行政刷新会議の内容 5.国土交通省

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▽国土交通省

 【国土・景観形成事業推進調整費】
年度途中で再開可能となった公共事業に充てるため、2010年度予算に200億円を概算要求。
「ほかの予算分野の流用で対応できる」「厳格な運用が求められる」などを理由に13人中12人が廃止、1人が予算削減と評価し、廃止に。

【下水道事業】
概算要求は5188億円。
仕分け人から「人口の少ない過疎地などでは、下水道よりも低コストな浄化槽などの汚水処理施設の整備を進める方が効率的だ」との指摘が相次ぎ13 人中廃止1人、自治体の判断に任せるが7人、10%程度の予算削減が3人などとなり、判定は「地方自治体に財源を移した上で、実施は各自治体の判断に任せる」となった。

【港湾、漁港、海岸、河川環境整備事業】
バレーボール場や広場などレクリエーション施設の整備などに批判が集中し、予算の削減を求めた。


▽国交省

 【道路整備事業】
1兆2332億円を概算要求。
仕分け人からは、費用対効果分析で効果が費用を上回って着手できる事業でも「コストをカットすべきだ」とコスト縮減を求める意見などが続出した。事業評価の厳格化やコスト縮減、道路構造令の柔軟化などにより予算の見直しを行うとした。

 【河川改修事業】
1945億円を堤防の整備などに要求。
「改修個所の個別の評価を行い、優先順位を明示すべきだ」などの意見が相次いだため、個所ごとの事業評価、コスト縮減のインセンティブの導入などにより、予算の見直しを行うと判定した。

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▽国土交通省

【まちづくり関連事業】
2010年度予算に計1698億円を概算要求。
市町村のまちづくりを支援する「まちづくり交付金」(要求1300億円)、
市街地再開発事業(同232億円)、
都市再生推進事業(同130億円)、
都市・地域交通戦略推進事業(同25億円)、
みなと振興交付金(同10億円)の5事業で、
仕分け人からは「地方は交付金を受け取る方が得をする。そのため無駄な公共事業の温床になっている実態がある」などの批判や、地方に財源と権限を移すべきだとの意見が相次いだ。
仕分け人のうち3人が廃止、6人が自治体移管などと評価し、「地方自治体や民間の判断に委ねるべきだ」と判定され地方移管となった。

【財団法人民間都市開発推進機構】
30億円を概算要求しているまち再生基金は、10年度予算への計上見送りを判定。
まち再生参加業務円滑化基金(09年度残高37億円)、無利子貸付金(同1097億円)、事業促進支援基金(09年8月末残高80億円)には、全額国庫返納を求めた。
このうち無利子貸付金と事業促進支援基金について国交省は既に、09年度内に全額返納予定としている。民間都市再生基金(09年度残高98億円)は、過大分の国庫返納となった。

【直轄国道の維持管理】
財務省の予算査定担当者が「清掃回数などを定めた統一的な管理基準がなく、現場任せのため無駄が生じている」と指摘。
仕分け人からも、国交省OBの天下り先の公益法人が業務を受注していることに批判が集中。判定では、こうした問題点を改善し、10年度で2325億円としている概算要求額を10~20%削減するよう求めた。

【直轄河川・直轄ダムの維持管理】
1254億円を概算要求。
委託先が国交省所管の建設弘済会などの公益法人に集中していることや、1社だけの入札も多くコスト高になっていることが問題視され、予算の10~20%削減と判定された。

 【国営公園の維持管理】
「民間に開放し経費を削減すべきだ」とし、概算要求115億円からの20%削減を求めた。


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▽国土交通省

【一般空港整備事業】
新千歳や福岡など地方空港の整備に充てるため、2010年度予算に一般会計国費ベースで425億円を概算要求した一般空港整備事業は、「真に必要な事業に限定すべきだ」などとして予算の「10%程度の削減」と判定。
67億円の空港周辺環境整備と教育施設等騒音防止対策の両事業では、内容を見直すべきだとの意見が大勢を占め「10~20%程度の削減」となった。

【関西国際空港会社補給金】
160億円を概算要求。
国交省は「削減すれば資金調達に悪影響を与える」「新たな着陸料引き下げに必要」などと説明したが、財務省は関西圏にある大阪、神戸の両空港との役割分担の見直しなど抜本対策が必要と主張。
関空会社の経営を改善する抜本的な解決策ができるまで「凍結」と判定された。

【住宅金融支援機構の事業】
証券化支援事業と返済困難者対策が対象で、出資金計819億円を概算要求。
大半が出資金を積み運用益を充てる方式のため、「必要額が過大となる」などの批判が出て、所要額を措置するよう見直すと判定した

 【都市再生機構の事業】
建て替えを行った賃貸住宅に住む低所得者の家賃を軽減する「賃貸住宅の再生・再編関連」(出資金434億円概算要求)は、所要額を直接措置する方式への変更。
福祉施設などを併設した住宅の供給を促進する「高齢者向け居住環境の整備」など2事業(同80億円概算要求)は、予算計上を見送り、自治体や民間の判断に委ねるべきだと判定した。

 【港湾整備事業(直轄事業)】
「国際、国内の海上輸送の拠点」と位置付ける103重要港湾と23特定重要港湾が対象。
仕分け人は「貨物取扱量と国費投入額に相関性がない」など"ばらまき的"と批判。前原誠司国交相が既に投資重点化を表明しており仕分け人全員が予算縮減で一致。概算要求額1262億円を10%程度削減するとした。

