第26話「洗車とメンテナンス~その1~」


ロードバイクを大切に思っておられる、もしくは速い速度で走りたい、さらにはあまりお金を使いたくないと思っておられるあなたは、きっと洗車とメンテナンスをされると思います。

とは言っても、どこをどうやって洗えばいいのか。
メンテとはどうやるのか。

今回は、そういった皆さんが気になる洗車とメンテナンスについて説明したいと思います。


まずクローラ周辺は、リンクがきっちり付いているかシューを見て確認します。
ファイナルドライブ周辺や、スイベルジョイント周辺から異音がしないかも確認します。
リアクティブアーマーが付いている車両は、取り付けがずれていないかも確認します。
内部は、エンジンオイル、オイルエレメント、ミッションオイル等の汚れ、量を確認し、Hタンクからサクション配管周りの汚れを取り除きます。
その後、メインバルブの電磁制御弁の反応速度を確認した後、電装周りが通電するか、ジャンクションで確認します。
ソフトは、姿勢制御ジャイロの安定を確認した後、FCSとシンクロしてるかを確認し、IRシステムとIFFの動作確認をします。


って、節子!

それ、洗車とメンテナンスやない!

戦車のメンテナンスや!!



っというボケはさておき。

まずはメンテナンスの仕方から。


各部品にガタが無いかチェックします。

ハンドル、ステム、タイヤなどをぐりぐりと触って見て、変な音がしないか確認します。

とりあえずはこれで大丈夫です。

ロードバイクはそんな簡単に壊れるものではありません。

あれこれといじっているうちにどのようにメンテすればいいかが大体分かって来ますから、そんなに不安にならなくても大丈夫です。

一応、よくある問題を列挙します。

Q.ペダルをこいでると、カチカチと音がする。
A.ボトムブラケットが緩んでいます。締め直してください。

Q.変速がキチッとできない。
A.大抵はワイヤーの延びですから、アジャストボルトを回して、調整してください。
それで不可能な場合はディレイラーの取付け位置が歪んだりしていないか、チェーンリングやスプロケットやチェーンに異常はないか確認した後、ディレイラーの変速幅を調整し、ワイヤーを張ってください。
ディレイラー調整の仕方は、シマノのサイトや個人サイトに載っていますので、見ながら頑張ってください。慣れです。慣れ。

Q.真っ直ぐ走りにくい
A.あなたが下手だからです。そうでない場合は、荷物が左右に偏っている場合があります。
それでもなければ、ホイールが斜めに付いている可能性があります。取付け直しましょう。
それも違うのならば、ホイールに振れが出ているか、ホイールに他の問題が発生しています。
それでもないのならば、たぶんあなたが下手です。


さてさて、メンテナンスの話ですが、注意点があります。

ど素人やそこら辺の自転車屋さんがやるのと、ロードバイク専門店の兄ちゃんがやるのでは乗り味が大きく異なりますので、レースに出る時はおとなしくレース用メンテを専門でしてくれるとこにメンテナンスを依頼しましょう。

また、全て自己責任になっちゃいますので、不安なら専門店に任せましょう。命を乗せて走るものなのですから。

続いて洗車の仕方。
これは大きく分けて2種類あります。


■水で洗う
■クリーナーで拭く

私は普段は拭くだけにしています。
泥がこびり付いてどうしようもない時は水で洗うようにしています。
プロの方は、水で洗うことが多いですね。
では、それぞれの具体的な方法を見てみましょう。

■水での洗い方
注意する点は、高圧の水をかけないことと、ハブ、ディレイラーなどのグリスアップされている部分には高圧の水をかけないことです。


●準備する物
1.ウェス(水に溶けちゃ駄目よ)
2.油用スポンジ
3.車体用スポンジ
4.中性洗剤
5.油(自転車用の粘度が高い物が楽ちん)
6.できたらブラシも

●手順
1.水をかけます。
2.洗剤で車体用スポンジを泡立てます
3.車体をスポンジでなでます!
4.水で流します
5.洗剤で油用スポンジを泡立てます
6.駆動部をスポンジでなでて、ブラシでゴシゴシします!
7.それっぽいとこを全体的に洗えたらOK
8.水で丁寧に流します
9.ウェスでフキフキします
10.注油します!

