『学び合い』とは

『学び合い』とは

『学び合い』は「クラスの全員が、20年後、50年後も幸せに生活できるようになることを目指す授業」です。
上越教育大学の西川純教授が提唱し、全国で実践されています。

『学び合い』の定義

下記の学校観・子ども観・授業観に基づいた教育を『学び合い』と呼びます。

  • 学校観  学校は、多様な人と折り合いをつけて自らの課題を達成する経験を通して、その有効性を実感し、より多くの人が自分の同僚であることを学ぶ場である
  • 子ども観 子どもたちは有能である
  • 授業観  教師の仕事は、目標の設定、評価、環境の整備で、教授(子どもから見れば学習)は子どもに任せるべきである

『学び合い』が生まれた背景

下記のような従来型学校授業の問題点を解決すべく「クラスの全員が20年後、50年後も幸せに生活できるようにする授業」を研究した結果、『学び合い』が生まれました。

従来型学校授業の問題点

  • 生徒がつまずいている箇所(例えば教科書で読めない漢字、知らない単語)は生徒それぞれ違うが、それに対して1人の教師では個別対応できないため、つまずきを解決できないまま次の時間に進んでしまっていた。
  • 生徒が誤った理解をしていても、それに教師が気づくことができないまま授業が進んでしまっていた。
  • 学級の「中の上」の生徒に合わせた授業をすると、上位層・下位層の生徒には無駄な時間が多かった。
  • 生徒が自分の考えをアウトプットする時間が少なかった。そのため、全国学力テストB問題など記述式問題への対応があまりできていなかった。
  • 誰かが授業中質問すると、その瞬間全員の思考がストップしてしまっていた。
  • 授業が「協調性、マネジメント能力、生徒相互の切磋琢磨、自主的・自発的行動、責任感、連帯感」といった能力を身につけるように構成されていなかった。そのためそれらは部活動に任され、勤務時間が伸びる原因となっていた。
  • 授業中に生徒同士が関わる場面が一部しかないため、いじめを早期発見しにくくなっていた。
  • 特別支援を要する子は、将来自分の親が亡くなってからもつながり続けられる友達を必要としているが、そういう友達を作ることが困難になっていた。
  • 発見型の授業の場合、塾で既に学んで知っている子も、「知らないふり」をして授業を受けなければならなかった。
  • 優秀な教員だけでなく、若手を含むごく普通の教員が、教科・単元を問わず年間を通して恒常的に取り組める有効な授業法が確立していなかった。

『学び合い』授業の流れ(例)

あらかじめ黒板に提示するもの
  • 全員が達成すべき本時の課題(生徒でも達成できたかどうか評価できるよう、基準を明確に)
  • 黒板の「未達成」欄に全員のネームプレートを貼る
  • 『学び合い』の終了時刻を明記
  • 残り時間を表示した大型タイマー(なければキッチンタイマーでも可)
  • その日扱う問題の解答、教師用指導書、参考書、タブレットなど学習の助けになるものを教卓に置いておき、生徒が自由に使えるようにする

指示(5分)
  • なぜ『学び合い』をするのか、生徒にどうなって欲しいのかを語る(語りの例はこちら)
  • 自分ができたら終りではない。全員の課題達成がみんなに求められている。
  • 教えるときが一番勉強になる。自分の理解力を深めるためにも、どんどんクラスメイトに教えよう。
  • スマホ、タブレット、何を使ってもいい、誰に聞いてもいい。
  • 達成した人から達成欄にネームプレートを移す。
  • 終了時間は必ず守る。

学び合い(40分)
  • 机間巡視をしながら、良い動きをしている子を全員に「可視化」する
  • 「全員達成に結びつくことをやっているか」を問いかけながら回る
  • あくまで全員達成が目的。学び合わせることが目的になってしまわないように。

振り返り(5分)
  • 何人が課題を達成できていないか
  • 本時の学び方はどうだったか
  • 次回以降どのようにすれば全員達成に近づけるか
(本時の学習内容を振り返るというよりも、本時の学び方を振り返る)


