ARMORED CORE Handed Down Heroism @ ウィキ内検索 / 「マイ」で検索した結果

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  • マイ・アーヴァンク
    原案:マド録 名前:マイ・アーヴァンク 性別:男 年齢:19 身長:180cm 体重:72kg 虹彩:ブラウン 髪型:ディープブルーのショート 体格:無駄な筋肉や脂肪がないボクサー体型 所属:サンドゲイル 搭乗機体:蒼竜騎 概要 独立傭兵組織サンドゲイルのAC部隊で前衛を務める少年。 性格は明朗快活。人懐っこく、悪戯っぽい一面もあるなど容貌や性格に若干のあどけなさが残る。 細かい事が苦手なため、ACの整備やメカニック知識などを敬遠する傾向があり、ACのアセンブリや戦闘にもその傾向が表れている。 ただ、興味を持った事や必要な事、求められる事に関しては努力を惜しまず、それを吸収できる力を持っている。 戦災孤児で10歳の頃に家族と死別。住んでいた町のただ一人の生存者で、瀕死に陥っているところをサンドゲイル代表のシェルブ・ハートネットに助けられ...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十六話②
    本編十六話*②* ③  マイはリナリアと名乗った少女の手をとり、共に簡素な照明が照らす艦内通路を歩む。少女の手は小さく繊細であり、僅かながら冷えている。歩みにややぎこちなさがあるのは、緊張のためだろうか。  マイは立ち止まり、少女に向き直る。 「それじゃ、改めて……俺はマイ――マイ・アーヴァンク。よろしくな」 「は、はい……。リナリアです……」  硬い動きでお辞儀をする少女。制動のはっきりした動作ゆえに、その勢いに負けて少女の頭部に乗っていた白磁の帽子が零れ落ちる。栗色の長い髪が扇状に揺れる。  マイは帽子が地に落ちる前に掴み取る。 「あ――」 「――ふー。何とか落ちずに済んだ。はい、これ」  マイは薄蒼色のリボンが小さく備え付けられた帽子を、少女に手渡す。少女――リナリアは栗色の髪を押さえ、俯きつつも言葉を紡ぐ。 「あ、ありがと……ございます」  途切れ途...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第九話②
    ...留コロニーに着くわ、マイ。ボーディング・ブリッジに移動するから、手伝ってちょうだい』 「オーケー、すぐに行くよ」  外景に傾注していた視線を戻し、マイは艦内八階の乗降施設に直結する連絡通路へ再び足を向けた。  繋留施設への接近報告が艦内放送を通じて響き、先程まで落ち着いた静けさを保っていた艦内が俄かに騒がしくなり始める。繋留準備の為に通路を行き交う見知りのクルーらと目礼を交わし、込み合う昇降設備を避けて連絡階段で一気に八階まで駆け上がった。  すぐ右手、右舷第七管区の乗降口に待機する白衣姿の女性を見つけ、マイは小走りで走り寄る。 「あら、遅かったじゃないの?」 「ごめん。此処からでも代わるよ」  別段咎める口調でもなかった妙齢の女性──部隊旗艦の筆頭軍医を努めるアリーヌへ素直に謝辞を述べた。彼女が手を添えていた担架の傍に近づき、その上に横たえられた患者をマイはそっと見下...
  • Intermission -Cherry blossoms in full bloom-
    ...るんだ?」 「あ、マイ、それにシーアさん」  リヴァルディの主力レイヴンであるマイ・アーヴァンクとシーア・ヘルゼンは、それぞれ手にコーヒーが入ったマグカップを持っていた。彼らもお茶をしに来たのだろう。 「うん、実はね、明日みんなでお花見に行こうって話になったの」  エイミが、空いている椅子に座ろうとしているマイとシーアに話題を簡単に説明する。 「オハナミ?なんだそりゃ?」 「ほう、花見か」  二人のリアクションは正反対だった。特に、花見について知っている素振りを見せたシーアにはマイの他シルヴィアやイリヤも驚いた様子を見せる。 「なんだよ、シーアは知ってるのか?」  意外だ、というような表情をするマイにシーアは涼しい顔で答える。 「俺はお前と違って勉強家なんだ」  それを聞いてムッとするマイを横目にシーアは少し得意になって花見について説明をし始める。内容そのものは...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第一話③
    ...は推測できる。  マイは数歩足を下げ、頭上にも広がるシリンダー群を一瞥した。  これの全てに、人間の死体が収納されているというのか── 「低温生命維持装置──間に合わなかったのか」  変わらず推測の域を遠くでない。しかし、もしかしすると、何らかの理由によって装置に機能障害が生じたのではないだろうか。その為にここの人々は閉じ込められたまま、その生涯を終えてしまったのだろう。先ほど覗き込んだシリンダーの内郭部には、引っかき傷のような痕跡が無数に残されていた。  まだ空間の一角しか歩いてはいないが、相当な数の個体が収められているはずだ。  ──旧世代に、何かあったのか?  その単純な問いかけに暫くしてから、マイは声を出して軽く笑う。  当然だろう。何かがあったのだから、旧世代は長い人類史の闇に淘汰されたのだ。 「奥って、あそこか……?」  〝声〟は、奥へ来いと言っていた...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第九話④
    ...、無理するなよ。俺はマイマイ・アーヴァンク。ここはコロニーの病院だから安心していい、お前は?」  澱みのない声で、少年は名乗る。溌剌とした口調に相応しく、その容貌は端正である。切れ長の双眸はその者の意志の強さを反映したように鋭い。  自らの個別名称としてマイを名乗った男が、逆に自分の名を求めてきた事に、少なくない驚きを覚えた。  まるで等価交換として当たり前であるかのような振る舞いに、どうしようもない戸惑いを感じる。  個別名称を呼ばれる事はあれど、それを聞かれる、ましてや自ら能動的に名乗るような機会が、与えられた事はなかった。  名乗り方を知らない訳ではない。だが、自分には彼が望むようなラベルが貼られていない事を、承知していた。どうやっても避けられないし、避ける必要もない、この先に感じるであろう奇異の眼差しを予想した。 「──名前?……好きに呼んでいいわよ。名前なんて...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第一話②