以上です!



え? 面倒くさい?


そのお気持ち、痛いほど分かります。
なので、水で洗うのはたまにやることにしましょう。

続いて、私がよくやる適当洗車です。

いらないネタをだらだらやっていたら長くなりましたので、また次回。




第27話「洗車とメンテナンス~その2~」


前回の続きです。

■適当洗車の仕方

●準備する物
1.クリーナー(パーツクリーナーとかブレーキクリーナーとかいう名前で、安かったら工具店で200円とかで売ってます。自転車専用のを買うと1500円とかするので、安物で我慢しましょう。)
2.ウェス(水に溶けないやつね)

●手順
1.クリーナーをウェスにシュッ!
2.ウェスで拭く

以上です。

まぁ、これだけだと皆さんに殴られそうな気がしますで、説明いたします。


●準備する物
1.ウェス(水や油に溶けないもの)
2.パーツクリーナー
3.自転車用油(粘度が高い物が楽)
4.ブラシ類


●手順

1.メンテスタンドにはめ、自転車を立たせます。

2.フレームやブレーキを拭きます。砂利などで傷付かないよう気を付けましょう。

3.クランクを逆回転させ、チェーンをクリーナーとブラシとウェスで綺麗にします。

4.チェーンリングを綺麗にします。

5.クランクを回転させ、リアをトップに入れます。

6.メンテスタンドを外し、自転車を逆さに立てます。

7.前後輪を外します。

8.スプロケットを綺麗にします。

9.2で見えなかった部分のフレームやブレーキを拭きます。砂利などで傷付かないよう気を付けましょう。

10.前後輪を取り付けます。

11.フロントディレイラーを綺麗にします。

12.リアディレイラーを綺麗にします。この時に、ガイドプーリーやテンションプーリーの汚れをキチンと落としましょう。

13.チェーンに注油します。

14.ホイールを綺麗にします。


いかがでしょうか?

どちらにしろ面倒くさいと思われたかも知れませんが、30分もかかりません。

最低限の洗車はしてあげるようにしましょうっ!




第28話「シマノコンポの感想とか評価とか」


一応書いてみました。
何かの参考になれば幸いです。

名前の由来とか歴史とかそういうお堅い話はウィキペディア百科事典にでも行ってください。


シマノコンポーネントのグレード別感想および評価


●DURA-ACE(デュラエース)
誰でもご存知ジュラさんです。8点セットで15万~20万ぐらいでしょうか。ジュラエースとか言う人に対して、「デュラエースだよ」とか言って、笑ってはいけません。昔はシマノ自身が「ジュラエース」とか言ってたんですから。
これ以上のレベルのコンポはシマノには存在しません。
世界のどこに行っても通用しますし、これさえあればプロ選手に真っ向からケンカ売れます。
変速もニュルンニュルンしますし、ブレーキの剛性も十分です。世界的に見ても極めてまれな製造、加工方法により、驚異的な軽量化が行われています。
中空にこだわって、ここまで軽量化と剛性をバランス良く設計できるのは、シマノだけです。
ただ、非常に残念なのが、外観的デザインが微妙という点です。
設計デザインは素晴らしいのですが、軽量化と高剛性とコストに阻まれて外観的デザインが制限され、非常に微妙です。
スーパーレコードとかREDは高級感があるのですが、ジュラさんは地味です。非常に地味です。
これが残念です。(質実剛健なデザインなので、わたしは大好きですが)
あと、値段がいきなり高くなります。
アルテグラのほぼ2倍します。
財布に優しくありません。


2009年に、電動で変速するDURA-ACE 7970(エレクトロニック シフティングシステム Di2)を発売しました。
極めて軽い力でほいほい変速します。

雰囲気は、フロントリアの変速とも機械らしい素直な移動をします。何と言ったら通じるのか分かりませんが、こう、スーっと平行移動するような感じで。
真面目な大学生が答えが分からなくなった時に、マークシートの1番だけを連続してスッススッス塗りつぶして行くような、何かそんな感じです。余計分からなくなりますね。すみません。


