手紙が好き Thu,29Jun200602:25:46GMT

山口県光市で99年に母子を殺害された事件の、被害者の夫の本村洋さんが、妻の弥生さんと
やりとりした、71通の手紙をまとめた「天国からのラブレター」を読んだ。
この本は来年映画にもなるらしい。
私は手紙が好き。
子供の頃から手紙を書くのは習慣だった。
週に一度、家族で手紙を書く時間があった。
その時間は心静かに、家族全員が便箋に向かってペンをとる。
それはお礼状であったり、お願いごとであったり、報告だったり、宛て先も様々だったけれど、
そうして手紙を書くという習慣を自然につけてくれた両親にはとても感謝している。
大人になってからも、両親はたびたび手紙を書いてくれるし、
私たちも大切なことは両親に手紙で伝える。
両親は、その都度ペンであったり、筆であったり、タイプであったり、
手紙の書き方を教えてくれた。
小学生の頃英文タイプを買ってくれて、中学生になると、ブラインドタッチが
できるようになっていた。
だから、ワープロやパソコンのタッチはとても楽だった。
e-mailは便利だけれど、やはり気持ちを伝えるのは、自分の手で文字を書いた手紙が一番だと思う。
私の友人や知り合いも同じような気持ちの人が多くて、特別なことがなくても、
手紙を送ってくれる。
そのお返事も手紙で送る。
そういう手紙のやりとりは、心が優しくなれる。
どんな便箋を選ぼうかしら、どんなもので書こうかしら、どんな封筒に入れようかしら、
スタンプを押そうかしら、シールを貼ろうかしら、絵を描こうかしら、と考えるだけで
ワクワクしてくる。
本村さんは71通のお手紙のやりとりをしたそうだが、私も今までお付き合いしてきた彼へ、
よく手紙を書いていた。
最初の彼は当初遠距離恋愛だったので、文通をしていた。
最近は、文通という言葉あまり聞かなくなりましたね。
私はほぼ毎日、日記のように書いて送っていた。
彼は月に数回、便箋より切手シートのほうが厚い封筒だった。
私は学生だったので、毎回の切手代もかかるので、彼はそれを気遣って、
毎月記念切手をシートで買って、送ってくれていた。
そのおかげで、切手収集は趣味になってしまった。
最初の彼には1000通以上の手紙を書いた。
彼は今でも大切に保管しておいてくれている。
(先日ペットシッターのバイトに、彼の家に行った時にクリアケースに丁寧に
整理されている私が送った手紙の山が見えたのだ)
ダンボールに入れたら何箱になるだろう、かなりの量だ。
次にお付き合いした彼にも、毎日会っていたのに、割とよく手紙を渡していたと思う。
仕事の合間、昼休みや休憩中であったり、私の仕事が早く終わって、彼の大学の図書館で、
彼の授業や実験やゼミが終わるのを待っている間、手紙を書いていた。
その彼とお付き合いしている時に、初めてパソコンを買って、インターネットを始めたので、
その彼とは、e-mailのやりとりも多かった。
携帯に接続してメールを送る、ポケットボードを使っていたのもこの頃。
私からのe-mailをcdに編集して保管しているのを見た時、大切にしてくれているんだなぁ、
と嬉しくなったのを覚えている。
彼は整理上手な人で、手紙も、とにかく綺麗にファイリングしてあった。
この二人の彼とは、手紙のやりとりのおかげで、お互いの気持ちを理解したり、
再確認できたりしたことで、愛情や信頼が深まった気がする。
どうして今の彼にはお手紙書かないのかなぁ、と考えると、言葉を大切にしない
彼に手紙を書いても、心に届かないのではないか、という諦めが自然と
湧いてきてしまっているのかもしれない。
彼も私に手紙をくれたことはない。
彼が手紙を書いてくれたら、感動、感激しちゃうのに。
言葉ってコミュニケーションにおいてとても大事な要素。
身体の触れ合いと同じくらい大事だと思う。

(完)


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最終更新:2009年12月22日 12:34