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10月21日04:58 夢の続き

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10月21日04:58 夢の続き


明日、本編ガ続クモノト期待シテオリマス...

なんだかどういう夢を見ていたのかよく覚えていないのですが、
うなされていたみたいで、
トナリで家内が
「起きて、起きてよ、大丈夫?」
「あ、夢だったのか」

「どうしたの、なんかうんうん言ってたよ。何の夢を見てたの?」
「いや、それが覚えてない・・・・」
「覚えてないなんてウソでしょ、よその女の夢でも見てたから、言えないに違いないわ。さっさと白状しなさいよ。」
「いや、覚えてないものは・・・・」
「やっぱり、私には言えないのね!」
というので大喧嘩になります。

仲裁に入った大家が「それは奥さんが悪い、覚えてないものはしょうがないじゃあないか」 と、とりなしてはくれたものの、あとでこっそり
「奥さんにはああ言うとったけど、本当は覚えとるのやろ? ワシにはこっそり教えてえな。」
「いいや、ほんとに覚えてまへんのや。」
「大家といえば親も同然、店子といえば子も同然と言うに、ワシにも言えんのか! よし、わかった。奉行に訴えてやる。」
奉行所に訴えられてしまった。

奉行はといえば「これ大家、その方が悪い。覚えてないものはしょうがないではないか。大家といえば親も同然と言うに店子を訴えるとは何事か。」 と言ったものの。
あとでこっそり、
「ワシはその方ら町人の見る夢なぞに興味はない。 ないが、役目上、町人というものがどういう夢を見るものか知っておきたいと思う。奉行のワシになら話せるであろう。どのような夢であったか申して見よ。」
「ほんとに覚えてまへんのや。」
「うぬ、ワシにも言わぬと申すか。その方奉行の裁きが怖くはないのか。いったい何なら怖いというのだ。」
「もちろんお奉行様は恐ろしゅうございますが、天狗様はもっと恐ろしゅうございます。」
「あい解った。ならば天狗に裁かせるまでじゃ。こやつを鞍馬山の杉の木に縛り付けてしまえ!」
とうとう鞍馬山の杉の木に縛り付けられてしまいました。

夜になる、日は暮れる、深い山の中、あたりは真っ暗で人もいない、
「なんで、こんなことになるんやろ。」とおいおい泣いておりますと、突如一陣の風とともにばっさばっさと大きな羽音。見ると目の前に雲を突くような巨大な天狗が立っております。
「なにやら妙な声がすると思えば人間か、こんなところで何をしておる。」
「実はかくかくしかじか」
「なんと、さても悪い奉行よな。 哀れ、助けてやろう。」
「ああ~、助かった、ありがとうございます。」
「我はかく変幻自在、神通力の身、人間界の俗事などには興味はない。 興味はないが、おまえがどういう夢を見たか話したいというなら、聴いてやらんでもないぞ。」
「ほんとに覚えてまへんのや。」
「なに、この大天狗にも言わぬと。 言わぬなら頭からかぶりついて食べてしまうぞ。」
「うわー、助けてください。 ひえー。」

トナリで女房が
「起きて、起きてよ、大丈夫? うなされてたよ。」
「あああ、夢だったのか」
「何の夢を見てたの?」
「いや、それが覚えて・・・・・・・・・・・・・」



コメント

2006年10月21日
09:02 トリトン

さすがjaさんの夢。笑えました(^ワ^)。
ディテールもしっかりしてたに違いありません(^_-)。


2006年10月21日
16:33 オヤジギャガー

老師、出版しましょう...。


仮に世の理解を得られず埋もれるとしても、後日、復刊ドットコムで運動を起こしますw


2006年10月22日
18:29 ja2047

これは別に私のオリジナルではなく、今日「天狗裁き」と呼ばれている上方落語なのです。
ただ、私はその昔(30年以上前)米朝さん(アメリカと朝鮮ではない)の演目で聴いて、感動的に面白かったので、それを伝えたく再現したのですよ。
私の聴いたやつでは、奉行との話では天狗は出てこず、縛られたのは町はずれの杉で鞍馬ではなく、天狗は唐突に現れたと思うのですが、語りの芸の力なしでは、奉行との話で天狗を出さないと、話を繋ぎきれないのですね。
結局私の記憶と違う話に再構成しました。





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