勿論、リアよりもフロントの方が移動量が大きいので、雰囲気的にはリアが「ほいっ。ほいっ。」というような変速で、フロントが「おいしょっ。どっこらさ。」って感じです。

うーん、何と言って良いやら。
音的にはリアが「ヌッ、ヌッ」という変速で、フロントが「ウィーショ!」って感じです。
フロントの変速はちょっとうるさいです。耳に近いからそう聞こえるのかも知れませんが。

レスポンスが軽く、フロントもリアの変速も全く同じ感覚で変速できますので、使い勝手は良いと思います。

ただ、シフトダウン時にブレーキレバーをぐいっと倒さないため、操作感は物足りないかもしれないです。

いや、実戦用ですから操作感もくそもないですが。

プロ選手が結構使い始めていますから、バッテリーで重くなっても、雨で電気的な故障が不安になったとしても、それを超えて実戦で使えるということなのでしょう。

個人的には、スプリングやギアという機械ものだけに頼る自転車に、電子制御という概念を持って来るのはタブーだと思います。


●ULTEGRA(アルテグラ)
8点セットで8、9万というところでしょうか。SLなら+5000円ぐらいですかね。ちなみにSLは、SuperLightの略です。
ぶっちゃけ、値段を考えるとこいつが最強だと思います。
プロの方々は実戦ではジュラを使いますが、練習とか個人のバイクはアルテグラSLの方が多いです。

自己満足でジュラはいいかも知れませんが、実戦はアルテでも十分です。(耐久性は違いますが)

様々な点で微調整ができないと嫌だとか言う方はアルテではダメだと思いますが。

ぶっちゃけ、そんないいもん買っても実感できる人は数少ないですし、きちんとメンテして常に最高の性能を引き出せる方もあまりいないんですから、アルテで十分です。
ジュラを買う金があったら、ホイール買った方が速度も上がるってもんです。

変速、ブレーキともジュラと大差ないです。


●105(イチマルゴ)
8点セットで5、6万というところでしょうか。
変な名称ですが、10段変速できる5番目(5000系)のコンポなので105と呼ばれていたのが、そのまま名称変更していないというだけです。
人によって呼び方が様々で、ジュウゴ、イチゴとか言う人もいます。自転車屋はイチマルゴと言います。

本気でレースに出場し、数々の戦場を戦いに行くおつもりなら、こいつが最低でも必要です。
まぁ、機材進化は一番最後と言いますから、105で幾多のレースに出場し、アルテに載せ替える時は、完全にプロ選手とケンカ売れる状態にあると言えます。
まぁ、お金があるからアルテやジュラを買う人もいますが。そんな羨ましい人は放っときましょう。
ブレーキはジュラと比べて剛性が劣りますので、ブレーキアーチだけデュラにしてもいいかもしれません。
微調整も可能になりますし。
とりあえず、こいつでとことん自分をいじめれば、上位コンポを使った時に、それで培った能力が生きてくると思います。
初心者用とか、入門用とかほざかれてますが、そんな口車に載せられてはいけません。
プロでも使っていける機材です!


●TIAGRA(ティアグラ)
8点セットで、5、6万といったところでしょうか。
普通にニョロニョロ変速します。105と大差ないです。
1万ぐらいしか変わりませんので105を買った方が無難かな、と思います。
こいつと一個下のソラはオプティカル・ギア・ディスプレイが搭載されています。
これは、ギアが何段目に入っているのかを教えてくれる表示装置のことです。
シフトブレーキレバーブラケットの一番前に赤いちょぼがあって、そいつが右往左往します。
これさえあれば、「インナートップのままずっと走ってた」なんてミスが無くなります。なんちゃって。
ぶっちゃけ不必要な機能です。
この機能があるのはティアグラとソラだけですので、人から「今ギアが何段目に入っているのか確認しなければいけないのは初心者だけだ!」と言われて、いじめられたりして。なんちゃって。
そう言う人には、「いいえ、プロもフライトデッキで確認したりしています。これがあることによって、今自分の脚力がどれぐらいの状態にあるかが把握できるんです。」とか何とか言って、文句を垂れてやりましょう。
ちなみに、私はギアが何段目なのか見たことはありません。フロントインナーを使うことが全くと言っていいほどありませんし、重ければシフトダウン、軽ければシフトアップするだけなので、見ないですね…。


