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IDEA Center FAQ (short-1)


大学にインテリジェントデザインを広める IDEA Center インテリジェントデザインFAQ から、"Short Answer"を集めた。

現在はインテリジェントデザインの本山たる Discovery Institute に勤めているCasey Luskinが主として執筆したと思われるFAQで、「仮説と検証」あたりに特徴が出ている。

全文は長いので、ショートアンサーにKumicitコメントを付けてみた。


インテリジェントデザインとは何か?(What is intelligent design theory?)
Intelligent design is a scientific theory which seeks to determine if some objects in the natural world were designed through recognizing and detecting the types of information known to be produced by the intelligent agents when they act.

インテリジェントエージェントが働いたときに生成されると知られる情報の型を認識および検出することで、自然界にある物がデザインされたものであるかを探求する科学理論である。

「道端に石が落ちてたら、それは自然物。時計が落ちてたら、それは誰かがデザインしたもの。」という"理論"である。とりあえず、承るだけ承っておこう。


インテリジェントデザインは予言できるか?検証可能か?(Does intelligent design make predictions? Is it testable? )
Yes. Intelligent design theory predicts: 1) that we will find specified complexity in biology. One special easily detectable form of specified complexity is irreducible complexity. We can test design by trying to reverse engineer biological structures to determine if there is an "irreducible core." Intelligent design also makes other predictions, such as 2) rapid appearance of complexity in the fossil record, 3) re-usage of similar parts in different organisms, and 4) function for biological structures. Each of these predictions may be tested--and have been confirmed through testing!

イエス。インテリジェントデザインは 1) 生物学において指定された複雑さ(specified complexity)が発見されると予言する。もっとも容易に検出できる指定された複雑さのひとつが還元不可能な複雑さである。生物学的構造をリバースエンジニアリングすることで、"還元不可能なコア"があるなら、それがデザインされたものか判断できる。
インテリジェントデザインはさら以下を予言する。2) 化石に記録された複雑さの急速な出現。3)類似した部品を異なる生物への再利用。4)生物構造の機能の異なる生物への再利用。
これらの予言は検証可能であり、既に確認されている。

1)は進化論では説明できないものが見つかるという予言。これは、科学における「予言と検証」の意味を間違っている。というか、そもそも生物や地球惑星物理やらだったら、すぐには説明のつかないものが見つかるのが普通のできごと。
2)はカンブリア爆発の発見後に、カンブリア爆発のようなものがあると予言し、3)と4)は進化論と共通で既知。
「検証可能な予言(prediction)」という科学の型にネタを入れ込んだものの、検証可能なものではない。でも、とりあえず承って次へ。


何かがデザインされたと肯定的に言えるか?(Can we positively say something was designed?)
Essentially, yes, but design is an inference. Yet design is an inference no more and no less than evolution is an inference. Both theories look for clues from history to infer what happened--but are 100% confidence is not attained. Few things in science are said with 100% confidence--most scientific claims are at heart, inferences. The design inference works like this: from our understanding of how intelligent agents operate, they tend to produce high levels of complex and specified information (CSI). Thus, when we find this CSI, we have positive evidence of intelligent design. Through this evidence matching known products of intelligent design, we can infer that an object was designed.

基本的にはイエスだが、デザインは推論である。確かにデザインは、進化論が推論以上でも以下でもないように推論である。両理論は何が起きたかを推測するために歴史から手がかりをさがすが、100%の確実さは実現できない。100%確実と言えるものは科学にはほとんどなく、科学的主張の要諦は推論にある。デザイン推論は次のように進める:いかにインテリジェントエージェントが働くかという我々の理解によれば、インテリジェントエージェントは高度に複雑で指定された情報(CSI)を生産する傾向がある。従って、このCSIを見つければ、インテリジェントデザインの肯定的証拠となる。この証拠が既知のインテリジェントデザインの生産物とマッチすれば、その物がデザインされたと推論できる。

複雑で指定された情報(complex and specified information)とは、"複雑かつ意味のある情報"ということらしい。しかし、他のインテリジェントデザインの文献を見ても、そもそも複雑さも意味も定義がない。数学的には"複雑さ"の定義は、コルモゴロフ複雑性(2進文字列の複雑さはそれを生成するためのプログラムの長さの最小値と定義)くらいしか見当たらない。"意味"にいたっては定義のしようもない。

それから、インテリジェントエージェントとは、設計技術者や時計職人などを含むものづくりをする存在のこと。こういう人々は時計とかゲームマシンとか"複雑で意味のあるもの"を創る。でもって、インテリジェントデザイナー(神様)もインテリジェントエージェントとみなされるので、同様だろうという"我々の理解"が推論の前提。


