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夏の終わり 「温もり」」(2007/04/09 (月) 21:04:06) の最新版変更点

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※[[夏の終わり 「積年の思い」]]からの続き。 ---- [[TIPS「あなた」]] ◇  100年という積年の想いを一つ一つ伝えるが如くに愛を注ごう。  ―――出来る限り優しく。 「ん、…ぅ、んっ」  何度か私から仕掛けたキスはどれもが強引だったから、今はここぞとばかりに丁寧に口付ける。触れるだけ、押し付けるように、擦り付けるように、啄ばむように、何度も何度も音を鳴らして口付ける。  ちゅ、と音がなる度に沙都子の瞑った睫毛がふるふると震える。…私を感じてくれていたら嬉しい。沙都子の唇は何度触れても飽く事なく、いつまでも触れていたいと思う…反面その唇にしゃぶりつきたいという欲も生まれる。舌先をちろりと出し上唇を軽く舐める。 「ん、っぁ…」  ビクリ、という沙都子の身体の反応を見ると多分軽い口付けだけではそろそろ物足りなくなってきている頃。…いっか、入れちゃおう。  想うが早いか沙都子の半開きの唇に舌を潜り込ませる。温かい。背中に回された両腕が私の服をぎゅっと掴む、眉間に皺を寄せ頬を染めて私の舌に応えようとおぼつかない動きで合わせる。沙都子を気持ちよくしてあげたい…私の想いを身体で伝えたい、そしてその一つ一つに一生懸命応えようとしてくれる沙都子を感じる。  自分の想いを受け入れてもらえる事がこんなに幸せな事なんだと…沙都子を通じてそれを知れることが何よりも嬉しい…。 「ふ、梨…花ぁ―…ぅん…む、…っちゅ」 「はぁ…っ、ん、沙、都子…」  ―ちゅ、くちゅ、ぴちゃり。  想い合う二人の熱い塊が触れ合う度に艶やかな水音が跳ねる。まだキスだけだというのに息が乱れ、お互いの額にはじんわりと汗が滲む。  最初こそ沙都子の感じる表情を見逃したくなくて卑怯だなと思いながらも、口付けながら目を開けていたけれど沙都子の舌の甘美な感触を味わうが如く目を瞑りその柔らかさや瑞々しさに溺れていた。  どのくらい濃厚なキスを続けていただろうか、頭は朦朧としてきて身体はキスだけでは物足りなくなった。  沙都子に覆い被さる形で上にいる梨花の手は自然と沙都子の耳を触れるか触れないかの優しさで包み込む。背中で服を握っている沙都子の力が強くなる。――あぁ、気持ちいいのよね、沙都子…。  目を瞑っていたって沙都子の存在を感じれる事が嬉しい…そして切ない。今までこんなに愛情に飢えていたなんて。そう頭で思うだけで心がきゅっと締め付けられるようになる。沙都子、沙都子…沙都子沙都子…っ!  耳を触れていた手は徐々に下へ向かい、耳、首、鎖骨、肩、二の腕、と沙都子というキャンバスに緩やかに線を描きながら、そして二つの柔らかな膨らみへと辿り着く。  本当はいつまでも味わっていたいけど、怖がらせてしまっては元も子もないから名残惜しい口付けを中断させる。 「沙都子…痛かったら言ってね?」 「…ええ…でも大丈夫ですから安心してくださいましね」 「…沙都子?」 「梨花に触れられるだけで幸せなんですから、少し痛くても構いませんのよ」  そう言って笑う沙都子の顔は穏やかだった。  ありがとう、と呟くとこの年の発育にしては大分進んでいる沙都子の胸へと両手を進める。吸い付いてくるような肌が心地よい…心なしか健康的な肌色に朱が混ざっているのは私を感じているからだと自惚れていいのだろうか。  こんな時にまでまだ嫌われないかと怯えてしまう自分が情けない。