贈り物 ▲upSat, 09 Dec 2006 15:01:33 GMT
良いこと全然ない一年だった、と書いた矢先、
前の彼が博士課程を終了できることが決まったと知らせがあった。
これは大変に嬉しいことだ。
私と付き合い始めた頃、彼はまだ学部の四年生だった。
卒業後転部をして、その学部を卒業後、違う大学の大学院に入った。
修士課程は無事修了したけれど、 博士課程はなかなか大変だったようで、
途中留学をしたり、就職を考えたりしていたけれど、
やっと博士論文が認められたらしい。
出会った頃、彼は数学科の学生で、 私と彼のお母様は、彼は立派な学者になり、
フィールズ賞でも取るのではないか、と真剣に思っていたほどだった。
まぁ、親馬鹿ってことで。
ドラマ「やまとなでしこ」を見ていた人ならわかると思うけれど、
フィールズ賞は数学のノーベル賞とも呼ばれる権威有るもので、
40歳以下の若手数学者に授与されるもの。
ノーベル賞に数学賞がないことから作られたらしい。
でも実際4年に一回の国際数学者会議で、しかも40歳以下という年齢制限
があるのだから、 ノーベル賞より難しいらしい。
前の彼とお付き合いしてた頃、過去にフィールズ賞を受賞した方の講演を聴きに行って、
数学の面白さ奥深さに触れて感動した記憶もある。
ちなみに私は数学は大の苦手科目。
でも、彼から数学の楽しさを教わった気がする。
今でも数字は苦手だけれど。
その彼も、数学者にはなれないと、ある種の挫折をして
（まるで、やまとなでしこのオオスケ君みたいに・・・）
違う学部に進む決心をして、その分野を極め博士にまでなってしまった。
付き合った当時から、その大学の大学院の博士課程で学ぶことが夢なんだ
と言っていたので、彼は有言実行したのだ。 これは素晴らしいし、大変にめでたいことだ。
ちなみに修士課程の学費は私が払ってあげたし、 私も少しは貢献しているのだ。
で、何が問題かと言うと、 私は彼が大学院に入る前に、車を買ってあげた。
それには色々理由があるのだけれど、 私のタクシー代が高額になっていたことや、
彼が車の買い替えを考えていたことや、彼の趣味のバイクを危険だからと
私が勝手に処分してしまったことへのお詫びとか、 もろもろ重なり、
パジェロを買うことになった。
で、その後彼に経済的な余裕が出来た時に
その代金を頂き、正真正銘、車は彼の物になっている。
別れてからも、彼はその車を乗り続けており、 以前話した時に、
博士課程を修了できたら、ご褒美として
新しいパジェロに買い換えてあげるわよ、と約束していた。
愛情がどうとかいう問題では全くなくて、 別れてからも、彼にはお世話になっており、
そのお礼と言うか、お詫びと言うか、色々な感情からそれくらいさせてね、
という意味で言ったつもりだった。
今日、知らせがあったのも、彼の友人からなので、
もし彼本人から連絡があったらどうしよ～
約束覚えているかな～と内心ドキドキしている。
だって、パジェロだよ～○百万はするでしょ～。
本当は、今の彼が、以前からバス釣りのボートを欲しがっているので
私の母に交際を反対されて彼には気分的に、 迷惑をかけて
申し訳なさも感じていることもあり、 気分が良ければ（＝sexがうまくいっていれば）
ボートくらい買い換えてあげても良いかな、と思って
一応予算を考えていたのだけれど、 今年も残り少なくなり
不能になる可能性は高くても満足させてくれる可能性は限りなく低いとわかり
いっそのことその予算を車に・・・と考えてしまったのだ。
今日も明らかに感じ悪い態度で帰ったし、 そんな彼にバスボートプレゼントなんて、
もったいないな、と思ってしまった。
先月私の誕生日だったことを知っている家族や友人は、
「彼から何をプレゼントにもらったの～？」とお決まりのように聞いてくる。
別に何も頂いていないので、「何ももらっていないけれど」 と答えると、
皆同様に「え～？！本当！？」と驚く。
私は特に欲しい物もなかったし、そんなことどうでも良かったのに、
まわりにそんな反応されると、 私は彼にヒドイことされたのだ、
愛情が薄いのだ、と思ってしまって、なんだか悲しくなってきた。
そのことを彼に言うと、彼は不機嫌になった。
そのことを言った私が悪いらしい。 私はそんな子供みたいな反応する男は大嫌い。
私が年上の男性に求めるのは、 そういう時、大人の対応ができる大きな器。
すねるとか、キレるとか、そんな子供じみた反応する男なんて、友達でもいらない。
今日、そんな彼を見て、そんな人に大金使うくらいなら、
心から喜んでくれる人への贈り物にお金を使いたい、と思った。
偶然以前付き合っていた男性、というだけで、
彼は人として男性として友人として、全てにおいて尊敬できる人だし、
お互い下心は全くない。
しかも今、彼は車の一台、キャッシュで買える経済力はあるのだ。
だから純粋に、私からのプレゼントとして、喜んでくれるのだ。
人間の社会関係は、即時決済ではない交換、の繰り返しによって
成り立っているということ。 今の彼にも学んでほしいものです。
普通いらないって言っても、お誕生日にはプレゼントくらいくれるわよね、
愛情があれば。 別に、100円の物でも良いわけ。
わざわざ自分でお店に行って、私のために選んでくれた物、
ということに意味があるわけ。 そのことを言った私が悪いなんて、信じられない。
ショッピングでストレス解消とはよく言うけれど、
今回は大きなお買い物になりそうだから、
今までのモヤモヤ全部すっきりさせてほしいわ。
私は、今回を最後に、前の彼とは連絡を取るのをやめようって言おうと思っている。
私の弱さのせいで、結果的に彼を振り回してしまったり、
今まで彼女を作らない原因は、私の存在にある気がして、
私とはもう関わらないほうが良い、と思っているから。
だからこそ、最後に約束守って、さようなら、
って言った方が気分的に良いかな、と思ったわけ。
今までは一応学生だったから良かったけれど、
大学卒業して社会人になれば、全て自分の責任で生きていくわけだし、
私の存在が彼のこれからの人生の邪魔をしてしまいそうで、いけないなと思っている。
別れても、友達としてのお付き合いは続けていけると思っていたけれど、
それは私たちの場合は今後良くない結果を招きそうだと感じるし、
お互い気持ちのどこかで依存してしまっているのは確かなので、
これを機会に、きっぱりお別れしたほうが良いと思っている。
まぁ、今の彼が頼りないから、
これから何を拠り所に生きていったら良いのか困ってしまうけれど、
そんな子供みたいなことも言っていられないし
私も精神的に自立しないといけないなぁ、といまさらながらに思った今日でした。
(終わり)
最終更新：2009年12月24日 01:23