    ... 総合通信士が述べ、マイは前方二四五メートル前方に聳える旧世代施設の大型隔壁を拡視界に納める。第二陣主戦力より先行していた供出軍の特殊工作MTが複数機、隔壁設備外盤部に取り付いている。  機構制御を直接掌握する算段なのだろう。遥か前方を突出していた友軍機〝シックザール〟が機動速度を緩め、後続戦力の到着を待つと共に機体姿勢を臨戦態勢へと移行する。 『──さあて。お仕事、お仕事♡』  今か今かと手を揉んでコクピット内部で待つ彼の姿を脳裏に浮かべ、アレで仕事上本腰入れているのだから何だかな──マイは一人思った。  特定周波数で結んである通信回線から漏れた独り言を聞き流し、蒼竜騎に戦闘態勢を取らせる。予定外の介入はあったが、機体状態に目立った変動はない。短機関砲の弾薬消費は最小限に抑え、装甲損害も皆無である。 「漸く出番か──」  低く呟き、マイはブースタペダルをぐっと踏み込んで...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十六話③
    ...海に倒れこむ。  マイは背後を見やり、自分の首根っこを掴む人物を見据える。黒衣の装いの男はアハト。  再び前方を見る。上半身のない遺体が血の海に沈んでいた。マイは駆け寄り、遺体を抱き上げる。遺体が纏う血に塗れた白の衣。 「あ、あ……」 「――死を祝別したまえ。何故なら僕がここにいるのは君のおかげなんだから……。ふふっ……最後の笑顔、最高だったね。悲しくて、怖くて、でもどうしようもなくて……」  カイは自身の顔を鷲掴みにするかのように顔を覆い隠し、微笑を打ち消そうと努める。その指の合間からは少女のような顔と、一層の狂気に染まる瞳が見え隠れしていた。  マイはかつてリナリアという少女だったものを抱きしめる。粘度の高い液体が手に塗れ、それが血であることを知覚する。  カイは一頻り笑った後、マイを引き止めた黒衣の男――アハトへと視線を転ずる。 「久しぶりだね。グラズヘイムのU...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十六話
    ...か。  青年の名はマイ・アーヴァンク。この陸上装甲艦「リヴァルディ」を根城とする遊撃傭兵部隊――サンドゲイルに所属する傭兵の一人である。 マイは自身を追いかける存在を知覚するも、それに頓着することなく走り続ける。乱れる呼吸を整えることすら忘却し、自室へと飛び込む。  部屋の主が帰ったことを感知したことで、部屋内に淡白色の照明が灯る。室内の明度に反して、マイの心の中は月の覗かない、深夜の如き暗雲に包まれていた。  マイは自身の心中に渦巻いている言葉に出来ぬ何かを感じ取る。行き場を失ったそれは、濁り混じった血潮の流れとなり、心の内側を延々と巡り回っている。  その何かは吐露される瞬間を今か今かと待ち望んでいる。しかし、不定形なそれは一向に形づくことはなく、指向性を持つことを拒絶する。その何かは明確な意味をなす言葉に形成されぬまま蓄積されていく。  マイは己が心中に渦巻く憤りの...
  • シェルブ・ハートネット
    ...ラスランカーであり、マイやシルヴィの育ての親にして師匠。 マイやシルヴィを引き取ったのは戦争屋として戦災孤児が出るのを憂い、せめてもの贖罪にと思ったからである。 高齢ながらその操縦技術は衰えておらず、重量二脚のACを軽々と扱う。
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第九話⑥
    ...意味合いを強く含んだマイクロミサイルを射出した。  至近距離で吹き荒ぶ収束光の間隙を縫ってミサイルが飛翔を開始、それに紛れて右腕部に携えた長砲身の遠距離用滑腔砲からAPFSDS(離脱装弾筒付翼安定徹甲弾)弾を連射した。  ジルエリッタの主兵装が最低限稼動できる間合いを取らなければ、この戦域ではそれは全く役に立たない。  AC機の生命線である機動駆動系──膝関節部を狙ったAPFSDS弾は正確な射線を辿り、しかし、其処へ投入された浮遊設置型の光学兵器に阻まれた。光学兵器が爆発、四散して細かい残骸を周囲にばら撒く。  そしてさらに光学兵器群が敵機体との間に割って入り、マイクロミサイルの弾頭を正面から誘爆させた。撃ち漏らしたミサイル群も敵機が備えるレーザーライフルによって正確に撃ち貫かれる。  無駄な回避機動を一切含まない、非常に洗練された動作──。  黒煙混じりの火球が渦巻く中...
  • シルヴィア・マッケンジー
    ...う珍しい女の子。 マイと同じく戦災孤児で、幼いころに両親と死別し、サンドゲイルに拾われる。 両親と死別したショックで塞ぎこんでいたが、シェルブに世話を頼まれたマイが外に連れ出したり、一緒に遊んだりした事で立ち直る。 狙撃を担当するだけあり、視力は非常に良い。
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十六話④
    ...に所属するレイヴン、マイ・アーヴァンクが所持するACである。 『もしだよ? 仲間と戦うことになったら、どうする?』  シーアはエイミの言葉と目の前の立ち塞がる機動兵器、その二つの事柄を結びつけ、合点する。  蒼竜騎は広大な荒野に対し逆噴射を行い、静謐に着地する。立ち塞がる機動兵器を見咎め、キースは輸送車両を緊急停止させる。  シーアは即座に後部へと移動し、フィクスブラウに搭乗する。手早くフィクスブラウの戦闘システムを起動させ、立ち上がる。蒼暗色の竜騎兵と相対するフィクスブラウ。 『……イリヤを渡してもらおう、スコープ・アイ』  通信機越しに聞こえる声は、惑うことなくマイのものだ。その声音は些か固い。 「――はいそうですか、というわけにいかないのはわかってるよな?」 『あぁ』 「ということは、俺と戦うことになるわけだ」 『……あぁ』 「覚悟の上なんだな?」 『―...
