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Conceptual Inventory of Natural Selection


Andersen et al (2002)が自然選択の理解度の調査に使った設問と回答を紹介する。




ガラパゴスのフィンチ


科学者たちは長きにわたり、ガラパゴス諸島の14種のフィンチが、100万年前~500万年前にこの諸島に移住した一種のフィンチから進化したと考えている[Lack 1940]。最近のDNA分析は、ガラパゴス諸島のフィンチがすべて、ムシクイフィンチから進化したという結論を支持している[Grant, Grant and Petren, 2001; Petren, Grant and Grant, 1999]。異なる種が異なる島に生息している。たとえば、ガラパゴスフィンチとサボテンフィンチは一つの島に生息している。オオサボテンフィンチは別の島に生息している。フィンチの目立った変化は、図に示すクチバチの大きさと形状である。

進化生物学者が答える回答を選択する。


[1] 捕食者がおらず、食糧が無限にあり、全個体が線損可能である、理想状態の島に、繁殖するつがいのフィンチを置いて、十分に時間がたつとどうなるか?

a. フィンチの個体数は少ないままである。鳥は個体数を維持する分の子供しか作らないからである。
b. フィンチの個体数は2倍になり、その後は比較的安定する。
c. フィンチの個体数は劇的に増加する。
d. フィンチの個体数はゆっくりと増大し、その後は安定する。

[2] ガラパゴス諸島のフィンチは食料と飲み水を必要とする。

a. 食料と水が不足すると、一部のフィンチは生存に必要なものを得られなくなる。
b. 食料と水が限られていると、フィンチは別の食料源を探すので、常に十分な食料がある。
c. 食料と水が不足すると、すべてのフィンチが生存できるように、フィンチは食べる量と飲む量を減らす。
d. ガラパゴス諸島には、常にフィンチが必要とするだけの十分な食料と水があった。

[3] 長年にわたり環境が変化しない特定の島にフィンチの集団が生息していた。

a. フィンチの個体数は急速に増加する。
b, フィンチの個体数は、小さな変動をしつつ、比較的安定する。
c. フィンチの個体数は、毎年、劇的に増加し、劇的に減少する。
d. フィンチの個体数は着実に減少する。

[4] フィンチの集団内で。長期にわたり、次第に起きる主たる変化は何か?

a. ひとつの集団内のフィンチ全個体の形質が次第に変化する。
b. ひとつの集団内のフィンチの異なる形質を持つ比率が変化する。
c. フィンチが学習した有利な行動が子孫に伝わる。
d. 環境の変化に応じてフィンチが必要とする形質が突然変異で出現する。

[5] クチバシと形状に応じて、あるフィンチは花から蜜を吸い、あるフィンチは樹皮から幼虫を食べ、あるフィンチは種子を食べ、あるフィンチはナッツを食べる。フィンチと食料供給の相互作用について、最も適切な記述はどれか?

a. ひとつの島のフィンチの大半は、協力して食料を探し、食料を分け合う。
b. ひとつの島のフィンチは戦いあって、身体的に最強の個体が勝つ。
c. すべてのフィンチが必要とするよりも多くの食料があるので、食糧をめぐる競争は必要ない。
d. 同じ種類の食べ物を食べる近縁のフィンチとまず競合し、一部の個体は食料を得られずに死ぬ。

[6] ガラパゴスのフィンチたちから、異なる種類のクチバシがまずどのように生じるか?

a. 生存するために異なる種類の食料を食べるために必要なので、フィンチのクチバシの大きさと形が変化する。
b. フィンチのクチバシは偶然に変化し、クチバシの形状と食料がマッチしていれば、そのようなフィンチは多くの子孫を残す。
c. フィンチのクチバシは、必要な遺伝子変化を環境が誘導することによって変化する。
d. 世代を重ねるとともに、フィンチのクチバシの大きさと形が少しずつ変化し、あるフィンチのクチバシは世代とともに大きくなり、別のフィンチのクチバシは世代とともに小さくなる

[7] フィンチのどのようなタイプの変化が子孫に伝わるか?

a. フィンチが生涯も学習した行動のすべてが子孫に伝わる。
b. フィンチの生涯で有益だった形質だけが子孫に伝わる。
c. 遺伝的に定まる全形質が子孫に伝わる。
d. フィンチの生涯で、環境によってポジティブに影響された形質すべてが子孫に伝わる。

[8] 異なる形状と大きさのクチバシを持つフィンチたちが、何によって、諸島に分散する異なる種になるのか?

