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盤曲の台は食い違い

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盤曲の台は食い違い ◆LxH6hCs9JU



 人ならざる者たちが、この世の日に陰に跋扈している。

 自らを称して〝渦巻く伽藍〟、古き詩人の命名を受けて〝紅世の徒〟という、彼ら。

 この世の歩いてゆけない隣――〝紅世〟から渡り来た彼ら〝徒〟は、〝存在の力〟を奪うという形で人を喰らう。

 それが世界の調和を崩す行いであるとも知らず、知っていたとしても、〝徒〟は暴挙をやめなかった。

 やがて、強大な力を持つ〝徒〟たる〝紅世の王〟は、事態を憂い、同胞を狩るという苦渋の決断を下した。

 名だたる〝王〟が武器、あるいは尖兵として選んだのは、〝徒〟に存在を滅ぼされた人間。

 復讐心に縛られた彼らは〝王〟と契約し、討滅者〝フレイムヘイズ〟となる。


 これは、とある少年と〝フレイムヘイズ〟の少女が織り成す物語――の脱線部分。


 分岐を違えた一つの盤曲として、人類最悪の声を唱和し語られる。


 ◇ ◇ ◇


「――まるで凶界卵がごとき、趣味の悪い言葉遊びでありましたな」
「同感」

 一人にして二人の声が、ビルの群集からなる市街、閑散とした路上へと落とされる。
 丈長のワンピースに白いヘッドドレスとエプロンを纏った、奇妙な装い。
 編上げの長靴でコンクリートの路を踏み、端正な顔つきをあたりに散りばめる。
 評は、御崎市駅郊外よりも若干発展しているか――という曖昧なもの。

「辺りに気配は」

 一見してメイドとしか判別できない姿を取る女性は、『万条の仕手』ヴィルヘルミナ・カルメル。

「若干名」

 ヴィルヘルミナに応答を返す、彼女のヘッドドレスから齎される声の主は、〝夢幻の冠帯〟ティアマトー。

「解釈の幅は広く持つべきでありますが……些か情報が不足しているのであります」
「事態究明」

 彼女ら、二人にして一人の存在の総称を〝フレイムヘイズ〟。
 最悪の声による最悪の説明の後、最悪の催事に巻き込まれた。
 実地へと立ち、ありとあらゆる考を巡らせ、足の先を揃える。

 ヴィルヘルミナの向く先、そこにはある意味では同郷の徒が、早速の暴挙に出ようとしていた。


 ◇ ◇ ◇


「うううぅぅぅ……」

 金切り声にも似た嗚咽が、路上の隅で小さく反響する。
 拾ってください、と書かれたダンボールでもあればそこに収まってしまいそうな、慈愛を求める少女の姿があった。
 白を基調とした修道服を纏い、なぜかそれを安全ピンで止めている少女、インデックスは酷く空腹だった。

「とーまぁ……うぅうぅ」

 立場的には飼い主にも等しい男の名を呼び、返答なくして虚しくまた唸る。
 この空腹具合はなんだろうか。昨日の晩餐の献立が思い出せない。もしかしたら絶食したのだろうか。
 傍らにあった黒い鞄を抱きかかえつつ、インデックスは誰かが優しく声をかけてくれるのを待っていた。

 ……というのは、か弱い少女としてのポーズにすぎない。

 10万3000冊の魔道書の内容を記憶している彼女は、捨て猫ではなく図書館……俗に言えば、完全記憶能力者である。
 人間を超越した知識を『貯蔵』している彼女は、空腹の端でずっと考え続けていた。
 己に降りかかった災厄とも呼べる異例事態。
 それらが保有する知識の中でカバーできうるものではないほどのイレギュラーケースであることを、既に悟りながら。

 あの狐面の男は何者だったのか――。
 この競争と銘打たれる催しの実態はなんなのか――。
 その催しを牛耳る主催者とも呼ぶべき存在の正体ははたして――。

(人類最悪、だなんて……あの人は直接口には出さなかったけど、生き残りをかけた椅子取りゲームってことは、つまり)

