122 :のらぬこ♂:2007/01/10(水) 11:32:46.69 ID:fkG5QKR20
妹「おはよう、二人とも」
女「あ、ああ。おはよう」
男「…おはよう」
妹「ねえ男さん、写真持ってきた?」
男「写真?」
妹「ほら、昨日言ってた女さんの昔の写真」
男「うん。それなら一応持ってきてあるよ」
妹「見せて!」
男「いいよ、これがね…」
女「隙を見せたな!」
男・妹「「あ!」」
女「ふっふっふ、恥ずかしい過去は滅してくれる。思い出は我が家のアルバムだけで十分だ」
男「か、返せよ」
女「ダメだダメだ、こんなものは洟でもかんでゴミ箱にポイしてくれる」
妹「写真じゃそんなことできないでしょ…常識的に考えて…」
男「てか、やめてよ、それは大事な写真なんだから」
女「弱みか、弱みなんだろ?」
男「違うって」
女「じゃあ何だ?」
男「僕が持ってる中じゃ…唯一女と二人きりで写ってる写真だから…」
女「男…」

妹(あ、わかった。あの時乱入したくなったお兄の気持ちがわかった!)


123 :パンダ♂:2007/01/10(水) 11:34:56.51 ID:RqtiBily0
まだラブラブっぷりを見せ付けるかこいつらはwwwww


124 :ももんが♂:2007/01/10(水) 11:46:06.44 ID:fkG5QKR20
女「まあ冗談はここまでにしておいてだな」
妹「じょ、冗談?」
男「流石に僕はあんな歯が浮くようなセリフ言わないよ」
妹「ずっと一緒にいてあげる、って告白したんじゃないの?」
男「だからそれは違うの、違うんだってば」
女「照れるな照れるな」
妹(ムカつく…)
女「ほら妹さん、どうぞ」
妹「あ、これが…へえ…、女さん、本当に低い方だったんだ。髪は今より長いね」
女「母の趣味でな。短い方が好きだったんだが、切るな切るなと言われていた」
男「今の髪型は中学くらいからだったよね」
妹「そんなに言われてたのに、どうして今はいいの?」
男「僕も気になる」
女「いや……、その、な」
妹「何で?」
女「もう可愛くないから適当にしなさい、とな…」


125 :カンムリワシ♀:2007/01/10(水) 12:02:06.21 ID:fkG5QKR20
妹「で、こっちは…男さん?」
男「なんで疑問系なのかな妹さん」
女「それは当然だろう」
妹「あの……正直に言っていい?」
男「何を言われるかは大体想像が付くけど、どうぞ」
妹「女の子?」
男「ストレートだね…、効いたよ」
女「でも間違いなく男なんだ。ほら、前髪を上げればわかる」
妹「あ、本当だ」
男「…自分では男らしく成長してるつもりなんだけど」
妹「髪型変えて女生徒の制服着たらわからないんじゃない?」
女「…それは面白そうだな。妹さん、ここって替えの制服とか置いてあるか?」
妹「あ、それならこっちにあるよ」
男「待って、何か僕の大切なものが壊されようとしてない?」


126 :わし♀:2007/01/10(水) 12:16:11.51 ID:fkG5QKR20
妹「あった、これこれ」
女「ふむ。サイズもよさそうだな」
男「僕は着ないよ、着ないからね」
妹「諦めが肝心だよ…」
女「そうだ、お前はただ私達の好奇心を満たしていればいいんだ」
男「酷い!くそ、やられてたまるか!」
女「妹さん!」
妹「あいあいさーっ!」
男「うわっ」
女「昨日逃げられなかったのに、今日逃げられると思うなよ」
男「いやだっ、それだけはいやだっ」
女「ええいやかましい、妹さん、二人がかりで脱がせよう」
妹「わ、私はちょっと…脱がすのは…」
女「いいから」
妹「は、はい…」
男「何でこんな時に限って先生いないのっ」
女「天が我々に味方しているということだ、さあ大人しく着せ替え人形になれ」
男「わーっ!」
ガララ
男子生徒「失礼しまー……」
妹「……」
女「……」
男「……」
男子生徒「……した」
ピシャン
女「またされてはいけない勘違いをされたぞ!追え!」
妹・男「「知らない人怖い…」」
女「ええい使えないシャイどもめっ!」