Q&A


●よくある懸念
Q:子どもは有能なの?教師の方が有能なのでは?
Q:一定の知識が身についていないと議論にならないんじゃないの?
Q:小学校低学年でも『学び合い』はできるの?
Q:いじめは起こらないの?
Q:先生にしか教えられないことがあるのでは?
Q:先生が教えないのは、職務放棄じゃないの?
Q:先生の話を静かに聞く能力も大事なのでは?
Q:間違った考え方を教えてしまうことがあるのでは?
Q:ほんとに学力が身につくの?
Q:授業進度は遅くならないの?
Q:なぜ全員達成を求めるの?最下位層1,2人は仕方がないのでは?
Q:全員達成を求めると、同調圧力が強くなりすぎるのでは?
Q:全員達成を求めるということは、連帯責任をとらせるということ?





Q:子どもは有能なの?教師の方が有能なのでは?
A:『学び合い』の子ども観「子どもたちは有能である」は、「30人を同時に教える場合の教え手として、1人の教師より30人の子どもの方が有能」という意味合いです。
1人の教師が30人の到達度やつまずきを毎時間全て把握し、それぞれに個別に対応することは不可能です。その点、30人の子どもが互いにできる範囲で教え合えば、読めない漢字、用語の解説、計算間違い、勘違いへの対応も含め、一人一人の理解に合わせた進度で進めることができます。

Q:一定の知識が身についていないと議論ができないんじゃないの?
A:『学び合い』はディベートなどのように議論をすることを目的とした授業ではありません。教科書レベルの内容を全員が理解するための授業です。漢字や英単語の暗記なら、互いに問題を出し合いチェックします(まるでテスト直前の休み時間のように)。例えば「太平洋戦争が起こったきっかけを3人に説明できる」という課題を設定した場合、みんなで教科書・参考書を読み解く作業になります。読めない漢字や意味のわからない単語をスマホやタブレットで調べながら知識を深めていきます。

Q:小学校低学年でも『学び合い』はできるの?
A:むしろ小学校低学年のほうが、「わからない!」と積極的に言える関係性が作られます。小学1年生の実践もなされています。

Q:いじめは起こらないの?
A:確かに、『学び合い』を始めると一見学級内のいじめが悪化するように見えます。しかしそれはこれまで教師が見えていなかったいじめが「よく見える」ようになっただけです。『学び合い』ではいじめがひどくなる前に早期発見早期対応できるようになります。
クラス内にいじめがあると、クラス内の誰もが損をすること。いじめをなくすことが自分の学習効率に直結することを、いじめを黙認している子たちに訴えます。

Q:先生にしか教えられないことがあるのでは?
A:クラスの生徒が誰も知らない、先生にしか教えられないことは、もちろん先生が教えれば良いです。が、そのような内容はあまりありません。むしろ先生にしか教えられないことは、教科書の外にあります。人としての生き方を教えるのは、一つの教師の役割です。

Q:先生が教えないのは、職務放棄じゃないの?
A:教師の職務は、「子どもに教えること」ではありません。「子どもに理解させること」(もっと高いレベルでは「子どもを大人にすること」)です。教師が教えても理解させられなければ職務をまっとうしていないことになりますし、教師が教えなくても子どもが理解していれば職務をまっとうしていることになります。

Q:先生の話を静かに聞く能力も大事なのでは?
A:大事です。『学び合い』でも、授業の最初と最後には、教師の話を静かに聞く時間をとります。

Q:間違った考え方を教えてしまう子がいるのでは?
A:間違った考え方が拡散し始めたとしても、その考え方はクラスの至るところでアウトプットされているので、教師が机間巡視していればすぐに気づき修正することができます。

Q:ほんとに学力が身につくの?
A:国立高校生物科では全員がセンター試験70点以上の結果が出ました。その他小学校〜高校まで幅広く平均点・最低点の上昇を認めています。特に全国学力テストのB問題での上昇が顕著です。
参考記事)