 該当例は存在しない。しかしインデックスは聡明なことに、答えに気づき始めていた。
 鞄の中身を探ってみて、発掘に成功した紙切れ……そこに記載された名前を見ても、得心がいくものではない。
 ただ、薄々。なんとなく、レベルで。もしかしたら、と一抹の不安を抱えながらも。

(神のご加護は届かず、この世は日常から、ううん、世界の枠から外れて……)

 狙われる立場にあったかつてのインデックス、それを基点とした事件では、ない。
 彼女もまた、巻き込まれた一人にすぎなかった。そう断定して、疑問は積み重なる。
 今、この地に立つどれだけの知恵者が躍らせていることだろうか。
 ある者は迷宮に直面し、ある者は雁字搦め、ある者は真相に気づけていることもあるのか。

 脳に酸素が回らないってことは、やっぱりごはんが必要なんだよね、と。
 インデックスは考察を打ち切り、いそいそと鞄の中を探り始めた。
 名簿の他に出てきた数々の物資、それらの中から目的のものを探し当てると、ピリッと包装紙を破く。
 支給された食料は、定価98円のメロンパンだった。

「いただきま――」

 と。
 人類最悪を名乗る狐面の言葉には混ざらなかった、決定的な単語。
 説明の不足が、危機感を削ぎ、理解はできても実感はできない、というある種異常で、ある種不幸な結果を齎した。

「こんにちは、おちびさん。逢魔が時に相応しい出会いだ」

 インデックスがメロンパンを口いっぱいにほうばろうとしたそのとき。
 メロンパンの奥の光景に、礼装の男性が銃を構え、にこやかに立っているのを見た。


 ◇ ◇ ◇


 消音機を用いた銃声は、あたりには響かず。
 絶句したインデックスの手から、まだひと齧りもしていないメロンパンが地に落ちた。
 その眼前、一条のリボンが9mm程度の弾丸を受け止め、威力を殺している。
 弾丸はそのまま、メロンパンとまったく同じタイミングで地に落下。
 ポスッ、カラン、という弱い音が静寂に混じり、そしてインデックスは取り残された。


 ◇ ◇ ◇


「噂はかねがね。実際にお会いするのは初めてかな? 〝夢幻の冠帯〟、そして『万条の仕手』。
 もしくは、過去の功績に敬意を評して『戦技無双の舞踏姫』と呼んだほうがいいかな?」

 硝煙の上がる銃を持ちながら、純白のスーツを身に纏った男が言う。

「呼称への配慮など結構。しかし博識なところを見ると、確かに〝狩人〟フリアグネ本人のようでありますな」

 一条のリボンを手足のように繰り、それで銃弾を弾き落として見せたメイド姿の女性と、

「存在証明」

 彼女のヘッドドレス型の神器〝ペルソナ〟に意思を表出させている〝紅世の王〟が敵意を添えて返す。

「……?」

 これから栄養分の補給に勤しもうとしていた修道女は、メイドの後方で硬直を余儀なくされた。

 純白のスーツに身を纏った、眉目秀麗な男性を、〝紅世の王〟、〝狩人〟フリアグネ。
 メイドの衣装を身に纏った、凛々しい美貌の女性を、〝フレイムヘイズ〟、『万条の仕手』ヴィルヘルミナ・カルメル。
 ヴィルヘルミナの頭にあるヘッドドレス、神器〝ペルソナ〟に宿る〝紅世の王〟を、〝夢幻の冠帯〟ティアマトー。
 状況から隔離された『必要悪の教会』所属のシスター、10万3000冊の魔道書を有するインデックス。

 四者遭遇の場で、各々が各々の思想を巡らせ、行動に移そうとしている。
 主導権を握るのはフリアグネとヴィルヘルミナの二人。インデックスは、固まったまま身動きが取れなかった。

「フレイムヘイズ殺しの名で知られる〝狩人〟が、抹消された十名の内の一人だったというわけでありますか」
「殺しの名で呼ばれるのは好きではないな。〝狩人〟の真名は、本来宝具の収集家たる点を称したものでね」

 互いに、銃とリボン、それぞれが用いれば武器としては十分な道具を構えたまま、文言を交わす。

「私としては、こんなところで君のような高名すぎる討滅者に出会えたことを、喜ばしく思うよ」
「……矛を差し向ける、あるいは矛を収める前に、質問を呈したいのであります」
「ほう。私のような若輩者に、古き乱世を生き抜いたフレイムヘイズがなにを?」
「此度の異常なる事態、枠に入れられた〝紅世の王〟としてはどう見たものでありますか?」

