ARMORED CORE Handed Down Heroism @ ウィキ内検索 / 「R・クイーン」で検索した結果

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    ...バッシュ C-4/R・クイーン D-15/JHG +【ESTATE ARENA】 【ESTATE ARENA】 D-1/カヴァリエ E-?/ハイネケン +【GB ARENA】 【GB ARENA】 ?-?/ユウ・ダイ +【所属アリーナ不明】 【所属アリーナ不明】 A-?/アドリア D-?/ジョニー・B・グッドラック ?-?/ビクティム・オーランド ■ GLOBAL CORTEX +【EDENⅠ ARENA[HQ ARENA]】 【EDENⅠ ARENA(HQ ARENA)】 A-9/ノクス B-1/フョードル ?-?/グレイ・ジェファーソン +【EDENⅣ ARENA】 【EDENⅣ ARENA】 A-1/スプリーム A-2/ノーブルマインド(Coxial時点) A-3/...
  • シャドームーン
    原案:ユウダイ・ユウナ 機体名:シャドームーン 搭乗者:ユウ・ダイ 機体構成 +HEAD:CR-H97XS-EYE HEAD:CR-H97XS-EYE 軽量ながら高い性能を実現した、クレストの第四世代パーツ +CORE:CR-C84O/UL CORE:CR-C84O/UL 格納機能搭載、高機動戦闘を想定した軽量OBタイプ +ARMS:CR-A71S2 ARMS:CR-A71S2 A69Sを軽量化、多くの派生型を生んだ第二世代 +LEGS:LH09-COUGAR2 LEGS:LH09-COUGAR2 軽量化を施したCOUGARの改修型、ミラージュの第四世代パーツ +EXTENSION:FUNI EXTENSION:FUNI マイクロミサイルを搭載、威力よりも弾数を優先させた ...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十話④
    ③*④/ /第十一話                                *  新鋭レイヴンのアリーナ本戦出場を快く思わない武装勢力による妨害工作を阻止せよ──  事前にあらゆる手を使って【ターミナル・エリア】は、詳細情報を入手。予備大会決勝後の隙を狙って、新鋭レイヴンの命を頂戴すべく潜伏待機していた武装勢力を急襲、制圧した事により作戦は滞りなく成功した。  拘束された武装勢力の実行部隊が、ガロの指揮した機械化急襲部隊員に引連れられて傍の車道に待機していた装甲輸送車に載せられていく。  アリーナ内部に侵入せずに決勝終了後の隙を外部から狙おうとしていた当たりは、賢しいといっていいレベルだが、逆に出来ること言えばそんな程度のものだと、ガロは胸中で悪態をつく。  グローバル・コーテックス相手の新鋭レイヴンが本戦への出場資格を手にした場合、武装勢力は作戦自体を放...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑤
    ④*⑤*⑥  つまり、今はそういう事態という事だ。  グローバルコーテックス支社内部には、その規定が発動した際に統合司令部として機能する施設が設けられており、ターミナルスフィアも招集令を受けて現在その指令機能を移転中なのだろう。  レイヴンであると同時に事務所所長であるノウラは、その陣頭指揮を取る為に出向しなければならないため、今回レイヴンとしての仕事をこなすのは若干の無理がある。  そうでなくともノウラの本業はレイヴンではないため、そこまで彼女に望むのは酷だとファイーナは軽く考えた。 「そこまで期待はしないさ。それよりノウラ、此れを観ろ──」  ファイーナは戦術支援AIに指示して予め編集保存していた先ほどの映像ファイルを、ノウラの下へ転送した。メインディスプレイに出力した通信映像に映るノウラは、左頬を人差し指でかく真似をしてみせる。 『ふむ、やはりナインボール...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第六話
    第五話①/ /第六話/ /第七話  第六話  執筆者:ユウダイ・ユウナ  少し外れにある小さな喫茶店にユウとレナはいた。特に任務や依頼がない時はレナは店の手伝いをしている。もともとこの喫茶店はレナの父親がマスターをしており、彼女もウェーターとして働いていた。ユウはこの喫茶店の常連客である。しかし、ユウにしろレナにしろ複雑な事情を過去に持つ人間だった。ユウの父親はレイヴンであり、トップランカーであった。しかし、イレギュラーの認定を受け殺された。レナの父親もレイヴンであり、同じくイレギュラー認定を受け殺されていた。今の父親は本当の父親ではなく、彼女の父親の兄が引き取って面倒を見ている。しかし、ユウは父親と同じレイヴンとして今を生き、レナは家業である喫茶店で働きながらユウの専属オペレーターとして活動していた。ユウが父と同じ道を進む可能性が高いレイヴンとして生きるのは理由がある。“父を...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話④
    ③*④*⑤  敵性目標は高密度火力で此方を釘付けにしつつ、通常歩行で距離を詰めてきている。  手堅く此方を粉砕するつもりか──  豊富な搭載火力を当てにした単純ではあるが、しかし、地形を有効に利用した確実な攻略法である。  いつでも応対射撃に出れるよう構えながら、左手で腰元のポーチをまさぐるがそこには既にハンドグレネード類は収まっていない。先ほどパルヴァライザーと交戦した時に使い果たしてしまっていた。  センサー群で集約した情報を吟味した上で対向戦術の確立を図ったが相手の電子機器を麻痺させる装備もなく単純火力ですら劣性である現状で、戦況を覆すだけの要素は考えうる限りでは見当たらなかった。 (単純機動での強襲成功率は34,5%──厳しいな)  強化内骨格である自身の身体機能を用いて正面からの強襲攻撃を試みた所で、相手の集中弾幕を被弾覚悟で搔い潜ったとしてその後殲滅...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第九話⑤
    ④*⑤*⑥  停泊ポートに迫る制圧部隊を他施設との連結通路を隔てて圧し留め、水際での近距離戦に突入してから数分が経過していた。 練達した技量を持って連綿な戦術を駆使する制圧部隊を前に、サンドゲイの歩兵戦力は初期に築いた防衛線から順序後退し、既に最後衛へその拠点を移していた。 『正面第五、第六搬入通路の封鎖完了──』 「よくやった。迂回路を進行し、五〇秒で拠点に合流しろ」  地下へ遣した爆破工作班を労い、シェルブは次の作戦段階に意識を移す。 (戦局はまずまずといった所か……稼げて、残り一五分弱。そろそろ来るな)  敵征圧部隊の技量が確かな事も無関係ではないが、シェルブは時間稼ぎの為の機動防御を当初から指示していた。施設管理局の承諾を得て爆破工作班に地下の物資搬入路を封鎖させた事により、敵部隊が武力による進入を確実にするには正面から乗り込むしかない。  あらゆる時間稼ぎを使...
