196 :わし♀ :2007/01/08(月) 08:24:31.36 ID:q/RPvwc90
「明日からは俺も鍵持ってくわ」
妹「合鍵あったっけ?」
「たしかその辺の棚にしまってあるはずだが」
妹「鍵とかはこの棚だよね……と、あった」
「ヘイパス。……どうも」
妹「でもそんな心配しなくても、もうこんなに遅くなることはないと思うけど」
「あるだろ、お前だって年頃なんだから」
妹「彼氏の一人もいないのに?」
「彼氏はいなくても友達はいるんだろ」
妹「…まあ、友達がいるから遅くなったわけだけどさ」
「これは門限とか考えておくべきだな」
妹「うわ、何それ。お兄は私の親か何か?」
「兄だ。親代わりでもあろうとしてるが」
妹「……なら日頃からそれらしく生きてよ」
「生意気なこと言う奴だな。そんなお前には門限七時の刑だ」
妹「…七時を過ぎたらどうなるの?」
「一回につき小遣い千円カット」
妹「ひどっ!額を減らすかもう少し後の時間にしてよ!」




201 :ももんが♀ :2007/01/08(月) 08:37:05.30 ID:q/RPvwc90
「ま、門限とかはこれからのお前を見て考える」
妹「滅多なことじゃ遅くならないって」
「学生の時分はその滅多なことが多々あるんだよ」
妹「お兄には門限なんてなかったのに…」
「お前は見た目だけなら可愛らしい幼女だからな。その手の層に
狙われたり攫われたりされるかもしれん」
妹「誰が幼女か!」
「じゃあ身長何センチだ」
妹「ひゃくよん――っ、百五十センチ…くらい…かな」
「……」
妹「……」
「……」
妹「……」
「……実際は?」
妹「百五十センチ……」
「……」
妹「……おまけして四捨五入すれば」




202 :トリケラトプス♂ :2007/01/08(月) 08:45:40.01 ID:q/RPvwc90
「幼女に分類できるな」
妹「でもほら、ローティーンにはない、少女と女の境目である危うさって
  いうか、そんなものが」
「あるっていうのかガキ顔」
妹「ね、年齢っていうのは隠してても隠し切れない雰囲気っていうかオーラ
  みたいなものが」
「最近のガキは年齢偽っていかがわしいこととかするぞ」
妹「……ぶっちゃけ、私何歳に見えます?」
「小学六年。好意的に見ても中二」
妹「小さいんだ…私、小さいんだ…」




204 :おおかみ♀ :2007/01/08(月) 08:54:16.14 ID:q/RPvwc90
「何か突然変異が起きて身長が伸びでもしない限り、そのままだろうな」
妹「お兄はアホみたいに高いのに…」
「男性と女性の差ってやつだろ」
妹「いいや違うねッ!お兄は私に配給される筈だった身長を奪ったんだッ!!」
「言いがかりもいいところだな」
妹「返して!」
「現実を見ろ」
妹「ううっ」
「お前が小さいのは遺伝情報から決定していたことなんだ」
妹「生まれる前から!?」
「そしてお前は小さいまま大人になって、小さいまま結婚して、
 小さいママになるんだ」
妹「いやーーーーっ!!」
ダッ
「あ、こら、何処へ行く!」
妹「お風呂」




207 :雷鳥♀ :2007/01/08(月) 09:10:26.79 ID:q/RPvwc90
妹「こうやって飲んでいる牛乳が、無駄な抵抗だと言ってるような気がする」
「人生何が起こるかわからん。お前も突然ジャックと豆の木よろしく
急成長するかもしれん」
妹「そんな劇的じゃなくていいから。もう少し…せめて百五十は越えたい」
「……」
妹「そんな目で私を見ないで…」
「いや、ささやかすぎて…」
妹「今の歳で百六十越えたいとか無謀だもん、もしかしたら実現できるかも
  しれない望みの方がいいじゃん」
「俺からしたら百五十も無謀に見えるけどな」
妹「人の希望を挫かないでよ」
「つうか、大きくしたいのは背だけなのか?」
妹「?どういうこと?」
「や、その、ほら…つまり、その平野を丘にしたいとか」
妹「平野…?丘…?」
「そういう『大きくしたい』はないのかと…な」
妹「…っ!ち、小さいことはいいことなんです!」




