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「医師法第16条の2第1項に規定する臨床研修に関する省令の 一部を改正する省令及び関連通知の一部改正(案)について」への 意見として、われわれ全国有志医学生の会(非法人化学生団体) は内容の再検討を要求し、そのための意見書を提出する。 >***<地域医療たて直しに本当に必要なのは医学部教育改革>  われわれは今回のように新医師臨床研修医制度だけが問題点であるかのように 卒後のキャリアパスだけに焦点を当てた改革では、 根本的な問題の解決にはならず不十分であると考える。  新医師臨床研修医制度は、医療崩壊の引き金にはなったがその本質ではない。 医学生が地方を去り都会に流出した背景には、そこで質の高い教育・研修環境が 整備されていないことにある。卒前教育にあたる医学部教育においても、 医局間のしがらみや、教官から強いられる理不尽ともいえる要求、 基礎教育の段階から教官の専門に偏った講義を受けているという意見は多くの大学で耳にする。 そのような医学教育を受け、ある学生は定期試験の過去問収集に明け暮れ、 そうでない中にはうつなどの精神疾患を患ってドロップアウトする者もいる。 また、6年生の多くも大学で行われる「見学中心」の病院実習にやる気を失い、 「諦めて」各自で国家試験の問題集を解いているのが現状である。 そういった「辛抱の6年間」を過ごした医学生は、教育・研修に関して飢餓感をもち、 多くが「(大学を含めた)環境から出たい」という理由で卒業後に都市部や 他の有名病院での臨床研修を選ぶようになった結果、大学病院離れが進んでいるのである。 貧弱な教育環境に失望した医学生がよりよい教育・研修環境に身をおきたいと考えることは、 より自らを高めていこうという堅固な意志の表れであり、 研修医の大都市・有名病院志向は十二分に納得いく流れである。 その一方で、国民が憲法で保障されているような健康で文化的な最低限度の生活を送るためには、 地域に医者が残りかつ適切な研修を行うための環境整備は必要不可欠であるのはいうまでもない。 卒前の段階から医学生が絶望せずにさらにモチベーションを高め、 より質の良い医師を養成するために教育・研修環境の改革や その根本となる医学部教育改革こそが必要であると考える。 ***<「臨床研修の見直し(案)」への意見> 今回の改正に関する意見・疑問点は次の2点である。 &bold(){1.各都道府県ごとの募集研修医の上限について}  この制度では各都道府県に募集研修医の上限を設けることで都市部に人材が集中するのを防ごう というものであるが、改定により上限が上がった都道府県(いわゆる地方)に、 都会で採用されなかった人材が都合よく流れてくる保証はない。 「研修医の募集定員に関する都道府県別の試算」の項目(17)に示す試算は、 募集上限に相当する人数の研修生が集まることが前提となっており、 特に現在医師不足といわれている地方にそれが充足できるという根拠が 全く不明瞭であり再検討が必要であるといわざるを得ない。 また、「都道府県別募集定員の上限」の考え方にある「全国の研修医総数に乗ずる重み付け」として 「医学部入学定員」を基準にしていることに大いに疑問を感じる。 前述の通り、入学者が卒業後にその県に残る保証がまったくない現状こそが、 地方におけるの医師不足問題の根本である。 それに対して調査や議論がどの程度なされたのか、その上でこの数式を出したのか疑問である。 さらに現在の医学教育では、地方に残る研修医は未熟な状態であるため 教育環境の整備なしでは「地域の希少な医師は未熟な研修医」となる可能性がある。 場合によっては上限により選考漏れしたいわゆる「二番煎じ」の研修医が地方に流れることも考えられ、 地域医療の質として安全かつ安心な医療が、現在の教育システムで維持できるのか疑問が残る。   また、本改正では医師不足の大きな原因である「地域の偏在問題」 には直接的な対応ができるとはいえない。 メンバーが在籍するある県の医師不足・偏在対策としては、 2年前に学士編入試験に3名の地域枠を設け、 さらに今年度の入学生から5名の一般入学地域枠を新たに設け、 卒後に一定期間県職医師として地域医療に従事することになっている。 しかし、まだ制度自体が模索中で、実質は自治医科大学卒業生医師の ローテーションで回っているという状況である。 