アナロジーでインテリジェントデザイン理論は正しいというのは適切か?(Is it appropriate to justify intelligent design theory via analogies?)
a.k.a. You can't argue for biological (rarefied) design using examples of human (ordinary) design.(生物学の稀なデザインを人間の普通のデザインの例を使って議論はできない。)
Arguments by analogy can be valid if there is sufficient similarity between the case in the analogy and the actual case. Intelligent design theory postulates that we can detect design by finding the product of design -- specified complexity. We try to detect intelligently sent signals from space through the "Search for Extra-Terrestrial Intelligence" (SETI) program by looking for specified complexity in the signals. Similarly, determine that archaeological artifacts, such as the heads on Easter Island, were intelligently designed because of their specified complexity. These two examples show how the underlying principle of intelligent design -- that we can detect design through the presence of specified complexity -- is true. If this underlying principle is true, then we can detect design not only in archaeology and SETI, but also in biology, and perhaps in cosmology. The analogies are valid because there is sufficient similarity between their methods of detecting design (i.e. find specified complexity) and intelligent design research in biology (i.e. look for specified complexity). To claim we really only understand human "ordinary" design and thus cannot look for non-human design in biology ("rarefied design") ignores the fact that specified complexity is a fundamental product of all forms of intelligent design--be they human-produced or non-human-produced; biological or non-biological.

アナロジーの例と実際の例に十分な類似性があるなら、アナロジーによる議論は有効でありうる。インテリジェントデザイン理論は、デザインの生産物すなわち"指定された複雑さ"を見つけることでデザインを検出できると主張する。信号に"指定された複雑さ"を探す"地球外知性探索"(SETI)プログラムによって知性が送信した信号を宇宙から検出しようとする。同様に、イースター島の頭(モアイ)のような考古学的な人工物を、"指定された複雑さ"であるが故に、知的にデザインされたと判断する。"指定された複雑さ"の存在によってデザインを検出できるという、インテリジェントデザインの原則が正しいことを、これらの2つの例が示している。この原則が正しければ、我々は考古学やSETIだけではなく、生物学やおそらく天文学でもデザインを検出できる。これらのデザインを検出する方法("指定された複雑さ"を見つける)と、生物学におけるインテリジェントデザイン研究("指定された複雑さ"を見つける)が十分に類似しているので、アナロジーは有効である。人間の普通のデザインは理解できるが、生物学における(稀なデザイン)人間ではないものによるデザインは見つけられないと主張するのは、"指定された複雑さ"インテリジェントデザインのあらゆる形の基本的生産物であることを無視しているからである。人間の生産物であろうと、人間でないものによる生産物であろうと、あるいは生物学的なものであろうと、そうでないものであろうと。

インテリジェントデザイン理論は、数式ではなく、アナロジーで論を語る。アナロジーは説明のわかりやすさのために使うもの。アナロジーで論を進めてはだめだろうと突っ込まれるのも当然。しかし、それに対する答えとして、イースター島のモアイとSETIのアナロジーで提示するとは。そういうアナロジーがまずいだろうというケチがついているのに、それでは何も答えていないに等しい。

"指定された複雑さ(Spedified Complexity)"が何なのかも、アナロジーとして提示されているだけ。モアイやSETIの信号のようなものが"指定された複雑さ"であり、それらは"指定された複雑さ"を持つから人工物だと判断される。それでは、何も言っていない。


インテリジェントデザインは完全にダーウィン進化論を拒絶するのか?(Does intelligent design completely reject Darwinian evolution?)
No. Some biological structures may have resulted from a combination of both design and evolution. Most intelligent design proponents accept microevolution but question if macroevolutionary changes are possible. Intelligent design theory questions if evolution can produce irreducibly complex structures. Thus, intelligent design holds that evolution is not capable of producing all aspects of life.

NO. ある生物学的構造はデザインと進化の両方が絡んだ結果かもしれない。ほとんどインテリジェントデザイン支持者は小進化を受け入れているが、大進化が可能かどうかを疑っている。インテリジェントデザイン理論は還元不可能な複雑さを持つ構造を進化が創れるか疑っている。従って、インテリジェントデザインは、あらゆる生物が進化によって生み出されたとは考えない。

小進化と大進化を区別できるというのが既に進化論と違うところ。そして、証拠の有無など関係なく、大進化はあやしいと考えるのがインテリジェントデザイン。すなわち、インテリジェントデザインが"古い地球の創造論"の最も有力な変種である"進歩的創造論(progressive creationism)と同じポジションにいるということ。


インテリジェントデザインは科学的方法論を採っているか?(Does intelligent design theory implement the scientific method?)
Yes. The scientific method goes from observation --> hypothesis --> experiment --> conclusion. Intelligent design begins with the observation that intelligent agents produce complex and specified information (CSI). They hypothesize that if objects were designed, they will contain CSI. They then seek to find CSI. One easily testable form of CSI is irreducible complexity (IC). ID researchers can then experimentally reverse-engineer biological structures to see if they are IC. If they find them, they can conclude design.

