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小早川ゆたかの遺言

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小早川ゆたかの遺言 ◆vUo//O.X1M


今日も、卵を割る仕事をしなきゃ。
わたしは、真っ白な世界にたゆたっている。体はなく精神もなく魂もなく存在もない。私には確立している物だけがある。
理解不能なストリーム(あるいはシンドロームかもしれないし、スパイラルなのかもしれない)が支配していた。
一つの卵を割るたびに意味のないもの、意味のあるもの、全てが収束し消失し虚無へと孵っていく。
雛と化した為。雛と化した是。雛と化した卵。全は全。一は一。法則は反転しないが、屈折してやがて楕円となる。
やがてかんらかんらと孵った雛を割って、ろくでもない音響とろくでもない光景が溢れ出した。
狂う。来るって。来るよ来るよ。
ぶつ切りの。あいfまいwffまkwmかおcこあwkf:あ;f;g、r;h、drl;rrxb、・xr。b。

美dじゃおウェか時事jれmンファ;ljckじゃおm皆vkんかんふぁ;lfこsfm殺svz;v、s;あvsvしsヴぁv。

sfksんmfklsz柊kふえkk3んさあいjs??

まpwオタmrかfkvさあw・・・、913……。

「げてrっじぇんz;あ、w;ふぁwwwwwwwwwww??? 」

「ここは君の心の中サ! 」

jknkvaslvk,kんskglせげえねあまあ私は理解し、それから冷静になって周囲を見渡した。
ニタニタと気持ちの悪い笑みを浮かべている男がいた。
男の笑い声はBGMとなって、いつの間にかこの世界を支配している。

「ここは私の? 」

「心の中サ! 」

パクパクと、操り人形のように彼は繰り返した。
そうか、ここは私の心の中なのか。
わたしは安心して、卵を潰す作業に戻った。
卵を割る私の手が掴まれる。
先程の男が、私の仕事の邪魔をしていた。
私は男の頭を叩き割って、黙々と作業に戻る。
卵を割る私の手が掴まれる。
先程の男が、私の仕事の邪魔をしていた。
私は男の頭を叩き割って、黙々と作業に戻る。
卵を割る私の手が掴まれる。


「つれないネ! 」

「釣りはやったことありませんから」

「つれないネ! 」

男は一層高く笑い声をあげると、首を360℃回転させて背骨を露出させた。
私は背骨を露出させた男に興味を持つ。
よくみると、知った顔だった。

「キョンサン」

「お兄ちゃんだよ、さん、はい! 」

「キョンサン」

「つれないね! 」

キョンさんはぎこちない発声をやめると、私の知るキョンさんの態度に戻った。
服に付いた脳みそを袖で拭って、私の横に座り込む。

「ゆたかちゃん……どうだい、体調は? 」

「あまりよくh」

「んほおおおお!!! ゆたかたんのスメルベリベリグッドオォォォォォォォ!!!! 」

「……」


すんすんと鼻をヒクつかせるキョンさん。
私が引いていると、キョンさんは真面目な顔になって重々しく口を開く。

「ゆたかちゃん……今日は君に伝えたいことがあってきたんだ」

「はあ……」

「俺は死んだ。このロワにおいて日の目を見ることはもうないだろう……」

「……」

「なーんつってなwwwwww死んだくらいで出番を失ってたまるかってんだいwwwwww」

「草を生やさずに話を進めてもらえますか」

「俺は死んだ」


キョンさんはきりっと表情を引き締め、淡々と続ける。


「俺は死んだ……だが、君の心の中に君の愛する人として思い出端末……暫定残留思念が残っている。
 だからこうして君に語りかけることができるのさ」

「いえ、トラウマです」

「俺は君に愛されて死んだが、君を残して逝ったのは心残りだった。
 それで、俺が死んでから知ったことを君に伝えようとやってきたんだ」

「トラウマです」

「見てくれ」

キョンさんが手をかざすと、虚無の一部に孔が突き抜けた。
ガラスを張ったような透明な円心部の向こうには、私の姿が見える。
ここが心の中ならば、向こうは体の外。
かがみ先輩達から逃げおおせて、直立状態で笑っている私のからだが見える。
目の色はすっかり消えうせ、「ズガンでも死体役でもなんでもこなすぜ」といった風情だ。