  • Dépression du chevalier
    「Dépression du chevalier*②」  執筆者:CHU  アリーナのドームに試合終了を知らせる電子音のゴングが鳴り響く。 『試合終了ぉ~!勝者は!ブルーコーナー、ハイネケン!』  テンションの高い女性パーソナリティーが試合の勝敗を声高に叫ぶ。それと同時に落胆の怨嗟や歓喜の雄叫びが、バトルフィールドの外に設けられた観客席から漏れ出した。  そのない交ぜになった喚声は、機体の集音マイクを通じて嫌でも私の耳に入って来る。 『残念ながら敗れてしまったレッドコーナーのカヴァリエにも!どうか惜しみない拍手をお願いしまぁす!』  パーソナリティーのおざなりな定型句も、今の私には耳障りなだけだ。 「くそっ、また負けた……」  勝ったアイツの機体【バッドアイズ】はスポットライトを浴び、反対に私の機体【キュラシェーア】はすごすごと格納スペースに引っ込まされる。観客達...
  • -レイヴンズ・レポート レナ・セイガ編-
    「-レイヴンズ・レポート レナ・セイガ編-」  執筆者:ユウダイ・ユウナ 今日はお越しいただきありがとうございます。 いえ、こちらこそよろしくお願いします。 早速ですが、あなたはアークに所属しているユウ・ダイのオペレーターをされているそうですが、きっかけはなんだったんですか? きっかけは・・・、彼が「エクスカリバー」というACを使わなくなってからですね。 つまり、彼はシャドームーン以外にもACを所有していると。 シャドームーンは元々彼の父のACなんです。彼は物心ついた時からレイヴンとしての才能を開花させたそうです。そこで、父親が所有していたパーツを使ってもう1機ACを組んだ。それが「エクスカリバー」なんです。最初はそれで訓練していたんですが、ある日を境に「エクスカリバー」には乗らなくなったんです。 そうなんですか・・・。でも、今は「シャドームー...
  • 主要登場機体
    ▼サンドゲイル 蒼竜騎 ジルエリッタ ツエルブ フィクスブラウ アストラ・カストラ ▼遺失技術文化社団 ゼクトラ ホワイトサン ▼グローバルコーテックス エデンⅠ本社 ARROWS ネイリング ▼グローバルコーテックス エデンⅣ支社 ブリューナグ ファンロン ▼レイヴンズアーク シャドームーン
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第四話
    第三話/ /第四話/ /第五話  第四話  執筆者:CHU シェルター都市『MA31-HOPE』 ミラージュの庇護下にある人類の楽園だ。少なくとも居住している富裕層にとっての話だが。 ここに自分のオフィスを持つグローバルコーテックス所属レイヴン「スワロー」は、この日新人の専任オペレーター「ライラ・フェモニカ」と通信で依頼の吟味をしていた。 『レイヴン、こちらの依頼はどうですか。【MT部隊撃滅】報酬も悪くありませんし、ターゲットもMTですので簡単かと』 「うーん……、場所が森林区画だし、見通しが悪そうだなあ。そうすると死角からの被弾は避けられないだろうし、修理費がねえ……」 不平不満は聞き飽きたといった口調でライラが諌める。 『お言葉ですがレイヴン、この程度の依頼がこなせない様では、レイヴンとしての沽券に関わるのではありませんか?』 他にも色々な...
  • Coaxial②
    「Coaxial*②*③」 フォルディアはオーバードブーストで最接近しつつ、目前の敵集団にグレーネードが着弾するのに合わせてブーストをカット、急制動をかけ、こちらを見失っている隙を突き、ブーストジャンプでパルヴァライザーの無防備な上を取り、苛烈なトップアタックを仕掛ける。 「まったく・・・進歩ねぇな、コイツら」 編隊を組んで密集している部分を狙い、トリプルロケットの連続射撃を見舞う。 前方からの強烈なグレネードキャノンによる砲撃と頭上から雨のように降り注ぐロケット弾の斉射によりパルヴァライザーの集団は成す術もなく瓦解していった。 編隊を崩され、散り散りになり、右往左往するパルヴァライザーの群れの中にフォルディアはあろうことか自ら降り立っていった。 ブーストを吹かしながら軟着陸すると、生き残ったパルヴァライザーは一斉にルーンへと狙いを定め、取り囲むように急接近してきた。 ...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十五話
    第十四話/ /第十五話*②  第十五話 執筆者:Ryo ―AD109/07/23 PM12 00― 太陽が頭を真上から照らし、街を歩く人々の額に汗が流れる、真夏の昼時。 リヴァルディのガレージの中、シーアとショーンは茹だる熱気の中で黙々と作業を続けていた。 「シーア、そっちはどうだ?」 「エネルギー供給系のバイパスは済んだ、そっちは?」 各ACの防塵処理や注油等のメンテナンスを終え、今は二人ともフィクスブラウの改造に着手していた。以前ショーンが設計したオリジナルパーツである増設ブースターを搭載させる為には、どうしても機体側を直接改造する以外に方法が無かったためである。 コア内部のエネルギー供給パイプ、配線や電子機器、センサー等に干渉させずに改造を施すのは非常に骨の折れる作業だが、ジャンク屋時代からかなりの回数の改造を繰り返してきたシーアにとってはそれほ...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑥
    ⑤*⑥*⑦  含みを持たせた言葉にガロが冷静な返答をよこす。  中央メインモニターに都市全域への戦力配備状況が次々と舞い込み、統合司令部の指揮機能確立に従って戦線が徐々にではあるが、確立しつつある。 「此れからが本当の戦場だ。──貴様らが何を望んでいるのが、ゆっくり教えてもらう事としよう」  かつて自らが与えた叡知を使い統一連邦は何を求めているのか、この騒乱の終わりの時にどんな結末が用意されているのかを想起し、ノウラは口許を大きく歪めた。  AM08 05──                                   *  ──その戦闘は後に【ナヴラティロヴァの惨禍】と呼ばれ、30年以上に渡って戦争史に語り継がれる事となった。 『──完全な奇襲及び殲滅戦闘だ。目に映る者全てを逃すな、徹底的に蹂躙しろ』  無線を介した部隊...
