アクセス解析の説明に大切なこと

1)一般的な例ではなく、相手のサイトにあわせた説明をする。


説明する側にとっては、相手のサイトを理解する事により具体的な説明が出来るし、聞いている側も「自分のサイトの事を話している」と集中力が上がり、説明者に対して親近感を覚えやすいです。

例1

× コンバージョンページは、「コンバージョンページ」として登録する必要があります。

○ このサイトのコンバージョンページ、つまり「ユーザーに一番して欲しいこと」を教えてください。
(資料請求をして欲しいです)
では、この「資料請求完了ページ」をコンバージョンページとして画面に登録しましょう。成果ページとして登録する事により(以下略)



2)余計な情報は説明しない


説明しなくても良いことを説明する事は時間の無駄にもなるし、聞いている側も「あぁ、ここは自分のサイトとは関係ないな」と思い集中力が切れます。

例2

× アクセス解析ツールではページURLを判別する際、クエリーストリング(URLの?以降の部分)は見ません。しかしパラメータ名に検索の種類が入っていて、そのパラメータの値ごとに別のページとして計測したい場合、つまりsearch.cgi?type=aとsearch.cgi?type=bを別のページとして取得したい場合、別々のページとして取得出来るような設定をする必要があります。その方法ですが、(以下略)

○ このサイトには動的なページはありますか?
(いや、静的なページのみで、クエリーストリングを使ったページはありません)
わかりました。ではこのページの説明は割愛しますが、もし将来的にそのような予定がある場合は、このページは別途読んでおいてください。



3)「何故」を説明しないと「理解」されない。


説明する側にとっては当たり前のことも、初めて聞く人にとってはそれが常識ではないので、具体的にしかもちゃんと理由を伝えながら説明する事が重要となります。

例3

×メインとなる導線のページ名称はちゃんとつけた方が、画面を見るときにわかりやすいです。
(…画面で分かりやすいって言われてもなぁ、考えるの大変だしそのままじゃダメかなぁ)

○メインとなる導線のページ名称をつけておく事により、画面でページ別PVなどを見る際に、長くて意味がわかりづらいURLより、ページ名称が表示されるため、どのページのことを指しているかが分かりやすくなります。



4)説明が無くとももわかりやすい資料を作る


資料は説明が無くても、理解出来る物にする必要があります。口頭で言う大切な事は全て資料に記載しましょう。資料作り時に気をつけることは

A)伝えたいこと・意味することを各ページの最初あるいは最後に記載しておく

B)説明の文章は極力省き、スクリーンショットあるいは手順説明に重きをおく

C)分かりやすい目次あるいはラベルをつける

 (導入担当者が見るべきページにはページの右端に赤いラベルを、

  運用担当者が見えべきページにはページの右端に青いラベルを など)

D)資料には必ず問い合わせ先のメールアドレスあるいは電話番号を入れる

E)一番大切で、理解して貰いたいことを1枚にまとめ最後に配布する(あるいは資料の最後のページに入れておく)

などがあります。



5)紙ではなくスクリーンに注目させる


少人数でも大人数でも、可能であればプロジェクターを使って説明をした方が良いです。プロジェクターを使うことにはいくつかのメリット(そして多少のデメリット)があります。

○資料に動きをつける事で、大切なポイントを理解して貰う

○資料をずっと見ていると眠くなる

○先をどんどん見てしまう人が、説明に集中してくれない

○紙では出来ない、アクセス解析ツールのデモが行える

×部屋が暗いとだんだん眠くなってきてしまう

×既に知っている人にとっては時間が長く感じてしまう

配布する資料とスクリーンに映す内容を若干変えておくのも割と良く使っているテクニックです

機能や分析手法の説明は紙に書いておくが、他サイトの事例はスクリーンのみに映すという方法をとったことがありますが、集中力を維持させる事に対して効果的だったと思います。