209 :のらぬこ♀ :2007/01/08(月) 09:28:31.38 ID:q/RPvwc90
「…何処で憶えたそんな言葉」
妹「今日…友達、に言われた」
「小さいことはたしかにいいことだが、お前はそれじゃよくないんだろ」
妹「そうですとも…幼児体型からワンランク上に行きたいですよ…」
「しかしなあ、今から伸ばすなんてなあ」
妹「小中学生の頃にちっとも伸びなかったから、もうダメだって言いたいの!?」
「それもあるが、お前母さん似だからな」
妹「お母さんは大きかったよ」
「小さい…あ、いや、幼い頃だから大きく見えたんだろ。実際母さん、
今のお前より少し大きい程度だったし」
妹「言い直すのやめてよ…。でも、そっか、お母さんもそんな大きく
  なかったんだ」
「父さんが肩車しても違和感なかった」
妹「希望が完全に折れた」






210 :きりぎりす♀ :2007/01/08(月) 09:41:55.61 ID:q/RPvwc90
妹「…おはよう」
男「おはよう」
妹「男さん…。私、小さいまま生きる…」
男「はい?」
妹「小さいまま大人になって、小さいまま結婚して、小さいママになるの」
妹「やがて私以上に成長した子供に『お母さん可愛いね』とか言われながら
  老いていくの」
妹「老人になるころにはさらに背が縮んで、小学生くらいの孫にも負ける
  身長になるの」
妹「そして、嗚呼、せめてもう少し背がほしかった…、って悔いを残しながら
  あの世に逝くの」
妹「素敵だよね…。未来は明るいよね…」
男「よ、よくわからないけど、今すぐこっちに帰ってきて…」




211 :トリケラトプス♂ :2007/01/08(月) 09:44:43.23 ID:q/RPvwc90
妹「…そう言えば、女さんは?」
男「先生に、呼び出しくらってる」
妹「あ、そうなの…」
男「うん」
妹「……」
男「……」
妹「……」
男「……」
妹(久々に空気が重い…)




213 :こうもり♀ :2007/01/08(月) 09:59:15.73 ID:q/RPvwc90
妹(女さんがいたから、男さんと話せるようになったんだよね…)
妹(私だけだったらどうなってたんだろ。話し掛けまくってやろう、
  って決意はしたけど、いざこういう状況になったら、全然話せないな)
妹(うう、女さんは偉大だ…)
男「…妹さん」
妹「は、はいっ」
男「ああいう空気に慣れると、やっぱりこういう空気はつらい?」
妹「…え、えっと……、うん」
男「そっか」
妹「…?」




214 :カンムリワシ♂ :2007/01/08(月) 10:10:19.01 ID:q/RPvwc90
男「僕もそう思う」
妹「……」
男「女が僕の横で騒いでない日は、凄くつまらなかった」
妹「毎日のように騒いでたの…」
男「毎日騒いでたよ。僕がテンション低いから、こっちが高くないと
  バランスが取れないとか言ってた」
妹「ただ騒ぎたいだけなんじゃ」
男「昔は、僕みたいに大人しい奴だったんだよ」
妹「想像できな、…ご、ごめんなさい」
男「多分あいつも、『想像できないだろ?』って言うと思う」
妹「でも、今女さんが明るいってことは、変われたってことなんでしょ?
  そういうのって、凄く羨ましいな」
男「…変わってなんかないよ、今も」




216 :わし♀ :2007/01/08(月) 10:20:25.88 ID:q/RPvwc90
男「……あいつには、迷惑かけっぱなしなんだ」
妹「……」
男「ねえ、妹さん」
妹「なに?」
男「…握手、しない?」
妹「握手ならもうしたじゃん」
男「そうなんだけど、あれは女を通してだから、僕の意思とはちょっと違う」
妹「?」
男「僕は、僕の意思で君と友達になりたい。だから、握手しよう」
妹「……うん」
男「それじゃ、コンゴトモヨロシク」
妹「こ、コンゴトモヨロシク…」




