奇眼藩国

藩王執務中

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藩王執務中

奇眼藩国の中枢を担う奇眼の塔。中央政庁兼天文台兼学究機関兼藩王の住居兼……とにかく色々と兼ねている塔である。
その奇眼の塔の上層部にある執務室で藩王ODDEYESは書類と格闘していた。
根源種族の機動兵器が新世界にまで到達、直ちに戦闘準備に入ったものの、先日の冒険で発見した燃料が思ったより少なく、戦費のやりくりに四苦八苦していたのである。

「寒! めっさ寒!! 誰じゃい、こんな北に国作るとか言い出した奴ぁ!」
震えながら書類に向かっている。現在奇眼藩国は深刻な燃料不足に陥っており、藩王執務室の暖房に回す分などは真っ先にカットされていた。

「空気が澄んでて星が良く見えるって選んだのは藩王様じゃないですか」
秘書兼任のメードに突っ込まれる藩王。

「……世界の謎、解きたかったんじゃよ」
遠くを見つめる。謎とゲームに魅せられてこの道に入ってどれだけ経っただろうか。
「その割には仮試験、落ちましたね」
「うるさいよ!?」

書類とにらめっこするも、やはり資金も燃料も空から沸いてくるではない。
「資金、足りませんねえ」
「燃料もな。何とか稼いで捻出しても国を維持するギリギリの分しか残らんじゃろ」
実際ギリギリなのである。
「詩歌藩国は既に支払い済みらしいですよ」
奇眼の塔の近くにある酒場の常連である詩歌藩王の国である。
何故かこの酒場には藩王やらがよく集まった。
ちなみに酒場のマスターは藩王だったりする。
「余所は余所、ウチはウチじゃよ。ここを乗り切れば何とか立て直しのチャンスもあるじゃろて」
「何とか立て直しませんとねえ。まだ第1ターンなんですし」

窓の外はもう夜だった。星見の塔の別名通り、この塔からは星が良く見える。
「この戦い、勝てるといいですねえ」
「何としても勝つんじゃよ。その為にこうして書類と格闘しとる」
物凄い速さで書類を捌いていく藩王。ちなみにメード、さっきから突っ込みと相槌しかしてない気がするが藩王は敢えてスルーした。

「石津様の為に?」
「そう、全ては萌嬢の為に!!」
拳を握って力強く叫ぶODDEYES藩王。爺の格好をしていてもこういう所で地が出たりする。

「まあ、石津様は瀧川様と仲睦まじくゲームでもされてる頃かと存じますが」
「やかましいよ!?」
泣くな藩王、負けるな藩王、その思いが報われる日がきっといつか。
……来るかなあ。

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