164 :トリケラトプス♀:2007/01/10(水) 15:51:43.01 ID:fkG5QKR20
男「……」
妹「後引いてるね…」
女「おい、男」
男「?」
女「今日の放課後、奢ってやろう」
男「!」
女「マックを」
妹「うわーケチだ、ケチがいる」
男「…ありがとう、女」
女「気にするな。落ち込ませてしまった責任もあるしな」
妹「うわー…、マックであんなに喜べるなんて…」


167 :おおかみ♂:2007/01/10(水) 15:59:36.92 ID:fkG5QKR20
女「いいだろう、妹さん?」
妹「予定なら無いから付き合うけど」
女「よし。では放課後の予定は決まりだな」
妹「じゃ、そろそろ勉強に戻ろうか」
女「そうだな。怠けている暇もないし」
男「うぐ…勉強するよりいじられてる方がよかった」
女「変な奴だな」
妹「私なら勉強選ぶのに」
女「体張るより少し頭使ってる方が明らかに楽なのにな」
男「成績のいい君らにはきっとわからない…。考えても考えても、問題解決の糸口さえ掴めない人間の気持ちなんて…!」


168 :ももんが♂:2007/01/10(水) 16:11:37.75 ID:fkG5QKR20
男「…もうダメ。頭が回らない」
女「仕方ないな、糖分をやろう」
男「なんという甘露飴…絶望的な甘さを思い出してゾクゾクしてしまった、これは間違いなくいじめ」
女「じゃあこっちの甘さ控えめののど飴をやろう」
男「まあこっちなら」
妹「甘い物も辛い物も苦手って、損してない?」
男「物心ついたときからこんな感じだから、損とも思わないよ」
女「しかも食事に無頓着だからな。痩躯にもほどがある」
男「いいじゃないか、別に」
女「いいや。お前には食事をいうものを知ってもらって、料理を覚えてもらわないと困る」
妹「自分ができないから男さんに望みを託してる…」


169 :きりぎりす♂:2007/01/10(水) 16:27:16.64 ID:fkG5QKR20
女「というわけで奢ってやろう」
男「感謝の極みです」

「いらっしゃいませこんにちはー。こちらでお召し上がりでしょうか?」
妹「はい」

男「何食べようかな…」
女「おすすめはハンバーガーセットだな」
男「え、嘘でしょ?」

「ご注文をどうぞー」
妹「ポテトのSと、ミルクティーのSを一つずつ」

女「おやつは三百円までだと習ったろ」
男「君っていつも三百円以上食べるよね、あれおやつじゃないの?」
女「私は私。お前はお前だ」

「ポテトのSとミルクティーのSがお一つ、以上でよろしいですか?」
妹「はい」

男「女が奢ってくれるっていうから期待したのに…やっぱりこうなるのか」
女「人生そう甘くはない」

「――円のお返しになります。少々お待ちくださいませ」
妹「はい」

妹「どうぞ…って女さん、何したんだか知らないけど、男さん泣かせちゃダメだよ…」
女「人生の厳しさを教えていたんだ、その涙は授業料さ」
男「二度と騙されるもんか…!」

177 :ももんが♂:2007/01/10(水) 17:01:16.09 ID:fkG5QKR20
女「席ががらがらだな」
妹「ここまであると、何処に座ろうか迷うね」
女「角の窓際にしよう。ほら男、いつまでも泣いてるな」
男「そうだよね…うん、奢ってくれてありがとう…」
女「素直でよろしい」
妹「…尻に敷かれてるってレベルじゃないね」
男「もう慣れたよ」
妹「締め切り間近の漫画家くらい疲れきってるね…」
男「ふふ…、あ、ちょっとトイレ行ってくる」