218 :ももんが♀ :2007/01/08(月) 10:30:17.69 ID:q/RPvwc90
ガララッ
女「いやいやいや、思ったよりあのいけ好かないハゲを説き伏せるのに
  時間がかかった、待たせたな…ってお二人さん、何握手してるんだ」
妹「えっと、その、これは…」
男「『マイナーゲームいくつ言えるかなッ・スーファミ編』をしてたんだ」
女「ほう、妹さんもいけるクチだったのか」
男「この子はやるよ。初っ端から摩訶摩訶で牽制してくるからね」
女「それは中々…よし、私も混ぜろ」
妹「ええ…あの…」
女「妹さん」
妹「な、なに?」
女「このゲームをして、男に握手をさせる人間はそういない。
  君も『やる』ようだが、手加減はしないぞ」
妹「ええっ!?」




220 :おおかみ♀ :2007/01/08(月) 10:49:16.60 ID:q/RPvwc90
妹「ヴェルヌワールド!」
女「マイナー…とは言い難いな。楽しかったが」
男「ラスボスが平気で全回復使ってくるのはどうかと思ったけど」
妹「くっ…」
女「残念ながら妹さんの負けということだな。久々に楽しめた。握手しよう」
妹「うん」
女「次はもっと掘り下げてファミコン編でやろう」
妹「私としては、プレステの方がありがたいんだけど…」
女「プレステか。もっと泥沼になるが、妹さんがやりやすいというならいいだろう」
男「妹さんって、ゲームする人には見えなかったけど、案外語れる人
  だったんだね」
女「やっててもメジャーなドラクエとかを、ちょっとやって投げそうな感じだったが」
妹(…お兄と一緒にやってたゲームを言ってただけなのに…。
  揃いも揃ってマイナーだったんだ…)
222 :雷鳥♂ :2007/01/08(月) 11:00:43.35 ID:q/RPvwc90
妹(その後も勉強そっちのけでゲーム談義)
妹(そこそこ話についていけた自分が悲しい)
女「…ということで、妹さんはどうだ?」
妹「は、はい?」
女「折角ゲーム仲間ができたんだ、休日に非情パズゲー合戦でも
  どうかと思ってな。妹さん、都合つくか?」
男「楽しいよ…ふふふ」
妹(この鋭い目つき、この人達は間違いなくプロ)
妹「い、いいけど手加減してね」
女「ふふ、戦場は地獄なんだぞ妹さん。手加減なんて入る余地がない」
男「精々腕を磨いておくことだね…」
妹(狩られる…!)






225 :わし♂ :2007/01/08(月) 11:14:00.63 ID:q/RPvwc90
妹「おかえりお兄!」
「うおわっ、ど、どうした」
妹「夕飯できてるからさっさと食べろ!」
「こ、怖いぞお前」
妹「夕飯食べたら家のパズルゲーム全部で勝負しよう!」
「珍しいな、お前が対戦に誘ってくるなんて」
妹「やらないと…」
「やらないと?」
妹「やらないと狩られる…っ」
「ちょっと待て」
妹「だからお兄!」
「お前は『パズルゲームで世界征服を目論む組織』とかコロコロの
マンガみたいな連中とでも戦うのか」
妹「ううん、多分やつらはそれより上…!」
「友達は選べよ!」

273 :きりぎりす♂ :2007/01/08(月) 19:17:56.47 ID:q/RPvwc90
「なあおい、今何時だ…」
妹「多分朝…」
「目を閉じるとぷよぷよが始まるんだが…イメージなのに狙ってる
ぷよがこないんだが…」
妹「私はパズルボブル…」
「…今日が休みでよかった」
妹「私も…」
「俺は寝てる…」
妹「私もそうしようかな」
ヴィー ヴィー
妹「あ、女さんからだ」
『十時に○○自然公園で待っている』
妹「休日って今日のことだったの!?」




