行政刷新会議の内容 3.経済産業省

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▽経済産業省

【国際エネルギー消費効率化等モデル事業】
発展途上国に対し、日本の省エネルギーや新エネルギー技術の移転・普及を図る全額国費のモデル事業。要求額は102億円。
仕分け人は、事実上、民間企業に対する技術の販売支援になっていると指摘。
企業にも負担を求めるなどのが見直し必要と判断した。

 【低炭素社会実現プロジェクト】
情報技術(IT)を活用した次世代送電網「スマートグリッド」の国内実証実験を行う。
要求額は16億円。
仕分け作業では、海外での実証実験なども含めると予算が120億円に膨らむことが判明。「事業目的が明確でないのに巨額過ぎる」との批判が相次ぎ、「来年度の予算計上見送り」と判定された。

 【安心ジャパン・プロジェクト】
医療機関や介護事業者、フィットネス産業などが連携した新しい健康サービス産業の創出を目指す内容。
事業を公募し支援する。要求額は32億円。
判定は「廃止」となった。
民間企業の事業と重複する面もあり、仕分け人からは「国費を使ってやる意味が分からない」との意見が相次いだ。まずは法制度や規制の見直しで対応すべきだとされた。


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▽経済産業省

 【コンテンツ、生活関連産業に対するイベント支援】
日本の映画やアニメの海外展開を支援する「コンテンツ産業強化対策支援事業」は要求額14億円。
東京国際映画祭を柱としたイベント開催も支援する事業だが「民間の自立運営が可能」と指摘され、予算を3分の1程度削減と判定。
「日本ファッション・ウィーク」開催などの支援事業も同程度の削減に。

【中小企業経営支援】
専門家が中小企業の経営相談などに応じる「地域力連携拠点」を整備する事業(要求56億円)は「事業の効果が一部の企業にしか及んでいない」と指摘され、予算計上見送り
新事業活動促進支援事業」など2事業は「予算の3分の1程度を削減」と判定された。

【商店街・中心市街地活性化支援】
商店街の空き店舗活用や、中心市街地空洞化防止に向けての民間の取り組みを支援する3事業。
概算要求額は計80 億円。
「予算を20%削減すべきだ」と判定した上で、11年度に事業の主体を地方自治体に移管することも検討するよう求めた。
全国商工会連合会などの3基金、計241億円(08年度末)については、当面の必要額を除いて全額を国庫返納すべきだとした。

【研究開発に対する補助】
企業の研究開発に対する補助金や委託金について、
国の額補助を廃止して補助率の上限を3分の2に引き下げるなどして「見直しをすべきだ」と判定した。

 【ものづくり中小企業製品開発等支援補助金】
中小企業の製品の試作開発を支援する補助金。
全国中小企業団体中央会などを通じて補助し、概算要求額は75億円。
「来年度の予算計上見送り」と判定。
麻生政権が09年度補正予算で572億円を計上して始めた事業で、「拙速なばらまきで、効果の検証もできていない」などと批判が続出。
対象事業の選定過程も不透明だと指摘された。

【中小企業基盤整備機構に対する運営費交付金】
人件費の引き下げや業務の効率化など「見直しをすべきだ」と判定。
運営費交付金(要求額206億円)の約40%が職員の給与などの管理費という高コスト体質が問題視され、中小企業経営者のための退職金共済で約1兆円の積み立て不足が発生していることにも批判が集中した。
全国9カ所に設置している中小企業大学校の民間移行も求められた。

【4独立行政法人の運営交付金】
日本貿易振興機構(ジェトロ)、石油天然ガス・金属鉱物資源機構、情報処理推進機構(IPA)、原子力安全基盤機構の4独立行政法人への運営費交付金について、人件費削減など「見直しをすべきだ」と判定。
概算要求額は総額693億円。各法人が国債などの形で保有する余剰資金や、IPAの基金90億円については売却や国庫返納を求めた。