科学的方法は、観測-->仮説-->実験-->結論と進む。インテリジェントデザインは、インテリジェントエージェントが"複雑で指定された情報(CSI)"を生産することを観測することから始める。その物がデザインされたのであれば、CSIを含んでいるという仮説をたてる。そしてCSIをさがす。もっとも容易に検証できるCSIは還元不可能な複雑さ(IC)である。インテリジェントデザイン研究者は、生物構造を経験的にリバースエンジニアリングして、ICであるかを見つける。もしICが見つかれば、それはデザインだと結論できる。

『何かがデザインされたと肯定的に言えるか?』の答えを流用した答えである。そもそも、CSIの定義が"直感的なもの"である。そして、インテリジェントデザイナーがCSIを生産するのはアナロジーによって主張されていること。

"生物機械"は人間が作る機械とは違いすぎる。デザインされた機械の例として考えられるのか?(Aren't "biological machines" too different from human-made machines to be considered examples of designed machines?)
No, biological machines provide a good analogy to human designed machines for us to consider both designed. Both do work, and both are often build upon similar designs.

NO. 生物機械は人間がデザインした機械とよいアナロジーになっていて、いずれもデザインされたと考えられる。両者は動作し、両者は類似したデザインのもとで作りあげられていることが多い。

これもアナロジーの繰り返し。


インテリジェントエージェントとは何で、どう働くのか(What are intelligent agents and how do they act?)
Intelligent agents have minds which are capable of choice. They can look at a situation and choose from a number of possible courses of action to pick one which solves that problem. Often these solutions are highly complex, and are highly specified to solve the particular problem in question. Thus, specified complexity is a prediction of design.

インテリジェントエージェントには選択する能力がある。エージェントは状況を見て、複数のとりうる行動から、問題を解決できる一つを選択できる。しばしば、これらの解決策は高度に複雑であり、特定の問題を解くために、高度に指定されている。従って、指定された複雑さはデザインの予言である。

ここでいうインテリジェントエージェントでは人間の設計技術者を含む。これはインテリジェントデザイナーがどう行動するかを、アナロジーで語っただけ。


どのようにデザインを検出するのか?(How do we Detect Design?)
We detect design by looking for the tell-tale signs that an intelligent agent acted. Intelligent agents tend to produce specified complexity when they act. We can then seek to detect design by looking for that specified complexity. Using an "explanatory filter" helps us to use normal logic to infer where design was a cause involved in creating an object. Design also could makes other predictions which can also help us to detect design.

我々は、インテリジェントエージェントが何かをしたという隠しおおせない徴候を探すことで、デザインを検出する。インテリジェントエージェントが働くとき"指定された複雑さ"を生産する傾向がある。なので、我々は"指定された複雑さ"をさがすことで、デザインを検出できる。"説明フィルタ"を使えば、その物の創造においてデザインが原因として含まれるかを推論する普通の論理が使える。(インテリジェント)デザインはまたデザインを検出できやすくする他の予言も可能である。

続けて長い答えから「Dembskiの説明フィルタ」を紹介しておこう。といっても...

Highly probable(大いにありうるか)?
YES --> Law(自然法則による)

Intermediate probability (そこそこありうるか)?
YES --> Chance(偶然による)

Small probability / Specified (とても小さな確率・"指定されている")
YES --> Design (デザイン)

残りは Chance(偶然による)

というもの。自然法則でも偶然でも説明できない小さな確率の出来事で、意味ありげ("指定されている=Specified")ならデザインだと言っている。要するに、科学(法則&偶然)で説明できないからデザインだという論。一応、えり好みしていて、"指定されたもの"だけ食べている。ただし、"指定された"の定義はアナロジーでしかない。

世の中では、このような「科学で説明できない出来事は、神様のせいだ」という論理を"God of the gaps"論と呼ぶ。というわけで、そうではないと主張する次のFAQ


インテリジェントデザインは"God of the gaps"論か?(Is ID a "god-of-the-gaps" argument?)
Not at all. Intelligent design works off positive predictions about where experience tells us that intelligent design is the cause at work. Furthermore, the "gap" in Darwinian evolution is not a gap in knowledge, but a fundamental theoretical gap that represents an aspect of biology which Darwin's theory is simply incapable of bridging.