 問いに、フリアグネは微笑を纏う。
 嘲弄にも似た笑みは掠れた声となって間を埋め、ややの後に答えを示した。

「どう見るもなにも、趣旨は先ほど説明されたばかりだろう? 生き残りの椅子を巡る。ただそれだけさ」
「ならば、人類最悪なる男の言葉に唯々諾々と従うと? 『都喰らい』を企てた〝狩人〟は」
「……っ!?」

 ヴィルヘルミナの応答に、フリアグネは驚愕の意を示した。
 余裕に満ちていた表情は一変、重苦しく歪み、さらなる牽制を放る。

「なぜ、面識もない君がそれを知っているのか……教えてはもらえないかな?」
「事実として残されているからであります。そう、『炎髪灼眼の討ち手』によって討滅されたということも。まるで――」
「死者蘇生」

 ヴィルヘルミナは常の鉄面皮を、いつも以上に強張らせて事態を訝った。
 目の前の〝狩人〟フリアグネは、『炎髪灼眼の討ち手』によって討滅された、いわば死者であるはずの存在だった。
 自身、『炎髪灼眼の討ち手』とも親交の深いヴィルヘルミナは、これが誤報などとは思わない。
 死んだ人間がトーチとしてこの世に再び顕現するならともかく、〝紅世の徒〟が復活するなど、ありえないのである。

「フフフ……フハハハハ! 炎髪灼眼のおちびちゃんか。私が彼女に討滅されたと? まったく、おかしなことを言う」

 ヴィルヘルミナの懐疑的な言動を、気狂いとでも見て取る哄笑のフリアグネ。
 笑い飛ばしての否定は、ヴィルヘルミナの捉える事態の深刻さ、考察の根深さをより重くしていく。

「だが、あながち戯言というわけでもないらしい。討滅の道具たる君が、すぐに攻勢に出ないのもそのためじゃないのかい?」
「否定はしないのであります。フレイムヘイズとしての任を果たすには、情報が決定的に不足しているのも事実」
「真相模索」
「此度の催しの趣旨、頭では理解できても、懸念は膨大なほどに残っているのであります。たとえば」
「……討ち滅ぼされたはずの私、とでも言うのかい?」

 ヴィルヘルミナが首肯する。

「この一件、人の世と〝紅世〟だけに留まる話ではないのかもしれない、というのが我らの見解なのであります」
「異常過多」

 回答を受け取り、フリアグネも一考する。
 しばらくして、銃を収めると同時に言葉を解き放った。

「確かに。封絶を始めとした一部の自在法が機能しないことは既に確認済みとは思うが、それはどう見る?」
「そういった自在法や宝具が存在しない、とは言い切れないのであります。しかし」
「……ここまでの大規模な力の発現、そして目的と手段。どれをとっても、不可解の枠に縛られるといったところか」
「なればこそ、事態の究明に当たりたいというのが方針の一つ。名だたる〝紅世の王〟とて、その程度は――!?」

 ヴィルヘルミナが言う途中で、フリアグネが再び銃を抜いた。
 銃口の向きにぶれはなく、一点、ヴィルヘルミナの胸元のみを狙っている。

「常のフレイムヘイズならば、死を呼ぶには足りない武器だ。しかし、この場ではどうだろうか?」
「……どうでありましょうな。それは、そちらも同じでは?」
「回答困難」

 言葉を詰まらせるヴィルヘルミナの手が、わずかに動く。
 風にたゆたうリボンが、さらなる躍動を求めるようにして、フリアグネを牽制した。
 緊張の時が流れ、しかし闘争には発展しない。
 互いに敵対の間柄にある、そしてなにより、実際に敵意を示し合っているという事実を噛み締めながら、動かないでいた。

「ヴィルヘルミナ・カルメル。君がフレイムヘイズとして言いたいことは、よくわかる。
 討滅の道具を作り出したる〝夢幻の冠帯〟、それは君にも言えたことだ。
 だが理解はできても、私はそれを受諾することはできないな。説明は不要だろう?」

