ルブロション 2009年5月28日


今日のチーズ講座は、調理実習でした。

調理実習の日だけは、コルドンの料理教授が担当すると聞いていたので
楽しみに実習教室に入ると、なっなんとっ!
いつも製菓でお世話になっているD先生が立っているではありませんか!

せっ先生!どうしてですか?お料理も教えるんですか?

先生も、製菓講座では劣等生の私がチーズ講座に通っていることに驚いたご様子。

なんと今日の実習メニュー・タルティフレットはD先生の故郷のお料理なのですって。
子供の頃から食べ慣れた郷土料理なので、今回は特別に、
お菓子作りの教授であるD先生が担当すると。

せっ先生!やはり今回のチーズのお料理も評価されるんでしょうか?

と恐る恐る尋ねると、「ダイジョブヨー、今日は楽しいだけネー」と、
いつも厳しいD先生、今日はやけにご機嫌だ。

きっとこれは、私がフランスに行って、石狩鍋とかジンギスカンとか
甘納豆入りお赤飯をフランス人に教える時に高揚するであろう気分と同じなのだ。

写真はルブロションというチーズのパッケージ。

サヴォワの標高1,000メートルの高地牧場で、色とりどりの高山植物を食べて育つ牛たち。
その牛のミルクをふんだんに使い1つ1つ丁寧に造られる農家製の「ルブロション」。

「ルブロション」には酪農工場製と農家製があり、
農家製には10円玉ほどの緑のカゼインマークがあるのですぐに区別が可能です。
「ルブロション」のフランスでの人気は高く、
「コンテ」「ロックフォール」「カンタル」に続いて4番目の生産量を誇ります。

かつて牧草地を借りて牛を飼っていた農民達は、
その借料を搾乳量に応じてミルクで支払わなければなりませんでした。

そこで、農民達は一度にミルクを搾りきらずに、
搾乳量をごまかす為に2度に分けてミルクを搾っていたと言われています。

この行為をサヴォワ地方の方言で「Re-Bloche」と言い、
この2度目のミルクで作られたこのチーズの語源となったとD先生がお話されました。
もちろんフランス語でおっしゃるので、アシスタントの女性が通訳してくださったのですが、
D先生、終始満面の笑み。

やはり生まれ育った街のお話は、嬉しいのでしょうね。

おいしい出来事

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最終更新:2009年12月22日 23:39
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