【土壌汚染環境保全対策事業、経年埋設内管対策費補助事業関連】
給油所の老朽化した地下タンクや、事業所などの経年劣化したガス管の交換促進のため業者に支出する補助金について「廃止」と判定。概算要求額は73億円。
補助金ではなく規制で対応すべきと指摘。
環境・安全等対策基金などの基金は、国費相当額の国庫返納を求めた。

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▽経済産業省

【サービス産業生産性向上支援調査事業】
中小・零細のサービス企業の経営効率化を支援する経産省所管の事業。

概算要求額は14億円。
仕分けでは「業務委託先の財団法人の活動への支援になってしまっている」と批判が続出。再委託の契約についても、単独応札など不透明な例があると指摘され、判定は「廃止」

【国際協力】
発展途上国に進出している日系企業や現地企業を対象とした研修事業は、
概算要求額が40億円。
人件費や運営管理費の見直しなどで算の3分の1程度を削減すべきだと判定した。
経産省所管の他の2事業については、参加国に応分負担を求めることなどで予算を「2割削減」と判定した。

【電源立地地域対策交付金
原子力発電所などの立地地域の自治体に対し、保育所や学校、病院の整備・運営などで地域振興を支援する制度。
概算要求額は1149億円。
「自治体にとって使い勝手が悪く、多くがハコモノ建設に使われている」との批判が出た。
使途に関する自治体の裁量拡大や、交付金額算定の基準に含まれる火力発電の比率引き下げなどの「見直しをすべきだ」と判定された。

【事業者向け省・新エネルギー導入促進のための補助】
企業が太陽光発電など新エネルギーの設備を導入する際の補助金。
概算要求額は388億円だが「半額にすべきだ」と判定された。
省エネ設備導入時の補助金(要求額258億円)も「3分の1を削減」。新エネルギー普及策として補助金や税制優遇、再生可能エネルギーの全量買い取り制度の検討などがばらばらに実施されていることが問題視された。
仕分け人は政策全体を抜本的に見直すよう求めた。

【消費者向け省・新エネルギー導入促進のための補助】
住宅用太陽光発電の導入補助金(同412億円)は予算計上を見送るべきだと判定した。
自民党政権でできた制度であることも見送りの理由。

内容を抜本的に見直し、必要があれば要求を再提出するよう求めた。現行制度は関係企業でつくる民間団体に事業を委託しており「業界のための補助になっている」との批判が出た。
ヒートポンプ給湯器の導入補助金は「廃止」。
燃料電池の補助金は3分の1程度の削減
とした。

【国家備蓄石油管理等委託費】
有事の際に備えて石油の備蓄を行うための経費で要求額は480億円。
仕分け人は「現在の備蓄日数は長すぎる」などとして「見直すべきだ」と判定。日本の備蓄日数は民間委託分も合わせて150日分だが、
国際エネルギー機関(IEA)が義務付けているのは90日分。人口減や温暖化対策で石油消費が減ることも考慮すべきだという意見が出た。

【産学連携による留学生向け実践的教育事業】
日本企業への就職を希望する留学生に対し、企業ニーズに即した専門教育などを実施する内容だが、
同様の事業は民間や他省庁でも行われているとして「廃止」と判定。
要求額は25億円。仕分け人は、事業が経産省のOBが理事長をしている団体などに委託されていることも問題視した。

【独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、産業技術総合研究所の運営費交付金】
要求額計1941億円に対し
「見直し」と判定。
仕分け人は、人件費や事務管理費が高いことを問題視。
効率化のため両機関について組織統合を含めた検討をするよう求めた。
NEDOには「天下りと、産業技術総合研究所への(研究費の)横流しの構造がある」との声も上がった。
省エネ・リサイクル支援法債務保証基金については「見直し」とし、不要額全額の国庫への返納を要求した。

 


 

 

最終更新:2010年01月13日 00:35
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