  • ユウ・ダイ
    原案:ユウダイ・ユウナ 名前:ユウ・ダイ 性別:男 年齢:18 所属:レイヴンズアーク 搭乗機体:シャドームーン 概要 若干18歳のレイヴンで、トップランカーとも引けを取らない実力を持持っているのにも拘らず、政治的な理由で下位ランクに属する。 父親がトップランカーであったため、幼いときからACの操縦技量を教わっている。それがトップランカー並みの技量を獲得した所以である。 非人道的や非合法的な任務は一切請け負わない、アリーナや対ACでは正々堂々と戦うというのがポリシーである。 トップランカーであった父親を殺した伝説の赤いACを求め、アリーナのトップランカーを目指し日々精進している。 生活費や機体維持費はユウが稼いだ報酬と、父親がかつて稼いで貯金していた報酬でまかなっている。
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    ...Welcome, curious "Raven". 『ARMORED CORE -Handed Down Heroism- 』とは FROM SOFTWARE 製作のコンシューマゲーム『ARMORED CORE』の二次創作リレー小説です。 当WIKIでは小説作品と作品設定を一つのWEBコンテンツとし、誰でも閲覧が可能な状態で公開しています。 [ -TOP Information- ] [ 更新情報 ] ・04/21 トップページ更新 ・04/21 リンクページ更新 ・04/12 外伝『The Empress Strikes Back』アップロード ・03/02 外伝『Dies Ire 第一夜 -偽りの愛-』アップロード ・03/02 登場人物『ドライ』アップロード ...
  • ブラックバロンの苦難
    「ブラックバロンの苦難」  執筆者:ギリアム 帰宅した彼の目に飛び込んできたのは、相棒の忘れ形見である少女だった。 ―玄関でずっと待っていてくれた…? それは帰宅する父親を出迎えるような本来は微笑ましい光景である。 少女が涙眼になりながらフライパンを両手に握りしめていなければ。 彼はため息をつきながら少女に問いかけた。 「ミニム…なんですかその格好は」 ミニムと呼ばれた少女は何も喋らずにじっとこちらを見つめてくる。 ―流石にまずかったでしょうか… 己の行いを振り返ってみる。 寝ているのを起こすのは悪いと思い、外出する事を告げず依頼を受け出撃し、依頼を完遂できず帰宅。 おまけに機体は先ほどの戦闘でボロボロ、武器も破壊されてしまった。 機体も武器もミニムが一生懸命整備したものだ。 それを出撃する事も告げずに持ち出してこ...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第一話
    第一話*②  第一話  原案:マド録 文:柊南天  プロローグ  遥か遠い過去──現在の統治企業や統一連邦でなく、純然たる主権国家が、この薄汚れた地上世界を治めていた時代があったそうだ。 しかし、繁栄を極めた国家群も時代の変遷と共に衰退し、それに代わって国家体制を支えていた軍産複合体が、世界の覇権を巡り競合するようになっていった。  統一連邦と名を変えたかつての主権国家群は、その骨肉の戦乱の中で意味もなく翻弄されるだけの存在に成り果てた。  熾烈を極めた覇権競合も現代では世界情勢の日常風景となり、戦争経済そのものが人類社会の存続の糧になっていると、知識人は云う。  そんな実情を体現する幾つかの存在が、ここ一世紀あまりで生まれたからだ。  人型機動兵器──アーマード・コア。  俗にACと呼ばれるその兵器と、それを自在に駆り、混迷の戦場世界を往く渡り鴉【レイヴ...
