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方法論的自然主義


方法論的自然主義(Methodological Naturalism)とは「仮説の説明および検証は自然原因および自然現象によってのみ行われる」という「方法論」であり、科学の原則となっている。ここで「自然」とは「自然法則の逸脱たる超自然ではない」という意味である。

科学の原則となっている理由は
  • 「自然法則の逸脱たる超自然」は、経験的事実によって検証不可能であること
  • 現時点で科学で説明がつかない現象が、「未知のメカニズムや観測できなかった現象などによるもの」か、「超自然の介入によるもの」かを合理的に識別する方法がないこと


方法論的自然主義


インテリジェントデザイン運動と方法論的自然主義

科学の原則たる方法論的自然主義と敵対するインテリジェントデザイン運動。理科教育に侵入するために、方法論的自然主義を容認したこともあるが、結局は敵対姿勢に。


インテリジェントデザインと超自然

インテリジェントデザイナーは超自然なのか? 哲学者Soberは「人間の心は還元不可能に複雑」という仮説を用いて、インテリジェントデザイナーは超自然であることを論理的に示した。すなわちインテリジェントデザイン理論は宗教であると。


一方、経験的事実を積み上げていくと、インテリジェントデザイナーを超自然の存在に限定できないとMassimo Pigliucciは指摘する


インテリジェントデザインと神

インテリジェントデザインは科学であって神の話ではないのか、それとも神の話なのか。




科学と神の関係


科学者であることと、自然法則を超越した神の存在を信じることの間には、原理的には、いかなる論理矛盾も存在しない。それは、科学の実行が、方法論的自然主義という手順にしたがっちるだけであって、超越的な神の存在について言及しないから。神が、いかなる能力を持っていようとも、全然問題ない。
しかし、神の仕様次第では、科学と神は敵対する。特に神の過去の業績については。


方法論的自然主義に立てば、キリストの奇跡は科学の対象外。科学によって否定も肯定もされない。


NOMA


NOMA原則とはStephen J Gouldが提唱した「科学は事実と理論という教導権を、宗教は意味と倫理価値という教導権を持ち、それらは互いに重複しない」という考え方である。


しかし、インテリジェントデザイン運動側はNOMAなどありえないと主張する。


なので、CSIのフェローでもある宇宙生物学・惑星学者David Morrisonは「神と進化論は両立する」と言うのは逆効果だと言う



その他、科学に関して




参考情報





最終更新:2010年02月08日 23:37