  • Intermission -operation bitter and sweet-③
    ...ってから、ほぼ一日中マイにチョコをあげる時のシミュレートに費やしてしまい、肝心の本人に約束を取り付けておく事を忘れていたのだ。  ――今の時間なら……食堂かな?  時間はお昼を少し過ぎたところだ。食事をしている可能性は高い。そう思い、シルヴィは食堂へ足を向ける。  食堂の入口を覗くと、奥の方に見覚えのある背中が見えた。  ――あっ、いた。  しかし場所が場所だけに、中にいるのはマイだけではなかった。人数は少なかったものの、四人組で食後のお茶をしている若い女性クルー達や、カップルで談笑をしているクルーもいた。  ――どうしよう……誰かに見られてたらと思うと、緊張して渡せそうにないよ。  なかなか一歩を踏み出せず、食堂の入口の陰に隠れてそわそわしていると、一番入口に近い所に座っていた四人組の女性クルーの一人がシルヴィに気付いた。すると女性クルーは他の三人に小声で話しかけると...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第九話③
    ...に籍を置く一戦力──マイが派遣され、彼は作戦終了と共にあるモノを持ち帰った。  事実関係を究明するにはどの判断材料も不足し、明らかにするには状況の経過とそれに伴う情報把握が必須だった。  軌道に乗ってリヴァルディが航行を開始する中、別のコントロール・オペレータに指示してソグラト内部での行動指示を与えたアハトへの通信要請を行う。  暫くして回線の確立音が響く。 「アハトへ、此方リヴァルディ──シェルブだ。其方の状況はどうだ」 『現在、内周隔壁機構に差し掛かっている──何が必要だ』  シェルブは忌憚なく、全てだ、と伝えた。 『市中偵察では、現場監視員と思しき数名の気配を各区画に感じた。コロニー内の電波状況も調べたが、干渉工作の形跡が幾つか見られる。内周隔壁機構も同様、巧妙に細工されてはいるが有事には隔壁破壊と共に速やかな外部勢力の進攻を許してしまう程度だ』 「その工作痕に...
  • 主要登場人物
    ▼サンドゲイル  マイ・アーヴァンク  シルヴィア・マッケンジー  イリヤ  シェルブ・ハートネット  シーア・ヘルゼン  エイミ・ツザキ  アハト ▼遺失技術文化社団  アザミ  ノウラ ▼グローバルコーテックス エデンⅠ本社  スワロー  ライラ・フェモニカ  グレイ・ジェファーソン ▼グローバルコーテックス エデンⅣ支社  ソリテュード  シャン・メイファ ▼レイヴンズアーク  ユウ・ダイ ▼無所属  アリス  レナ・セイガ  九玉
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十五話③
    ...壁なのだ。 「――マイ、聞こえるか」 『何ですか親方?』 「……気を引き締めろ、予測とは違う方向から襲撃があるかもしれん。 その時は補給部隊の護衛が最優先だ、敵勢力は破壊して構わん。 いいな?」 『分かってます。 大丈夫です』  ――自分の口にした言葉が、こんなにも情けなく感じるとは思わなかった。  何故、はっきりと自分の懸念している事を言わなかったのか。 否、言えなかったのか。 彼らを甘やかしているわけではないはずだ。  かつての自分と違うのは、自分の元には、多くの部下がいるということだ。  以前に比べて、組織を保つという上で、保守的になっている。 それは確かに感じている。 だが、今までにこのような判断の迷い――自身の判断への不安――は無かった。  何がこうも不安感を募らせるのか、その原因が掴めない。  だが、その不安感こそが、鴉の持つ警戒心だ。  直感と言っ...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第九話⑤
    ...。 『親方、こちらマイ──地下道へ入りました。間もなく到着します──ACの出撃準備を済ませておいて下さい』  あちらはどうやら、何とか無事に遣り遂せたらしい。だが、総合的な状況は然程芳しくないようだ。 「既にショーンが掛かっている、お前達は直接ハンガーへ向かえ──」  今回の襲撃自体が、不測の状況下で起こったのだ。事態が好転しないどころか悪化修正したとしても、そこに驚きはない。だからこそシェルブは万一に備え、施設ドックに移していたAC機体を全て艦内ハンガーへ再搬入、コロニー外部への出撃がすぐにでも可能なようショーンに指示を出していた。 攻囲網が敷かれる前に、フィクスブラウも繋留施設内へ帰還させた。一対多数で不利な野戦を演じさせるよりは、強固な隔壁設備を盾に状況を保つべきだとシェルブが判断した為だ。  マイからの通信に加え、ほぼ入れ替わりでコントロールから通信が入る。 『...
  • ~ザックセルVSスコープアイ~
    ... 「とりあえず、マイの機体の修理は終わったぞ。 設計中のパーツの方は、フィクスブラウ用に試作することになった。 他の機体にも使えるようにするには、またいろいろ考えないとな」 「そうか。 シーア、機体に負担が掛かるようなら無理をするなよ」 「問題ない。 少しでも役に立つなら、やるだけだ」 そう言って、シーアはフィクスブラウを見上げた。 マイやシェルブとは違い、その存在を知られてはならないシーアは、機体をリヴァルディ外の整備ドックに運んで整備することができない。 もちろん、現在駐留しているコロニーならば探知されることはないだろうし、コロニーの現状や請けている仕事の都合から考えて、口封じをすることも出来るだろう。 だが、そもそもガレージの機材が充実しているリヴァルディならば、交換用の部品さえあれば外のドックが使用できなくともそれほど苦労することはない。 面倒はで...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第一話
    ...れるコクピット内で、マイ・アーヴァンクは勤めて冷静に返す。二基一対の操縦把を握り込み、コクピット下方部のフット・ペダルに足を掛け直す。  戦術支援AIに口頭指示し、機体制御態勢を第一種戦闘準備態勢から第一種戦闘態勢へと移行させた。動力源である燃料電池から供給される電力が機体出力を著しく上昇させ、各種搭載センサー群及び索敵用レーダー・システムも第一種戦域索敵態勢に移行する。  瞬く間に戦域環境情報が更新されそれらがHMD画面に出力されていくのを確認、その後、マイ・アーヴァンクはフット・ペダルを強く踏み込んだ。感じ慣れた震動がコクピットを細かく揺らし、発進用の準備推力に加えて点火した噴射炎が、搭乗者であるマイ・アーヴァンクを乗せた人型機動兵器【アーマード・コア】──〝蒼竜騎〟の巨躯を前方へと押し出す。  先行し、施設外周交戦域へ向け蒼竜騎の舵を取る。  マルチコンソールを叩いて数...