  • ~ザックセルVSスコープアイ~
    「~ザックセルVSスコープアイ~*②」  執筆者:Ryo リヴァルディのガレージ内、PCの前で、シーアとショーンは論を交わしていた。 「ブースターも追加するべきだろ! じゃないと意味がねぇ!」 「だから、それだと重過ぎると言ってるだろう!」 今話しているのは、ショーン設計のAC用大型追加ブースタータンクのことだ。 リヴァルディでの目的地近辺への接近が難しい場合や、AC単体での長距離移動が必要な際に役立つだろうと考え、今も設計の真っ最中である。 「……まぁいい、どっちにしろ問題はどこに接続するかだ。 お前さんならどうする?」 「肩武器に干渉しないのがベストだ。 となるとエクステンションの位置だが、これは保持力が弱い上にバランスが崩れる。 無理だろうな」 「だよなぁ、やっぱりコア側の改造しかないか」 「オレの機体で試そう。 正規品よりは手を加え易いは...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十四話
    第十三話/ /第十四話/ /第十五話  第十四話 執筆者:ユウダイ・ユウナ 店内には客の姿はない。だが、マスターは気にせずカップを磨く。客がいないときはいないときで、その静かな時間を彼は好んだ。娘は所要で出かけているため働ける人間は彼しかいない。人を雇うことをしないのは、娘と一緒に経営することが楽しみの一つであり、その一時が幸せだからだ。しかし、娘はあるレイヴンのオペレーターも兼業しているため、依頼があればオペレーターの仕事をするために家を留守にする。それでも、彼は止めることはしなかった。娘の生き方は娘が決めること、強制することではない。彼女の“本当の父親”の遺言を尊重してのことだった。カランと入り口の鐘がなり、客が来たことを認識すると、いつも通り「いらっしゃい」と声をかけようとした。だが、言えなかった。久々に会う女性がそこにいたからだ。 「久しいな。」 その様子を悟っ...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十六話
    第十五話/ /第十六話* ②  第十六話 執筆者:宮廷楽人・タカ坊 -Non omnia possumus omnes.(私達は皆、全てをこなせるというわけではない)-  サンドゲイルが所持する陸上装甲艦――リヴァルディ。その艦内に毛細血管のように張り巡らされている鈍色の廊下を足早に走る青年の姿がある。その駆けようたるや、一心不乱の一言に尽きるもの。脇目も振らずに、些かも我が身を労わることもなく走り抜けている。  一定の音階を続けて響かせる足音は、打ち付けるように強い。金属壁で囲まれた廊下の内側に反響している。嘆きの声音を思わせる音律は、青年の心の動揺を反映してのものか。  青年の名はマイ・アーヴァンク。この陸上装甲艦「リヴァルディ」を根城とする遊撃傭兵部隊――サンドゲイルに所属する傭兵の一人である。 マイは自身を追いかける存在を知覚するも、それに頓着す...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第九話②
    第九話*②*③  ミラージュ社直轄経済管轄領、閉鎖型自治区【ソグラト】── 午後一五時三〇分──。  艦艇上部区画の展望施設から臨む荒野に、黄塵を含んだ陣風が不規則に渦巻いている。  霞むその荒野の中に数日見なかった人工物──都市全域を覆う外殻機構を見咎めた時、艦内内線を通じてインカムに通信が届いた。 『繋留コロニーに着くわ、マイ。ボーディング・ブリッジに移動するから、手伝ってちょうだい』 「オーケー、すぐに行くよ」  外景に傾注していた視線を戻し、マイは艦内八階の乗降施設に直結する連絡通路へ再び足を向けた。  繋留施設への接近報告が艦内放送を通じて響き、先程まで落ち着いた静けさを保っていた艦内が俄かに騒がしくなり始める。繋留準備の為に通路を行き交う見知りのクルーらと目礼を交わし、込み合う昇降設備を避けて連絡階段で一気に八階まで駆け上がった。  すぐ右手、右舷第七...
  • 白翼の対価
    「白翼の対価*②*③」  執筆者:CHU AD101_12/15_16:31  その男は、今まさに死につつあった。  汚い廃棄処分場の片隅で、ただ人生の終焉を待つだけであった。  満足に呼吸も出来ず、喉からは掠れた擦過音が漏れる。指一本動かす事も出来ず、――否、体が言う事を訊かないのだ。動けと命じても、脳がそれを筋肉に伝達する事を拒む。  だが、男は己の運命を受け入れていた。  だから、もう足掻くことも諦めていた。  自分は翼を失い、地に落ちた。それは自分の撒いた種によるものだ。座して死を待つ結末にも、後悔だけはしていなかった。  幾らかの時間、気を失っていたらしい。塵屑のシルエットが朧気になる程度には、辺りが薄暗くなっていた。  ふと、胡乱なままの視界が遮られる。それは、顔が映り込みそうなくらいに磨き上げられた黒い革靴だった。自分を含め、塵屑しか無...
  • Coaxial③
    「Coaxial*②*③」 一方、同じころ。 重工業区画の一角に、金色をベースにしたお世辞にも趣味がいいとは言い難い1機の中量二脚ACが息を潜めるように、ゆっくりと歩行していた。 構成パーツの全てをクレスト製品で固めたこの機体こそ、エデンⅣアリーナのAクラス2位に君臨するAC「キングスターク」であった。 それを操るレイヴン、ノーブルマインドは、まるで何かに怯えるように息を荒くし冷や汗をかきながら、ある場所を目指していた。 目を血走らせながら周囲を忙しなく警戒し、暗く細い路地を進んでゆくその姿はドブネズミのようだ。 もはやそこにAランク2位という輝かしい地位や名声などある筈もなかった。 「くそ、くそくそくそっ!冗談じゃない、こんな事に付き合ってられるか!!」 ノーブルマインドは誰に聞かせるでもなく、しかし、まるで誰かに聞いてほしいかのように大声で毒づいた。 「ちくしょ...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十六話③
    ② *③* ④  艦橋内に爆発が生まれ、耳を貫くような轟音が轟く。硝子がその爆発音を聞き入り、その慟哭に打ち震えている。  灰燼の後に残されたのは、胸からの上の上半身を失った少女の姿――だった者の姿だ。残された下半身だけが、血溜まりと蛋白質の海に倒れこむ。  マイは背後を見やり、自分の首根っこを掴む人物を見据える。黒衣の装いの男はアハト。  再び前方を見る。上半身のない遺体が血の海に沈んでいた。マイは駆け寄り、遺体を抱き上げる。遺体が纏う血に塗れた白の衣。 「あ、あ……」 「――死を祝別したまえ。何故なら僕がここにいるのは君のおかげなんだから……。ふふっ……最後の笑顔、最高だったね。悲しくて、怖くて、でもどうしようもなくて……」  カイは自身の顔を鷲掴みにするかのように顔を覆い隠し、微笑を打ち消そうと努める。その指の合間からは少女のような顔と、一層の狂気に染まる瞳...