妹「ダメだよ、あんまり男さんをいじめちゃ」
女「…いや、私もわかってはいるんだがな。あいつの顔を見ると、どうにもいじり倒したくなるんだ」
妹「よく愛想尽かされないね」
女「これでも二人っきりの時は、そこそこ労わっている」
妹「たとえば?」
女「膝枕」
妹「他には?」
女「マッサージ」
妹「あとは?」
女「手取り足取り個人レッスン」
妹「嘘おっしゃい」


179 :きりぎりす♂:2007/01/10(水) 17:20:34.33 ID:fkG5QKR20
女「まあ過激にいじめてはいない」
妹「少しはいじめるんだ」
女「いや、あいつの反応が可愛くてついな」
妹「女さんなら行き過ぎないって信じてるけどさ、あんまりはよくないよ」
女「行き過ぎ、か。信頼してもらっているところ悪いが、以前、一度だけそうしてしまったことがある」
妹「…でも今も続いてるってことは、許してもらえたんでしょ?」
女「どうなんだろうな…。口では許してもらえたが、二度されることを怖れているからかもしれない」
妹「本当に許してなかったら、何が何でも離れようとすると思うけど」
女「…あいつは優しいからな。私があいつに依存しているのを知っていて、許しているとも考えられる」
妹「女さんが、男さんに依存してるの?」
女「してるさ、もうべたべただ。そうでもなければ、一緒に転校したりなんてしない」
妹「人を好きになると、そんなに前後不覚になるものなの?」
女「少なくとも私はそうだ。初めて会ったときからそうで、そして、男をダメにしてしまったんだ」

180 :トリケラトプス♂:2007/01/10(水) 17:29:20.66 ID:fkG5QKR20
妹「ダメに、ってどういうこと?」
女「教えてあげてもいいが、タイムオーバーだ。続きはまたいつか」

男「ふう…、急にお腹が痛くなって困っちゃったよ」
女「おかえりんこ」
男「ただいまんっ……ただいま」
妹「普通逆じゃない?」
女「気にするな。これが私達なんだ」

182 :トリケラトプス♀:2007/01/10(水) 17:37:13.83 ID:fkG5QKR20
妹(その後は特に何もなく、女さんが男さんをからかい、私が時折口を挟むといった形で会話が進み、帰宅しようという時間になった)
妹(けど、このまま帰ってはいけない気がする)
妹(どうしよう?)

1.男さんに声をかける
2.女さんに声をかける
3.それでも帰宅する


183 :トリケラトプス♀:2007/01/10(水) 17:37:54.94 ID:fkG5QKR20
例によって例の如く↓


184 :ライオン♀:2007/01/10(水) 17:39:10.31 ID:RqtiBily0
181

気持ちはわからないでもないが、止せ
あの話はこの場には向かない


185 :アイガモ♀:2007/01/10(水) 17:41:06.45 ID:VBRsI5m30
2


186 :のらいぬ♂:2007/01/10(水) 17:41:31.08 ID:qrrCflcZ0
183
2 を希望。

リアルでストーリー選択できるのはいいな。
ってか激しく>>57とのコンビでゲーム化希望wwwwww




187 :ブロントサウルス♀:2007/01/10(水) 17:41:33.02 ID:OE+5nFBR0


188 :のらいぬ♀:2007/01/10(水) 17:42:17.99 ID:qrrCflcZ0
184
そだな。スマソ


189 :雷鳥♀:2007/01/10(水) 17:43:38.74 ID:xV7F4G6F0
あえて1


190 :おおかみ♂:2007/01/10(水) 17:46:53.28 ID:fkG5QKR20
5レスでキマラナイ\(^o^)/
2でいいか


191 :にしん♀:2007/01/10(水) 17:49:55.60 ID:RqtiBily0
2で。


192 :おおかみ♀:2007/01/10(水) 17:55:01.63 ID:fkG5QKR20
妹「女さん、ちょっと話せる?」
女「…君は随分せっかちだな。まあいい。男、先に帰っていてくれるか?自然公園の辺りで妹さんと話してくる」
男「じゃ、そのすぐ側のコンビニで待ってるよ」
女「すまないな」
男「最近はすぐ暗くなるからね、君がいないと怖くて帰れない」
女「思ってもないことをいうな」