  • Intermission -operation bitter and sweet-
    ...れで、どんなチョコをマイ君に送ろうと考えてるの?」 「ふぇっ!?」  不意を突かれたシルヴィは耳まで真っ赤になってしまった。 「な、ななな、何で? どうして分かったんですかエイミさん!?」 「同じ女だもの、それくらい分かるわよ。それに、この時期にチョコレートって言ったらあのイベントしかないでしょ?」  そう、今日からちょうど一週間後の日付は2月14日。男女共に色めき立つ日、バレンタインデーだ。  シルヴィは真っ赤になり俯きながらも、ぽつぽつと自分の胸中を語り出した。 「マイがボクのことをどう思ってるのか分からないけど、その……このままじゃ何も変わらないかなって。マイって、鈍感だし……」  それを聞いたエイミは苦笑いするしかなかった。確かにマイは恋愛事に対して鈍感と言わざるを得ない。それに、彼にとってみればシルヴィは妹の様な存在なので、余計に恋愛対象に入りにくい。  ...
  • 蒼竜騎
    原案:マド録 機体名:蒼竜騎 搭乗者:マイ・アーヴァンク 機体構成 +HEAD:CR-H97XS-EYE HEAD:CR-H97XS-EYE 軽量ながら高い性能を実現した、クレストの第四世代パーツ +CORE:CR-C75U2 CORE:CR-C75U2 格納機能搭載、優れたバランスを実現し一時代を築いた傑作 +ARMS:CR-A71S2 ARMS:CR-A71S2 A69Sを軽量化、多くの派生型を生んだ第二世代 +LEGS:CR-LH80S2 LEGS:CR-LH80S2 軽量化を目的にLH73SSAを改修した第三世代機 +EXTENSION:FUNI EXTENSION:FUNI マイクロミサイルを搭載、威力よりも弾数を優先させた +B.UNIT R:MAGOR...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 外伝
    ...場人物:シルヴィア マイ)   舞い散る桜の中、二人きりになったシルヴィアとマイ。柔らかな陽光と満開の桜の下で、マイの胸にほのかな想いが   芽生える。 ■ Intermission -operation bitter and sweet- (登場人物:シルヴィア エイミ)   女性たちの甘く熱い戦い。その名は「-operation bitter and sweet-」彼女たちの聖戦の火蓋が今、切って落とされる。    Page-1 Page-2 Page-3 ■ The Empress Strikes Back (登場人物:セシリア・フィリックス カーク・オーチャード)   高貴なるアークの女帝は、自らのプライドを賭け、トリガーを引く。    Page-1 Page-2 作:宮廷楽人・タカ坊 ■ The rest is silence -Vorspiel-...
  • イリヤ
    ...サンドゲイルの傭兵、マイ・アーヴァンクが名付けた。 コミュニケーション能力はあるものの、旧世代で活動していた時は事務的な応対がほとんどだったため、感情の起伏がない機械的な話し方しかできない。 そのため他人からはぶっきらぼうで冷たい印象を持たれるが、これは単に会話のしかたを知らないだけである。 自分は生体CPUであるというアイデンティティが強いため、自己を物扱いする傾向が強い。 生体CPUとしてはプロトタイプであるため、彼女の後に生み出された個体に確認されている個別特殊能力は付与されていない。
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十五話
    ...を除けば。 「お、マイたちはどうした?」 ショーンがシェルブの右隣に着きながら、問いかける。 ショーンは『マイたちはどうしたか』と聞いたが、それも彼なりに場を和ませるつもりの言葉だったのだろうか。キッチンに料理長すらも居ないという点から考えれば、本来なら『他の人はどうしたのか』と聞くのが普通だろう。 「操舵室だ。イリヤが艦のシステムを覚えたいと言ったものでな」 サンドゲイルのメンバーでレイヴンなのは、自分とマイ、シルヴィア、そしてシェルブだけだ。 しかし、シルヴィアは無人機以外への対処ができないため、実質的な戦力は3人のみになる。 当然、戦闘になればそれ以外のクルーはリヴァルディにいることになる。 万が一の事を考えれば、艦の状態を把握できる人間は多い方がいい。 「それで、シルヴィアもマイ達と一緒か?」 「ああ、そうだ」 シェルブに話しかけながら、シーアもシェルブの左...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第七話
    ...依頼によって小破したマイの機体を修理するため、きちんとしたドックと部品を必要としていた。 もちろん、食料なども補給する必要がある。 そのためにコロニーへ立ち寄ったのだが、そのコロニーで物資輸送車が襲われた話を聞き、一度周辺を調べることにしたのだった。 『協力したいところだが、こちらにも優先すべきものがある。 ひとまずコロニーに戻ろう』 「了解した。 しかしあいつら、チームトライアングルとか言ったな…いい腕だった」 『何、アンジェ達か?』 シェルブが反応した。 「知っているのか、あいつらを」 『ああ、昔の仲間だ。 シーアは先に帰還してくれ、俺はアンジェに少し話を聞いてみる』 巣立っていった子を見送った親の心境なのだろうか、シェルブは弟子の無事を喜んでいるようだった。 「了解した。 エイミ、先にコロニーへ戻る。 情報屋から連絡があったら、こっちに繋ぐよ...