  • Coaxial
    「Coaxial*②*③」  執筆者:クワトロ大尉(偽) エデンⅣ、午前9時前後。 未だ停電によって巨大な天蓋が不吉な闇を落とすその下では、地獄絵図のような激戦が繰り広げられていた。 興行区画のパルヴァライザー掃討を担当するグローバルコーテックスのランカーレイヴン、フォルディアは目前に迫った四脚型パルヴァライザーのブレード斬撃をひらりとかわし、ガラ空きの頭部めがけショットガンの零距離射撃を叩き込んだ。 パルヴァライザーは頭部を木っ端微塵に吹き飛ばされ機能を停止する。 「ラストワン。これで何回目だよ」 退けるたびに押し寄せるパルヴァライザーを悉く撃破してきたフォルディアは埒の明かない防衛線に多少イラついていた。 フォルディアはキャリア10年を超えるベテランであり、依頼されたミッションのほとんどを遂行しここまで生き残ってきた猛者である。もちろんミッションを放棄する気も...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑬
    ⑫*⑬*⑭  その直後、兵士が手を輸送車の方向へさし出す。それに従ってコーテックス士官に背を向けた時、傍に歩み寄ってきたらしい別の兵士が僅かにトーンを下げた声で言った。 「ナインボールの沈黙が確認されました──」 「了解。我々は所定通り、区境界部に防衛戦線を構築する」  そんな短いやりとりを最後に耳にし、ノエラは兵士のエスコートで着いた輸送車両へベランジェと共に乗り込んだ。車内には他の何処かで保護されたのだろう一般市民の先客が数人おり、場所を選んで何れからも離れた席にノエラは腰をおろした。それから間もなくして輸送車が発進し、微弱な震動が足元から伝わってくる。  胸元に仕舞い込んでいたディスクを抜き出し、それを手に包みこむ。  背中を壁に預けてぐったりとしたベランジェが、その様子を見ていた。 「本当に、ヤバいもの撮っちまったんだな……。大丈夫なのか?」 「わか...
  • Intermission -operation bitter and sweet-
    「Intermission -operation bitter and sweet-*②*③」  執筆者:クワトロ大尉(偽)  ―Main story シルヴィア&エイミ―  リヴァルディ艦内の一室。簡素で無骨な造りの部屋であるが、可愛らしい小物や家具が置かれていることから、一目で年頃の女の子が使っていると分かる。  その部屋のベッドの上で、ティーンズ向けの雑誌とにらめっこをしている一人の少女。リヴァルディの若きレイヴン、シルヴィア・マッケンジーは雑誌の特集記事を見ながら一人、悶々と悩んでいた。 「うーん……どうしよう。作り方は大体分かったけど、経験がないからなぁ」  彼女が見ている誌面にはファンシーなイラストと共にあるお菓子の作り方が掲載されていた。様々な形をした、光沢のあるブラウンの菓子。老若男女問わず人気のある魅惑のスウィーツ、チョコレートだ。  シルヴ...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第一話③
    ②*③/ /第二話  バイザー越しに白銀の世界を見回しつつ、内壁部分へと進む。隔壁を隔てた先ほどの空間と異なり、緩いカーブを描いた環状形の空間構造になっているらしい。内壁部分には人型大程度のシリンダーが密集して納められており、果実の房が成るように多重構造となっていた。  その内の一つに近づき、外装部にこびりつく氷結を手でこそぎ取る。  中身が透過できる程度に氷結部分を処理し、少し背を伸ばしてシリンダーの内部を覗き込んだ。 「──人間?」  一瞬ぎょっとしたが、取り乱すさず内部を見渡す。シリンダー内部には人間のものと思しき痩せ細った死体がちょこんと収まっており、状態から推察するに完全にミイラ化しているという事がとりあえず分かる。  自身は学者でも何でもないので分からないが、素人目に見ても、数十年やその程度の時間で形成された代物でないという位は推測できる。  マイは数歩足を下...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十六話②
    本編十六話*②* ③  マイはリナリアと名乗った少女の手をとり、共に簡素な照明が照らす艦内通路を歩む。少女の手は小さく繊細であり、僅かながら冷えている。歩みにややぎこちなさがあるのは、緊張のためだろうか。  マイは立ち止まり、少女に向き直る。 「それじゃ、改めて……俺はマイ――マイ・アーヴァンク。よろしくな」 「は、はい……。リナリアです……」  硬い動きでお辞儀をする少女。制動のはっきりした動作ゆえに、その勢いに負けて少女の頭部に乗っていた白磁の帽子が零れ落ちる。栗色の長い髪が扇状に揺れる。  マイは帽子が地に落ちる前に掴み取る。 「あ――」 「――ふー。何とか落ちずに済んだ。はい、これ」  マイは薄蒼色のリボンが小さく備え付けられた帽子を、少女に手渡す。少女――リナリアは栗色の髪を押さえ、俯きつつも言葉を紡ぐ。 「あ、ありがと……ございます」  途切れ途...
  • 屍翼の奏者
    「屍翼の奏者*②」  執筆者:CHU AD102_10/18_20:42 時刻は既に二十時を回り、夜闇が辺りを支配して久しい。 人の手を離れて寂れ果てた都市の静寂を、鋼鉄の巨躯が発する呻きにも似たジェネレーターの駆動音が掻き乱し、蛍火の如き明滅する光が、夜闇から辺りをほんの少しだけ切り取る。 ――マズルフラッシュ。 それは人の手による戦闘行為の証だ。 発砲による爆音と、巨大な空薬莢が跳ねて奏でる不協和音を機体の集音マイクを通して聞きながら、鋼鉄の巨人〈アーマードコア〉の操者は口笛を吹きながら視界に映るターゲットを次々と破壊していく。 その様子は休日に釣りでも楽しむかのようにお気楽で、とてもではないが命を懸けた戦闘の貌には見えなかった。 型落ちした旧式のACがミラージュ社自慢の最新可変型MTを屠るその様は、機体の性能を熟知している者である程に現実の...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十二話②
    第十二話①*②*③ アザミは人間を遥かに超えた動きでガトリングガンの暴風雨のような弾幕を掻い潜り、MTを翻弄していた。 目標が小さすぎる上に、あのスピードだ。MTのカメラアイとFCSでは捉えきれないだろう。 アザミの余裕すら感じられる動きに多少の安心感を覚えつつ、自分も加勢できる瞬間がないかと機会を窺う。 MT相手に少しも止まることを知らないアザミに業を煮やしたのか、MTのうちの1機のバズーカが火を噴いた。 その砲弾はアザミの前方の道路に着弾し、路面を派手に抉りながら無数の破片をまき散らす。 アザミは雨のように降り注ぐ瓦礫片に臆することもなく、腕の中のアリスを庇いながら抉れた路面を低い姿勢で軽々と跳躍しつつ、身体を捻り、片手でグレネードランチャーを自身へ狙いを定めているMTに向けた。 その砲口がMTのカメラアイへ向けられていることに気付いたソリテュードは自分も打...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第七話
    第六話/ /第七話/ /第八話  第七話  執筆者:Ryo 夕暮れを走るリヴァルディに向かう途中で、突如通信が入った。 『シーア! また勝手に動いたわね!!』 エイミの怒声がコクピット内に響く。 「ああ、悪かった。 だがシェルブといいさっきのやつといい、あれだけの腕だ。 熱くならずにはいられない。 また近いうちに会えるといいが」 反省するどころかむしろ上機嫌のシーアに、エイミは呆れた。 『もう、まだシェルブたちとは会って間もないんだから、悪い印象を持たれるのは嫌よ』 エイミの言う通り、サンドゲイルのメンバーになったのはつい最近だ。 自分のことはあまり知られたくなかったが、そもそも有名なサンドゲイルに、噂の『暗殺者』が加わったのだから、情報が出回らないわけがない。 先程のレイヴンのオペレーターもこっちのことを知っていた。 まだ機体の詳しい情報が出回...