Q:授業進度は遅くならないの?
A:むしろ速くなります。『学び合い』では解答をいつでも見られるようにします。教科書・参考書・教師用指導書・スマホ・タブレット・友達・先生…いつ何を使ってもOKです。自分が必要としたときに、必要としているところだけをピンポイントで学ぶことができます。友達に教えている時間も復習になります。教えているうちに自分の不理解に気づくこともよくみられます。「一人ひとりにとって無駄な時間をなくす」ことで進度が早くなります。(実践者ブログより

Q:なぜ全員達成を求めるの?最下位層1,2人は仕方がないのでは?
1人でも多くの生徒を拾いあげるためです。そもそも全員達成は難しいです(と言うより、頻繁に全員達成してしまうようなら与える課題のレベルを上げるべきです)。しかし、教師が本気で全員をもとめていなければ、生徒たちも「こいつはできなくてもいいだろ」と判断した子をどんどん見捨てるようになります。1人見捨てることを許された集団は、課題のレベルが上がると2人目を見捨てるようになり、いずれ自分が見捨てられる番になります。
ですので、少なくとも教師は心の底から「あくまで全員」という姿勢であり続ける必要があります。

Q:全員達成を求めると、同調圧力が強くなりすぎるのでは?
A:『学び合い』はみんなと仲良くすることを求めません。一方、嫌いな人とも同僚としてうまく距離を取りつつ協力し成果を出すことを求めます。「同調するよりむしろ多様性を認める方が課題達成に近づく」ということに気づかせていきます。

Q:全員達成を求めるということは、連帯責任をとらせるということ?
A:『学び合い』では、学び合うことを強いません。全員達成しなかったからといって誰にもペナルティは課せられませんし、ずっと一人で勉強していても構いません。友達に教えたり友達から教わったりしなかったからといって、不利な成績がつけられるわけでもありません。あくまでテストの点数が全てです。ただ、「他人と協力して物事を達成させる機会をもつことは教える方にとっても得である」ということは繰り返し伝えます。

Q:ペアやグループは作らせないの?
A:教師側がグループを作ると、「グループ内に目を向けやすくする」良い影響とともに「グループ外に目を向けにくくする」悪い影響も与えます。同時に、連帯責任を感じさせてしまうことにもつながります。1コマの授業中でも、教え・教えられる相手は流動的に代わるのが普通ですので、固定メンバーのグループはかえって足かせになります。グループをあらかじめ作らない一方、授業中に繰り返し「全員ができるように」ということを求めたり、良い関わりをしている生徒をクラス全体に聞こえるように褒め、「可視化」したりするなどの手立てをとります。(実践者ブログより

Q:最初に自力学習の時間はとらないの?
A:とりません。『学び合い』では、各自必要なときに自力学習をします。自力学習するまでもなく理解している生徒や、自力ではさっぱり歯が立たない生徒にとっては「自力学習を強いられる時間」は必要ありません。全員が課題を達成するためにより効率的な動きをします。(実践者ブログより

Q:例えば算数で、言葉の定義などをする単元の最初から『学び合い』をするの?
A:最初から『学び合い』でやります。言葉の定義を知っている子は相当数いますので、解説が必要な子はタブレットで講義動画を見るなり友達に教えてもらえば良いです。友達に聞けば、教える側も復習になります。どうしても心配であれば、必要な部分だけプリントにまとめて教卓に置いておくという方法もあります。

Q:答えが一つでない課題でも『学び合い』はできるの?
A:答えが一つでなくても、生徒自身で評価可能なくらい明確な課題であれば『学び合い』はできます。

Q:どんな課題を与えればいいの?
A:課題設定は奥が深いです。生徒同士でも達成できているかどうか評価可能な課題でなければなりません。「◯◯を理解する」などの課題だと、本人が本当に理解しているかどうかを評価することが難しいです。慣れないうちは、「教科書◯◯ページから◯◯ページまでに書かれていることを、3人以上に説明できる」というアウトプットさせる課題が無難です。(参考図書「子どもが夢中になる課題づくり入門」

Q:課題の難易度設定が難しいです
A:難易度が簡単すぎると、生徒(特に上位層)はダレます。私語が増えます。ギリギリ達成不可能ぐらいの難易度に設定すると、生徒集団はグンと伸びます。(参考