193 :きりぎりす♂:2007/01/10(水) 18:07:10.89 ID:fkG5QKR20
女「話の続きか?」
妹「うん、まあそんなところ」
女「私が男をダメにしてしまった、というところからだったな」
妹「そうそう」
女「私は小学校高学年くらいまでは、かなり大人しい奴だったんだ。想像つかないだろうが」
女「話し掛けられでもしなければ、口も開かなかったからな、友達なんて全くできなかった」
女「この街には、二年生の頃に転校してきた。小学生だから、最初の内は珍しくて声をかけてくれたが、つまらない奴だとわかると、途端に相手にされなくなった」
女「私には友達はできないんだな、とか考えながら帰る毎日が続いていたある日、あいつに会ったんだ」
妹「男さん?」
女「そう。水色のワンピースを着てな」

195 :きりぎりす♀:2007/01/10(水) 18:18:48.15 ID:fkG5QKR20
女「あいつとの出会いは衝突だった」
女「お互い下を向いて歩いててな、前なんて見てなかったら正面衝突さ。転んでしまった時に思いの外痛くて、私は泣いてしまった」
女「そうしたらあいつはな、自分も泣いてるくせに、私の心配しかしなかった。喚いてる私を立たせて、これをくれたんだ」
妹「甘露飴?」
女「何時の間にかあいつは嫌いになっていたようだが、あの時は一緒に舐めたんだ」
女「今では、私の大好物なんだが、二人並んで舐めることは余程のことがない限りはないだろうな」
女「舐め終わる頃には私も泣き止んでいてな、一言お礼を言ってから帰ろうと思っていたんだが、引き止められてしまった」
妹「なんて?」
女「一緒に遊ぼう、ってな。いや、あの時はまた泣き出しそうになった」


196 :トリケラトプス♂:2007/01/10(水) 18:25:47.94 ID:fkG5QKR20
女「ブランコに乗ったり、ジャングルジムにどっちが早く登れるか競争したり、とにかく思いつくことは何でもした」
女「楽しい時間はさっさと終わってしまった」
女「私はまた遊ぼう、と言いたかったんだがな、引っ込み思案すぎて、何も言えなかった」
妹「じゃあ、男さんが言ったの?」
女「ああ。友達になろう、って何度もかみながら言っていた。相当緊張していたんだろうな」
妹「男さんだもんね」
女「差し出された手を、払ったりはしなかった。それで、男は言ったのさ」
妹「あ、もしかしてあれ?」
女「そうさ。あいつが最初に言ったんだ、こうやって握手して」
女・妹「「コンゴトモヨロシク」」


197 :おおかみ♂:2007/01/10(水) 18:36:45.13 ID:fkG5QKR20
女「ゲームのネタだと知った時は、ちょっぴりショックだったよ」
妹「じゃあそれから、二人はずっと友達だったんだ」
女「次の日、普通に挨拶してきた時は目を丸くしたよ。同じクラスの奴だとは知らなかった」
女「毎日が楽しくなったが、まあ私達の性格では友達の輪は当然ながら広がらなかった」
女「男は私と二人だけでも楽しいと言っていたが、私は欲が出てしまってな。二人だけでも楽しいんだから、それ以上いればもっと楽しいとな」
女「明るくなろうと心がけてみたら、案外簡単になれたよ。そこから友達を作るのは容易だった」
妹「凄いなあ…私は、変わろうと思っても変われないよ」
女「いや、妹さんは大分変わったと思う。数日過ごしただけでここまで明るいんだ、元々そういう性格なんだろう、きっと」
妹「そうなのかな?」
女「ああ、自信を持っていい」