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▽国土交通省

【官庁営繕費】
2010年度予算の概算要求に212億円を盛り込んだ。
仕分け人は耐震性強化など緊急性の高い事業に絞るべきだとして、予算要求の10~20%削減と判定した。

【広域ブロック自立・成長事業】
国土形成計画のブロック計画で示した連携プロジェクトを支援する広域地方計画先導事業(概算要求2億円)と広域自立成長推進事業(同1億円)については、国の事業として行うことに批判的な意見が多く、効果が見えにくいこともあり廃止とした。

【北海道総合開発推進調査費】
5億円を概算要求。国交省の出先機関である北海道開発局と北海道庁との二重行政が問題だとして、バイオマスなどの調査は「自治体の判断に任せる」と地方移管
国がかかわるならば、経済動向や北方四島と隣接地域の調査などに絞るべきだとした。

 【地域公共交通活性化・再生総合事業】
公共交通機関の維持に取り組む地方自治体や事業者らが組織する法定協議会を支援するため、40億円を概算要求。
国が関与する必要性はないとして「各自治体の判断に任せる」と地方移管と判定した。
一方、高速バス路線の再編など広域的な課題を国が調査する公共交通活性化総合プログラム(同1億円)は廃止

【離島航路補助】
47億円を概算要求。離島住民の生活の足を守るために重要だという認識で一致、「見直さない」と判定した。

【バス運行対策費補助、バス利用等総合対策事業】
生活路線の維持を目的とする対策費補助(同73億円)のうち車両購入費補助(同10億円)は、路線維持費補助に一本化すべきだなどとして廃止と判定
都市部などでマイカーからの利用転換を図る総合対策事業(同13億円)は、自動車安全特別会計からの支出が特別会計の趣旨に合わないとして廃止とした。

【鉄道軌道輸送高度化事業費等補助】
中小鉄道の安全運行のため施設整備を支援する事業で24億円を概算要求。
補助のメニューを見直すことなどで、予算要求の10%程度削減と判定した。

【都市・地域づくり推進費】
推進費を充てる28事業(同計9億8800万円)のうち、「低炭素型都市づくりの全国的展開に関する調査経費」など3事業(同3600万円)が対象。
いずれも効果がないなどとして廃止。仕分け人は、残りの事業にも同じようなケースがないかどうかチェックするよう求めた。


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▽国土交通省

【不動産市場の環境整備等推進経費】
ニュータウンの再生・地域活性化を図るための「持続的社会のためのエリアマネジメント経費」(10年度概算要求4200万円)と低・未利用地の有効活用策をまとめた手引を作成する「地域における土地の有効活用推進経費」(同3400万円)は廃止
空き地など未利用地対策を検討する「不動産管理適正化のためのモデル構築事業」(同3300万円)は予算計上の見送りとした。

【建設市場整備推進費】
地方自治体による入札方法の改善を後押しする入札契約適正化支援事業(同9400万円)は廃止、中小建設企業の観光や林業など成長分野への展開を支援する建設業新分野展開支援事業(同2億4千万円)は予算計上見送りと判定した。

 【モデル事業】
電気自動車など次世代低公害車の普及を目指す「次世代自動車導入加速モデル事業」(同2億円)は効果が疑問として廃止
地域づくりに取り組む住民団体を支援する「『新たな公』によるコミュニティー創生支援モデル事業」(同3億円)は予算要求の9割削減休暇取得・分散化促進実証事業(同7千万円)と地理空間情報活用サービスモデル実証事業(同1億円)は、予算要求の大幅削減。

【航海訓練所および海技教育機構への運営費交付金】
大学や高校から毎年約2千人の学生を受け入れ航海訓練するなど船員養成に充てる。
航海訓練所向けに61億円、海技教育機構向けに26億円を概算要求。
判定は見直しで、低すぎる実習費を段階的に引き上げ自己収入を増やすよう求めた。

 【国土交通大学校に必要な経費】
国や自治体職員の研修を行う施設で、概算要求は4億円。
旧建設省と旧運輸省の2施設があることに批判が集中、見直しと判定された。仕分け人は施設の統合のほか、「公務員の研修や施設、負担の在り方を政府全体で見直す」ことを求めた。


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▽国土交通省

 【整備新幹線建設推進高度化等事業費補助】
概算要求は27億円。新幹線と在来線を相互乗り入れできるフリーゲージトレイン(軌間可変電車)の研究開発や整備新幹線の未着工区間の調査に充てる。
議論はフリーゲージ走行試験の経費に集中、コスト削減が必要との意見もあったが、多数決で要求通りと判定された。

【観光を核とした地域の再生・活性化事業】
概算要求は32億円。2泊3日以上の滞在型観光が可能な「観光圏」づくりに取り組む地方自治体などによる協議会を支援する。
仕分け人は観光は大切としながらも、事業の効果は疑問などとして8割程度の削減となった。

 【訪日外国人3千万人プログラム第1期事業】
日本を訪れる旅行者数を将来的に3千万人に増やすため、13年までの第1期は1500万人にするのが目標。
概算要求は189億円で、海外でのプロモーション費用などに充てるとしたが、仕分け人はマーケティング不足などとして中身の見直しを求め、予算要求の半額の削減と判定した。

最終更新:2010年01月13日 00:35
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