自治医大卒の医師が義務年限を超えて地域に定着しない理由として 「現行のシステムでは(体力的にも医療安全の面からも)とても働けない」 という意見があるように、地域医療の建て直しには、 医療システムの抜本的な改革が必要であるのは明らかである。 &bold(){2.臨床研修病院の指定基準の見直し}  特に問題なのは、現状では「協力型臨床研修病院などと共同で満たす」という指定基準が、 改定案では臨床研修病院が「単独で満たす」という基準に改定された点である。 改定案でも詳細項目に「協力型臨床研修病院その他の医療機関と連携して 研修を行うこと」と記してあるにもかかわらず、 なぜ従来の基準を「単独で満たす」という文面に改定する必要があったのか。 臨床研修病院については従来通り、あるいはそれ以上入念に練られた 多病院・多医療機関と連携した臨床研修プログラムを関連機関と 議論してはどうか。特に、地方の高校出身でそのまま地方の大学医 学部に通い地方の医師になった場合、多角的な視点や柔軟性に富んだ人間性のかん養は 環境の面からして困難であると考える。 著者自身、地方出身で地元の医学部に通うが、病院研修での懇親会の際に 「地元を出たことがあるか」というのが まるで人間としての資質の指標であるかのように扱われた経験をした。 そのため、所属機関にかかわらず県自治体・大学病院・医局の枠を大きく超えて 研修が行えるように「超協力型臨床研修」とでもいうべき初期研修を検討してはどうだろうか。 &bold(){<提案>メディカルスクールによって地域医療の人材育成を}  研修プログラムの骨子にもなっている「医師として人格のかん養」についてであるが、 医師に必要な人格教育は卒前、つまり1回生ないしは2回生の 臨床をまったくやっていない医学生に行っても効果は期待できると考える。 筆者は春休みを利用してプライマリケアを行っている一般病院での研修を通して、 医学教育で盲点となっている「そもそも命とは何か」、「健康とは何か」、「病とは何か」 といった倫理的な体験を得たことに加えて、患者と密に接することで 必要な数々のコミュニケーションを学ぶことができた。 受け入れ先の看護師から「単位にもならないのにえらいね」と言われ、ここに教育改革の ヒントがあると考えた。また、地域医療を担う診療所の見学や研修を行うことで 学業のモチベーションを維持できている。 現在まで、医学教育は文部科学省、医師数・国家試験・研修制度は 厚生労働省の管轄であるという「縦割り行政」の長年のしがらみを感じてきた。 その「パンドラの箱」を開け、根幹の医学教育にメスを入れることを提案する。 筆者の経験から、医師に限らず多くの職種に必要な人格の形成には 大学時代の余暇をアルバイトや遊びに費やし社会勉強を通して行われることが多いといえる。 一方で、医学生は朝から夕方まで講義が詰まっており、 他学部の学生と比べてそのような自由に使える時間が少ないが、 日進月歩の医学を教育するにはこれでも講義時間は十分とは言えない。 以上より、一つの案として メディカルスクールの構想に似た学士編入の入学生の枠をさらに広げていくことを提案する。 現在すでに数校で学士編入試験が行われているが、各大学まだ制度については模索段階で、 地方に残る医師を求めるのか、多角的な研究能力を持つ医師を求めるのか基準があいまいであったり、 大都市に予備校ができ編入試験でも受験産業(しかも地域格差が大きい)が確立しつつあるのを 大学側が把握していないなどパッチを当てるべき場所は何ヶ所も残っており、 それらを検討したうえで目的に沿った学士編入試験が行われれば、 医師の質に関しても一定の効果が期待できると考える。 医療崩壊がすでに進んでいる地方の医学部に通い、 地域医療の取材を続けている体験から意見を述べさせて頂いた。 都市部はともかくとして、地方では患者は医者を選べない。 患者、しいては国民全体のQOL向上のためにも、 地域では都市以上に医学教育・研修制度を充実が必須であることを認識する必要がある。 単なる地域医療対策としてでなく、日本をとりまく医療問題の根本的な解決のためには、 卒前の医学教育の改革が必要であり、 研修制度と医学部教育の二刀流で改革を進めていくこと提案する。

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