盗作検証画像その5

「天文年鑑」2009年版表紙 他


2008年8月1日 シルクロード皆既日食のコロナ画像。


撮影データ
表紙写真:中国でとらえた2008年8月1日の皆既日食
ビクセン D103mm f795mm 屈折望遠鏡
ニコンD3 1/1000~1/2秒の画像を合成処理
中国ハミ地区にて, 宮城隆史氏, 宮城敦氏撮影.

撮影データ
皆既中のコロナ

宮城隆史さんのコメントより
この8月の中国シルクロード皆既日食の最新画像をお送りします。

タカハシSKY 90
EXQ-1.6× 800mm F8.8 ニコンD 700 露出1/2000~1秒 各3コマ
ステライメージ6 + フォトショップCS3 + ニコンCapture NX2
オリジナルのトランス・カラーコントロールテクノロジー使用で33コマコンポジェット合成
ISO 200 RAW
2008.08.01 19h08m07s~現地時間 日食前気温48℃

中国ハミ地区
撮影:宮城隆史様(写真家/沖縄県那覇市)
Photographer Takafumi Miyagi 


同じ画像が、郵便局(株)と近畿日本ツーリストによって2009年7月に企画・発行された「日食観測用グラス付フレーム切手」にも使われている(切手シート部分下段左から2枚目)。


キャプション(切手シート面右下)
撮影:宮城隆史 PSJ 社団法人 日本写真協会正会員

296 名前:名無しSUN[sage] 投稿日:2009/10/13(火) 22:33:21 ID:1aVqacjf
>287
じゃ、スキャンしなくていいね。
そういえば、このフレーム切手の切手シート面右下には、

撮影:宮城隆史 PSJ  社団法人 日本写真協会正会員

と入っている。
あと、日食グラスがハガキになっていて(顔をあてる側に
郵便番号を書くゲタとか印刷されている)、そのグラスを
台紙からはずすと、説明書が1枚折りたたまれて入ってる。
その中の写真も、現在盗作と判明してるやつが使われている。
(コロナ・ダイヤモンドリング・プロミネンス等)

・・・俺も記念になると思って買ったのになー。

でもJTBとか郵政とかはコンプライアンス的にやばいんじゃね?
このままじゃ。

※注:引用文中の「JTB」は「近畿日本ツーリスト」の誤り


元画像:SkyAndTelescope.com

これらの画像を重ねてみると、画像の特徴が非常によく一致する

  • コロナの流線構造が完全に一致している。Wong 氏の元画像は HDR 合成によってコロナの内外部の輝度差を圧縮する処理を行っているため、このような独自の処理を行っている画像のコロナが流線の細部まで別人の画像と一致する可能性はありえない。
  • 月の形の特徴が一致している。皆既日食では皆既中に月が太陽の前を西から東へ移動するため、皆既の初め頃と終わり頃の写真を合成しようとすると月縁が合わないことがある。Wong 氏の画像はコロナの微細構造を強調することを優先して、あえて月縁がずれたまま合成しているため、月が両極方向に長いレモンのような形になっている。この特徴は他の日食画像にはあまり見られないが、宮城氏が撮ったという画像にもこの特徴がはっきり表れている。
  • 例によってこの宮城氏の画像も元画像に内接するところまでわざと回転させている。これは宮城氏の他の盗作画像にも共通する特徴。(回転させることで盗用をばれにくくする意図?)

右側のプロミネンスについて

月の右側に出ているプロミネンスは、Wong 氏の元画像ではキノコのような「T」字型になっているが、宮城氏の画像ではもっと三角に近い形状になっていて一致しない。このプロミネンスについては手描きで修正した可能性もあるが、以下の画像によく似ていることから、この画像からプロミネンスだけを切り貼りした可能性もある。

プロミネンス元画像(?):spaceweather.com(撮影者:Elias Chasiotis 氏、撮影地:ロシア・ノボシビルスク)

ダイヤモンドリングありのバージョン

「天文年鑑」の表紙(= Wong 氏の元画像)とほぼ同じコロナ構造・レモン型の月でありながら、なぜかダイヤモンドリングのあるバージョンがやはり「宮城氏撮影」としてせんだい宇宙館に投稿されている。(SkyAndTelescope.com のギャラリーには Wong 氏のダイヤモンドリングの画像は存在しない。)


同じ画像がビクセン情報誌「So-Ten-Ken」にも掲載されている。

盗用先6:ビクセン「So-Ten-Ken」 2009年春号


これについては、上記のプロミネンスの件で登場したロシアの Elias Chasiotis 氏のダイヤモンドリングに形状が酷似していることが判明している。

ダイヤモンドリング元画像(?):spaceweather.com(撮影者:Elias Chasiotis 氏、撮影地:ロシア・ノボシビルスク)

ダイヤモンドリングは太陽が出現する直前の数秒間しか見られない現象で、1秒未満のタイムスケールで見た目や形・大きさが劇的に変化する。そのため、別々の撮影者が撮ったダイヤモンドリングの形状が酷似することは非常に不自然。

このことから、せんだい宇宙館と「So-Ten-Ken」に投稿された「ダイヤモンドリングありバージョン」は、Wong 氏の画像に Chasiotis 氏のダイヤモンドリング部分(とプロミネンスも?)を切り貼りして合成した「複合盗作画像」である可能性がある。
最終更新:2009年10月20日 02:49
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