●SORA(ソラ)
8点セットで、4万ぐらいです。
ティアグラと比べると、変速動作とかに安っぽさが感じられます。
感覚的な問題なので説明できませんが。
オプティカル・ギア・ディスプレイが搭載されています。


●2200(ニセンニヒャク)
うーん。これが付いているのをロードバイクと呼ぶのはかなり難しいんじゃないかなと思います。
勿論、安くて性能も良いです。


●A050(エーゼロゴーゼロ)
2200と同じく、何だこの変速機っという感じです。
あ、勿論品質は良いです。



■まとめ

全体的にシマノのコンポーネントは安くて高性能です。

また、極めて安定した製品を安定して供給し続けていると言えます。

どんなに安いディレイラーでも、変速できずに困ることはありませんから、シマノが世界一というのもうなずけます。

ではでは。




第29話「ロードバイクのホイール」



美結「新しいホイールを買いたいが、何を買えばいいのか分からないっ! って方、沢山いらっしゃると思います。私もその一人です。っというわけで、質問と答えの形式で扱ってみたいと思います。では、よろしくお願い致します。簡潔にお答えください」
涼子「はい」
彰人「はい」


美結「ロードバイクを買った時に付いてくるホイールはダメなのですか?」
涼子「最悪!」
彰人「たぶんシマノさんの一番安いホイールが付いてると思うんだけど、コストパフォーマンスは最高だよ。安くてよく回るし。ただ、5万ほど払えば、格段に違って来るからね。交換した方が速くはなるよ」


美結「完組みと手組みは何が違いますか?」
涼子「何々? 何のグミって?」
彰人「工場で組み立てるか、自転車屋や自分で組み立てるかです」


美結「完組みのメリットデメリットを教えてください」
涼子「外見がかっこいいわね」
彰人「メリットは、スポークが少ない分重量が軽い、外見がかっこいい。デメリットは、スポークテンションが高いため、万が一スポークが折れた時に自分で修理は不可能。レースで走るなら、(完組みでも手組みでも)2年に1回はスポークを張替えた方が無難だから、(完組みは)コストがかかるかな」


美結「手組みのメリットデメリットを教えてください」
涼子「外見がかっこ悪いかな」
彰人「メリットは、好みのリム・スポーク・ハブを選ぶことができる、乗り味が調整できる、スポークが折れても少しの間乗れるように調整できる、安い。デメリットは、ちゃんと組むには熟練した腕がいる、専用工具が必要」


美結「完組みと手組み、どちらがオススメですか?」
涼子「りんご味のグミ!」
彰人「レースに出るなら完組み、ツーリングやトレーニングや通勤なら手組み」

美結「アルミとカーボン、どちらがオススメですか?」
涼子「マグネシウム!」
彰人「剛性の高さならアルミ。空力や軽量さならカーボン。通勤やツーリングはアルミ、レースはカーボンかな」


美結「ディープリムは、横風の影響がすごいと聞いたのですが?」
涼子「ディープキスは舌の感じがすごいわよ」
彰人「あまり気にしなくていいけど、体重が60kg以下の人は、きついというテスト結果もあるみたい。ヒルクライムの時は加速が鈍るので注意」


美結「値段が同じなら、重量が軽い方を選んだら良いですか?」
涼子「重量が軽いのはいいけど、尻軽なのは困るわね」
彰人「用途により違う。スポークが多くて重いなら、衝撃に対して強く、固い乗り味のホイールができる。あまりに少ないのは、衝撃に弱いこともある。また、スポークの種類によって、例えば、バテッドなどと書いてある場合は、少しの耐衝撃性能を犠牲にして、軽量化および低空気抵抗化を図ってある。完組みの場合は、ハブを必要以上に軽量化することによって、そのカタログを見た人が軽量なホイールだと錯覚する場合もある。大事なのはリム、スポーク、ハブのそれぞれの重量を見ること。ハブが異様に軽いのは壊れやすいかも知れない」


