Confusing Terms & Phrases

混乱する用語と表現


幾つかの用語は日常使う意味と進化生物学での意味が違っています。なので、生徒たちが正しく理解し、使えるようにしなければならない用語が幾つかあります。

Adapt
適応

私たちは衣服を重ね着することで、寒さに適応します。これは「適応」の定義のひとつの例です。残念ながら、生徒たちはこの定義を進化に適用していしまうかもしれません。その結果、個体が環境の変化に適応するのが進化だという誤った印象を持ってしまいます。進化は、遺伝的変異を持つ多くの個体を含む集団の中からの選択によって進みます。

Randomness and evolution
ランダムと進化

変異はランダムですが、選択は普通はそうではありません。生物があらゆるものに直面する時、集団内から良い特徴の選択が起きます。この圧力はランダムではなく、物理法則によって定めまります。偶然に木が生物の上に倒れてきたり、火山噴火で集団が一掃されるようなこと以外は、選択はランダムではなく、進化は偶然には起きません。

Ancestor versus relative
祖先と近縁

共通祖先と近縁種の区別をつけそこねると、生徒たちは混乱してしまいます。あなたと従兄弟姉妹は近縁です。そして祖先を共有しています。あなたは従兄弟姉妹から進化したわけではありません。同様に、ヒトとチンパンジーは近縁ですが、ヒトはチンパンジーから進化したわけでも、チンパンジーがヒトから進化したわけでもありません。

Confusing evolution with development
進化と発生の混同

発生は生物の成長で起きる過程(個体発生)であり、進化は時間を経ての集団の形態あるいは挙動の変化(系統発生)です。

Simple to complex
単純から複雑へ

地球の生命の歴史全体を見れば、最初の生命は比較的単純な細胞から構成され、細胞が寄り集まって大きな生物を構成したというのうは正しいです。しかし、生物は次第に複雑になっているという法則は誤りです。昆虫は足が6本よりも多い節足動物から進化しました。鳥類やヘビは部品を失いました。ヒトには尻尾はありません。進化は部品の喪失だったり、部品あるいは行動の単純化だったりの方向に進むことが多くあり、複雑な方向に進むわけではありません。

Design
デザイン

「デザイン」という言葉を使うと、生物はデザインされ、計画があることを意味してしまうかもしれません。「構造」や「適応」といった言葉を使う方が適切です。たとえば「どのようにツチブタはアリを食べるようにデザインされているか」ではなく「どのようにツチブタはアリを食べることに適応したか」あるいは「どんな構造あるいは行動が、ツチブタがアリを食べるのに役立っているか」と言う方がいいでしょう。



これはバークレーの How to Avoid Potential Pitfalls の訳です。




最終更新:2009年09月27日 15:41