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0500140:鍋山 雨花子

  • 回避用

打たれてばかりというのが性に合わないのは、相手も同じこと。
敵は速やかに攻撃行動を開始した。

そもそも相手はこちらが宇宙に上がることを阻止すべく、攻撃をしかけようとしてきた。
相手から見れば攻撃対象が増えただけの話だ。
そして狙いがこの瞬間に、こちらを向いただけで。

しかしただひたすらに相手を撃ち落とすことを考えてきたものの、部隊のメンバーは何度となく戦場を駆けてきた身である。
戦であればこちらもまた相手に撃たれることもあるということがわからない人間は、ここにはいなかった。

パイロットたちに、通信端末を通して聞きなれた声が届く。

「攻撃きたよ!鍋ショ隊回避ー!!」

今回の作戦には、国民が愛してやまない鍋の藩王自らオペレーターを買って出ていた。
常ならば聞くものの心を安らがせるその声は、戦場では生きる未来を指し示す羅針盤であり、命綱でもある。
刻々とコンマ秒単位で変位する敵と味方の配置、敵の攻撃軌道予測、残弾、燃料残量等のデータを次々と配信してきているのは、王と猫士たちだった。

「了解!」
「回避!」
「いっけーー!!」

対空仕様の鍋ショたちは、一斉に回避行動をとった。
攻撃を受けようと、その苛烈な刃に当たらなければいいだけのこと。

鍋ショ防空型にはミサイルを装備するためのI=D側の調整を行う際に、駆動系・内燃機関の負荷を確認し、装備の重さで機動力が落ちないよう最大限のチューンアップも施されている。
鍋ショは猫のように軽やかに、且つ俊敏な動きで赤の軍勢の攻撃をかわしていった。



イラスト


鍋 ヒサ子


  • オペレート用



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