美結「やはり重量が軽い方が速度が出ますか?」
涼子「え? 何の速度?」
彰人「用途により違うし、ハブ、スポーク、リムによっても違うから、何とも言えない。ヒルクライムの場合は軽いリムが望ましいから、同じ重さのホイールでもリムが高いものは選ばない。タイムトライアルなどで停車しない平地ならば、巡航しやすいリムの高いカーボンホイールが良い。街中でスタート&ストップを繰り返すなら、耐久性が高く軽いアルミリムが良い。回転抵抗の多いハブは、どれだけ軽くても速度が出ない。ハブの重さはリムの重さほど影響を与えないから、そこまで気にしなくても良い。バテッドスポークの方が整流効果があるから、少しだけ速くなる。だから、軽量=速いではない」


美結「ツーリングは巡航性能が高いと言われるホイールの方がいいですか?」
涼子「え? 初体験がいつかですって? それはね…」
彰人「その巡航性能がいいとか言うのはいまいち理解できないけど、下手くそな(円運動で漕げていない)ペダリングの人は、いわゆる勝手に回るホイールがいいと思う。断続的なペダリング負荷をホイールがスムーズに受け止めてくれるから。ペダリングスキルを上げたいなら、いわゆる巡航性能がいいとかいう奴は避けた方がいいかもしれない」


美結「ホイールは結構壊れやすいと聞いたのですが?」
涼子「今まで付き合った男たちの精神よりはタフよ~」
彰人「完組みより手組みの方が壊れやすいのは事実。アルミよりカーボンが壊れやすいのも事実。だけど、保険もあるし、そんなポンポン壊れるもんじゃない。体重が極端に重いか、ロードバイクをMTBのように扱う人のホイールはすぐに壊れるか歪む。まぁ、どの道2年ごとにスポークを張り替えるし、ハブのグリスアップもするから、あまり気にしなくてよい」


美結「保険でメーカーを絞ってからホイールを選んだ方がいいですか?」
涼子「えっ? 何々? ナニを絞るって?」
彰人「気にしなくていい。どこも似たり寄ったり。大きく違うことはない」


美結「メーカーによる違いでホイールを選んだ方がいいですか?」
涼子「ふぁあ、眠くなってきたぁ~」
彰人「気にしなくていい。確かに、シマノで統一してるのに、ホイールだけカンパとかは変かも知れないが、結局は個人の好み。このメーカーだから極端に壊れやすいという物はなく、大体値段通りの価値がある。」


美結「ホイールの購入時に気を付けることを教えてください」
涼子「Zzz」
彰人「イベント等に行って試乗し、自分好みの乗り味とデザインを探した方が後悔しない。カーボンリムはカーボン用のブレーキパッドを使うから気を付けて。後、自分のスプロケに対応してるかどうか確認すること。購入時は割れやキズが無いか確認すること」


美結「ありがとうございました。最後に何かありますか?」
涼子「う~ん。ムニャムニャ。いやん、そこは違う穴よぉ~Zzz え? わたしのニップルが何て~?」
彰人「できれば手組みをオススメする。外見は悪いかも知れないし重いかも知れないけど、安いし、何と言っても自分で組むと世界が広がる。出先でスポークが折れても応急修理で走れるし。せっかく自転車と出会ったんだから、可能な限り自分の手でアップグレードして行って欲しい。バイクも。そして自分自身も。ま、とりあえず、この女はいらないと思う」