「君の体が置かれているあの世界……おかしいと感じたことはないかい? ないだろうな」

「今のところ、彼女は3時間と34分ほど継続しておかしいと感じているようです」

「ありがとう」

突如声を上げた割れかけの卵に礼をいって、私は卵を割る。
キョンさんは大仰に手を振って、私を蔑んだ目で見つめる(ちなみにそれは私がキョンさんを見るデフォルトの視線だ)。

「違う違う、そういう個人レベルの違和感じゃないんだ」

「えーと……つまり? 」

「おかしいだろ! なんで終わったロワのキャラがまたロワやってんだよ! 」

「はぁ……」


キョンさんは憤慨したように身を捩じらせ、おもむろに服を脱ぎ始めた。
何故脱ぐ。

「見てくれ」

「見ません」

「いや、外の世界をだね」

私がわたしに目を向けると、外の世界のわたしの眼前になにやら奇妙な物体が飛んできていた。
時速180kmくらいで。

「あ、あれはいったい」

「あれはガイバーユニット。俺が変身の為に使っていた道具さ。
 本来なら俺が死んでもユニットが保存している情報から俺を再生するんだが、制限されているようだな。
 だが一度は俺と同期した強殖細胞よ、俺の残留思念を追って、君の前に来たらしい」

「変態アイテムですか……」

「見てくれ」


見ると、ガイバーユニットはわきわきと触手を放出し、私の体にベタベタと擦りついていた。
服をずらし、わたしのからだの穴という穴から侵入していく触手。
マグロみたいにじっとしている私の体は時折ビクンビクンと跳ねながらも、それを受け入れていた。

「うわぁ」

「うにゅうううう!!!!! きょ、今日のおかずぅぅぅぅぅぅうう!!!! 」

「死ねよ……」

激しく○○を○○しはじめたキョンさんに気落ちしながらも、私は○○○を○○○○○した。
と、わたしの脳内に凄まじい量の情報が流れ込んでくる。

「これは……」

「君もこの空間で俺と一緒にいる時点で少しはわかっているだろうが、それはロワの基本情報だよ」

「と、いうと? 」

「俺は死んだ後、ロワの大極に触れた……そして、このロワのおかしさを知ったんだ」

「へえ~ロワの大極ってなんですか? 」

「このロワには、完結したはずのロワのキャラが参加している……そればかりか、俺たちのようなAAキャラまでも」

「ふむふむ」

「それと、君も接触しただろう。書き手と呼ばれる三次元存在に。もっとも君自身は気付いてはいないだろうが……」

「あなたの股間にぶら下がっている物にも気づきたくはなかったです」

「二次元と三次元の壁……ロワとロワの壁……文字と記号の壁……それら全てを突破する究極の力、
 それがこの世界を構成するエネルギーなのだ。すでに各地でAAが使われるなどして、如何なく使われているようだ」

なにやらブツブツ言い出したキョンさん。
私は何となく姿勢を正してその言葉を聞く。

「次元力……無限力……絶対運命決定力……そんな感じのエネルギーが何故、この空間に存在するのか?
 それは君達のためだったんだよ! 俺たち他ロワのキャラは、君達を引き立てる為に呼ばれたんだ! 」

「な、何を言って……」

「何か巨大な存在が、君達を活躍させる為にこの世界を創ったんだ。完結したロワを利用してね。
 もっとも君達に関係ないところでくたばった間抜けも何人かいるだろうが……」