274 :トリケラトプス♂ :2007/01/08(月) 19:30:09.28 ID:q/RPvwc90
女「おはよう妹さん。今日もいい天気だな」
妹「昨日の今日なら素直に明日、って言ってくれればいいのに」
女「いや、何故か今日が休みであることをすっきり忘れていてな」
妹「学生って休日を憶えてるもんじゃない?」
女「最近環境が変わったからか、ボケてしまったらしい」
妹「そんなもんかな…」
女「そんなものだ。さ、行こう」
妹「何処に?」
女「男のところだ。私の部屋は散らかっていて、人をあげられない」
妹「ああ、男さんの家か…」
妹「……」
妹(お父様、お母様。妹は初めて異性の家へ行く、という大事な日を、
  徹夜明けのローテンションでむかえています。お許しください)




275 :おおかみ♂ :2007/01/08(月) 19:43:39.38 ID:q/RPvwc90
ピーンポーーン
妹(ああ、普通はドキワク気分のはずなのに、
  今は眠いから心底どうでもいい…)
ガチャ
女「来たぞ」
男「来たね、おはよう。…妹さん、大分眠そうだね」
妹「わ、私、休日の午前はいつもこんな感じなの、気にしないで」
男「そうなんだ…。ま、あがってよ」
女「お邪魔する」
妹「おじゃま、します…」

妹「あれ、やけに静かだけど、家の人とかは?」
男「皆出かけちゃってるよ」
妹「ふうん……」
妹「……」
妹(お父様、お母様。妹が家人のいない異性の家へ行く、という
  一歩間違ったらアウトゾーンな経験を、徹夜明けのローテンションで
  むかえることを、どうかお許しください)




278 :こうもり♂ :2007/01/08(月) 19:56:35.60 ID:q/RPvwc90
女「――で、ここが男の部屋だ」
妹「へえ…広い家だね」
男「どうして君が僕の家の案内をしてるのかな」
女「口下手なお前の代わりにしてやったんだ、むしろ感謝しろ」
男「どう考えても家の隅々まで案内するのはおかしい」
女「気にするな」
男「腑に落ちない…」
女「細かいことまで気にするな、ハゲるぞ」
男「ハゲ、っ!?」
妹「あ、石化した」
女「成長期の終わりが見えてきている男性には、
  普通言ってはいけないことだからな」
妹「それを敢えて言うなんて」
女「言うなんて?」
妹「…何でもない」
女「そうか。では先に入っていよう、すぐにこいつも復活するだろうし」
妹(さらに放置…!サディスト…!)




279 :ももんが♀ :2007/01/08(月) 20:05:06.21 ID:q/RPvwc90
妹「片付いてるのに散らかってるように見える…」
女「この部屋のゲームとマンガを全て売り払ったら、かなりの値になるだろうな」
妹「しちゃダメだよ?」
女「失礼だな、思うだけだよ。そのつもりなら、とっくにしてる」
妹(思いやりがあるように見えて、全くない)
男「…ごめんね、狭い部屋で」
妹「うわぁっ!?」
女「と、突然現れるな!」
男「僕の家なのに…、僕の部屋なのに…」




280 :トリケラトプス♂ :2007/01/08(月) 20:23:03.51 ID:q/RPvwc90
女「お前みたいな存在感ない奴が、急に現れたらビックリするだろう」
男「何で僕怒られてるの?」
妹「私に聞かれても…」
女「聞いているのか」
男「聞いてます。スイマセン」
女「だからな、お前を脅かす側の筈である私が、お前に
  脅かされたことに腹を立ててるんだ」
男「自分勝手な都合を振り翳してる…」
妹「つまり女さんは、自分が攻めの筈なのに、攻められたのが
  気に食わないんだね」
男・女「「えっ?」」
女「ちょ、ちょっと待ってくれ。今凄いセリフを意外な人が言わなかったか?」
男「おかしいよね、絶対おかしいよね」
妹「…何、私がこういうこと言っちゃダメなの?」
女「むしろ黒属性ってことにすれば、それはそれでいいかもしれないが!」
男「とっても心臓に悪いよ」
妹「あれ?今度は私がターゲット?」