美結「私もそう思います。ありがとうございましたー」

涼子「いやあぁ、うふふ~」




第30話「レーサーパンツとすね毛」



美結「先輩~!」

彰人「あ、おはよー」

美結「先輩、脚見せてください! 脚!」

彰人「ちょ、いきなり何!? えっ!?」

美結「あー! ほんとだ!」

彰人「だから何っ!?」

涼子「バイク乗りはすね毛を剃るって言ったのよ」

彰人「あ、お前か! またいらんことを!」

美結「つるつるですねー。筋肉で堅そうだし」

彰人「いや、そうでもないよ」

涼子「別の場所はもう堅いけどね」

彰人「で、もう裾を下ろしてもいいかな…」

美結「あ、はい。ありがとうございますー。でも何で、男の人はすね毛を剃るんですか?」

涼子「生えてない方が興奮するからよ」

美結「えっ!? 興奮!?」

彰人「いやいや、お前いらんこと言うなよ。美結ちゃんも信じてんじゃない」

美結「何か意味があるんですよね?」

彰人「うん。まぁ、マッサージがしやすい、怪我をした時にひどくなりにくい、薬が塗りやすくて手当てがしやすい、テーピングができる、見栄えがいいとかとか、いっぱい理由はあるね」

美結「へぇー。毎日剃るんですか?」

彰人「いや、ツーリングとかチーム練習とかレースの時だけだね。普段は剃ってないよ」

美結「カミソリでですよね?」

彰人「うん、そうそう。風呂場で」

美結「へぇ~。私も剃った方がいいですかね~」

彰人「いや、美結ちゃんは生えてないし」

涼子「アソコもね」

美結「いや、産毛を剃った方がいいかなーって」

涼子「えっ? 少しは生えてるの? 大人ねぇ~」

彰人「いやいや、すね毛の話だろが。女の子は剃らなくていいと思うよ。もしも剃るなら、皮膚を痛めないように、温めてクリームを塗ってからね」

涼子「そうそう、ローションもね」

美結「はいっ!」

彰人「・・・・・・」

涼子「そうそう美結ちゃん、こいつはねー、レースの時、下に何も穿いてないのよー」

美結「えっ!? 下半身すっぽんぽんなんですか!?」

彰人「すっぽ・・・いや、違うって! レーサーパンツ穿いてるし!」

涼子「そう! レーサーパンツ1枚しか穿いてないのよー。しかも、そのパンツはピチピチだから、大事な部分がくっきりと…」

彰人「いや、そこまでピチピチじゃないから! 外から見ても全然分からないから!」

美結「…」

涼子「あ」

彰人「あ」

涼子「あーあ。赤くなっちゃった」

彰人「お前がいらんこと言うから…」

涼子「美結ちゃん、大丈夫よ。私と彰人は毎晩一緒の布団に入るんだから」

美結「えっ!? 同棲、してるんですか…?」

彰人「違う違う! 俺一人しか家に住んでないって! 何でそんな流れになるんだよ!」

涼子「そう、寂しくなったら毎晩私を呼ぶのよ。こいつは」

彰人「それはバイクで走るからだろが!」

美結「あの、な、何で、」

涼子「ん?」

美結「レーサーパンツ1枚で走るんですか?」

彰人「やっぱり、長距離を走るのに、パッドが入ってるから楽だし、気にならないような縫い方や、放熱性もよく考えられているからだね。トランクスとかを穿くと汗が乾かなくて冷えるし、ベタベタするからね。…あ、レースの時だけだよ! ツーリングとかはちゃんと穿いてるよ!」

涼子「私と寝る時は何も穿いてないけどね」

美結「えぇっ!?」

彰人「だからお前と寝たことは一度も無いだろが!」

涼子「ひどい! 毎晩弄んだくせにっ! 私をひぃひぃ言わせたのは遊びだったのね!」

彰人「ひぃひぃ言ってたのはお前の体力が無くて、付いて来れなかったからだろが!」

美結「えっ!? ひぃひぃ言わせてたんですか!?」

彰人「違う違う! バイクの話!」

涼子「そう! まるでバイクに乗るかのように、私の上に跨って、」

彰人「いい加減にしろっての!!」

涼子「ひどい! 私のこのスタイルのいい体を毎晩のように痛めつけておいて!」

彰人「それはお前が好きでやってるんだろが!」

美結「えぇ!? 痛めつけてるんですか!?」

彰人「だからバイクの話だって、何回」

涼子「そう! バイクに乗るかのように」

彰人「うるせぇっ!」

美結「えぇっ!? 涼子さんに跨ってるんですか!」

彰人「誰か助けてくれぇえええ!!!!」



最終更新:2013年05月01日 20:46