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明久のパーフェクトえいご教室

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明久のパーフェクトえいご教室 ◆EA1tgeYbP.



〔質問〕あなたが殺し合いに巻き込まれてしまった際、生き残るために一番大事だと思うことは何ですか?

 S田さん(女子)の回答
「アキや瑞希のような信頼できる仲間達」

 人類最悪のコメント
「ふん。信頼できる仲間達か。そいつらがくたばってしまったらお前もゲームオーバーにでもなる気か?」

 T須さん(男子)の回答
「……俺みたいなのが生き残ろうなんて思っちゃいない。それよりも俺が他のやつらを殺すことで俺の知り合い達が生き残ってくれることのほうが嬉しい」

 人類最悪のコメント
「ふん。生き残る気はないか。下手に希望をもつよりよほど賢明な選択ではあるが、ふん。
そこまで知り合いどもが大事だと言うのならそいつらの名前を聞く前に死んでおくことを勧めておくぞ」

 Fさん(男性)のコメント
「ああ、愛しのマリアンヌ。君さえいれば私は……」

 人類最悪のコメント
「質問にはきちんと答えろ」

 Iさん(女子)の回答
「とーま、おなかがすいたんだよ」

 人類最悪のコメント
「……とりあえず支給品に食い物があるからそいつを食って飢えをしのげ。あと俺はとーまじゃねえ」

 Y井さん(男子)の回答
「動き回れるだけのカロリー」

 人類最悪のコメント
「どういう食生活を送っているんだ貴様らはっ!?」

 K下さん(秀吉)の回答
「待て! どうしてわしの回答だけ性別がおかしなことになっておるのじゃ!?」

 人類最悪のコメント
「知るか」




 ◇ ◇ ◇




「ぼ、僕のカロリーがああ!?」
 闇の中、エリアB-3の森と草原に大声が響き渡る。 
 殺し合いの舞台においては致命的とも言える不特定多数に自分の居場所を知らせるといううっかり。
別名死亡フラグを立てていることも気にせずに吉井明久は大声を上げていた。

 あの狐面の男の言うことは半分近く理解できなかったにせよ、自分がこれまでに経験したことのないような厄介ごとに巻き込まれたことだけは何とか理解した明久はまずは腹ごしらえと、
いつのまにか持っていたデイパックから食料品を取り出した。

 デイパックから出て来たのは
 ダイエットコーラ
 こんにゃくゼリー
 もずく
 それらがたくさん入っていただけであった。

 いずれも劣らぬノンカロリー食品。それを前に明久はがっくりと膝をつく。

「そ、そうだ! 美波や雄二がいるなら何か分けてくれるかも!」
 そう、気を取り直した明久は慌てて参加者名簿を見、そこに在ってはならない名前を見つける。

(……な、何で姫路さんが!?)
 自分や雄二、美波といったメンバーならばはともかく、姫路瑞希や木下秀吉はこんな厄介事に巻き込まれてはいけないか弱い存在だ。
幸運なことに秀吉の名前はなかったが、不幸なことに雄二や美波の名前もない。
 つまり、この舞台において彼女を守れるのは自分ひとりだけ。

(……僕が頑張らないと)

 そう明久が決意を固めたそのとき。

「――あの、誰かいるんですか?」

 突然にかけられた声に明久は身を固くして、手近な木陰に身を隠す。
 木の陰から様子をうかがうと、一人の少女がこちらに向かって歩いてきているのが見えた。

「……うわあ」
 そんな感想しか出てこないぐらいの可憐な美少女だった。明久の周りには色々なタイプの美少女がいるが彼女はそれとはまた違ったタイプ。ふらふらと出て行きそうになるが、危ういところで明久は自重する。

(……いや待て、明久! 姫路さんを守れるのは僕しかいないんだ。あの女の子が殺し合いに乗っていたらどうする? 僕に何かあったら姫路さんを一人きりでこの場所に残すことになるんだぞ。亜、でもあの子が殺し合いを否定する立場だったらどうしよう?
 ……そうだ! 聞いてみたらいいんだ! あんな可愛い子が嘘をつくはずはないしね! あ、でもあの子どう見ても外人さんだよね? 英語で話し掛けないとダメだよね)