でもそれだけ沙都子が自分の中でどれだけ大切な存在かというのを改めて感じられる気がした。 「あ…っ、…ん」 「…どう?」 「んん…、ええ…とても、いい気持ち、ですのよ。まだ少し…くすぐったいですけど…ふぁ」 「そう…それなら良かった…」  一つ安堵の息を吐くと両手をふにふにと動かしながら沙都子の首筋に唇を、舌を這わせる。  汗に混じって沙都子の匂いがする…頭がクラクラする。この匂いに狂いそう…、もう狂ってるか―だって私の息がこんなにも荒い。  沙都子はというと、私の手の動きに、舌の動きに全て反応を示している。私の頬にかかる吐息が熱い。 「…やぁ…っ、梨花ぁ―…は、ぁ……っ」 「はぁ…っ沙都子…」 「身体が…ぁっ、あ…熱い…ですわ………!」 「ん…もっと、もっと熱くなっていいのよ沙都子」  ――まだ発達途中のはずなのに感度はいい様子。これは育て甲斐がありそうね…。  私が圭一と初めて性行為をした時はもっと味気なかったわね、なかなか濡れなかったし…ここまで気持ち良さそうな顔もした記憶がない。  そして、ここまで幸せそうな顔をしたことなんて全くない。  唇と舌が沙都子を所有の証と示すように肌に吸い付く。朱を帯びてる沙都子の肌に開くは紅い華。水着の跡がまだ残っている幼さとは不釣合いの華。私からの刺激で汗ばむ肌にはまるで私と同い年とは思えないような色香が増す。  その紅い華に負けじと胸の先端に存在している、これもまた吸い付きたくなるような色合いの乳首。先端は反り立ち、指とは違う刺激を求めているのか私を誘っているかのようにも思えた。  ならば、とその願い叶えてみせよう―沙都子を味わうたびに口から溢れる唾液を刺激を待つ乳首に触れさせる。 「ひゃっ、ぁぁあぁあぁっ…!!」 「ちゅ…ぷ、…気持ち…いい……?」 「や、ああああ…っ、な、んですの…コレ…ッ!? …っ、ふぁあん…っっ」 「沙都子…可愛い…好きよ」 「は、っ…ぅぁ…、ぁ…わた、く…しも…ぁ…す、き…です…あぁっ」  ―沙都子の身体が私の舌と同調するようにビクンビクンと跳ねる。どうやら胸、気持ちいいみたいね…なるほど。…インプット。  右の胸を左手で、左の胸を口と舌、そして空いた右手は跳ねた際に出来る背中と床の間に忍び込ませる。  抱きしめながらも背中には指でラインを引く。背中を緩やかに指先で撫でるとまるで胸を強調するように背中が突っ張る。  沙都子の両脚を開かせるために間に身体を割り込ませ舌を胸より下へと移動させる。確か左の胸を強く揉んで上げると声が一段と艶っぽくなったからそこの攻めは背中に回した右手を移動させ、痛くない程度に少し強く押し上げるように揉んであげる。 「ぃや…っ! …んんっ…はァ…」 「ここ…気持ちいいわよね、沙都子」 「ああぁッ、や…ぃあ……ぅンっ」 「そう…気持ちいいのよね…フフ」  啼くしか出来ない沙都子の声で反応を見る。やっぱり私の思った通りのように左胸は弱いらしい…ちなみに右の胸は舐めてあげると喜ぶ。  ―私の手で乱れる沙都子の啼く声を聞くだけで身体が火照る。多分見なくても私のは溢れてるだろう…絶対。沙都子に触れるだけでこんなにも身体が疼くんだから沙都子に触れられたら多分すぐトンでしまいそうだわ。  小さな可愛いおへそへくにっと舌を入れ込んで見るとまた身体が跳ねる。まるで全身性感帯のよう。…と、気づくと両脚に入り込んだ私の身体の両脇から圧迫感を感じる。ぷにぷにとした肌触りは沙都子の太もも。見ると腰は断続的にビクビクと飛び跳ねている、――あぁ、わかった欲しいのね。…でもまだあげない。だって可愛いんだもん。  ヘソを通り越し、舌は更に下へと進む。ちゅ、ちゅと音を立てて口付けながら進み腕も一緒に下腹部へと続く。  