全然違う。インテリジェントデザインはどこに経験的にインテリジェントデザインが原因として働いたかを肯定的に予言する。さらに、ダーウィン進化論の"Gap"は、知識の"Gap"(隙間)ではなく、ダーウィンの理論ではまったくつながらない生物学の見方を象徴する根本的な理論的"Gap"である。

「Dembskiの説明フィルタ」は"God of the gaps"論になっているのだが、それについて答えていない。まあ、ちっこい"Gap"ではなく、でっかい"Gap"にこそインテリジェントデザイナーはふさわしいと言っているくらいなもの。敬意を表して"God of the gaps said fundamental"論と呼んであげるのが適当かも。

もっとも、困ったことに"Gap"は埋まってから、はじめて大きいか小さいかわかること。


インテリジェントデザイン理論は"説明されていないこと"を"説明できないこと"にしてしまう詭弁か?(Does intelligent design theory make the "Unexplained" = "Unexplainable" fallacy?)
Intelligent design does not merely claim that the origin of complex (i.e. irreducibly complex) biological structures are unexplained, but rather that they are in principle unexplainable. They are not unexplainable because they are unexplained, but rather the converse is true, for they are unexplained because it is in principle impossible for Darwinian evolution to explain the origin of irreducibly complex biological structures. Thus, this is not an argument from ignorance or "god-of-the-gaps" type reasoning, for irreducible complexity is a theoretical falsifier of Darwinian evolution.

インテリジェントデザインは生物構造の複雑さ(たとえば還元不可能な複雑さ)の原因が説明されていないと単に主張しているのではなく、むしろ原理的に説明不可能だと主張している。説明されていないから説明不可能なのではなく、むしろ逆が正しく、生物構造の還元不可能な複雑さの原因をダーウィンの進化論では原理的に説明できないから、説明されていないと主張している。従って、これは"Argument from ignorance"や"God of the gaps"論ではなく、還元不可能な複雑さがダーウィン進化論の反証となっているのだ。

"原理的に進化論で説明できない還元不可能な"バクテリアの鞭毛はパーツに分解されてしまった[[N. J. Matzke, 2003]。見事に、"説明されていないこと"を"説明できないこと"にしてしまった例(だから、インテリジェントデザインの数学担当Dembskiは徹底抗戦... by using "Argument from ignorance")。
また、そもそも、"原理的に説明不可能"であることの証明は"悪魔の証明"になっていて、証明はほとんど不可能だったりする。

それを乗り越えて、"原理的に説明不可能"であることが証明できても、それは進化論の反証。進化論の反証があるから、インテリジェントデザインは正しいと言ったら、"God of the gaps"論あるいは「過てる二元論」。


インテリジェントデザインはただの"Arument from igonorance"か?(Is intelligent design merely an "argument from ignorance?")
No. Some critics have misunderstood intelligent design and claimed that it is merely claims that because we can't figure out how some biological structures could have arisen, therefore they were probably designed. The argument for design is not like this. In reality, the argument notes that intelligent design theory is a sufficient causal explanation for the origin of specified (or irreducibly) complex information, and thus argues from positive predictions of design. The lack of detailed step-by-step evolutionary explanations for the origin of irreducible complexity is the result of the fact that irreducible complexity is fundamentally not evolvable by Darwinian evolution.

No. 批判者たちはインテリジェントデザインを誤解して、「ある生物構造がどのようにしてできたか説明できないので、それらはおそらくデザインされたのだろう」と主張しているだけだと言っている。デザインについての議論はこのようなものではない。実際、議論は、インテリジェントデザイン理論は"指定された"(あるいは還元不可能な)複雑さを持つ情報の原因について十分な原因の説明になっていることを示しており、従ってデザインについての肯定的予言からの議論になっている。還元不可能な複雑さの原因についての詳細なステップバイステップの進化の詳細な説明が欠落しているのは、還元不可能な複雑さがダーウィン進化論によって根本的に進化しえないという事実の結果である。

わかりにくいのは訳ではなく、もとの"循環する論理"のせい。

"Argument from ignorance"とは、「相手は詳細に検証可能な形で提示されていないので、相手は正しいわけでない。よって自分が正しい。」という論をしたりすること。他にも幾つかバリエーションがある。とにかく、自分が正しいという論拠は相手が間違っていることだけ。

そうではないと答えようとして、「詳細な説明がない」と「原理的に説明できない」の順序を入れ替えたようだ。しかし、「原理的に説明できない」の論拠が"God of the gaps"論によってデザインだと結論されていること。
  • 詳細な進化経路の説明がない
  • それは、進化論では原理的に説明できないからだ
  • 何故なら、インテリジェントデザインが還元不可能な複雑さに対する説明になっているから
  • (なぜなら、Dembskiの説明フィルタでデザインだと判断されたから)
  • (それは自然法則と偶然で説明できていないから)
  • すなわち「進化経路の詳細な説明がない」から
と循環してしまう。