「   」






フフフ、ゆたかたんは動揺しているようだ。
もっとも俺が語る真実を理解できているかは怪しいがな。
俺は一物を激しく揺らしながら、ゆたかたんの匂いを嗅ぎまくって34回目の絶頂を迎えた。

「つまり俺たちが殺し合いをさせられているのは君達のせいなんだよ!
 終わった劇の役者が舞台に引っ張り上げられるのは屈辱の極みだ! 」

「な、なんだってー……」

「こんなことが許せるか? 許せるはずがない……だが、俺は君を恨んではいないよ。俺は俺らしく逝けたからな」

「早く逝き切って下さい」

「しかし、気がかりなのは君の今後だ。君は間違いなく序盤のうちに死ぬ……他の君達にイベントを起こすためにね」

「私死ぬんですか? 」

「死ぬ。なんせ病弱+精神が壊れ気味だからな。マーダー化しても賞味期限は3話がせいぜいだろう」

「知ったような口を……」

俺も勢いでマーダー化したが、次で死んだからな。
更に追い討ちをかけるように、俺はゆたかたんに言葉をぶつける。

「だから、俺は来たんだ。俺を見ても分かるように、極限状況ではオタクは変態に変わり、変態は殺人鬼に変わる!
 いや他人に迷惑をかけるオタクなんて、一足飛びで殺人鬼以下だよ! 」

「迷惑なオタクは殺人鬼以下……確かに、私もこなたお姉ちゃんの言うとおり自己紹介したりして恥を……」

「君を死なせるわけにはいかない。俺の残留思念も消えてしまい、究極の妹祭りが夢に終わってしまうからね」

「で、でも私なんかが生き残れるわけが……」

「大丈夫だ。俺が君の体を借り、このロワを終わらせる……妹萌力をフル活用できるのは俺しかいない!
 変態は変態でしか倒せないんだ! 」


ニョホホホwwwww上手くいきそうだぜwwwwww
俺は一度死んだ程度でロワから退場するつもりはない。
一応ここは100%カオスロワじゃないから復活はできず、面倒な手順は踏んだがこれでオールオーケイwww
ガイバーユニットに付着した俺の細胞を埋め込むことでゆたかたんの体を乗っ取るのだ。
精神的に疲弊しきっているゆたかたんなら、俺の申し出を簡単に受けるだろう。
言っておくが俺は二重人格だったとかそういう後付けで消えるつもりはないぜ!
さあオーケイと言ってくれゆたかたんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww


「だが断る」


なん……だと……?




「どういう意味かな……断ると聞こえたんだが……」

「確かに……私の病弱な体では、生き残るのは難しいかもしれないよ……」

「莫迦な……ロワ出身でもない、ただの小娘がこんな覚悟を……!? 」

「でもだからって、あなたみたいな人に頼るわけにはいかない! 変態が変態にしか倒せないというのなら……」

「小早川ゆたかぁぁぁぁぁぁぁ!!!! 」

「私も変態になる! 消えろ、へんたいキョン! 」

「BHOOOOOOOO!!! 」

奇声を上げながら、キョンさんの存在が掻き消えていく。
同時にわたしの体の中に潜伏したキョンさんの細胞も消滅。
なるほど……これがキョンさんのいう、妹萌力と言うものなのかもしれない。

「フフフ……それでこそ……それでこそ妹キャラ! 俺は君を愛して逝くよ! ゆたかたん! 」

「ちょっと往生際がいい悪役みたいなこと言ってないで早く消えてください! 」

「あああああ‥

「貴方の居場所は……死者スレにすらありません……」

完全に消滅したキョンさんに背を向け、私は目を閉じる。
もう狂うのはやめだ。私は正気を以って狂機を成そう。
みなみちゃんを……まともな人たちを守るため、変態となって変態を討つ。
変態予備軍であるオタクも皆殺しだ。

「変態・小早川ゆたか、堕臨! 」

――――――あの、静かで穏やかな日常に帰る為に!


