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SAIで群集の影(ハイライト)塗りマニュアル(Ver.5)


047系解説テキスト5人ダンスまとめVer.6.xls
↑を元に作業を進めてください。必要に応じて改変してください。

群集パレットを使用する1シーン(または一連の動き)はSAIをメインで使用し、複数の人間で分業して塗り上げていくことを前提にしています。

※ここでは便宜上群集シーン=5人ダンスシーン及び047系、という意味で使っています
※このまとめのやり方で誰が塗っても問題が起きないように、気がついた方は随時修正をいれてください。

※β2(d)からsai形式保存の仕様が変更になり、 β2(d)以降で保存した.saiファイルはそれ以前のバージョンでは読めなくなりました。
β2(d)以降のバージョンならどのバージョンで保存したファイルも読み込むことができるので、必ず β2(d)以降のバージョンを使用してください!


SAIは開発中のソフトですので最新バージョンが常にベストとは限りません。
使用期限更新版を上書きする場合はそれを念頭に置いて、以前のバージョンをコピーしてとっておく等の対策を各自しておいてください。

目次



分業工程の大まかな流れ


例として『全20枚の群集シーンを分割し、そのうちの1枚目~5枚目を作業する』とします。

工程 作業内容 作業者
0. 20枚を作業がしやすいようにキー線画を決める ★最終調整する職人 が中心となって考える
1. キー線画のみベース塗り ★塗り初心者 でもOK、使用ソフトもPSD保存ができれば何でもOK
2. SAIでキー線画の境界線を描き、影塗りをする ★最終調整する職人 が作業
3. 2、3、4枚目のベース塗りをする ★塗り初心者 でもOK
4. 2、3、4枚目の境界線作成(影割り)と影塗りをする ★中割経験のある職人 ならできそうだが、影の調整の難易度はやや高め
5. 20枚分全てのデータが揃ったら最終調整をして確認
→PNG-24(αチャンネル透過)化
★工程2の最終調整する職人 が担当

PNG化は ★画像処理職人 に依頼しても可

この5工程に作業を分けて分業していきます。
以下より詳しいやり方の説明です。


分業工程

工程0~5までの詳細を説明します。

工程0.20枚を作業がしやすいようにキー線画を決める

作業者: 最終調整する職人 のみ
使用ソフト:PSDで保存ができれば何でもOK

キー線画を1、5、9、13、17、20枚目の6枚とすると、1~5、5~9、9~13、13~17、17~20の5つのグループに分割できる。

  • キー線画とキー線画の間の線画が1~3枚になるようにグループ分けする
  • 工程3、4の職人が作業しやすいようにするため、分割した各データの最初と最後に見本となる塗りと境界線がある
  • 前のグループとかぶっている塗りがあることで、グループ毎のつなぎもスムーズになる

分割は実際の動作や割りの枚数とも関連するので、いつもこの例のようにできるかはわからないが、分業をスムーズに進めるためには上記の3点は押さえる必要アリ。


工程1. キー線画のみベース塗り

作業者: 塗り初心者 でもOK
使用ソフト:PSDで保存ができれば何でもOK

  • 1ファイルで線画5枚分までとする(SAIのレイヤー枚数上限(256枚)の関係上)
  • 瞳レイヤーは必ず一番上に作ること
  • アンチエイリアスを使用せずに塗ること
  • 二値化線画は影塗りでも使うので、必ず残しておく!
  • 線画が非常に細かいのでフォトショ等のパスを使ったベース塗りは、できれば避けたほうが良い(塗り残しが多発しやすい)

      ↓
      ↓次の作業者へ.saiまたは.PSD形式でデータを渡す
      ↓

工程2. SAIでキー線画の境界線を描き、影塗りをする

作業者: 最終調整する職人 のみ
使用ソフト:SAI

  • この作業をする人が最終的に20枚全体の調整役となるので、ここで一気に全部のキー線画の境界線を描き、影塗りも行う。ただし1ファイルでキー線画5枚までとする。
  • ベース塗りデータがレイヤーセットを使用していない状態で受け取った場合は、やりやすいようにレイヤーセットを使って整理していく。

まずは1枚目から作業開始

(1)境界線を描く
  • 境界線はパスで描くので保存形式は.saiに変更
  • 境界線を描く時は以下の状態で描くこと。この状態で描くと後で修正しなくても選択範囲の閉じ漏れはまず起こらない
    • 通常線画は非表示で二値化線画を表示
    • 筆圧はなし
    • 境界線の太さは1.0、
    • 合成モードはカラー二値化
    • 不透明度は40%

※境界線は最終的には非表示にするので黒以外なら何色でもOK
※細かくなるが肌影の境界線も描くこと
※垂直・平行に近い曲線は稀に切れてしまうことがあるので、その時は制御点をいじると再び繋がる