284 :トリケラトプス♀ :2007/01/08(月) 20:34:11.28 ID:q/RPvwc90
女「すまない、柄にもなく取り乱してしまった」
男「ただひたすらに反省」
妹「明らかに目的を見失ってるよ」
女「ああ、そう言えば、名目上はゲームしようということだったな」
妹「名目…?」
女「まあゲームはするが、落ち物は私も男もあまり得意ではなくてな」
男「啖呵切ったけど、勢いだけなんだよね」
女「だからここはのんびりドカポンでも…、どうした、妹さん」
妹「何言ってるんですかあなた方。一度やる、って言ったものを
  引き下げちゃダメでしょう」
男「…目が怖い」
女「こ、こんなにも恐怖を感じたのは初めてだ」
妹「一時間だけでもいいからやりましょう。後はどうでもいいです」
女「逆らえない…」
男「か、狩られる…!」
妹「さあ!さあ!さあさあさあさあさあ!」




287 :おおかみ♀ :2007/01/08(月) 20:46:34.50 ID:q/RPvwc90
男「燃え尽きた…」
女「大連鎖ではなくて、五連鎖くらいのを連発してくるとは…」
妹「うふふ、すっきり」
男「ああ、黒い」
女「一体何が彼女をこんなに黒くしてるんだ…」
妹「やだなあ、人のことを黒いだなんて。私は純粋だよ?純粋無垢だよ?」
女「信じられない…。今このメンバーでドカポンしても、妹さんが勝つに違いない」
男「今の彼女は平気で人を売る…きっと…」
妹「あはは、そんなことしないよ!」
女「やっぱり桃鉄をしようじゃないか」
男「そうだよね、ドカポンなんて友情にヒビを入れるだけだもんね」




292 :きりぎりす♂ :2007/01/08(月) 21:01:15.45 ID:q/RPvwc90
女「待て。これはおかしい」
男「今の妹さん、無敵なんじゃ…」
妹「勝利の女神が私に微笑んでいるだけだって、うふふ」
女「やばいぞ、オーラが見える」
男「何やっても勝てそうにない…」
女「そうだ妹さん。私と一緒にシューティングでもしよう。今の妹さんなら、
  ハイスコア更新も夢じゃなさそうだ」
妹「ふふふいいよー、越えられないくらい圧倒的な差を付けてあげる」
男「僕の努力の結晶が…簡単に塗り替えられようとしてる…」
女「今の妹さんは、『やる』と言ったら絶対に実現しそうだからな。ま、諦めろ。
  むしろハイパーモード入ってる妹さんのテクでも見て勉強しよう」
男「最近負けてばっかだよ、僕…」




294 :きりぎりす♀ :2007/01/08(月) 21:10:49.89 ID:q/RPvwc90
男「……」
女「……」
女「この人本当に妹さんか?」
男「これはちょっと」
妹「わー!またやられた…」
女「だからそういう場面ではボムを使って…ほら、こういうふうに切り抜けるんだ」
妹「言われて簡単にできたら苦労はしないよー」
女「さっきまでの神っぷりは何だったんだ?」
妹「ちょっと気分が上がっててさー、自分がシューティングできないってこと、
  すっかり忘れてたんだよね」




295 :トリケラトプス♂ :2007/01/08(月) 21:20:17.39 ID:q/RPvwc90
女「つまり妹さんに勝ちたかったら、パズルとボード以外で挑めばいいわけだな」
妹「多分何やっても二人に負けるよ」
男「じゃ、スマブラでもしよっか」
女「スマブラか、久し振りだな、お前とこれするのも」
妹(スマブラ?スマブラってなんだっけ…)
男「君がRPGばっかりするせいでね」
女「お前は何も言わなくても、私がチェックしてるものを買っておいてくれるからな」
男「君のためじゃないんだけどね…」
妹(スマブラ…なんか聞いたことがあるような…)
女「じゃああれか、二人の愛が奇跡を起こしてるとか」
男「即物的すぎだろその愛…」
妹(うー、思い出せない…)




296 :おおかみ♂ :2007/01/08(月) 21:30:22.94 ID:q/RPvwc90
男「ちょっと、何これ」
女「妹さん、私嘘吐きは嫌いだな」
妹「た、偶々!偶々お兄と一緒にやってたからできただけだって!」
女「お兄さんと遊んだ程度の実力じゃないだろ、これは」
男「その辺の地区大会くらいなら軽く制覇できるよ」
女「君のお兄さんは何者なんだ?」
妹「普通の兄だよ。あ、でも前に『ここいらのゲームショップで開かれた
  大会には全部出て、全部優勝してきた』って言ってたけど、私に負ける
  程度じゃ嘘だろうね」
男「ま、まさか…」
女「知っているのか男!」
男「以前、ショップでやってるスマブラ大会を、圧倒的な実力で次々に
  優勝していったと言う…」
女「あ、あの○○さんのことか!いや、でもまさか…」
妹「その名前だったら、多分お兄かな」
男・女「「な、なんだってー!」」
男「真実だとしたら…」
女「深く考えるな!とにかくスマブラはダメだ、一番勝負にならない」