  • 白翼の対価②
    「白翼の対価*②*③」  普段の生活を考えると、今日は忙しい一日になったものだ。  フラーネのマンションで腰を落ち着ける暇も無く、今度は居住区の隣にある商業区のショッピングセンターに繰り出す事になった。目的は、アルバートの服や寝具を揃えるため。もちろん陣頭指揮を執るのはフラーネだ。  彼女に引き連れられて最初に乗り込んだのは、店構えからして高級感溢れるブティックだった。  言うまでもなく、始めて足を踏み入れる類の店である。  そこでアルバートは、モデルと言うよりショーケースのマネキン宜しく、フラーネに乞われるがまま次から次へと服を取り替えていく。  単なる着せ替え人形に成るのならばまだ気が楽なのだが、フラーネはこちらに意見を求めて来るので質が悪い。生憎と自分はファッションセンスなど持ち合わせていないため、どうしても気の無い返事ばかりしてしまう。  ただし、「どうでもいい」が...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑨
    ⑧*⑨*⑩  その中の一人が、最重要兵器開発要綱に参加していたテストパイロットの一人であり、現在ガロの眼前で対峙する男、ファントムヘイズであった──  姿を消した彼らが、何を思って紅い亡霊と共に裏側の戦場へエントリーしたのかは、現在ではまだ明かされていない。  財団崩壊後、オリジナルの紅い亡霊が関与したとされる戦闘記録は、非公式にではあるが幾つか残されている。その非公式記録についてはターミナルスフィアに所属しているガロも、保管資料から大体の詳細を知り得ていた。  彼の望むモノ。ファントムヘイズは、確かにそう口にした。  ガロはその言葉が意味する可能性を瞬時に記憶から弾き出すことができた。  確かに、紅い亡霊がそれを目的として代理人としてファントムヘイズを、騒乱の混乱に乗じて送り込んできたのだとすれば、目的としての筋道は立つ。  しかし、それは同時にこの騒乱が最初...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話
    第十二話/ /第十三話*②  第十三話 執筆者:柊南天  五年前.南極大陸──  氷点下数十度に及ぶ極寒の冷気の中を乾いた銃撃音が伝播し、頭上数百メートル先の上層施設区画から届く。散発的に木霊するその銃声が何を意味しているのか即座に察知し、周囲で狭域警戒態勢を展開していた先遣分隊にハンドサインで指示を送る。的確に反応した隊員達が狭域警戒態勢から第一種戦闘態勢へ陣形を移行し、それぞれの小銃の銃口が上空に向けられる。  次第に接近してくる銃撃音を耳に捉え僅かな焦燥感を胸中に抑え込みながら、すぐ後背下方部の剥き出しになった地層断面の前に膝をついている二人の人物の背中を注視する。 「おい、嗅ぎ付けられたぞ」 「分かっている。焦るな……」  対放射線用の重厚な防護服を纏う、右手の大柄な女がこちらを振り仰ぐ訳でもなく、加えて此方に対してひどく抑揚のない口調で言う。...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十五話②
    第十五話*②*③ 「恥ずかしながら、まったくもってその通りだ……他の部位の修理は大体済んでいるんだが、右腕は丸ごと無くなっちまってるからな、どうしようもないのさ。おまけに自分の身体の怪我も完治したワケじゃねぇのにエデンⅣ防衛にもなんだかんだで駆り出されるし、ツイてねぇよ……」 「そんなわけで、ウチで修理をすることになってんだ。運のいいことにパーツの在庫がある、なんとかなるだろ。それに俺たちはこのままトラキアに戻るから、ついでに乗せて行くことになったわけだ。 納得したか坊主?」  と、ショーンが突然マイの背中を叩きながら訳知り顔で顔を出した。 「ってなわけで、ゼオはシーアの基地制圧完了を見計らってからウチのガレージに寄って、それから作戦に参加ってことになるわけだ。これで満足したか?」  まだ完全に納得したわけではない、とでも言いたいような渋い顔のままだったが、マイは仕方なく...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑩
    ⑨*⑩*⑪  変わらず抑揚を欠いた言葉。しかし、ガロはその口調の裏側に僅かな焦りの介在を感じ取っていた。  統合制御体がファントムヘイズとの近接対峙を前に、機体制御態勢の速やかな移行を推奨する。 「知らんだろうな。貴様が世界の裏側でのんびりとしている間に、この地上世界は大きく変容した──」  意思判断し、左腕部に携えた適合兵装を持ち上げる。それに合わせてファントムヘイズも狙撃銃の銃口を動かした。長鑓を思わせる長大なひとつの銃身を基軸とし、レールシステムの搭載によって多種兵装の搭載を可能にした実働試験機体:マルシアの為のみに製造された大型の適合兵装。 『貴様に見せてやる。この五年間、世界がどう動いたのかをな──』  その言葉を最後とし、一方的に通信回線を解除。  統合制御体に指示し、機体制御態勢の速やかな移行を指示する。  その間際、再びハルフテルが最後に言い...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑪
    ⑩*⑪*⑫  昇降機の下降制御情報によると、現在地下高度は千数百メートルまで下がっている。エデンⅣ全域に散在する区画隔壁管理局の運営する昇降機でも通常では、地下数百メートル程度の経済管轄階層までしか降りられない。それより先へ進むには、制御システムに専用コードでアクセス指令を出すかプログラム自体を改竄する方法と取らねばならない。  地下核部構造体は複数の空間層によって構築されているが、不定勢力の依頼主が指定してきた作戦領域はその最下層区域であった。  その最下層へ、間もなく到着する──  数十秒後、昇降機の停止と共に制御システムが最下層区域への到着をプログラムヴォイスで伝え、隔壁扉が開放される。 「動体反応はない、が──」  前方に伸びる連絡通路は赤黒く点滅する警戒灯によってその全貌を淡く映し出しており、ルートマップ上でゼクトラの現在位置を把握。搭載レーダー機能を戦術...