Q:時間内に全員達成できなかったらどうするの?
A:基本的に時間は延長しません。安易に延長すると、クラス全体が「ちょっとなら時間を守らなくても延長してもらえるんだ」という空気に傾きます。授業最後に5分ほど振り返りの時間をとります。本時の学び方でよかったところ、本時に全員が達成できなかった原因はどこにあるのか、誰がどうすれば全員達成に近づけたのかを振り返ります。

Q:私語が多いときにはどうすればいいの?
A:課題が達成されていさえすれば、ほどほどの私語は大きな問題ではありません。しかし多すぎる私語は授業能率を下げるので対処が必要です。
ほぼ全員が課題を達成していて私語が多い場合は、課題が簡単すぎることが原因であることが多いです。課題の難易度を上げましょう。
課題を達成していない生徒がたくさんいるにもかかわらず私語が多い場合は、机間巡視をしながら声掛けすることである程度は改善します。
それでも私語が多い場合は、その状態を黙認しているクラス全体に問題があります。一旦学び合いを中断し、「私語によって学習が進まないと自分たちが損をする」旨を語ります。2割の生徒が教師の意図を理解して行動に移せば、6割の生徒がそれに追従していきます。

Q:成績はどうやってつけるの?
A:テストの点数でつけます。学び合っているかどうかの評価は、授業中にその都度評価しフィードバックするので、成績表として評定をつける必要はありません。

Q:学び合っているかどうかはどう評価するの?
A:授業中、その場で評価しその場でクラス全体にフィードバックします。「全員達成」のためにいい動きをしている子がいたら「いい動きが見られますね」と 他の生徒にもわかるように評価します。「他のグループはどうかな、困っている人はいないかな」などの声掛けをします。
評価は、その子が今後より成長するためにするものです。評価することが目的になってしまうと本末転倒です。

Q:授業中教師は何をすればいいのですか?
主な役割として「評価のフィードバック」「可視化」があります。全員達成のためによい動きがみられれば、それを生徒全員に聞こえるように誉めます(=評価)。「きみ、あの子に教えてあげて」などの指示で生徒の行動を強要することはしません。生徒が何をするべきかは、生徒自身で考えます。教師はそのためのヒントを与えたり手伝いをしたりします。

Q:どうやって学び合わせればいいのでしょうか?子供が動いてくれません。
A:学び合うことは目的ではありません。必要がなければ学び合わなくて良いのです。
その上で、よくある原因は4つあります。
①課題を達成するとは具体的に何を指すのかが、分からない(=課題が明確でない)
②課題を達成するための方法が分からない。
③集団の大多数が、課題を大切だとは思えていない。
④「全員達成が大切だ」と語る教師のことを、子供達が尊敬していない。

気になる子について

Q:全員達成できない責任を、勉強できない子に背負わせてしまうのでは?
A:『学び合い』は、「生徒各自が課題を達成すること」を課すのではありません。すべての子に、「全員が課題を達成すること」を課します。つまり特定の子(A君)が課題を達成できないのは、他のすべての子の問題でもあるのです。「誰がどのように動けばA君が課題を達成できるか」をみんなで前向きに考えるのがセオリーです。達成出来なかったことを責めるのではなく、達成出来たら嬉しい、という価値観を共有します。A君が課題を達成できなかったとしても誰もペナルティを受けないことは重要です。連帯責任ではないのです。

Q:答えを写して「わかったふり」をしちゃう子はどうするの?
A:わかったフリが疑われる場合には、テストでチェックするのが手っ取り早いです。「期末テストで全員が80点以上をとる」などの数値目標を掲げれば、「わかったふり」はすぐにバレます。「わかったふり」を周りの子達が見過ごすのは、決してその子のためになりません。その子を見捨てていることになります。形だけ全員達成することに意味はなく、みんなが本当にわかることが大事なのだということをクラス全体に伝える必要があります。そうすることによって、「わかったふり」では終わらせない雰囲気がクラスに生まれてきます。集団が成熟してくれば、いちいちテストをするまでもありません。