(2)白目、瞳の中をフリーハンドで塗る
  • 群集は線画が細かく、こういった部分は境界線が描けないのでフリーハンドで塗る
    鉛筆・エアブラシツールのどちらを使用してもいいが、ブラシの形状は必ず一番右の最もボケの少ないものにする。消しゴムも同様。
  • 白目レイヤーは瞳レイヤーの直下に作ること
  • 瞳ハイライトは瞳ベース塗りレイヤーとは別レイヤーに塗った方が無難
    「下のレイヤーでクリッピング」(グループ化機能)を活用すると便利
  • 瞳と白目をひとつのレイヤーセットに入れ、名前を「目」にしておく
    この後「目」レイヤーセットをコピーして使いまわしていく
  • 肌影のフリーハンド塗りは基本は不可とする

(3)バケツで影とハイライトを塗る
  • 各ベース塗りレイヤーは必ず「透明部分の保護」をする
  • 二値化線画と二値化境界線を表示
    二値化線画が無かった場合は作っておく(やり方はSAIでベース塗り参照)
  • バケツツールの設定は
    • 領域抽出モードが「色差が範囲内の部分」
    • 色差の範囲は±25
    • 領域抽出元は「キャンバス」にチェック
    • アンチエイリアスもチェック
  • バケツツールでベース塗りレイヤーに直接塗る
    鋭角部分や線が込み入っている部分は拡大すると1、2ドットの塗り残しがあることが多いので、塗り残しの無いようにバケツで塗っておくこと。
    そういった部分の手を抜かないことによって綺麗な鋭角が表現できる。
    間違って境界線部分をクリックすると境界線の下が塗られてしまうので、充分拡大(500~800%程度)してからマウスで行うとやりやすい。

※いきなり境界線を描くのはイメージがつかみにくいという人は、先にフリーハンドで影塗りをして、それを元に境界線を描いてもOK。フリーハンド塗りの際は修正しやすくするため、ベース塗りレイヤーとは別レイヤーに「下のレイヤーでクリッピング」(グループ化機能)を活用して影を塗ること。

(4)細部を手直し
基本的には(3)のやり方でかなり綺麗に仕上がるが、稀に鋭角な部分に穴が開いたような塗り残しが起きることがあるので、境界線を非表示にして確認し、極細い鉛筆ツールで修正。ただしやり過ぎない事。
50%に縮小した時わからない程度ならスルーでOK。

(5)次の境界線を描く
次の境界線を描く時は、1枚目(または似たポーズ)の境界線をコピーし、それを元に描いていくと通しで見た時のブレが防げる(線画の中割と同じ)。
「マクロ変形制御点ON/OFF」と「ストロークマクロ変形」を活用すると更に線の細かいヨレが防げる。

(6)(3)と同じ要領で塗る

(7)1枚目の「目」レイヤーセットをコピーして使いまわす
サイズ変更・自由変形・回転をするとエッジがぼけたり変色したりするのでやや注意が必要。
  • 白目や瞳はとても小さいため変色等も目立ちにくいので、少々の変形ぐらいなら大丈夫
  • 明らかに顔の向きが違う場合は潔く新たに塗った方が無難
  • ただし瞳ハイライトの配置がズレると意外に目立つので注意!

以降これを繰り返していく。
途中でレイヤー枚数上限に引っ掛かるかもしれないので、レイヤーやレイヤーセットを増やし過ぎないように。

(8)GIFアニメでチェック
チェック終了後、1枚目の影をフリーハンド塗りしていた場合は、「目」レイヤーセット以外バケツ塗りでやり直しておくこと。

     ↓
     ↓ 次の職人へ.sai形式でデータを渡す
     ↓

工程3. 2、3、4枚目のベース塗りをする

作業者: 塗り初心者 でもOK
使用ソフト:SAI

  • 1枚目と5枚目以外は担当外なので削除
  • 2、3、4枚目のPNG線画を1枚目と5枚目の間に追加する

ベース塗り
  • 二値化線画でバケツ塗り
  • 線画と各キャラごとベースカラー分のレイヤーを準備
    二値化線画の作り方はSAIでベース塗りを参照
  • バケツツールの設定は
    • 領域抽出モードが「色差が範囲内の部分」
    • 透明とみなす範囲は後で影塗りするときに±25にしないといけないので±25に設定(実際はこの作業での数値はほとんど関係ない模様)
    • 領域抽出元は「キャンバス」
    • アンチエイリアスはチェックを外す
    • 線画の色に近い背景、ムラのある背景は作業に支障をきたすので絶対に不可
      鋭角部分、線の込み入った部分の塗り残しに注意

※各ベース塗りレイヤーは必ず「透明部分の保護」をする

     ↓
     ↓次の職人へ.sai形式でデータを渡す
     ↓

工程4. 2、3、4枚目の境界線作成(影割り)と影塗りをする

作業者: 中割経験者 ならできそうだが、影の調整の難易度はやや高め
使用ソフト:SAI

(1)境界線を描く(影割り)
  • 工程2の(1)と(5)の要領で2~4枚目の境界線を描いていく

(2)影塗り
工程2の(3)(4)(7)の要領で作業する。バケツのアンチエイリアスのチェックを入れるのを忘れずに!

