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国民少数派、少数民族、宗教的少数派およびその他の弱者グループ

18. 委員会は、チベット人、ウイグル人、法輪功メンバーなどの中国の国民少数派、少数民族、宗教的少数派、その他の弱者グループをターゲットに行われる拷問、虐待、そして誘拐の申し立てについて深く憂慮している。加えて、北朝鮮の亡命者および難民の送還も、以下に明示されるように、委員会による弱者グループに関する懸念の範囲に含まれる。

(A)チベット自治区および隣接するチベット人居住地区での事件―申し立てられている過度の武力行使とその他の拷問の蔓延

委員会は、中国政府が恐怖感を深め、さらに説明責任を阻害しているチベット自治区、および隣接するチベット人居住地区での最近の弾圧に関する報告について深く憂慮している。これらの報告に続いて、役人、公安および国家警備員、また役人に煽動、黙認あるいは承認された民兵、民間人によるとりわけチベット人僧侶・尼僧に対する拷問・殴打・手枷足枷、その他の虐待的処置の報告が続出している。2008年3月のチベット自治区、および隣接するチベット人居住区での事件の後に、逮捕および懲役を受けた人々の数は、中国政府によって公表されているものの、委員会はその人々についてのさらなる情報の欠如を懸念している。特に、中国政府は1,231人の容疑者が「罪を贖い、教育と行政処分を受けた後に釈放された」と報告しているが、これらの事例や彼らの処置に関するそれ以上の情報は提供されていない。特に、委員会が懸念を表明するのは以下の点である。

(a) 委員会が入手した数々の申し立てと信頼できる報告によると、2008年3月のチベット自治区および甘粛省・四川省・青海省の隣接チベット人居住区でのデモや関連事件の後に、多数の人々が拘束あるいは逮捕されたこと。そして、チベット人の処置方法に対する抑制欠如

(b)  甘孜地方、ンガバ(中国名:アバ)地方およびラサの非常に平和的だと報告されたデモ群集への警察による無差別発砲の犠牲者に対する調査の欠如

(c) 拘束あるいは逮捕された多数のチベット人の中に拷問や残酷、非人道あるいは品位を傷つける処置を受けた者がいるという申し立てについての独立した公平な調査の欠如

(d) 独立した公平な調査団のチベット入りの不許可

(e) 逮捕者の中に親族に連絡ができなかった者、独立した医師または独立した弁護士に即座に接見できなかった者がいること。弁護を引き受けた弁護士が警告を受け、聞き入れなければ法的な助力の提供を阻止されたこと。そして、69人のチベット人が迅速な裁判で省略的なやり方によって判決を下されたという一貫した申し立て

(f) 逮捕された後、行方が分からず、委員会からの文書および口頭の要求にも関わらず、中国政府がその行方を明示できない多数の人々(項目2、11、12)

{中国政府は、甘孜地方、ンガバ(中国名:アバ)地方およびラサの平和的なデモ参加者、特に僧侶に対するものを含む報告されている過度の武力行使についての全面的な独立した調査を行なわなければならない。
中国政府は、全ての拷問および虐待の申し立てを、早急、公平かつ効率的に調査し、その責任者は起訴されるようにしなければならない。}

中国政府は、2008年3月のチベット自治区および隣接するチベット人居住区での事件の後に拘束あるいは逮捕された人々が、独立した弁護士と早急に接見でき、独立した医療を即座に利用でき、かつ報復や嫌がらせを受けることなく信頼できる雰囲気の中で、苦情を申し立てる権利を持てることを保証しなければならない。

中国政府は、強制的失踪が条約違反の性質を持つため、強制的失踪を禁止・抑止し、ゲンドゥン・チューキ・ニマ(パンチェン・ラマ11世)などの行方不明者の現状を明るみに出し、加害者を起訴・処罰するよう必要な全ての対策を導入しなければならない。

中国政府は、拘留中の死亡を含めた2008年3月のチベット自治区および隣接するチベット人居住地区の事件における犠牲者の調査あるいは死因の取り調べを行わなければならない。