 ヴィルヘルミナは、雰囲気だけでしかめっ面を表現する。

「……やはり、動機の根幹は世の調和を崩さんとする〝紅世の徒〟、ということでありますか?」
「愚者」
「悲しいね。やはり討滅の道具でしかない女丈夫の視点では、そうとしか受け取れないか」

 フリアグネはそれを笑って流し、再度銃口を下げた。
 その不可解な行動に、ヴィルヘルミナはより一層、警戒を強める。

「語らいは不要だろう。私は、言われたとおりに生き残りの椅子を巡るつもりだよ。
 とはいえ……今ここで君とやり合うのは好ましくない。それはそちらも同じはずだ。
 事態の究明などという回り道を辿る暇があるのか、今一度よく考えてみるべきと私は思うがね」

 フリアグネの助言をいらぬお節介と受け取り、ヴィルヘルミナもリボンを収めた。
 二人の間にあった緊張の空気は、紐解かれることなく既に雲散霧消している。

 敵を目の前にして、攻勢に出れないヴィルヘルミナは、わずかな時の中で懊悩していた。
 今となっては、〝紅世の徒〟とて絶対の敵対者であるとは判断しきれない。
 フリアグネとて、自身と境遇は同じ。選択した方針は見過ごせないが、今は刃を交わすべき時でもない。
 仮にこの、一応の判断が不正解だったとしても、今のヴィルヘルミナにはこれしか選ぶことができなかった。

 因果孤立空間を作り出す絶対の自在法、〝封絶〟がなぜか展開できない現状。
 抑制を感じるこの身で、近代では五指に入るとも言われた〝紅世の王〟の本物と戦うのは、恐ろしい。
 それは感覚的な恐怖心ではなく、道を誤るという結果を提示される、それによって潰れうる未来を按じての恐怖だった。

「ではまた会おう。『万条の仕手』、それに〝夢幻の冠帯〟。炎髪灼眼のおちびさんにも、そのうち会えるかもしれないね」

 不適な笑いを残し、〝狩人〟フリアグネは中空へと消えていった。


 ◇ ◇ ◇


「なんともいけ好かない男でありましたな」
「不愉快」

 フリアグネが去った後、ヴィルヘルミナが遭遇の感想を率直に零し、ティアマトーがそれに同調した。
 討滅され亡き者とったはずの〝紅世の王〟との邂逅は、得るものはあったがやはり釈然としない。
 謎は寸毫も解明されず、依然として真相を見失ったまま、ヴィルヘルミナは方針に悩んだ。
 そのとき、

 ぐきゅるるる~

 といった腹の虫の鳴く音が、ヴィルヘルミナの耳に鮮明に届いてくる。
 振り向く背後、そこにはヴィルヘルミナとフリアグネの邂逅を目前にただ呆然としていただけの少女が、ぺたんと座り込んでいた。

「あっ……えっと……おなかが、空いたんだよ?」

 なぜか疑問系で語りかけてくる少女に、とりあえずの敵意はないと察すると、

「ふむ」

 ヴィルヘルミナは短く唸り、肩に提げていたデイパックを足元に落とした。
 ジッパーをずらし、中を探る。目的のものを掴み取ると、それを少女の前に提示した。

「なんとも間の抜けた話ではありますが……これが『武器』とは運のない」
「武装不要」
「もちろんであります。論じているのは、あくまでも籤運の話」

 ヴィルヘルミナ・カルメルは、宝具のような武器を必須として戦うフレイムヘイズではない。
 契約する王、ティアマトーの意思を表出させた神器〝ペルソナ〟さえあれば、渡り歩くには十分だった。
 とはいえ、支給された物資、人類最悪の言葉を借りるならば武器が、こんなものとは……とも思ってしまう。

「あの、これは……?」
「空腹なのでありましょう?」

 幼きシスターに、ヴィルヘルミナは好意を振舞う。
 彼女からも引き出せる情報はある、と判断しての処置だった。

「ある種、生活必需品なのであります」
「即席麺」

 ヴィルヘルミナと少女の間に、カップラーメンが一箱挟まれていた。


 ◇ ◇ ◇


 市街上空を飛んでいたフリアグネは、ビル郡の中でも一際巨大なそれの屋上に降り立ち、夜景を眺める。
 いきなりの敵対者、フレイムヘイズとの邂逅は予想外ではあった。
 それでも、遭遇したのが慎重派で知られる『万条の仕手』であったのはせめてもの救いか。