  • 練習ページ
    ・登場人物(リンク名 ) サンドゲイル  マイ  シルヴィア クレスト社 ミラージュ社  リヒト  カイ レイヴンズネスト ナーヴスコンコード グローバルコーテックス レイヴンズアーク その他組織  所属不明・フリーランス ここはページ作成や編集の練習など、WIKIを効果的に使いこなすための練習ページです。 誰でも気軽に編集してみよう。 ■ サンドゲイル  名称:サンドゲイル(Sandgale)  種別:組織  所属:フリーランス +構成員  マイ・アーヴァンク  シルヴィア・マッケンジー  シェルブ・ハートネット  ショーン・ハワード  シーア・ヘルゼン  エイミ・ツザキ  -詳細-  マイ達が所属する遊撃隊兼何でも屋。  レイヴンズアークのトップランカーだったシェルブ・ハート...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十五話②
    ... と、ショーンが突然マイの背中を叩きながら訳知り顔で顔を出した。 「ってなわけで、ゼオはシーアの基地制圧完了を見計らってからウチのガレージに寄って、それから作戦に参加ってことになるわけだ。これで満足したか?」  まだ完全に納得したわけではない、とでも言いたいような渋い顔のままだったが、マイは仕方なく頷いた。 「ブリーフィングは以上だ。 作戦開始は本日〇〇〇〇時、開始三〇分前にもう一度ここに集合しろ。解散!」  シェルブの一声とともに、戦闘要員がすぐさま部屋を出て戦闘準備に取り掛かかり始めた。  仲間たちが駆け足で準備に取り掛かる中、シーアはゆっくりとした歩調のまま、自室に辿り着いた。  扉を開けると同時、ベッドに倒れこむ。  横になったまま、手探りでサイドボードの引き出しから鎮痛剤の入ったペン型注射器を取り出し、右の首筋に打つ。  動く度に、右半身が軋む。関節...
  • Intermission -operation bitter and sweet-②
    ...  ――まったく、マイ君もとんだ幸せ者ね。  そう思いつつ、エイミはシルヴィを微笑みながら見守り続けた。 「できたっ!」  ココアパウダーが混ぜ合わさってから、都合40回もの撹拌を終えたシルヴィの顔には達成感が表れていた。 「どれどれ? 見せて」 「これで、大丈夫だと思うんですけど……」  ボウルの中のチョコレートは滑らかなとろみと艶やかな光沢を放っていた。このまま食べても充分美味しいだろう。 「ちょっと味見してみようか?」  エイミは小さなスプーンをシルヴィに手渡し、ボウルの中のチョコレートをすくって口に運ぶ。その瞬間、滑らかな口当たりと共に柔らかな甘みとカカオの芳醇な香りが広がる。 「どうですか?」  不安げに上目づかいでエイミの反応を見るシルヴィ。エイミは彼女の問いにあえて答えず、食べてみるようにと手で促す。  シルヴィは恐る恐るボウルからチョコをすくい...
  • Coaxial③
    ...るレイヴン、ノーブルマインドは、まるで何かに怯えるように息を荒くし冷や汗をかきながら、ある場所を目指していた。 目を血走らせながら周囲を忙しなく警戒し、暗く細い路地を進んでゆくその姿はドブネズミのようだ。 もはやそこにAランク2位という輝かしい地位や名声などある筈もなかった。 「くそ、くそくそくそっ!冗談じゃない、こんな事に付き合ってられるか!!」 ノーブルマインドは誰に聞かせるでもなく、しかし、まるで誰かに聞いてほしいかのように大声で毒づいた。 「ちくしょう・・・統一政府のやつらめ。僕が色々と便宜を図ってやったのに、それを仇で返しやがって!大体エウヘニアだってそうだ。こんな掃討作戦に僕を使うなんて何考えてんだ!!どいつもこいつも、僕を誰だと思っていやがるんだ!!!」 ダダをこねる子供のようにあたり散らすが、それに応える人間は誰もいなかった。 「くそ・・・まあ、いい。ち...
  • Dépression du chevalier
    ...た喚声は、機体の集音マイクを通じて嫌でも私の耳に入って来る。 『残念ながら敗れてしまったレッドコーナーのカヴァリエにも!どうか惜しみない拍手をお願いしまぁす!』  パーソナリティーのおざなりな定型句も、今の私には耳障りなだけだ。 「くそっ、また負けた……」  勝ったアイツの機体【バッドアイズ】はスポットライトを浴び、反対に私の機体【キュラシェーア】はすごすごと格納スペースに引っ込まされる。観客達の関心は敗者になど無いのだ。  アリーナの専用ガレージで機体から降り、控え室と兼用のロッカールームでヘルメットを手荒に投げ捨てる。  アリーナの管制官に【キュラシェーア】をマイガレージまで送り届けて欲しい旨を粗雑に伝えると、パイロットスーツにフライトジャケットを引っ掛けた格好のままアリーナドームの出口に向かい早足で歩く。  アリーナのプログラムは丁度ヒーローインタビューに差し掛か...