   _⊥__             .∧
  ノ      l          _/ \__                 __ツ__
   ニニニ          /     / \__              l   l
   ノ L_        /      /    |\_            目  
              <._     ∧     |ノ  ノ           ノL
         __ ___/_\生_││_七ノ  /             
        ∠,,, ヘ ( _○コ)) _< ..>___  ノl l 
     (X)/    (_ ○コ)   \/ ヾ │/ノノ 
     (    (X )(_ ○コ) ヽ_ノ /ヽ_ノ ク ___   /l
     │      (_ ○コ)ヽ   ∪  /    ∥   \/ │        (AAはイメージです)
      \(X )_/      \_│_/丿ノ   》 ( )八_ノ ___
           (  )        ─      ∥      ((_))
            ( )           ((⌒)) \   ( )    \
             (  )  □=┌┐=□ ___∥____へ \ (X )
              \       _   (_   _      ヽ \  \
  __             □=○ヽ─ ヽヽつ\ (X)     \\  (X)
     フ         (_ __ く/○ヽ─ ヽ  │    __(X)_)___丿
     l          (_ __( く/○ヽ─ │ (_/⌒  
     l          (_ __ ( く/○ _ノ\/           | 五
     J               ( く/_ ノ               ノ|ヽ 
                     ( ノ                   | ロ



「心ない天使」


セフィロスは片翼をはためかせ、急降下する。
眼下の少女に剣を突き立てる為に。
標的が柊かがみと同じ制服を着ている、それだけでセフィロスの殺意は研ぎ澄まされ、充実していく。
5秒とかからず、少女の元までたどり着く速度。

しかし、その速度は少女の目の前で消失する。

「!? 」

『パネエっス! 』


少女が何気なく差し出した二本の指が、レヴァンティンの刃先を挟み、固定していた。
想定外の事態に息を呑むセフィロスの端整な顔に裏拳が打ち込まれ、紫電の如く吹き飛ばされる。

「ガッ……! 」

『何この子www』


指先で不快な声を出すレヴァンティンを放り捨て、少女――柊かがみの後輩、小早川ゆたかはセフィロスを見遣った。
セフィロスは数十m離れたビルディングの壁にめり込み、あらぬ方向にヘシ曲がった首を直そうとしていた。

(何だ……何が起きた!? )

「それ、コスプレってやつですよね」

「ッ!? 」

ビルにめり込んだ自分の真横から声が聞こえた……セフィロスはそう感じ、治りかけた首を無理矢理そちらに向ける。
そこには。
..................................................
先程まで数十m離れた位置にいたはずのゆたかが、ビルの壁に垂直に立っていた。

地球の物理法則を何らかの力で無視したような様子のゆたかは、セフィロスの片翼をまじまじと見ている。

「普通の人には翼なんて生えてませんよね、えへへ」

「キ……サ……マァッァァァァァ!!!! 」

「オタクさんはっけーん!!! 」

雄叫びを上げ、ジェノバの意思を露呈させてセフィロスが片翼を振りかぶり、ゆたかにぶつけようとする。
だが、その翼はゆたかの細い両手に捉えられ、バナナの房からバナナを取るくらいの動作でブッ千切られた。
ゆたかは翼を放り投げ、空中で一回転してセフィロスの脇腹に振り降ろし気味のキックを撃ち込む。
ビルの壁に何度か激突しながら地面に叩きつけられたセフィロスの脇に、ゆたかが降り立ち、首を鳴らす。
ゆたかの四肢はその全てが破壊され、あちこちから骨が飛び出していた。
強力な何らかの力に肉体が耐え切れなかったのだろうか?
ともかくセフィロスは息絶え絶えに立ち上がり、赤く染まった目でゆたかを睨みつける。