(これが『弔詞の詠み手』のような戦闘狂だったらば、ゆっくり策を弄する暇も与えられなかっただろうな)

 フリアグネは疲れたため息をつき、先ほど名も知らぬ修道女に退場を願おうとした武器を、懐より抜き取る。
 支給されたワルサーP38は、銃器としてはさほど珍しい型でもない。
 しかしまさか、〝紅世の王〟である自身がこんなものを握る日がくるとは思ってもみなかった。

(敵が討滅の道具というのなら、レギュラーシャープのほうがずっと心強いものだがね。
 相手が人間ならば……こんなものでも重宝すると思っておいたほうがいいか)

 封絶の使用不可、一部の自在法も封じられており、トーチの精製すら怪しい。
 この先、どのようなものが生き残りの決定打となるかはわからないゆえ、不安も晴れる見通しではなかった。

 ヴィルヘルミナが言わんとしていた懸念は理解できるが、それもフリアグネとしては配慮するべき部分ではない。
 自身が『炎髪灼眼の討ち手』に討滅された、という情報の齟齬も、今は思索せず胸中に留めておく。

 支給された鞄、その中にあった名簿を辿ってみれば、フリアグネの名は記載されておらず、知った名が三つ。
 先ほどが初邂逅となる、〝紅世の徒〟の間では有名人とも言えるフレイムヘイズ、『万条の仕手』。
 さらに、都喰らいの舞台として仕立てていたあの都市――御崎市で出会った〝ミステス〟の少年、坂井悠二。
 そしてシャナという名も、坂井悠二が『炎髪灼眼の討ち手』のことをそう呼んでいた記憶がある。
 他、記載されていないらしい九名の中にも、〝紅世の徒〟やフレイムヘイズが混ざっている可能性はある。

「……だからといって、私の指針にぶれはないさ」

 わざわざ声に出して、フリアグネは強く決意する。
 この企画の意味、最適解、裏道――考えられはすれど、考えるべきではない、と打ち消す。
 フリアグネの胸にあるたった一つの願いを叶えるためには、企画の趣旨に乗ってやるのが一番手っ取り早かった。

 つまり、生き残りを目指す、ということである。

 その理由など、『現世に残してきた最愛の彼女』……のワンフレーズで事足りる。

「ああ、愛しのマリアンヌ……すぐに帰ろう。君と私の願いを叶える、その、続きを――」

 愛を唱え、〝狩人〟フリアグネは再び中空に消えた。



【C-4/ホテル近辺/一日目・深夜】
【インデックス@とある魔術の禁書目録】
[状態]:空腹
[装備]:なし
[道具]:デイパック、支給品一式(未確認ランダム支給品1~3個所持)
[思考・状況]
1:おなかが空いたんだよ?


【ヴィルヘルミナ・カルメル@灼眼のシャナ】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:デイパック、支給品一式、カップラーメン一箱(20個入り)
[思考・状況]
1:修道女に食事を与え、情報を聞き出す。
2:事態の究明に努める。
[備考]
※封絶使用不可能。


【C-5/百貨店屋上/一日目・深夜】
【フリアグネ@灼眼のシャナ】
[状態]:健康
[装備]:ワルサーP38(7/8、消音機付き)
[道具]:デイパック、支給品一式(未確認ランダム支給品1~2個所持)
[思考・状況]
1:『愛しのマリアンヌ』のため、生き残りを目指す。
[備考]
※坂井悠二を攫う直前より参加。
※封絶使用不可能。


【カップラーメン一箱(20個入り)@現実】
お湯を注いで三分待つだけですぐできる。
ダンボール詰めのお買い得品。しょうゆ味。


【ワルサーP38@現実】
全長:216㎜ 重量:790g 口径:9㎜×19 装弾数:8+1
ルパン三世の愛銃として有名な自動拳銃。サイレンサー付き。





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