  • ―Trick or treat―
     執筆者:継@(適当にどうぞ) 「AC用新型EN兵器運用試験」  今回ファレが請け負ったミッションだ。  新型と言うフレーズに胡散臭さを感じつつミッションを受託したが、怪しげなものに胸が躍るのは、技術者上がりの性だろうか。  おそらく一般的な傭兵には味わう事のない感情だろう。  まぁ、味わったところで、なにか得をする訳でもないような気もする。  彼の愛機「パスカル」は一足先にクライアントへ出向いている。  今回試験を行なう装置との相性や、試験兵器の情報漏洩を防ぐ調査のためだ。  そしてファレ自身も作戦領域まで、これまた機密保持のため、愛機との再会を禁じられている。  試験対象と、変わり果てた愛機の姿を想像し、期待と不安を交互に感じながら、彼はクライアントの輸送機の中で作戦領域への到着を待っていた。  作戦開始30分前、一...
  • Chase of immortal
    「Chase of immortal」  執筆者:CHU  LEDの無機的な照明が灯る室内、そこは饐えた生活臭に満たされていた。  部屋に間取りなどなく、五メートル四方の立方体に近い。窓もなく、入り口は一つであり、その扉は閉じていた。しっかりと施錠され、来客を拒んでいる。  室内にインテリアは一つもない。独居房のような間仕切りのないトイレ、簡易ベッド、コンソール装置とディスプレイがある以外には、何も設えられてはいなかった。  ゴミ箱すらないのは、この部屋が居住を前提としていないためであろうか。  携帯用の栄養補助食品の包装や、飲料水の空ボトルも部屋の床に散乱している。リノリウム製のフロアリングに掃除された痕跡はなく、埃や抜け落ちた髪の毛が積もっていた。  この部屋の中に人の姿は一つだけだった。部屋の主であろう、歳は五〇半ばを幾らか過ぎた初老の男性がコンソールデス...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第九話③
    ②*③*④  艦載レーダーと各種センサー群を最大レンジで展開した所、襲撃現場を中心にして南北二箇所から機動物体の動体反応を捕捉、その片割れに向かってシェルブはリヴァルディの舵を切らせた。  幾つかの事前情報を吟味した結果、南方戦域で探知できる反応の一つは先に派遣したフィクスブラウである事は識別信号からも疑いようはない。その搭乗者であるシーアがよこした情報に準拠すると、リヴァルディが現在急行中の北方戦域に探知した動体反応の一つが、嘗ての〝仲間〟である可能性は高い。  レーダー及びセンサ情報で把握していた戦況も急行する最中に収束しており、これ以上ないと言って良い手際の良さから、シェルブ自身もある程度の確信を持っていた。 「しかし、ごろつきと断定するには聊か、規模が過ぎるな……」  黒髪の総髪を掻きあげながら、地理情報の映像詳細を出力したデスクデバイスを注視する。  単純な兵力規...
  • ~he's coming back~
    「~he s coming back~」  執筆者:ヤマト 夜闇を妖しく炎が照らす。 小さな採掘基地での暴動を鎮圧すべく一人のレイヴンが雇われたのだ。 ガイアフレア/ダイスケ かつてはツヴァイと呼ばれた特務部隊員。現在はフリーランスのレイヴンとして第一線で活躍中である。 「呪うのならば、武力蜂起を掲げたお前達のリーダーを呪うのだな」 すでに物言わぬ鉄屑へと変わったMTに言葉を投げる。 今回の戦闘も例に漏れず酷い有様だった。 中量2脚型のACの動きについていける機体は無く、1機、また1機と破壊されていく。 なにしろ作業用MTにACのバズーカやグレネードを積んだだけの粗悪な構成では攻撃力だけはあるが防御力、機動力がないに等しい。 結果、初弾を避けられたら自然と撃破されるのを待つような状態に陥る。 戦闘開始...
  • シャドー
    「シャドー」  執筆者:ユウダイ・ユウナ ロッカールームで彼は対Gスーツに着替えていた。鏡には裸の自分の背中が写っていた。大きな傷が目立つ。 「もし・・・真実を知ったとき、ユウもレナもどう思うだろうか・・・。」 スーツを着こみながら、そんなことをつぶやく。着替え終わり、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を手に持ち、ロッカールームを後にして愛機の元へ向かう。 「お前との約束、ちゃんと果たすまでは影として生きる。」 愛機を見上げながら、シャドーは友との約束を思いつぶやく。そしてHMDをかぶり、愛機に乗り込む。  シャドーの愛機はかつてセルゲイ・ダイの良きパートナーだったミュラン・ハーヴェイが乗ったAC、ダークフェイスとまったく同じアセンブルだった。厳密に言えば、ダークフェイスそのものである。彼がミュランのACに乗っているかは、深い事情があった。彼はある事情を抱えており、...
