Claim CB902:
Microevolution is distinct from macroevolution.
小進化と大進化は別である。


Response:
  1. 小進化と大進化は別物だが、それらほとんど同じ過程を含んでいる。小進化は、集団内の対立遺伝子頻度(選択、突然変異、遺伝的浮動または移動などの過程による遺伝的変異)の変化と定義される。小進化が起こることに異論はない(Wallaceのような一部の創造論者は突然変異が起こることを否定するが)。大進化は、種レベルかそれ以上の進化的変化、すなわち、新しい種・属などの形成と定義される。種形成は観察されている。
    創造論者は「大進化」という単語を使うために、新たなカテゴリを創った。創造論者たちはテクニカルな定義をしていないが、用途からすると、観測できないくらいに十分に大きな進化という意味で使っている。ある創造論者は大進化を新しい形質の出現を指して使っているが、その意味するところは不明確である。それを字義どおりにとらえるなら、魚類のヒレから四足歩行動物の手足への漸進変化や、さらに鳥類の翼への漸進変化は大進化ではないことになる。逆に、両親のどちらにもない皮膚のホクロは大進化にあたることになる。このカテゴリを本当の大進化と混同しないために、超大進化を呼ぶことにする。
    種分化(種形成)は小進化とは異なる。種分化は新しい種を別物にするために隔離要因を必要とする。隔離要因は生物学的である必要はない。新しい山脈や川の流れの変化でもよい。これ以外に種分化が必要とするものは、小進化だけである。分断性選択(二つ以上の最適値があるときの自然選択)や倍数化(ゲノム全体のコピーを創る突然変異)も種分化に関与しているかもしれない。しかし、それは本質的に小進化と違わない。
    超大進化は、直接観察するのがより困難である。それが、小進化以外に何か必要だという証拠はまったくない。突然の大きな変化はまず起きないだろう。しかし、そのような突然の大変化だけが、大きな違いの原因ではない。小さな変化が時間とともに蓄積して大きな変化になることがないという理由はなく、それが可能だという理由がある。創造論者は小進化と超大進化が別物だと主張するが、その主張を支持する証拠をまったく提示しない。
  2. 化石に記録された漸進的変化および、"種類(kind)"の区別がないことを示す現存する生物間の類似という超大進化の証拠がある。ダーウィンが進化論を提唱する以前から、この証拠は、何らかの形での生物進化が受け入れられた理由でもある。

Further Reading:
  1. Wilkins, John, 1997. Macroevolution.




最終更新:2009年08月09日 16:53