奇眼藩国

戦争準備で一言

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戦争準備で一言

共同企画:『戦争準備で一言』
(編集:水瀬悠@文族)
(文章制作:水瀬悠・木曽路春海・フウガ・舞花・摩目)
(※:戦争準備について聞いた時のリアクションや情景を皆で少しずつ書き、それを繋げて物語にしてしまおうという企画の元に制作されました)


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ちょっと不思議な塔(と美人)で有名な奇眼藩国。
その日届いた一つの書類がこの国を慌ただしい空気に包んでいく。

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血湧き肉躍る大冒険から生還を果たした(※著しい誇張を含みます)摂政・水瀬悠は、届いた書類を見てお茶を吹きかけた。
P*こらえろ!というテロップが脳裏を過ぎていく……落ち着いて何とか、飲み干す。
「……ふぅ。とりあえずお金が無いですね。ならば再び冒険に行こう、ちょうど手元に宝の地図がこんなにたくさん(ぐるぐる」
全く落ち着いていなかった。  

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副官にチョップを喰らって落ち着いた悠は国民への伝達準備を始める。
伝達の情景に移る前に、ここでもう一人の摂政に視点を移してみよう。

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戦争準備の報があってから五分後、至急予算及び軍事関係の書類整理にかかる春海であった。

「だいじょうぶ、だいじょうぶ…ちゃんと、いきのこるよ。
 まだ、やりたいことはいっぱいあるんだから…!
 制服デートとか遊園地デートとかお忍び変装デートとか輸送機チャーターデートとか公領で二人きりデートとかダウンタウンのレストラン貸し切りデートとか小麦畑で捕まえてデートとか公務中にキスとか………」

 尚、さっきからぽーっとしたりきゃっきゃしたりで資料編纂はちっとも進んでいない。

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摂政二人がそんな風にボケ倒している頃(大丈夫かこの国)。
各地に動員令の第一報が届き始めた。
この第一報を受け取った者達は、すぐに動き始めた。
フウガという男性もその一人である。

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動員令を聞き、続いて一時間後に防衛施設に集合との命令を受けたフウガは家を飛び出した。
誰よりも早く着いて他の人の分も準備しておこうと考えたのである。
「今の自分に出来ることを精一杯しよう。ただでさえ出来ることが少ないのに。」
そう呟いて、走り出す。

一時間後、彼は穀倉地帯にいた。
「……ここは、何処だ。」

方向音痴、盛大に発動。
先ほどの2倍のスピードで来た道を走り出す。声にならない声が漏れていた。

その日、奇眼藩国では猛スピードで道を走る物体が見られたとか何とか。

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彼は大変な方向音痴であった為、こうなってしまったが。
でもそれは問題ではない、大切なのはその志である、多分。
塔の付近で訓練中に動員令を聞いた舞花という女性も、こうした志溢れる一人であった。

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保護された2匹の犬士とじゃれあって…いや訓練中だったところに動員令の一報。

「待ってました~! と言いたいところだけど、私まだバトルメードに昇格してないんですけどぉ。えーん、出兵ならメード服着たいよ~!! 
くすん、しょうがない。心意気だけは万能メードさんのつもりでぇ~! 準備しますかぁ!犬士くんたちも手伝ってね。
えーと、とりあえず食料をチェ~ック、それからお弁当メニュー考えてぇ……また何か、間違えてますか?」

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……少々リアクションが変わっていたが、それが生来のものか、単に動揺しているだけなのかは、まあ推して知るべしである。
後に水瀬摂政は彼女の発言を聞いてこう言う。
「兵糧は大事です。でも色々と大変なので玉葱は抜いてくださいね」
真顔であった。いや、確かに大事だけども。
ともあれ、こうして最初は個人に、そして団体へと情報が伝達されるにつれて準備作業は本格化していった。

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職場で機器撤去の立会いをしながら摩目は考えていた。
友人への取材記事が新聞に掲載されていたのである。その記事によると友人はとある藩国で歩兵部隊に志願するらしい。
「戦場で会えるだろうか」
生きて帰れたら転職してみるかとも思いながらケーブル類を撤去する。

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多くの者達が友誼の為に、或いは正義の為に立ち上がった。(ぽち王女への愛とか、萌え心とかで立ち上がった者もいる)
ある者は戦場の再会を思い、ある者は友人の無事を祈り、ある者はただ牙を磨く。

静かに、けれど着実に時は迫っていく――




○補稿
(文章:水瀬悠@文族)

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これは各地の奮闘の様子を具体的に綴ったものである。
全体の流れを追う本編(企画)に対し、捕捉的なもの、と捉えてもらえれば良い。

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執務室にはひたすらにキーを叩く音が響いていた。
ががが、と打鍵、打鍵、打鍵。
ひたすらに打鍵、打鍵、打鍵。

「……あとどれぐらいいりますか」
「その報告書は最低でも十枚ほど」
「……はーい……」

こんな時に全自動でお茶を淹れてくれる機械は無いかなぁ、と思う少年であった。
最も、ゆっくり飲む余裕はなさそうなので、あっても無くても同じことだが。

できあがる書類、書類、書類。
『新型I=Dのデザイン報告』
『予算計上書』
『奇眼藩国の温泉で身も心も温まりませんか?』
『燃料確保案1』
『石油採掘データ』
『美味!奇眼藩国グルメガイド』

「あの、摂政」
「はい?」
「何か違うもの混じってませんか?」

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整備工場の一角では、新型I=Dの設計思想について技師達が熱い議論を交わしていた。

「だから時代は縦シューの弾幕系なんだって!」
「あえてここは横スクロールだろうが。あと、装甲薄いと不安だろう」
「当たらなきゃいいんだよ、当たらなければ!あと、装甲は薄いんじゃなくて紙だ!」
「言い切るなよ。……でも胸部装甲は厚くなるんだろ?」
「そりゃあ、お前あれだよ。…………浪漫だ」

……何か、ずれている気もする。

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技師達が重要なような、そうでもないような議論を交わしている頃。
未だバトルならぬ見習いメード達は、食料などの準備を始めていた。
メードとしての資格も専用アイドレスも無いけれど、その心だけは誇り高く。

「あ、玉葱は混ぜちゃだめです!」
「個人的にはカボチャを抜いて頂けると……」
「先輩!バナナはおやつに入りますか?!」

ピクニックの準備をしている訳ではない。

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