暗中模索 Mon,26Jun200607:25:58GMT

彼は、私の母とは会ったことがありませんが、
以前はよくメールのやりとりをしたり、母がプレゼントを
贈ったり、母も彼のことを気に入り、仲良しだった時期も
ありました。もう二年ほど前の話でしょうか。
最初に、彼はメールの中で自己紹介をしたらしいのですが、その文章に、
母はすっかり安心し信用していました。
母が一番大切にしている、家族の愛情が書かれてあったからです。
子供の頃から大切に育てられてきた、両親は立派な人だと。
我が家は代々恵まれた環境で生活してきましたが、結婚相手に裕福な資産状況は
求めてきませんでした。
ですから、一人っ子で、父息子共会社勤めであっても、特に財産がなくとも、
そんなことは全く問題ではありませんでした。
私の両親が大切にしていることは、赤ちゃんの頃から、両親やまわりから愛情を
込めて大切に育てられてきたか、良い環境で教育を受けてきたか、ということを
大事にしていました。
彼の心ない言動に私が傷ついている様子を見て、母親は、彼の育ちに疑問を持ち始めました。
母は40年近く教育関係に携わってきた人間ですから、子供の問題は、間違いなく親が
問題だから起こる、ということを知っています。
親元から離れて暮らしている大人ならともかく、彼は一人暮らしの経験はなく、
ずっと親と同居しています。
私も彼のお父様と直接お会いしてお話してわかったことは、彼のお父様が一番
彼のことをわかっていたことでした。
親が子供の頃を理解しているのは当然かもしれませんが、大人になると子供も
自分の世界を持ち、親の知らない顔を持つものです。
それでも、お父様は彼の芯の部分をよく知っていました。
やはりその人の本質的な部分というものは、何歳になっても変わらない、
ということなのかもしれません。
でも、自分がお付き合いしている愛する彼が、父親から、育て方を間違った、
あいつ(息子)は本当に思いやりのない陰気な人間だ、と話されて、私もショックを
受けたことは確かです。
それでも今もお付き合いを続けているということは、彼には良いところもたくさんある
ということです。
母は、二年前から、彼のことを一切受け入れなくなりました。
自分の娘が、親にも愛想を尽かされている人間と交際していることを認めるわけが
ないでしょう、と。
今はもう、愛想も小想も尽き果てる、といった感じです。
ここから抜け出すにはどうしたら良いのか、私も彼にもわからず、暗中模索しています。

(終わり)


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最終更新:2009年12月22日 12:29