130 :のらぬこ♀:2007/01/10(水) 12:34:14.39 ID:fkG5QKR20
女「どうしてああいう場面に遭遇するとすぐトイレに行きたがるんだ、まったく」
男「わかってても敢えて言っちゃいけないところだよ」
女「よし、落ち着いたところで続きをしよう」
妹「あ、やるんだ…」
女「そうだぞ二人とも。呑気に茶を啜ってるんじゃない」
男「妹さんの淹れてくれたお茶って美味しいし…、ほら、女も貰いなよ」
妹「私の使ったコップだけど、よかったらどうぞ」
女「というか、わざわざ魔法瓶に入れて持ってくるほど好きなのか?」
妹「自販で飲み物買うお金が勿体無くて」
女「主婦か君は」
ズズズ
女「…むう、美味いな」
妹「でしょ?」
女「ああ。これは心が落ち着くな…」
ズズズ
女「…ところで、私は何かしようとしていた気がするのだが」
男「気のせいじゃない?」


132 :ももんが♀:2007/01/10(水) 12:46:49.31 ID:fkG5QKR20
女「…はっ!思い出した」
男「ちっ」
妹「もう割とどうでもいいことだよ」
女「いや、気になるだろう、どれくらい似合うのかとか」
男「似合わない可能性を考えようよ!」
女「このまま流したら、気になって気になって今晩ハッスルしてしまいそうだ」
男「やめてよ!」
妹「ハッスルって何するの…?」
女「具体的にはな、むぐっ」
男「知らないことは知らないままでいいよ」


135 :わし♂:2007/01/10(水) 13:05:26.36 ID:fkG5QKR20
男「一度だけだからね」
女「最初から素直にそう言えばよかったんだ。ほら、制服」
妹「ベッドなら今誰も使ってないから、カーテンひいて着替えるといいよ」
男「逃げ場なしか…」

女「実際どんなのが出てくるんだろうな?」
妹「男さんには悪いけど、致命的に似合わない、っていうのは無いね」
女「無いな。だとすると、笑えるくらいに似合うか、少し違和感がある、とかか」
妹「前髪に半分近く隠された素顔があんな可愛いなんて」
女「君と二人並ばせたら、ちょっとしたマスコットになれる」
妹「マスコットって…、保健室で二人並んで何するの…」
女「気分を悪くしてやってきた生徒を『いらっしゃいませぇー』と出迎える、というのはどうだ」
妹「八割帰るね」


136 :のらぬこ♂:2007/01/10(水) 13:14:24.98 ID:fkG5QKR20
女「そうか?私なら喜んで入るが。むしろ怪我の手当てをお願いしたい」
妹「絶対やってあげない」
女「ケチだな」
妹「だって『必死で手当てをする二人は愛らしいな…』とか言って柔らかい牢獄に閉じ込めそうだもん」
女「妹さん…」
妹「さ、流石に言いすぎた?」
女「私のことがわかってきているようだな」
妹「そのままズバリですか!」

男「ねえー、スカートってどうやって穿くのかわかんないんだけど…」

女「…僅かに乱れた着衣。ホックを外されずり落ちそうになるスカート。目に溜まった涙…!」
女「すまない男、今夜はハッスルしてしまいそうだ」
男「ひどい!」


138 :のらぬこ♀:2007/01/10(水) 13:27:35.25 ID:fkG5QKR20
女「スカートはここをこうしてこうすると…」
男「おー…」
妹「似合いすぎて笑いも起こらないね」
男「僕が女装しても似合うわけ無いじゃん」
女「髪をこうやって整えれば、もうこれでお前は違和感なく女子だ。喋らなければな」
妹「こちらが姿見になります」
男「……あ、危ない危ない…ついお決まりのセリフを言っちゃう所だった」
女「自分でも似合ってると思ったろう?」
男「そ、そんなわけないだろ」
妹「こうやって私と並べば、さらに違和感減退だよ」
女「惜しむらくは二人とも平坦なところだな」
男「僕に胸があっても困るだろ…」
妹「考えないようにしてたのに思い出させないでよ…」