a. フィンチは本当に変わりやすい。各島で手に入る食料に最も適合した形状のクチバシを持つフィンチが、もっとも繁殖に成功する。
b. すべてのフィンチは本質的にはほぼ同じであり、実際のところ14の異なる種があるわけではない。
c. 異なる島では異なる食料が手に入り、各島のフィンチの個体は次第に必要なクチバシを発達させていく。
d. 異なるラインのフィンチは異なるタイプのクチバシを発達させる。それが、手に入る食料を食べるために必要だからであある。



ガラパゴスのフィンチの回答


トピック 科学的概念 その他の概念
生物の可能性 すべての種は大きな繁殖可能性があり、生まれた全個体が繁殖に成功するなら、個体数は指数関数的に増大する(1c) 生物は個体数を増やさない(1a)
個体数は安定する(1b,1d)
自然資源 食料や水や酸素など自然資源は限られており、いつでも全個体の生存に必要な量はない(2a) 生物は必要な量を常に入手できる(2b,2c,2d)
個体数の安定性 大半の集団は季節変化を除けば個体数は安定している(3b) あらゆる集団は時間とともに個体数を増大させる(3a)
個体数は常に大きくランダムに変動している(3c)
個体数は減少する(3d)
集団内の比率の変化 個体の生存繁殖能力の違いが集団内の比率を変化させ、世代とともに有利な形質が積み重なっていいく(4b) 集団の変化は集団内の全個体の漸進的変化によって起きる(4a)
学習した行動は遺伝する(4c)
集団が必要とする突然変異が起きる(4d)
限られた生存 環境中で生存可能な個体数以上の個体数があると、集団内の個体間の生存競争が起きて、一つの世代の一部の個体しか生存できない(5d) 集団の個体間で(あるいは種の間で)戦闘があり、最強の個体が勝利する(5b)
生物は協力して行動し、競合しない(5a,5c)
変化の起源 ランダムな突然変異と繁殖によって変化が起きる。多くの変異は有害か、何の効果もない。しかし一部はある環境で有利である(6b) 突然変異は意図的である。生物は遺伝的変化を試み、必要とし、求める(6a,6d)
突然変異は特定環境への適応的反応である(6c)
変化の継承可能性 多くの変化は子孫に伝わる(7c) 生存に有益でなくなった形質は子孫に伝わらない(b)
生物の生涯に獲得したものは子孫に伝わる(7a)
環境にポジティブに影響された形質は子孫に伝わる
種の起源 隔離された集団は時間とともに変化し、新たな種になる(8a) 種形成は仮説的アイデアである(8b)
生物は意図的に時間とともに新たな種に変化する(8c,8d)

研究参加者たち(一般生物学履修者)の正答率

# 分類 正答率
1 生物の可能性 69.4%
2 個体数の安定性 61.2%
3 自然資源 48.7%
4 集団内の比率の変化 18.2%
5 限られた生存 67.2%
6 変化の起源 14.5%
7 変化の継承可能性 55.0%
8 種の起源 41.4%



ベネズエラグッピー


グッピーはベネズエラの河川に生息する小さな魚である。オスのグッピーは明るい色をしていて、黒・赤・青・虹色の斑点を持っている。あまりに明るい色だと、捕食者に見つかって食べられてしまうので、オスは明るすぎる色にはなれない。一方、目立たない色をしていると、メスは他のオスと繁殖してしまう。自然選択と性選択は逆方向を向いている。捕食者のいない河川のグッピー集団では、明るい色のきらめくオスの比率が高まる。もし、攻撃者を少し河川に放つと、明るい色のオスの比率は5か月(3-4世代)で減少する。グッピーの色に対する捕食者の影響は、攻撃的環境・中間的環境・捕食者のいない環境の人工池を使って研究された[Endler 1980]。

進化生物学者が答える回答を選択する。

[9] グッピーの集団は典型的には数百個体から構成される。孤立集団の中の一つの種のグッピーについて最も適切な記述はどれか?

a. グッピーたちは同じ特徴を共有しており、全個体は同一である。
b. グッピーたちは基本的な特徴を共有している。マイナーな違いは生存には影響しない。
c. グッピーたちの体内は同一だが、見かけには多くの違いがある。
d. グッピーたちは基本的な特徴を共有しているが、多くの特徴に個体間の違いがある。

[10] フィットネスとは、ある生物の進化的成功を説明するために生物学者が使う用語である。最もフィットしたグッピーを判定するときに、最も重要だと生物学者が考える特徴はどれか?

a. 大きな体と、捕食者から迅速に逃げるため泳ぐ能力
b. 食料について競争する素晴らしい能力
c. 繁殖年齢まで生き延びる子孫の数の多さ
d. 多くの異なるメスと交尾する回数の多さ

[11] 食料と空間が豊富で、捕食者がいないという理想条件を仮定すると、つがいのグッピーを大きな池に置くとどうなるだろうか?