  • 決意
    ...かっていた。いつもはマイが一緒でうんざりした顔をされるが今日は一人なのでそれはない。 ショッピングを終えると休憩にと公園に立ち寄った。 露天でジュースでも買おうと列に入ると先には地元の女生徒を見受けられた。 楽しげに会話している光景を見ていると僕も両親があんなことになってなかったら彼女達のように学園生活を満喫できていたのにとも思う。いや、それでも拾ってくれたシェルブの親方に感謝しなくてはならない。今自分がこうしていられるのも親方のお陰だ。 そう思いにふけっている時である。一人の女生徒の様子がおかしい。なにか虚ろな眼をして立ちつくしている。 「ちょっとルア、どうしたの?」 その様子を見た友人が声をかけるが返事がない。 肩を叩かれるとルアと呼ばれた少女は倒れこんだ。 「きゃあ、ルアどうしたの!!」 突然の...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑪
    ...した敵性目標へ向けてマイクロミサイルを射出。  後の先を取った事により敵性目標が燻り出される格好で、マイクロミサイル群の追撃を受けながら右舷へ飛び出す。分割ディスプレイに出力している拡視界映像で、敵性目標の背部兵装が今度は逆側に転換されているのを肉眼で捉え、アザミは明確な意思判断を待たずにフットペダルを踏み込んだ。  滑走進路をなぞるように逆進し、予測射線に向けてばら撒かれた重拡散銃の弾幕を明後日の方向へやり過ごす。数秒と持たずに撃墜されたマイクロミサイル群が立て続けに爆発を起こし、赤々しい火球が空中に幾つも浮かび上がる。反転攻撃に転じた敵性目標が重拡散銃と突撃ライフルの砲口を向けた時、それよりも一拍早くアザミは再度マイクロミサイルを同時射出していた。予め火器管制システムに設定しておいた飛翔起動パターンを戦術支援AIが自律選択し、そのプログラムを搭載したマイクロミサイルが敵性...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十話②
    ...しれんが」 『……マイは俺が宥めよう。部隊解体の憂き目なんぞには変えられんからな』  アークを去った後間もなくして、シェルブがサンドゲイルを発足させた頃を薄く思い出す。マイという名前には聞き覚えがあった。確か、シェルブがその頃に孤児院から引き取った少年の名前だ。 「支配企業の一翼に啖呵を切ったんだ、穏やかな交渉の余地はないと思った方がいいだろう。──こちらに引き渡すか?」 『……それで安全の確度は?』 「此方が引き取った所で、せいぜいがとこ半々という所か。穏便に事を済ませるのなら、もう一つ手管が必要になってくる」  そう提言した時、電話の向こう側からシェルブの緊張を孕んだ無言の気配が流れ込んできた。商売相手──サンドゲイルにとってその進退がかかった交渉である。 「──是非に一度、調べてみたいモノだ」 『それだけか……?』 「焦るな。サンドゲイルの提供資材から得られた...
  • シャドームーン
    ...ION:FUNI マイクロミサイルを搭載、威力よりも弾数を優先させた +B.UNIT R:WB04M-NYMPHE2 B.UNIT R:WB04M-NYMPHE2 連続発射数に特化し、最大12発が発射可能な小型ミサイル +B.UNIT L:MAGORAGA B.UNIT L:MAGORAGA 空中戦を想定し、同時5発を拡散発射する超小型ミサイル +A.UNIT R:CR-WR69M A.UNIT R:CR-WR69M 攻撃力を重視したクレスト製マシンガン、12(24)発毎に再装填 +A.UNIT L:WL-MOONLIGHT A.UNIT L:WL-MOONLIGHT 絶大な攻撃力を誇るイレギュラーナンバー +H.UNIT R:CR-WH01HP(LR) H.UNIT R:CR-WH01H...
  • ~ザックセルVSスコープアイ②
    ...ることがある。 マイやシルヴィアにも同じように言い聞かせてきたのだろう。 普段の言動からも、サンドゲイルのメンバーの考え方の根本は、似ているように思える。 レイヴンにしては人が良すぎると、今でも思う。 自分にそれが似合うかと思うと、自信がない。 それでも、シェルブは言い続ける。 過去に囚われるな、と。 彼が抱えたモノの大きさは自分にはわからないし、知るべきではないとも思う。 それでも、深く後悔しているのは事実なのだ。 自分が辿るはずだった、復讐の道の先。 そこには、シェルブの過去が待っているような気がしてならないのだ― ―――その頃、リヴァルディ内のシェルブの自室。 「…そちらはターミナル・スフィアの代表室で間違いないか?」 「頃合いだと思っていたぞ、──シェルブ」 『その言草だと、既にコトは伝わっているらしいな。変らず、其方は業...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第五話
    ...載されていた。 「マイ・アーヴァンク、か。・・・少年、その拾い物はいささか君の手に余るぞ」  いずれ戦場で相まみえることになるだろう、若いレイヴンに届かない言葉を投げかける。  少し冷めた残りのコーヒーを一気に飲み干すと、資料をファイルに仕舞い、再びマルチコンソールへ向かう。  メールをチェックすると、企業からのパーツモニターの依頼や政府からのくだらない称賛のメール、アリーナのファンレターなどが確認するのも面倒なほど受信されていた。  それらに一通り目を通しながらメールを処理していると、軽快な電子音が耳に入った。  重要メールの受信ボックスに新着メールが届いたことを知らせるメロディ。  レイヴンにとっての重要メールとは無論、仕事についてのメールに他ならない。  作業の手を止め、すぐにメールを開く。  差出人はミランダ・キリシマ。ソリテュードの専属オペレーターだ。 ...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十二話④
    ... ナインボールはマイクロミサイルを射出し、弾幕と共に突っ込んできた。 こうなれば、もう機動戦は避けられない。アリスを左腕で抱きかかえながら、右腕の武器だけで迎え撃つ。 エクステンションの迎撃ミサイルがマイクロミサイルをたたき落とす。 後退しながらパルスライフルの速射で応戦するものの、狙撃仕様にしていたためFCSも長距離様でサイトが狭く狙いづらい。 その上、ナインボールの機動力は尋常ではなく、軽量二脚やフロートも軽く凌駕する速度でこちらを撹乱してくる。 「クソ、当たらない!」 圧倒的不利というよりは話にならない、と言った方がいいだろう。 パルスライフルを撃ち尽くしてしまえば、残る武器はブレードのみ。 運良く当てられたとしても、射程重視のロングブレードでは一撃で切り伏せられまい。 有効打を与えられないまま、パルスライフルの残弾は急速に減っていく。 ...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第二話
    ...ステムを左背部兵装のマイクロミサイルへ転換する。ミサイルコンテナを展開し、激しく流動する有視界の中でロックサイトにクリシュナの機体を捕捉、射出準備を完結し操縦把付随の射出スイッチを押し込んだ。  マイクロミサイルが同時射出され、追跡機動の展開の確認と共にフットペダルを強く踏み込む、ブースタを連続噴射してマイクロミサイルの弾幕の背後に追随し、間合いを自ら詰める。  マイクロミサイルの弾頭が迎撃射撃によって誘爆し、大きな爆炎が前方一帯を埋め尽くす。その鋭すぎる光源に目を細めながら、しかし、そこへ突っ込んだ。  爆炎の向こう側から精度を欠いた砲弾の弾幕がゼクトラを出迎え、それらを外部装甲で強引に受け止める。左腕兵装の射突型ブレードに意識を傾注し、寸秒後、その判断が最適でなかったことに、レーダーに現れた敵性熱源を見咎めて気づいた。 「垂直ミサイル──」  戦術支援AIが指...