塗りあがったらGIFアニメでチェック。スレで指摘があれば修正していく。なるべく境界線から修正するのが望ましい。

     ↓
     ↓ 工程2の作業者へ.saiでデータを渡す
     ↓

工程5. 20枚分全てのデータが揃ったら最終調整をして確認→PNG化

作業者: 最終調整する職人 、画像の縮小・透過作業は 画像処理職人 に依頼も可
使用ソフト:SAI、その他

最終調整は作業者のやりやすいようにやればOKです。微妙な修正ならフリーハンド修正の方が楽かもしれないです。後悔しないように忘れずに.saiでの最終保存を行いましょう。

最終調整が終わったら
  • 境界線は非表示(または削除)
  • 二値化線画は表示したまま (※1)
  • レイヤーセットを統合してからPSDで保存 (※2)
  • フォトショップまたはGIMPで背景透過のPNG-24で保存 (※3)

(※1)SAIでベース塗りをすると二値化線画の下には色が塗られていないため
   通常線画だけだとその部分が微妙に半透明化してしまう
   必ず二値化線画を表示したままにしておくこと
   線画の下にベース色が入っていて更に二値化線画を表示しても特に害はないので
   ベース塗りの状態がどうであっても二値化線画は表示のままで!

(※2)GIMPはレイヤーセット機能やグループ化機能がなく、
   それらが使われたデータを開くと全て解除されてしまうし、
   フォトショップはバージョンによってレイヤーセット機能に差があって
   開けたり開けなかったりするため
   SAIでPSD保存する段階でレイヤーセットは統合しておく
   統合の仕方は1枚分の線画・塗りの入った最上層レイヤーセットを一発で統合する

(※3)SAIは縮小があまり得意ではないようなので、縮小はフォトショップかGIMPで行う
   この作業は 画像処理職人 に依頼しても可


以上で分業は終了です。
状況により工程3と4の作業を同じ人が行ってもいいと思います。
一見境界線やバケツ塗りの設定が面倒そうですが、最初に設定してしまえばいじる必要はほぼ無く、いじるのはベース塗りと影塗りでアンチエイリアスを切り替えるだけです。


群集シーンの影塗り分業をSAIで行う長所と短所


◎ 長所 ◎


  • 製品化前のテスト版を無償で使用できる
  • パス線が描ける
  • スレに使い慣れた人が多い
    ……機能面での質問がスレであった時答えられる人が多い→作業者が不安になりにくい
  • 扱いが比較的容易なので初めて使う人も覚えやすい
  • 多階層レイヤーセットを作ることが可能
    ……頻繁に前後の絵を見て比較するので、レイヤーセット機能がないと確認の度に数十枚のレイヤーをさかのぼり、表示非表示を切り替えなければならないが、レイヤーセットでレイヤーをまとめてしまえば簡単楽チン→精神的負担が大幅に軽減
  • グループ化機能(下にあるレイヤーの透明部分をマスクとして扱える機能)がある
    ……「下のレイヤーでクリッピング」という機能がこれにあたります。フリーハンド塗りの時に非常に便利です。


◎ 短所 ◎


  • レイヤーが256枚までしか作れない。レイヤーが256枚以上あるデータも開けない(レイヤーセットもレイヤー1枚としてカウントされる)
対策→→作業者の負担、データの重さ等を考えても基本的に1ファイルで線画5枚以下、
    5人のシーンは前列と後列に分けてキャラ数は3人までが理想です
    線画5枚で、瞳など一部を除き影塗りをベース塗りレイヤーに直接塗れば
    256枚以内に収めることができます
    それでも無駄なレイヤーを作っている余裕はあまりありません

  • パスを選択範囲に変換することが出来ないので、多少塗り残しが起きる可能性がある
対策→→バケツ塗りの時、鋭角部分や線が込みいっている部分の1、2ドットの塗り残しを
    拡大してきちんと潰しておけば、後の手直しはほぼ必要なくなります
    実験ではバケツ塗り後のフリーハンド修正一切ナシで綺麗に仕上げることに成功しています


フォトショップ、GIMPとの連携問題


  • 多階層レイヤーセットを活用することが前提となっているので、他のソフトととの連携作業が難しい
  • 二値化線画でアンチ有塗りという組み合わせでこの仕上がり状態になるのはSAIのクセのようなので、工程4の影塗りをSAI以外のソフトでやると仕上がりが変わってしまう可能性がある?
  • パス情報の共有ができない ―→ 修正の可能性を考えると、最後にPSD化する直前までパス情報は生かしておきたい

作業のわかりやすさと仕上がりを優先すると、工程2~5の作業は一貫してSAIで行うことにした方が良いのではないかと考えています。各ソフトユーザーごとに担当シーンを棲み分けした方が結果的に職人さんの負担も少なくなりそうです。