198 :おおかみ♀:2007/01/10(水) 18:44:02.65 ID:fkG5QKR20
女「続けるぞ。男も勿論、その輪の中にいた。少し戸惑っていたが、私が誘えば、あいつは断らなかったんだ」
女「そしてある日、男は男子の一人に罵倒された」
女「こんな奴といてもつまらない、とな」
妹「…!」
女「私と男は、遊んでいる途中だったが帰った。男には居辛い空気だったからな」
女「ここからが、私の罪だ」


199 :こうもり♀:2007/01/10(水) 18:57:51.90 ID:fkG5QKR20
妹「…罪?」
女「ああ」
女「次の日から、私は『友達を選ぶ』ようになった」
妹「友達を選ぶ、って…」
女「『男を傷つけることのない人間』さ。男のためだと、あの頃の私は本気で思っていた」
女「まるで呪いのように、あいつと私は同じクラスであり続けたからな。あいつの周りにいる友人は、私を介してのそれしかいなかった」
妹「でも、それじゃ男さんは、変われないよ」
女「うん、友達なんて、自分で作るものだからな。私はそんなこと、考えもしていなかった」
女「結果が、今の男だ」
女「高校に入って別々のクラスになった。私は今までと同じように何人か友人を紹介したりもしたが、無意味さ」
妹「クラスで孤立しちゃったら、もう楽しみなんて何もないよ」
女「その通り。すぐにあいつは休みがちになって、二学期の半ばから完全に来なくなった」
女「後で聞いた話だが、陰湿ないじめを受けていたらしい。いつも何考えてるかわからなくてキモい、だそうだ」

201 :きりぎりす♀:2007/01/10(水) 19:09:54.25 ID:fkG5QKR20
女「そしてやっと、私は自分がしたことに気付いた」
女「私がしたことは、男をダメにしていただけなんだ、とな」
妹「…それが女さんの、罪」
女「少し会えなくなって、私はあいつに友人以上の感情を持っていることに気付いた」
女「でも、その時にはもう、男は私から離れる決意をしていた」
女「離れたくなくて、放したくなくて、私は、行き過ぎてしまった」


202 :トリケラトプス♂:2007/01/10(水) 19:18:32.43 ID:fkG5QKR20
妹「でも、許してもらえたんでしょ?」
女「ああ。『僕の負けだよ』とも言われた」
妹「…どういう意味?」
女「未だにわからない」
女「ともかく、その直ぐ後に○○高校へ編入する話を聞いた。私は躊躇わなかったよ。両親を無理矢理納得させる為に、登校拒否もした」
女「そして、今に至るんだ」
妹「そうだったんだ…」


203 :おおかみ♂:2007/01/10(水) 19:28:34.62 ID:fkG5QKR20
女「なあ、妹さん。一つ聞きたい」
妹「…なに?」
女「少しでも、ほんの少しでも、『私達に付いていく』ということを、考えたか?」
妹「ちょっと、ね」
女「だとしたら、それは止めてほしい」
妹「付いてくるな、っていうこと?」
女「そうだ。できれば、付いてこないでほしい。いや、付いてこない方がいい」
妹「どうして?」
女「君を、私達側に引き込みたくない」
妹「……」
女「君が付いて来たら、きっと私は、君にも男と同じことをしてしまうかもしれない」
女「きっと君は、今の高校でも十分にやり直せる」
女「親友止まりでいたいんだ、君とは」

205 :おおかみ♀:2007/01/10(水) 19:40:18.57 ID:fkG5QKR20
女「…私からの話は、こんなところか」
妹「私は、やり直せるのかな?」
女「やり直せる筈だ。今の君のままでいるなら、きっと」
妹「…ありがとう。自信がついた気がするよ」
女「自信はあって困るものじゃない。どんどん付けるといい」
妹「うん。がんばっちゃうよ、私」
女「是非頑張ってくれ。応援、している」
妹「…いこっか」
女「そうだな。男が立ち読みに飽きている頃だろうし」

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最終更新:2007年01月10日 21:09