こう沙都子に触れていて思うこと、やっぱり沙都子の肌はどこを触っても気持ちがいいと思う。前に触れられた時だって身体が疼いた。惚れてる相手だから、なのかもしれない…。  目を前に向ければ未だかつて一度も見た事がない沙都子の知られざる秘所…、身体の下にある脱いだ服にまで滴ってる液体。甘い匂い。  ――ああ…そうか、沙都子が私の手でこんなに乱れてくれるのは…こんなにも沙都子が幸せそうな顔をしているのは私を好きだから。…だから私は沙都子の声に匂いに温かさにあてられて狂っているのは、そういう事なのか。温かいものなのね…愛情ってのは。  そう理解したら突然涙が零れた。 「…ん…ぁ…………り、か?」 「…ぇ? あ、ごめんなさい冷たかった?」 「ど、どうしましたの?何か、…私してしまいました?」 「ううん、違うの気にしないで…ありがとう」  はあはあと息を切らせながら身体を起こし違和感に気づき声をかける。こんな時にだって私を気遣ってくれる事、そんな小さな事にも沙都子なりの優しさと愛を感じてまた泣けてしまう。 「梨花? …そんなに悲しい顔をしないでくださいましな…私まで悲しくなってしまいますわ」 「え、悲しい顔…なんてしてる?」 「ええ…、とても。何かありましたの?」 「大した事ないわ…沙都子が好き過ぎて涙が出てきただけよ」 「そ、それは嬉しいですけど…でも」 「沙都子は優しいのです」  心配そうに眉間に皺を寄せる愛しき人を安心させるため下腹部付近にある腕を少し移動させて頬を触れてみる。  ――冷たい…… 「…沙都子?」 「なんですの?」 「…あなた、もしかして…泣いてる?」 「…ふふっ、梨花が泣いてるからですわ」 「嘘」  根拠なんかないんだけど、ここにも沙都子なりの優しさと愛を感じた。だからきっとこれは本当の答えではない。 「――……あながち嘘でもないんですけれど、ね」 「……」  薄暗い部屋の中でじっと沙都子の表情を読み取ろうと目を反らさず顔を覗く。少し俯いた顔が正面を向いて、観念した表情を表す。 「理由を説明する事は別に忍びないんですけど…梨花、聞いても泣いたり笑ったりしないでくださいましね」 「分かったわ…出来るだけ努力する」  聞く内容によっての問題だから確約は出来ないわよね…と自分で言った言葉を頭で反復して納得していると、ふぅという吐息と共に少し諦めた顔の沙都子が言う。 「梨花が優しすぎるからいけないんですわ」 「え?」 「梨花に触れられる度に胸が切なくて何故か涙が溢れてきましたのよ。梨花に触れられるのは好き。…気持ちいいですし、ね。でもそれだけじゃなくて、触れられる度に胸が熱くなるんです。何なんでございましょうねこれは…でもちっとも辛いわけでも悲しいわけでもないんですのよ。例えるなら嬉しい、とかそういう感情に近いものなんでしょうけれど…上手く説明できなくて申し訳ないですわね…って梨花?」 「……っ……」 「聞いてましたか?私のお話―って、あらあら泣いてしまわれましたのね。梨花は泣き虫さんですこと」 「うるさいわね…仕方ないでしょ」 「そうですわね、私も泣いてますから仕方ないですわね」  ぼんやりと涙する私の手を小さくて温かな手が包む。  「だからね、梨花」  そう話しかける沙都子の声は柔らかくて、それだけでもとまりかけた涙が溢れそうになる。  「もっと私に触れて欲しいんですのよ、もっと梨花を感じたいから」  ―外を見ればもう一番星が見えるくらいの時間なのに、遠くからひぐらしの鳴く声が聞こえた気がした。 [[夏の終わり 「超絶舌戯」]]に続く。

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