300 :こうもり♂ :2007/01/08(月) 21:44:44.65 ID:q/RPvwc90
女「ん、もうこんな時間か」
妹「楽しかったー」
男「総合勝利は妹さんだね」
妹「そうなの?」
女「必死になって負け星増やそうとしたところをあっさりと返り討ちに
  してくれたことを、忘れたとは言わせない」
妹「んー、でもお兄は私より少し強いよ」
男「一度対戦してみたいな、妹さんのお兄さんと」
女「そうだな、私も戦ってみたい。いつか妹さんの家にお邪魔させて
  もらってもいいか?」
妹「いいけど、期待するほどじゃないよ?」
女「結局シューティング以外は全勝じゃないか。その君より強いと
  いうなら、これはもう戦わなければゲーマーの名が廃る」
妹「そんなもんなの?」
男「単純に女は障害が大きいほど燃えるタイプなのもあるけどね」
女「今から楽しみだ」




303 :こうもり♀ :2007/01/08(月) 21:54:06.88 ID:q/RPvwc90
妹「ただいまー」
「おーう、お帰り」
妹「ねえお兄、前にスマブラの地区大会で優勝しまくってた、って
  言ってたじゃん。あれって本当?」
「本当だ。トロフィー貰ったのもあるから見せてやろうか?あと記念写真とか」
妹「そこまで自信ありげだってことは、真実ってことかー」
「んだよ、『凄いねお兄!』って言ってたくせに、実はあんま信じて
なかったのかよ」
妹「ぼこぼこにされた後に言われたら、その時は信じるよ。段々お兄が
  負け越しになるにつれて信じられなくなったの」
「うっさいな、お前が上達しすぎなんだよ。今度やる時は、
プリン使用禁止だからな」
妹「えー、プリン以外でお兄に勝つのって面倒なんだよねー」
「既に勝利前提の物言い…くそっ、今やろう!すぐやろう!」
妹「ふふーん、スマブラだけなら負けないもんね」
「俺がハンマー持っただけで慌ててたあの頃のお前が懐かしいよ…」




308 :トリケラトプス♂ :2007/01/08(月) 22:10:29.29 ID:q/RPvwc90
「勝てん…。俺とかち合った小学生が泣き出すほど怖れられていたのに…」
妹「それって弱いものいじめじゃないの?」
「今のお前も相対的に見れば弱いものいじめだけどな…」
妹「それよりさー、シューティングのお手本見せてよ」
「シューティングは俺もできん」
妹「あれ、そうだっけ?でもシューティング一杯あるじゃん」
「家にあるシューティングは基本貰い物」
妹「だから最近のがないのかー」
「できないものには手は出さないからな」
妹「そっか、そっか」
「何を納得したんだ」
妹「私もできないから」
「だから?」
妹「お兄と一緒ー」
「…そこのどこが嬉しいんだか。わからん奴だな」




310 :おおかみ♂ :2007/01/08(月) 22:25:43.92 ID:q/RPvwc90
妹「あ、ところでお兄」
「ん?」
妹「今日友達のとこでゲーム色々したの」
「楽しかったか?」
妹「うん。でさ、お兄の話したら、友達がお兄と対戦してみたいって」
「お、いいのか?泣いても許さない男だぜ、俺は」
妹(それにしてもこの兄、ノリノリである)
妹「それじゃ、お兄の方はオッケーだって伝えとくよ」
「休日は大概暇だからいつでもいい、とも言っとけ」
妹「いいけど、そんなこと言ったら多分…」
ヴィー ヴィー
『なら明日にでも』
妹「…ほらやっぱり」
「お前の友人は大分せっかちさんだな」

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最終更新:2007年01月10日 20:59