  • 設定
    ...サンドゲイル  マイ達が所属する遊撃隊兼何でも屋。  レイヴンズアークのトップランカーだったシェルブ・ハートネットが一線を退き、自らのレイヴンとしての技術を後世に少しでも残そうと、10年程前に若手の人材育成のため立ち上げた組織。  それと同時に戦争によって生まれた戦災孤児の引き取り手という側面も持つ。  それは戦争を生業とする者としてのせめてもの贖罪のつもりであり、サンドゲイルの母艦であるリヴァルディの乗員は戦争孤児が殆どを占める。  そのことについてシェルブは現実との板ばさみに悩まされている。 生体CPU  古代文明の遺跡の中枢に古代兵器と共に眠っていた人造人間。 人造人間といっても、ロボットやアンドロイドではなく、遺伝子操作により生み出された人間。  普通の人間に比べて身体能力や生命力が異常に高く、遥かに長寿である。 また、体が予めプログラムされた体格...
  • ブラックバロンの苦難
    ...ン発射時の隙を突いてマイクロミサイルのサイトにおさめようとする。 しかし光が収まった既にはそこに「ライトニング」の姿は無かった。 『だから遅いと言っている!』 それは真上からの完璧な奇襲だった。 再びアリーナに轟音が轟く。 誰もがトップランカーの勝利で勝負が決まったと思った。 『右碗部、損傷』 観客が予想外の事態にどよめきだす。 『ほう、やるじゃねぇか』 なんと負傷していたのは「ライトニング」の方だった。 「それはどうも…」 ―危なかった… バロンには上から奇襲してくる事が予測出来ていた。 長年一緒に依頼をこなしてきた経験を活かし、彼の行動パターンを予測して攻撃を回避しながらマシンガンとライフルで迎撃したのだ。 ほぼゼロ距離いう至近距離でマシンガンとライフルを撃つ事が出来たので今度は致命的なダメージを与えられたようだ。...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話②
    ...兵装種が同時発射型のマイクロロケットである事を把握。  メインブースタを最大推力で踏み込み、右背部兵装へ火器管制を転換。  数十発のマイクロロケットが敵機背部のコンテナから同時発射され、メインディスプレイ上の戦術支援システムが無数の警告メッセージを叩き出す。そのけたたましい警告音を嘲笑し、兵装転換が完結した右背部兵装である対重兵器用散弾銃をマイクロロケットの弾幕に向けてばら撒いた。  僅か一発で前方十数メートルに迫っていたロケットの群勢はその全てが撃ち落とされ、巨大な爆炎が有視界全域を埋め尽くす。メインブースタを最大推力で踏み込んでその爆炎を突き破り、その先で呆然と停止していた最後の一機を捕捉、至近距離から散弾の雨を喰らい付かせた。機体各部に致命的な損耗を被った目標が前身から黒煙を吹き上げながらその場で膝を折り、機能停止する。  その眼の前に軟着陸した所で、兵装火器管...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第三話
    ...サイルが飛び乱れる。マイクロミサイルの嵐だ。 急いでデコイを展開し、後退する。 ミサイルはすべてデコイに誘導され、不発に終わった。ように見えた。 しかし攻撃を回避した事に安心している暇も無く、激しい衝撃が機体を襲った。 『右碗部、損傷』 なんとエクステンションを放出するために開いていた右腕にライフルの弾丸が撃ち込まれていたのだ。 もともと装甲の厚い腕では無いため損傷が激しい。 「右腕が動かん…これではマシンガンが発射出来ない…!」 舌打ちしつつ、すぐさまマシンガンをパージしミサイルと投擲銃を構えて戦闘態勢に入る。 しかし今の装備ではどう考えても火力不足だった。 投擲銃は当たりさえすれば威力は大きいが、なかなか当たってくれない。 ミサイルも小型ミサイルで威力には期待できなかった。 EOコアの弾数も...
  • The rest is silence -Erster Akt-
    ...別――通常ミサイルとマイクロミサイルの混合。その比率――四 九。自機の真下から重力という壁を垂直に駆け上がってくる。  アハトは「アストラ・カストラ」が持つ短機関銃を、白煙を従えて迫る誘導弾の群れへ向ける。意識なき猟犬の群れは、銃口から先んじて放たれる殺気を知覚することはできず、その顎が猛威を振るう領域を愚かにも侵犯する。  相対速度の変化により、めまぐるしい速さで移り変わる幾多の情報。それらをアハトは一切取りこぼすことなく掌握し、全ての情報を脳内に一時保管。  各種誘導弾の予測進路、こちらに到達するまでの予測時間。その過程は深緑の点線で描かれ、そして時は数値で刻まれる。タイミング、位置情報、最適迎撃位置――算出、確認、反映――完了。  ――迎撃開始。  先んじて迫るは、ACが搭載できるミサイルデバイスの中で最もスタンダートな性能を持つノーマルミサイル――左右か...