139 :ももんが♀:2007/01/10(水) 13:40:36.74 ID:fkG5QKR20
男「見たでしょ、僕はもう着替えるよ」
女「もう少しその格好でいてくれないのか?」
男「嫌だよ、一秒でも早く着替えたい」
妹「勿体無いなあ…」
男「僕にはこういうことして喜ぶ趣味は無いの」

女「いいものを見れた」
妹「本当に幸せそうだね…、やっぱりそっちの気があるんじゃ」
女「違う違う。単に可愛いものが好きなだけだ。さっきの男みたく、小動物チックだと尚いい」
妹「私も射程圏内なの…?」
女「勿論だ。許可が出れば存分に愛でたい」
妹「うふふ、却下」


141 :きりぎりす♀:2007/01/10(水) 13:51:38.76 ID:fkG5QKR20
女「いいじゃないか、少しくらい」
妹「女さんに可愛がられてるとロクなことが起きないし」
女「むう…否定できない」
妹「だからダメ」
女「じゃあ今度私の家に来てくれ。そこならいくら愛でてもいいだろう」
妹「私をぬいぐるみか何かと一緒にしないでほしいかなー…」
男「ふう…女装はもう絶対にしない」
女「…そんなすっ呆けた髪型でよく言えるな」
妹「前髪前髪」
男「前?…あ」
女「ヘアピン付けっ放しだぞ、男ちゃん」


154 :のらぬこ♀:2007/01/10(水) 15:10:17.51 ID:fkG5QKR20
男「…花飾りが付いてるから余計に屈辱的…」
妹「見てる方としては面白かったよ」
女「新年初爆笑だ」
男「とにかく返す」
女「うむ」
妹「そのヘアピン古そうだね」
女「結構古いな。八年近く使ってる」
妹「買い換えたりとかしないの?」
女「大事な物だからな。できるなら孫の代まで伝えたい」
男「その間に壊れるんじゃないかな…」
女「浪漫を解せん奴だな」


156 :ももんが♂:2007/01/10(水) 15:19:44.70 ID:fkG5QKR20
女「しかしさっきのお前は異様に可愛かったな。またやってくれないか?」
男「死んでもお断りだからね」
妹「そこまで嫌がるようなことかなあ?」
男「趣味じゃないし、大体僕は男なんだってば」
女「……なあ」
男「なに?」
女「お前、私達が初めて会った日…」
男「…!わ、わーっ!」
女「明らかにむぐぐぐっ」
妹「あ、明らかに?明らかになに!?」

159 :きりぎりす♂:2007/01/10(水) 15:33:22.70 ID:fkG5QKR20
男「言わせない…、言わせてなるものか!」
女「ふるふぁい!…んぐっ、お前は勉強しろ!」
男「ひいっ」
妹「まるで般若…。男さんにやられるの、本当に嫌なんだ…」
女「まったく、苦しいじゃないか」
男「僕は何度も君に同じ目に遭わされてるんだけど」
女「知らんな」
男「僕は君と一緒にいることに挫折しそうだよ…」
妹「…ところでさっきの話なんだけど、明らかに、なんだったの?」
女「何分幼い頃の記憶だから曖昧だがな…」

女「こいつ、明らかにワンピースを着ていた」
妹「そんな幼い頃から…!
男「仕方なかったんだ…。服が泥に汚れて、姉ちゃんのしかなかったんだ…」

162 :トリケラトプス♂:2007/01/10(水) 15:45:45.94 ID:fkG5QKR20
妹「ってことは、女物を着たのはさっきが初めてじゃなかったんだ」
男「うん…まあ…」
女「幼い頃の話だ、ノーカンにしてやろう」
妹「でもかなり必死で嫌がってたよね」
男「ある意味女装はトラウマだから…」
妹「トラウマ?」
女「それは初耳だな」
男「うう、思い出すのも恐ろしい」
妹「どんなの?」
男「あの後調子に乗った姉ちゃんに色々な服を着せさせられて更に後日また新しいのを用意しちゃってダメなんだよ僕は男だって何度言ったらわかるんだよやめてやめてやめてやめて――」
女「…触れてはいけない領域だったらしい」
妹「可愛いからって男さんに女装させるのはもうやめようね…」

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最終更新:2007年01月10日 21:06