  • The Empress Strikes Back②
    「The Empress Strikes Back*②」  アリーナ戦から二日たったその日の夜。セシリアはアーク本社から少し離れたビル街の路地裏を歩いていた。向かうはお忍びで通っている行きつけのバー『Harvest moon(ハーベスト・ムーン)』。雑居ビルが立ち並ぶ旧市街地の路地裏にひっそりと店を構える、知る人ぞ知る隠れた名店だ。アリーナ戦でのインタビューや雑誌記者の取材、デスクワークなどを一通り片づけ、ようやく訪れたプライベートな時間を、お気に入りのカクテル「ジャック・ローズ」を傾けながらゆっくりと過ごそうと考えたのである。  細い路地裏に、ハイヒールが地面を打ち鳴らす甲高い音が反響する。女性が歩くには、いくぶん心許ない街灯が申し訳程度に暗闇を照らす。光が届かない道端は深い闇で覆われ、何かが潜んでいそうな不気味さを孕んでいるが、セシリアはそんなことを気にも留めず、堂々と歩みを進...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑭
    ⑬*⑭/ /第十四話  ノウラは既に、事実関係の大半を知り得ていた。  だからこそ、当事者達からの直接の言葉などは無為に等しきものであると断じ、代わりに彼らに告げるべき事実を告げる為に、次の口を開いた。 「──我々一族は、貴君等に多くの叡智を与えた。貴君等、統一政府が衰退した人類の復興の一助となり、賢明な統治者として君臨するであろう事を、望んだからだ」  ノウラは語る。自らの身体に流れる、何世代にも渡って受け継がれてきた血筋を。自身の一族が統一連邦政府と共に在り続けてきた過去を。彼らが今回の件──【エデンⅣ騒乱】で、人類の今後の在り方を確実に変えてしまう失態を犯した事を、彼ら自身に思い知らせる為に。 「貴君等の先達の遺した遺産を見誤り、貴君等は自ら王道を踏み外した。──末路は、自らが語れ」  十数時間前──【エデンⅣ騒乱】の引き金を引いた政府一派の暴走を、賢人会議は...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十三話⑧
    ⑦*⑧*⑨  途中幾度か、前衛撹乱型のパルヴァライザーと交戦を経てガロは、大した損耗を被ることもなくコーテックスビルを中心とする建築物群エリアに進入した。周辺戦域に追跡動体が接近していない事を確認してから、エンシェントワークスの保有する運搬用の私設ターミナルへ滑り込み、同施設の制御ネットワークにアクセスする。 『──識別符号:TS002-EW011』 『──識別符号、照会完了しました。どうぞ、進入してください』  ネットワークの制御システムが承認の返答を遣し、それと共に自動シャッターが開口した資材搬入用の保管廠内部へシックフロントの機体を滑り込ませた。大型資材運搬用の昇降台へ機体を搭載し、制御ネットワークに最下 層地下核部への降下を指示する。 『了解しました。到着所要時間は五分です──降下を開始します』  通達と同時に一瞬接地面が震動、昇降台が降下を開始しガロは...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第一話②
    第一話*②*③  若干離れた場所から本来の進路へ復帰した直後、通信回線に指示が入る。 『施設外周部戦域の制圧が完了しました。隔壁開放と共に、速やかに施設内部へ進攻して下さい──』  総合通信士が述べ、マイは前方二四五メートル前方に聳える旧世代施設の大型隔壁を拡視界に納める。第二陣主戦力より先行していた供出軍の特殊工作MTが複数機、隔壁設備外盤部に取り付いている。  機構制御を直接掌握する算段なのだろう。遥か前方を突出していた友軍機〝シックザール〟が機動速度を緩め、後続戦力の到着を待つと共に機体姿勢を臨戦態勢へと移行する。 『──さあて。お仕事、お仕事♡』  今か今かと手を揉んでコクピット内部で待つ彼の姿を脳裏に浮かべ、アレで仕事上本腰入れているのだから何だかな──マイは一人思った。  特定周波数で結んである通信回線から漏れた独り言を聞き流し、蒼竜騎に戦闘態勢を取らせる。予...
  • Interlude.2
    「Interlude.2」  執筆者:クワトロ大尉(偽)  レイヴンズアーク本社地下に設営されているACガレージ。  その内の一つに1機のACが大型エレベーターで搬入されてきた。  黒に近いダークグレイのACは大部分をクレスト系のパーツで構成された標準的な中量二脚で、大した損傷もなくミッションを遂行し、無事に帰還した。  レイヴンズアーク所属のレイヴン、バッシュことカーク・オーチャードはガレージの中央部、所定の停止位置である昇降リフト上に彼の愛機『サーベラス』を停める。  システムを通常モードからアイドリング状態へと移行したところで、専属オペレーターのジェシカ・テイラーから通信が入った。 「レイヴン、ミッションお疲れさまでした。収支結果の詳細は後ほどお伝えしますが、おおよそ7割強の報酬が見込めると思います」  上々の報酬であるにもかかわらず、カークは大し...
  • ARMORED CORE Handed Down Heroism 本編 第十五話③
    ②*③/ /第十六話 ―AD109/07/23 二三 四七― 「ボス、スコープアイが、基地制圧を開始しました。 ポイントレッドのMTも、ほとんど撃墜いたそうです」 「よし。 少し早いが、作戦を開始する。 各員、レーダーには常に気を配れ」  予測の通り事が運べば、敵部隊は既に警戒している三方向からしか攻めて来ることはない。 だが、シェルブはもう一つ、ある可能性を懸念していた。  ――そんな事態に、ならなければいいが  そう考えずにはいられない。 レイヴンならば誰もがいつかは経験する、ある危険性をこの任務は孕んでいる。  だが、今このタイミングにおけるそれは、少しばかり厄介だ。  だが、同時にそれを経験することで、成長も期待できる。 いずれは超えねばならない壁なのだ。 「――マイ、聞こえるか」 『何ですか親方?』 「……気を引き締めろ、予測とは違う方向から...
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