(B)国民少数派、少数民族あるいは宗教的少数派に対する差別と暴力

委員会は、少数民族、特にチベット人や Ablikim Abdureyim などのウイグル人に対する差別行為と暴力に関する申し立てと、警察および公的機関側がこのような差別行為あるいは暴力を、早急、公平かつ効率的に調査することに対して消極的であることについて懸念している。(項目2、12、16)

委員会の概評2 (CAT/C/GC/2, para. 21) で述べたように、中国政府は、少数民族に向けられた行為など民族が動機となった暴力および差別の早急、公平かつ効率的な調査を保証することによって、虐待の危険性が特に高いグループに属する人々に保護を与えなければならない。中国政府は、このような行為の責任者を起訴および処罰し、積極的な抑止対策および保護対策を実施しなければならない。

中国政府は、法執行機関への少数民族の採用増加を早急に検討しなければならない。



(C)法輪功メンバーに関する申し立て

2006年の臓器移植に関する一時規制と、2007年の臓器移植令に関する中国政府の情報を認識した上で、臓器移植手術の増加と「(法輪功メンバーの)起訴が始まった時期」とが重なっていると述べ、かつ矛盾を明確にし、臓器摘出の申し立てに反証するために「臓器移植の出所に関する全面的な説明」を求める「拷問に関する国連特別報告者」による申し立てを委員会は認識する (A/HRC/7/3/Add.1) 。委員会はさらに、法輪功メンバーが刑務所で重い拷問および虐待を課されており、かつ、その中には臓器移植に利用された者もいるという情報について懸念している。(項目12、16)

中国政府は、法輪功メンバーが拷問を受けたという主張、および臓器移植に利用されたという主張に対する独立した調査を、直ちに実行あるいは委託し、適切な場合には、そのような虐待の責任者が起訴および処罰されるよう対策を早急に導入しなければならない。



(D)ノン・ルフールマン(追放・送還禁止原則)および拷問のリスク

委員会は、個々の事例のメリットを調査することなく、多くの人々が朝鮮民主主義人民共和国に強制送還され、その結果として、公的機関による拷問や残酷、非人道あるいは品位を傷つける処置を受けたという申し立てについて深く懸念している。委員会は、これらの人々が中国政府によって「密入国者」あるいは「スネークヘッド」と認定され、そのようなレッテルを貼られた人々はいかなる保護にも値しないと見なされていることを問題視する。同様に、近隣諸国から引き渡される、あるいは、近隣諸国に送還される人々は、拷問を受ける危険性があるにも関わらず、送還に対する法的保障措置の恩恵を受けない。委員会はさらに、中国政府が、それを国内法令にどのように取り入れているのかの明示をしていないことや、拷問を受ける危険性が高い国に人物を送還することを禁止していないこと、それによって、中国政府が条約第3条について負う義務を果たしていないことを懸念している。(項目3)

いかなる状況下でも、中国政府は、ある人物がある国で拷問を受ける危険性があると考えるに十分な根拠がある場合に、その人物をその国に追放、返送、あるいは送還してはならない。
条約第3条について中国政府が負う義務の適用性を決定する際、中国政府は、とりわけ朝鮮民主主義人民共和国を非公式に出国することは、犯罪行為と見なされると報じられている事実を考慮に入れつつ、送還される人々が、拷問を受ける危険性が高いかどうかを見極めるための適切な(難民)認定の選考過程を設立し、国連難民高等弁務官事務所を国境地域入りさせ、送還される人物を委ねなければならない。中国に越境した北朝鮮市民が多数に上ることを考慮に入れ、中国政府は第3条の義務を完全に果たすことにもっと積極的になる必要がある。中国政府はまた、決定を再調査する適切な司法機構の完備および送還されるそれぞれの人への十分な法的防御の提供、かつ送還後の効率的な監視手配を保障しなければならない。

中国政府は、近隣諸国への追放者数および送還者数に関するデータを提供しなければならない。

中国政府は、条約第3条に課された義務を国内法令に全体的に組み込むための適切な法律の適用への努力を続行し、それによって何者も拷問を受ける危険性があると考え得る十分な根拠のある他国へ追放、返送、あるいは送還されることのないようにしなければならない。