァロージャは眼球動作に追従機能するフレームシステムを用いて搭乗機の頭部カメラアイを眼下の地上へ傾けた。  上空域にまで届く黒煙の切れ目に覗く広大な赤土の岩壁地帯、その地上部で動体反応源である前線兵力が火線を交えている。複雑な岩壁地形の地上で敵味方の機械化部隊が高密度に衝突し、大きな爆発音が幾度となく響く。  有視界に映る有り触れた戦場の光景...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話
    第十二話/ /第十三話*②  第十三話 執筆者:柊南天  五年前.南極大陸──  氷点下数十度に及ぶ極寒の冷気の中を乾いた銃撃音が伝播し、頭上数百メートル先の上層施設区画から届く。散発的に木霊するその銃声が何を意味しているのか即座に察知し、周囲で狭域警戒態勢を展開していた先遣分隊にハンドサインで指示を送る。的確に反応した隊員達が狭域警戒態勢から第一種戦闘態勢へ陣形を移行し、それぞれの小銃の銃口が上空に向けられる。  次第に接近してくる銃撃音を耳に捉え僅かな焦燥感を胸中に抑え込みながら、すぐ後背下方部の剥き出しになった地層断面の前に膝をついている二人の人物の背中を注視する。 「おい、嗅ぎ付けられたぞ」 「分かっている。焦るな……」  対放射線用の重厚な防護服を纏う、右手の大柄な女がこちらを振り仰ぐ訳でもなく、加えて此方に対してひどく抑揚のない口調で言う。...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第四話
    第三話/ /第四話/ /第五話  第四話  執筆者:CHU シェルター都市『MA31-HOPE』 ミラージュの庇護下にある人類の楽園だ。少なくとも居住している富裕層にとっての話だが。 ここに自分のオフィスを持つグローバルコーテックス所属レイヴン「スワロー」は、この日新人の専任オペレーター「ライラ・フェモニカ」と通信で依頼の吟味をしていた。 『レイヴン、こちらの依頼はどうですか。【MT部隊撃滅】報酬も悪くありませんし、ターゲットもMTですので簡単かと』 「うーん……、場所が森林区画だし、見通しが悪そうだなあ。そうすると死角からの被弾は避けられないだろうし、修理費がねえ……」 不平不満は聞き飽きたといった口調でライラが諌める。 『お言葉ですがレイヴン、この程度の依頼がこなせない様では、レイヴンとしての沽券に関わるのではありませんか?』 他にも色々な...
  • @wiki全体から「ファレ・ノプシス」で調べる

更新順にページ一覧表示 | 作成順にページ一覧表示 | ページ名順にページ一覧表示 | wiki内検索