a. グッピーの個体数はゆっくり増加する。グッピーは個体数を維持するのに必要な数の子供しか作らないからである。
b. グッピーの個体数は最初はゆっくり増加する。そして急速に増大し、数千匹のグッピーが池に満ちる。
c. グッピーの個体数は大きくなることはない。そのように増えるのは昆虫や細菌などだけである。
d. グッピーの個体数は時間とともに、ゆっくり増加する。

[12] 保釈者を含む他の生物も存在する現実の(理想でない)池で、長年にわたり存在してきたグッピーの集団は、その後どうなるだろうか?

a. グッピーの個体数は同じ数で安定する。
b. グッピーの個体数は急速に増大し続ける。
c. グッピーの個体数はゆっくりと減少し、最後は1個体も残らない。
d. 個体数はパターンを辿らないので、予測でない。

[13] グッピーの集団内では、時間とともにゆっくりと、まずどんな変化が起きるだろうか?

a. グッピー集団内の全個体が次第に変化する。
b. 異なる形質を持つグッピーの集団内比率が変化する。
c. 特定グッピーが学習した成功行動が子孫に伝わる。
d. 環境の変化に応じてグッピーが必要とする突然変異が起きる。



ベネズエラのグッピーの回答


トピック 科学的概念 その他の概念
集団内の変異 集団内の個体の特徴は大きく違っている(9d) 集団内の全個体はほぼ同じである(9a)
集団内の変異は見かけのみであり、生存には影響しない(9b,9c)
生存率の差異 生存競争での生存率は、ランダムではなく、生存した個体の遺伝形質に部分的に依存している。環境に最も適応した生存特性を持つ個体は、より多くの子孫を残す可能性が高い(10c) フィットネスは強さ・速さ・知性あるいは寿命と等価である(10a,10b)
多くの異性と交尾する個体が生物学的に適応している(10d)
生物の可能性 すべての種は大きな繁殖可能性があり、生まれた全個体が繁殖に成功するなら、個体数は指数関数的に増大する(11b) 生物は個体数を増やさない(11a)
個体数は安定する(11d)
すべての生物が指数関数的に増えるわけではない(11c)
個体数の安定性 大半の集団は季節変化を除けば個体数は安定している(12a) あらゆる集団は時間とともに個体数を増大させる(12b)
個体数は常に大きくランダムに変動している(12d)
個体数は減少する(12c)
集団内の比率の変化 個体の生存繁殖能力の違いが集団内の比率を変化させ、世代とともに有利な形質が積み重なっていいく(12b) 集団の変化は集団内の全個体の漸進的変化によって起きる(12a)
学習した行動は遺伝する(12c)
集団が必要とする突然変異が起きる(13d)


研究参加者(一般生物学履修者)たちの正答率

# 分類 正答率
9 集団内の変異 52.0%
10 生存率の差異 55.5%
11 生物の可能性 63.1%
12 自然資源 48.7%
13 集団内の比率の変化 28.3%




カナリア諸島のトカゲ


カナリア諸島は、アフリカ大陸のすぐ西にある7つ島である。諸島は次第に、植物やトカゲや鳥などの生物が定着した。諸島で見つかった3つの種のトカゲは、アフリカ大陸にいる一種と似ている[Thorpe and Brown, 1989]。この理由により、科学者たちはトカゲがアフリカからカナリア諸島に、海に流された木々に乗ってたどりついたと考えている。

進化生物学者が答える回答を選択する。


[14] トカゲは多様な昆虫や植物を食べる。カナリア諸島のトカゲの食物摂取能力について最も適切な記述はどれか?

a. 食料は常に豊かに供給されているので、食糧を見つける問題はない。
b. トカゲは多様な食物を食べられるので、常に全てのトカゲに十分な食料がありそうだ。
c. トカゲは非常にわずかの食料で済むので、食糧供給問題は起きない。
d. ときには食料は十分ありそうだが、全トカゲに十分な食料がないときものある。

[15] 食料供給が限られると、ある特定の種のトカゲに何が起きるだろうか?

a. トカゲたちは協力して食料を探して、それを分け合う。
b. トカゲたちは手に入る食料をめぐって戦い、最も強いトカゲが弱いトカゲを殺す。
c. トカゲたちが新た食料を食べられるような突然変異が誘導される。
d. 食料をめぐる競争に成功しなかったトカゲは飢えと栄養不足で死亡するだろう。

[16] 確立されたトカゲ集団は数百匹のトカゲの個体で構成されている。ある島では、トカゲ集団の全トカゲは...