6)質問をさせるタイミングは最初に宣言しておく


「Q&Aをいつしてもらうか?」は説明の前に伝えておく。

聞いている人がやきもきしないで済み説明に集中できます。大勢に説明する時は質問は最後に、少人数に説明する時は随時というやりかたが、一番時間のコントロールがしやすいと思います。

行ってはいけないのが

「説明に時間がかかってしまい質問を全く受け付けられなかった」

「途中で質問に答えていたら説明が最後まで出来なかった」

どっちも聞いている側にとっては不満足あるいはすっきりしない状態となってしまいます。

必ず説明時には時間を気にするくせをつけましょう。携帯のバイブ機能で、終了10分前になるように設定する方法などは有効です。



7)聞いている人のレベルを把握し適切な内容を話す


アクセス解析経験者に対して、PV・訪問回数・訪問者数を説明する事は時間の無駄になってしまいます。また、はじめてアクセス解析ツールを使ったり、勉強する人に対して、セッションの定義を説明しない事には、概念を理解して貰えません。こういった相手のレベルを確認し、的確な説明をする事は、お互いのためにもなります。

では、大人数で様々なレベルの人がいる場合はどうするか?これは非常に難しいです。私自身の考えとしては、資料を初心者向け、説明を中級者向けにする事で対応いたします。基本的に必要な内容、あるいは絶対にしておこないといけない内容は、資料に書いておきます。その上で、口頭では中級者向けのことを話し、「この内容の概念あるいは前提は資料の何ページに書いてある通りです。必要な人は読んでおいてください」というような事を伝えます。



8)ホワイトボードを積極的に活用しよう


ホワイトボードは非常に有用なツールです。相手から聞かれた質問を図示して説明したり、大切案ポイントやその場で答えられない持ち帰り事項の記述、アジェンダの記録、タイムラインの記述など様々な用途に使えます。また、その打ち合わせの中で分かった事実を記載しておく事により、その事実に基づいて話をしたり、事実が分からなくなるようなことを防いでくれます。

打ち合わせ完了後は携帯電話で画面を撮っておくか、印刷しておくと良いでしょう。



9)やっぱり大切なのは「事例」


前回の記事にも書きましたが、一番人をひきつけ動かすのは事実及び事例です。他のサイトでどういう数字を取っているか(社内外含め)、またその数字を見てどうやってサイトにそれを反映させ改善させるか。こういった「自分のサイトに置き換えるとどうなるだろう?」という考えを聞いている側が出来るような説明が理想的です。「こういった機能があります」というのは、相手に想像力を働かせるきっかけにはなりません。



10)可能な限りフィードバックを受け取る


説明するだけに夢中にならず、相手の反応や言葉を見ましょう。自分の説明がどう伝わっているかあるいは伝わっていないかは相手を見ないとわかりません。では、フィードバックはどうすれば得られるのか?いくつかの方法があります。

A)アンケートを行う(セミナーや勉強会などの比較的大規模向け)

B)Q&Aの内容を書き留め、その背景を考える。

 特に自分が説明したと思っのに、聞かれるような質問は、説明の仕方や資料に問題があるので改良が必要です。

C)相手の態度や仕草などを見る

 つまらなさそうにしている人、資料をどんどんめくってしまう人、眠そうな人、やる気がなさそうな人を見つけ、その理由を考えてみよう。

資料やプレゼンはフィードバックを受けないと改良されません。また、話す相手によって重視するポイントあるいは、分かって欲しいことは毎回変わるはずです。現状に満足せず、または満足していなくとも妥協をせずに、積極的に資料と自分を磨いてみましょう。




まとめ


10 個の手法を紹介してきましたが、いかがでしょうか?アクセス解析特有の説明方法だけではありませんでしたが、参考になれば幸いです。当たり前のことを書いておくと、皆さんご存じの通り「準備8割、本番2割」が良いプレゼンへの秘訣です。しかし、この「準備8割」を正しく行い、今の資料を改善するためのネタは「本番2割」の中にあります。

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最終更新:2009年01月24日 16:32
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