  • Dépression du chevalier②
    ...ーソナリティーによるマイクパフォーマンスも終わりに差し掛かっていた。 『宿命の本カードも今回が八回目!果たしてカヴァリエのリベンジなるのか!それともハイネケンが今回も退けるのか!それでは!試合!開・始です!』  テンションの高いパーソナリティーの叫びと共に電子音のゴングが打ち鳴らされ、二羽の猛禽が円形のバトルフィールドに解き放たれる。 『すぐに終わりにしてあげるよ、すぐにね!』  試合開始と同時にハイネケンがそう言い放ち、漆黒の軽量二脚機【バッドアイズ】がオーバードブーストを使って猛スピードで突っ込んで来た。  カヴァリエは落ち着いた様子で【バッドアイズ】との通信回線をカットして『雑音』を締め出すと、レールキャノンにエネルギーを充填し始める。  一000あった距離は三秒で二五0メートルまで縮まり、【バッドアイズ】の機影が相応な大きさになってもカヴァリエはエネルギーを充填し...
  • Coaxial②
    ...ランク2位、ノーブルマインド。搭乗AC、キングスタークよ」 それを聞いたフォルディアも、さすがに眉をしかめた。 「何だと?Aランク2位とあろう者が、敵前逃亡したっていうのか」 ノーブルマインド。エデンⅣアリーナの前身だった北米アリーナの時代からAランク2位に君臨する古参レイヴン。依頼などを受ける事は滅多になく、活動の場はアリーナに限定されているといっても過言ではない。 あまり評判のいい人物ではないが、それでも腕の立つレイヴンである事に変わりは無い。 それだけの地位と実力を持つレイヴンが敵前逃亡など普通では考えられない事だが、フォルディアは口ではそう言っておきながら、思い当たる節が幾つかあった。 ――あの野郎、とうとうボロを出しやがったな。 フォルディアはヘルメットを被り直し、コクピットハッチを閉じると、素早く戦闘システムを立ち上げた。 「依頼内容、了解した。ただちに作...
  • The Empress Strikes Back②
    ...リアが護身用にカスタマイズしたものだ。  セシリアは右腕をまっすぐ伸ばし、トルフォニスの眉間にピタリと照準を合わせ、ゆっくりと撃鉄を起こした。 「ククク……、クハハハハハッ! そんな、豆鉄砲で、オレを、殺れるとでも、思ってんのか? 舐めるのも、大概にしろ! この、クソアマがあぁぁぁぁぁぁっ!!」  爆発した怒りすら原動力として、トルフォニスは一足のもとにセシリアへと飛びかかった。  対するセシリアは、トルフォニスの足が地蹴る瞬間に射撃を開始。計六発の357マグナム弾を斉射する。一般的にリヴォルバー拳銃はオートマチック拳銃に比べ、連射力に劣るとされるが、セシリアは持ち前の射撃の腕でそれをカバーしていた。しかし、六発の弾丸は二発がトルフォニスの右肩と左大腿部を掠めただけに留まり、彼の突撃を止めるには至らなかった。  セシリアはトルフォニスの化け物じみた跳躍力の前に、命中した事を...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十話③
    ...に勝者インタビューのマイクがヴァネッサに向けられる。 「予備大会決勝の見事な勝利、おめでとうございます!」  あまりに自身の心境とはかけ離れた周囲の対応に若干たじろぎながらも、ヴァネッサは質問のひとつひとつに浅く思考を巡らしながら、受け答えしていく。  一切鎮まり得ぬ狂乱の如き歓声の中、マイクを向ける女性がインタビューの締めとして、 「今のお気持ちを伝えたい方がいたら、どうぞ!」 「えっと……」  エデンⅣ全域に各メディアの実況中継で放映されているカメラを順番に眺めつつ、ヴァネッサの脳裏には一人の人物の姿が浮かび上がっていた。  ようやく此処まで、上って来た。  ひとつの在り方を示し、ひとつの在り方を実践する道が開けた。  そこまで導いてくれた彼女への、精一杯の感謝を。  ヴァネッサは大きな、満面の笑みを浮かべる。  そして、右手で作ったブイサインを掲げ、 「...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第四話
    ...イスサンプルでカスタマイズしたAI「アナンタ」が、重量2脚機体「アロウズ」を奮い立たせる。 ちなみにカスタム料は当然ながら自腹だった。 『ハッチ展開。降下OKです』 ライラからGOサインが出る。 「んじゃサクサクっと終わらせて帰りますか」 ブースターに火を入れ、アロウズが汚れた空から汚れた地表へと、その身を躍らせた。 重力に身を任せ落下していく。 鈍重な機体は落下速度を増しながら、大地に落ちていく。 【高度3000…2500…2000…1500…】 アナンタが艶やかで無機質な音声で高度を読み上げる。 【1000…500…、400、300、200】 残り100mともなると、地表の建造物が肉眼でもはっきり見えてくる。 スワローはフットペダルを踏み込み、ブースターの推力で落下速度を相殺する。 ドズンッッ しかし...
  • 屍翼の奏者
    ...不協和音を機体の集音マイクを通して聞きながら、鋼鉄の巨人〈アーマードコア〉の操者は口笛を吹きながら視界に映るターゲットを次々と破壊していく。 その様子は休日に釣りでも楽しむかのようにお気楽で、とてもではないが命を懸けた戦闘の貌には見えなかった。 型落ちした旧式のACがミラージュ社自慢の最新可変型MTを屠るその様は、機体の性能を熟知している者である程に現実の事と思えない。 その事は、この〈レイヴン試験〉の担当官であるクラーク・オストリッツも痛感していた。 いったい如何なる魔法を使ったものか、すぐに息切れして立ち止まる筈のオンボロ機体は、水を得た魚の様に戦場となった廃都を跳ね回る。 中空から放たれたプラズマの業火を、ブースターの推力だけではなく脚関節を使った跳躍も併せて躱す。 頭上を高速で移動する可変型MTを――レスポンスが遅いという理由だけで――FCSに一切頼ら...
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