a. 区別できない。孤立集団内での繁殖が多くあるからである。
b. 体内は同じだが、外見的特徴は異なる。
c. 似ているが、体内及び対外の幾つかの特徴には顕著な違いがある。
d. 外見は同じだが、体内の特徴は違っている。

[17] トカゲの形質の子孫への継承について最も適切な記述はどれか?

a. 親トカゲが特定の昆虫の捕まえ方を学んだら、特定の昆虫を捕まえるスキルが子孫に伝わる。
b. 親トカゲが多くの餌食を倒して強い爪を発達させたら、強い爪の形質が子孫に伝わる。
ç. 簡単に獲れる食料資源があるために、親トカゲの爪が未発達だと、弱い爪の形質が子孫に伝わる。
d. 親トカゲが余分な爪を持って生まれたら、6本指が子孫に伝わる。

[18] フィットネスとは、ある生物の進化的成功を説明するために生物学者が使う用語である。以下は4種の架空のメストカゲについての記述である。生物学者はどれを最もフィットしたと考えるだろうか?

トカゲA トカゲB トカゲC トカゲD
体長 20 cm 12 cm 10 cm 15 cm
大人になるまで生存する子孫の数 19 28 22 26
死亡年齢           4歳 5歳 4 歳 6 歳
備考 トカゲAは非常に健康的で強くて賢い トカゲBは多のトカゲと交尾する トカゲCは暗色で迅速に行動する トカゲDは全トカゲの中で最もテリトリが広い

a. トカゲA
b. トカゲB
c. トカゲC
d. トカゲD

[19] 自然選択の理論によれば、3種のトカゲの体長の違いはどこから来たと思われるか?

a. トカゲは生存するために変化が必要であり、それにより新たな有益な形質が発達する。
b. トカゲは異なる大きさになろうとし、集団内に有益な新たな形質が次第に出現する。
c. ランダムな遺伝変化と性的再結合が新たな変化を創りだす。
d. 島の環境がトカゲに遺伝的変化を起こした。

[20] 時間とともに一種が3種になった理由は何か?

a. トカゲの集団が異なる島の環境に行くと、トカゲは生存するために異なる形質を持つ新たな種になる必要がある。
b. トカゲの集団は、他の集団から地理的に隔離され、時間とともにこのトカゲ集団の中で、ランダムな遺伝的変化が蓄積した。
c. マイナーな変化があるだろう。しかし、すべてのトカゲは本質的に同様であり、ひとつの種類のメンバーである。
d. 生存するために、異なるトカゲ集団は異なる島に適応する必要があり、そのために、各集団の全個体は次第に進化して新たなトカゲの種になる。


カナリア諸島のトカゲの回答



トピック 科学的概念 その他の概念
自然資源 食料や水や酸素など自然資源は限られており、いつでも全個体の生存に必要な量はない(14d) 生物は必要な量を常に入手できる(14b,14c,14d)
限られた生存 環境中で生存可能な個体数以上の個体数があると、集団内の個体間の生存競争が起きて、一つの世代の一部の個体しか生存できない(15d) 集団の個体間で(あるいは種の間で)戦闘があり、最強の個体が勝利する(15b)
生物は協力して行動し、競合しない(15a)
集団内の変異 集団内の個体の特徴は大きく違っている(16c) 集団内の全個体はほぼ同じである(16a)
集団内の変異は見かけのみであり、生存には影響しない(16b)
集団内の個体は特徴を共有しない(16d)
変化の継承可能性 多くの変化は子孫に伝わる(17d) 生存に有益でなくなった形質は子孫に伝わらない(17b,17c)
生物の生涯に獲得したものは子孫に伝わる(17a)
生存率の差異 生存競争での生存率は、ランダムではなく、生存した個体の遺伝形質に部分的に依存している。環境に最も適応した生存特性を持つ個体は、より多くの子孫を残す可能性が高い(18b) フィットネスは強さ・速さ・知性あるいは寿命と等価である(18a,18c,18d)
変化の起源 ランダムな突然変異と繁殖によって変化が起きる。多くの変異は有害か、何の効果もない。しかし一部はある環境で有利である(19c) 突然変異は意図的である。生物は遺伝的変化を試み、必要とし、求める(19a,19b)
突然変異は特定環境への適応的反応である(19d)
種の起源 隔離された集団は時間とともに変化し、新たな種になる(20b) 種形成は仮説的アイデアである(20c)
生物は意図的に時間とともに新たな種に変化する(20a,20d)


研究参加者(一般生物学履修者)たちの正答率

# 分類 正答率
14 自然資源 51.5%
15 限られた生存 42.3%
16 集団内の変異 80.6%
17 変化の継承可能性 38.8%
18 生存率の差異 39.1%
19 変異の起源 33.7%
20 種の起源 22.3%