Q:学び合おうとしない子はどうするの?
A:無理に学び合わせる必要はありません。一人で学ぶ時間も必要です。ただ、まったく周囲に関わらないのは「自分にとって損」であることを本人に伝えます。大人になったら嫌でも周りの人たちと関わりながら生きていかないといけないですから。それと同時に、クラスメイトを一人で放っておくのはクラス全体にとって損であることもクラス全体に語ります。

Q:教わってばかりの子にとって負担じゃないの?
A:そもそも「教わることが恥ずかしいこと、悪いことだ」という認識がなければ、負担になりません。教師は常日頃から「教えてもらうことは悪いことでも恥ずかしいことでもない」という価値観を繰り返し語ります。(実践者ブログより)(実践者によるツイート)
ごく一部、特別支援を要する子のように常に教わってばかりの子もいます。そのような子は、将来社会に出てからも色んな人から継続的に援助を得ながらでなければ生きるのが困難でしょう。そのような子には、相手に気持ちよく援助してもらえるような能力が必要です。そういう力を身につけるには、くりかえしうまく援助をもらえるような練習をする場として授業時間が活用されます。 (実践者ブログより)

Q:特別支援を要する子は一緒に学び合いできるの?
A:できます。むしろそういう子こそ、将来支えになってくれる友達をたくさん作っておくことが今後の人生に関わってきます。特別支援は、障害を持った子供たちに基礎基本を身につけて通常学級で授業を受けられるようにするためのものではありません。数十年後、親が亡くなった後も、地域コミュニティの中で生活し続けられるようにすることです。
それにはまず、教師自身がA君を歓迎することです。クラスの生徒たちは、教師が本心ではA君にどうなってほしいと思っているか、すぐに見抜きます。A君もクラスの(将来的には地域コミュニティの)一員として折り合いをつけながら共に生きるメンバーであるという意識を、2割の子が持てば、ごく自然にA君がその場で一緒に学ぶようになります。(参考図書「『学び合い』で「気になる子」のいるクラスがうまくいく! 」参考図書「特別支援学級の子どものためのキャリア教育入門 基礎基本編 義務教育でつける「生涯幸せに生きる力」」

Q:特別支援を要する子には他の生徒と別の課題を与えるのでしょうか?
A:別の課題でよいです。本来なら30人いれば30人それぞれに適した課題があるはずです。その子が20年後、50年後に幸せでいられるために必要な課題を設定してあげるのが良いと思います。

Q:教え上手な子のところに殺到しちゃうのでは?
A:制限時間内に課題達成することを求めれば、子供たちは質問の内容によって聞く相手を選びます。漢字が読めないだけなら隣の子で十分。もし教え上手な子のところに殺到してしまったとすると、相当待たされてしまうからです。また、教師との相性があるのと同様に、誰に対しても教え上手な生徒というのもいません。直前まで理解していなかった子の方が、当たり前のように理解していた子よりもわかりやすい説明をするような場面は、頻繁にみられます。

Q:教えてばかりの子にとって負担じゃないの?
A:特定の子(A君)にばかり負担がかかっているとしたら、その原因の多くは、A君以外の子が適切に動けていない、あるいはA君がタスクを抱え込みすぎているところにあります。
その場合、「特定の子ばかりに負担がかかっていては、クラスとしてもっと高い成果を出すことができない(課題の難易度を上げられない)」旨を全員に語ります。
A君を含めた全員でこの問題に対処するような促しをします。A君自身がヘルプを表明することも大事ですし、周りがA君を気遣えることも大事です。あるいは集団の動きをマネジメントしようとする子が出てくることもあります。

Q:教えてばかりの子は何の勉強にもならないんじゃないの?
A:なんとなく理解しただけでは人に教えることはできません。教えることで再び整理され、復習になり、実は自分が理解していなかった箇所が明確になります。
それが復習にすらなりえないほど相当に先取りしてしっかり理解できている子にとっては、人を動かし場をマネジメントする能力を身につける機会になります。

●その他
Q:保護者対応について
A:保護者や同僚、管理職に『学び合い』の有効性を理解してもらうことは非常に重要です。(参考図書「みんなで取り組む『学び合い』入門」

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最終更新:2018年11月03日 08:13