奇眼藩国

№11:ブラック恋人探し

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kiganhankoku

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№11:ブラック恋人探し

○参加冒険: №11:ブラック恋人探し
○ODDEYES :10700:北国人+パイロット+星見司
○水瀬悠 :20300:北国人+パイロット+星見司
○木曽池春海 :6000:北国人+犬士+歩兵
○プロフェッサーG :4000:北国人+吏族+整備士

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不思議な塔で有名な奇眼藩国、その塔の地下奥深くを四人の冒険者達が歩いていた。

前から二番目を歩くのは、藩王であるODDEYES男爵。
国民からは老師と呼ばれているが、実際には加齢メイクを施しているだけだという噂だ。

先導するのは、木曽路春海という犬耳の少女。幼い彼女が先頭を往くのはなかなか微妙な光景である。
彼女が「あたしは摂政です」と胸を張って言っているのを聞けば、もっと微妙な表情をすることだろうが。

三番目を本型の端末を片手に開き、歩くのは水瀬悠という少年……おそらく、少年。
こちらも摂政であるが、若すぎて貫禄など欠片もない。

一番最後尾を往く、片眼鏡を掛けた老紳士は、プロフェッサーG。通称『教授』
何を隠そう、世界制服(誤植ではない)を企む悪の科学者であり、悪の美学を伝導する教育者、らしい。

書類作業が一杯あるはずの四人が、こうして冒険に出ているのには深い訳が………………あるはずなど、なかった。

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先日の爆発事件(※前回冒険レポート参照)の影響を受けて、データベースの点検が行われた。
バックアップから問題の区画にあったデータを復旧し、また現場調査の下調べをする為である。
そうして総ざらいしたところ、見つかったあるデータ。
それについて調査するのが、今回の冒険であった。

曰く『塔の地下にはブラックの恋人が眠る』

このデータを見つけた摂政は、とりあえずこういった。

「時代は冒険です!」

仕事場だからとか、国の責任者として調査を、とかそういった理由もあるにはあるが。
結局四人の思いは同じであった。

『冒険がしたい』

……書類仕事が残っているのは、誰もが忘れ去ることにした。

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「ブラックの恋人ってなんなのでしょうー?」
<奇眼の猟犬>という技を発動し、片目を変色させ、耳を立てて辺りを警戒しながら聞く春海。
「黒い服を着たお姫様が眠ってるに違いないと思いますが」
真顔で答える悠。
「石油ではないじゃろうか。他の国でも石油ブームみたいじゃし」
あちこちから送られて来た報告を元に、冷静に答える藩王。
「我輩が思うに、ドリルを搭載した真っ黒なRBに違いない」
熱く浪漫を語る教授。

四者四様である

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「この先が問題の区画ですかー……また、何というか」
本型の端末『』に落としてきた地図を見つつ、四人はその瓦礫の山を見る。
「派手ですねー……」
「派手じゃのう……」
わん、と春海は叫ぶ。反響音を耳でキャッチし、通れる場所を探り出す。
「ここなら通れるみたいです」、
「それじゃあ……」

その前に立ちはだかる、教授。
「ぶわぁっはっはっは!道案内ご苦労であった、諸君」
「どういうことです。まさか、教授あなたがあのデータを……?!」
「そう、我輩が今回の黒幕。推定ドリル付きRB、ブラックの恋人を探しだす為にあのデータをこっそりと送りこんだのであーる!」

「ええと、つまり……いつものあれですか」

悪の美学を崇拝する彼が、こうした事態を起こすのはいつものことである。
春海は本気でがるるると唸る。制服ハンターの被害にでもあったことがあるのかもしれない。

藩王が杖をくるくると回し、彼に躍りかかる。

「ここは儂に任せて先へ!」
「ああ!それは我輩の台詞で……」

加齢メイクを剥がし、教授と押し合いを始める我らが藩王。

それもいつものことであるので、飛び出そうとする春海を「いつものことだから大丈夫」とひきずって、悠は瓦礫をくぐる。
「楽しそうだなぁ、二人とも……」
後ろからは二人のやりとりが続いていた。

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瓦礫の合間を潜り抜けると、その床にはぽっかりと黒い空間が広がっていた。
おそらく、爆発の衝撃で「後から作られた」部分の床が崩れたのだろう。

「深そうだなぁ……」と唸る悠。
むむ、と(何故か)三秒ほど悩むと駆け出すはるみ。(※良いところを見せようとしたらしいです)
「春海、吶喊します!」

たたた、と穴に駆け寄る。

つまづいてこけた。

そのまま落ちた。

……………………………………………………………………………ずどーん。
「…………え、いや、うぁぁぁぁ!?」

思ったよりは浅い(と信じて)穴に慌てて飛び降りる。
当然のように着地失敗。
「くぅぅ……はぁ、良かった。無事かぁ……」
幸い、春海は放置された資材の上でぐったりしていただけだった。ほっと一息吐いて辺りを見渡す。

中央には、石油採掘用と思わしき機器。壁際にはその採掘データ。
どうも藩王の言うとおりであったらしい。

「……でも、何というか……思ったほどには……」
採掘データの伸びは、微妙。

きゅう、と呻く少女の傍ら、何とも言い難い沈黙を帯びつつ冒険は終わる。
遠くからはまだ、教授と藩王のやりとりが響いていた。

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○本日の一言:捕らぬ狸の皮算用

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書類の山は彼らをいつまでも待っている……

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○冒険結果: 成功 :得たお宝: E 13燃料4万t :ユニークな結果:なし
コメント:少しばかり燃料を手に入れました。期待したより随分小さな量でした。
(文士・水瀬悠)

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