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景気ついに「悪化」 底割れ懸念 輸出、11月は最大の減少



与謝野馨経済財政担当相は22日、景気の基調判断を「悪化している」とした12月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出した。3カ月連続の下方修正で、「悪化」の表現を使うのは、IT(情報技術)バブル崩壊後の2002年2月以来6年10カ月ぶりだ。同日、財務省が発表した11月の貿易収支速報(通関ベース)も2カ月連続の貿易赤字で、輸出は前年同月比26.7%減と、比較可能な1980年1月以降で最大の減少を記録した。日本経済を支える輸出の大幅減少を受け、企業は生産、投資を控え、雇用情勢も悪化することは間違いない。景気は底割れの懸念が強まっている。

≪「第3の危機」≫

「日本経済は1年を通してマイナスが予想される『第3の危機』にある。この厳しい環境から脱却し、持続的な成長に明確な目標と果敢な政策が必要だ」

日本経団連の御手洗冨士夫会長は22日の臨時総会でこう訴えた。現在の経済情勢を第1次オイルショック、バブル崩壊に次ぐ不況の到来と位置づけ、総会に出席した麻生太郎首相に果断な景気対策を求めた。

御手洗会長の指摘を裏付けるように、12月の月例経済報告も現在の経済情勢に対して厳しい認識を示した。特に企業部門の悪化が顕著に表れ、設備投資、住宅建設、生産、企業収益、企業の業況判断、雇用情勢の6項目が下方修正された。

日銀も政府と同様の認識だ。同日発表した12月の金融経済月報では、景気の現状について「悪化している」との判断を示し、11月の「停滞色が強まっている」から下方修正。企業の業況感は「悪化している」、生産は「大幅に減少」、個人消費も「弱まっている」とそれぞれ判断を引き下げた。

11月の貿易統計でも明らかなように、日本経済を牽引(けんいん)してきた輸出が大きく減少し、企業の体力を完全に奪った。世界的な景気悪化の影響により、米欧に加え、これまで堅調だったアジア向けの輸出も大幅に落ち込んだ。特に日本の主力産業である自動車への逆風は強く、11月の自動車輸出は前年同月比31.9%減、自動車部品の落ち込みも29.9%に達した。国内外の販売不振と円高を受けて、トヨタ自動車は09年3月期の営業損益がついに赤字に転落すると発表した。

自動車大手各社は非正規社員の契約打ち切りを急ぐ。22日には軽自動車大手のスズキとダイハツ工業が国内減産や期間社員らのリストラを相次いで発表。「ほんのわずかな判断の遅れが命取りになる」(ホンダの福井威夫社長)厳しい状況で、米ビッグスリー(自動車大手3社)の経営危機は対岸の火事とはいっていられないのが現実だ。

≪上振れ考えづらい≫

一方で、12月の月例経済報告は個人消費の基調判断を据え置いた。消費の動きは一進一退で、景気の下支え効果が改めて裏付けられたようにもみえる。しかし、「派遣切り」「内定取り消し」が頻発する中で、雇用環境は崩れ落ちるように急速に悪化。先行きの不透明感から、消費マインドも急速に冷え込んでおり、景気下支え効果も限界を迎えつつある。

与謝野経済財政担当相は22日の閣僚会議後の会見で、「日本経済は独立して成り立っているわけではない。金融や貿易などあらゆる面で世界経済とつながっていることを考えると、まだまだ解決しなければならない問題が多く存在する。上振れする状況とは考えづらい」と、先行きについて厳しい見方をした。

世界経済を引っ張ってきた米国経済の動きをみる限り、不況はまだ入り口にさしかかったばかりで、底割れしかねない危険な水準に入りつつある。御手洗経団連会長のいう「第3の危機」に対し、企業は政府に助けを求め、政府をその悲鳴に応えようと頭を痛めているが、有効な対策を見つけ出せず、右往左往するばかりだ。