 明久は考え込む。
 無論、冷静になって考えれば先の問いかけは日本語だったのだから彼女は日本語が話せるということに気が付いてもよさそうなものだが明久は気付かない。

(……えーっと、「あなたは殺し合いに乗っているのですか」を英語にすると殺すは……、うん! Killだ、間違いない。それであなたはYou。乗っているはわからないけど殺すあなたを疑問形で聞いたらきっと推測してくれるよね! 
英文を疑問形にするには確かひっくり返せばいいんだから……よし、これで完璧だ!)
 明久は意気揚々と木の陰から飛び出し、少女にはっきりとした声で質問する。




 ◇ ◇ ◇




 少し前、気が付くと一人、草原の真ん中に立ち尽くしていたテレサ・テスタロッサは参加者名簿を見て顔色を変えていた。
(サガラさん、ウェーバーさん、かなめさん!)
 片思いの相手にして、頼りになる部下でもある今は離れ離れになっていた少年とその相棒。
そして少年にとって最も大事な、今は敵の手に落ちているはずの少女。彼らもこの舞台に呼ばれているのか。
 そしてそうした親しい者たちの名前以上に目をひくある名前が彼女の背筋を凍らせる。

(――ガウルン)
 ミスリルがたった一人の男のためにあそこまでの危機に陥ったのは、あれが初めてのことだった。
 この男が殺し合いの舞台においてトップクラスに危険な存在であることは疑いようもない。

 ――だが、それは不可思議なことでもある。
 何故ならばあの男は間違いなく死んだはずなのだから。
 間違いなく搭乗していた機体もろとも、相良宗介の手によって荒れ狂う海の只中に放り出されて、海の藻屑となったはずなのだから。

(……同名の別人? でも……)
 別人なのだとしたら、この名前から感じる言いようのない不安は何なのだろう?

 テッサは不安をごまかすように彼女に支給されたアイテムが何なのか調べにかかる。

「……これは」
 そして出て来たのは一丁の銃だった。その名もS&W M500。破壊力だけに限っていうならば世界最強の拳銃だ。
 当たり武器といえるだろうが正直、自分に使いこなせる自信はない。
これは宗介やウェーバーといった頼りになる相手に渡したほうがいいだろう。

 他には何が。テッサがデイパックを探ろうとしたそのときだった。

「――ああぁ!」

 遠くから聞こえてきた叫び声にテッサはびくりと震える。
 今の声は何だろうか、もう誰かが襲われたのだろうか?
 声が聞こえてきたほうに行くべきだろうか? 行ったところで自分が役に立つのか?

 しばしの迷いを見せた後、テッサは声の聞こえてきたほうに向かうことにした。
 万が一、知り合いが襲われていたのだとしたら、そんな不安もあったし、それに自分ひとりで生き残れるとはテッサには思えなかった。
 こんな肉体的には貧弱な自分が生き残ろうと思うなら、それは誰かと助け合っていくしかない。
 ならば今、自分が誰かを助けに行くことは当然だ。

 そして声が聞こえてきたと思しきほうへと進みテッサは不安交じりの小さな声で問い掛ける。

「――あの、誰かいるんですか?」

 しばらく待ってみても問いかけに答えるものはいない。 
 もしかしてこの場で起きていた争いは完全に終わってしまった後なのか?
 テッサがそう思ったそのとき一人の少年がテッサから少しはなれた木の陰から飛び出してきて彼女へ向けて言い放った。

「KILL、YOU!」
 『KILL YOU』、直訳すると『あなたを殺す』
 ……それは聞き間違えようもないほどにシンプルな殺人宣言だった。





【B-3/一日目・深夜】
【テレサ・テスタロッサ@フルメタル・パニック!】
[状態]:健康
[装備]:S&W M500 残弾数5/5
[道具]:デイパック、支給品一式(未確認ランダム支給品1~2個所持)
[思考・状況]
1:目の前の殺し合いに乗っている少年に対処する。
2:宗介、かなめ、ウェーバーとの合流。
3:ガウルンにたいして強い警戒。
[備考]
※ミスリル壊滅から宗介と合流する前のどこから時間帯から呼ばれています。

【吉井明久@バカとテストと召喚獣】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:デイパック、支給品一式(未確認ランダム支給品1~3個所持)
[思考・状況]
1:この女の子は殺し合いに乗ってなんかいないよね?
2:姫路さんは僕が守る!
[備考]
※西東天の言ったルールを一部理解していません。少なくとも名簿に名前が載っていない参加者がいることは覚えていません。
※「KILLYOU」の意味が「あなたは殺し合いに乗っているか?」で正しいと思ってしまいました。



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