「柊……かがみの……仲間……侮ってはいかんと言う事か……」
「あの人に会ったんですかー。私もさっき会いましたよ」
「では……やはりさっきの奴の態度は……演技だっ……ッッッ~~~~!?」

ジェノバによって修復していくセフィロスの体。
あっという間に戦闘可能なまでに再生したセフィロスをさえ絶句させる現象が、ゆたかに起こっていた。

「何だ……お前は……」
「これで、いいのかな? ……いいみたい♪」

ゆたかの体、病弱なその体が隆起し、強靭な筋肉を得て膨れ上がっていく。
セフィロスが、ゆたかの頭に刺さっている物体を視界に捕らえた。
膨大なエナジーが蓄えられている、球体。
それが、一本の紐を通してゆたかの体と直結していた。

「おぷーなー! 」

「バ……」

                       / ̄\
                       |    '|
                       \_/
                         |
                __ /: : : : : : /: : : : : : : : : : ヽ
              /7::〃: : : :/: :,': : : : : : : : : : : ハ\r-、_
             ///: : : : /: : l: : : : : : /: :|: : : : ハ/::::∧: `}
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             レ / : : : : ll: : ハ: : : : / Ⅴ',: : : |: : :∨ :::!: : :l
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             l/.: : : : :l/ !'    V/   __ |: : .|: : : :L:::」 : : |
             | : : : : :∧ ,ィ三x     イニミx..:∧ : : l: : : : : :|
             |: :l! : : l: :∨          }/: :|: : /: : : : ハ{
             l.:/lヽ: :|: : l     r―ヘ     / : : !: /: : : : /
             j' |: :ヘl: : > ._  ゝ_ ノ   //: : ,j/ |: : : :/
           _,.r'´ ̄l: :∧: : : :!   ≧ーr-</イ: : /  .l∧: .′
         _,..r'´,,....  _| '  ヽ、:|   /い_ / j/、   Ⅴ
        ,'´    _,r'´   ⌒ヽヘ!  _∠、_   〃′ __  `ヽ、
        i    ,r'´ `      `/    ⌒ ⌒ヽ' ̄  `ヽ   `)、
         !_  ⌒/        ,r'´ ̄    _ ,  ;;,,,        ヽ.
       ,r'   ,′      /         ヽ、           i
      /    !        ,′          ′             !
     ,i     !、      i            入. _,、_   ,.    !
     !/     ト、_,.-‐´  `、          ノ / `´  `Y'´    Y
    ,イ  ⌒ヽ、 ,!、       ` ‐ 、.     ′,′          `i
   _ノ、      Y、i、 _,..-―-.、_   ` ヽ 、_,.-l,i .l          !
  ./ .!、 `ト、_   \!'      `ヽ、_ ,;     イ il ,    i   __、 )
 〈   ヽ `ヽ、_.    `ヽ、        、   、_人 Y    〉  '  V
  `、       ヽ、    ヽ、>ー--  !^     ,l、|_,    !    !
    `;、       `      \__,..--..、  ヽ ',r'´    〈.     !
     ヽヽ、         ,r'´ ̄ ヽ ̄`、 ヽ-‐'´ ̄      )    !
「バケモノめ……! 」




小早川ゆたかがセフィロスを蹴り落とした後に装着したのは、彼女の支給品であるエナジーボンボン。
装着者に人知を超えた力を与えるその物体は、しかしゆたかにとっては真の狙いの前準備に過ぎない。
ゆたかがセフィロスを圧倒する程の力を得られたのは、精神世界におけるキョンとの接触による妹萌力の覚醒に起因。
しかし全世界の妹萌エネルギーに相当するその力は、病弱なゆたかが使うには強烈過ぎた。
そこで、エナジーボンボンによる肉体強化である。ガイバーユニットによる外装強化だけでは心許ないと判断したのだ。
最強の肉体を得たゆたかの表情が凶笑に歪み、展開した強殖装甲に覆い隠されていく。
身の丈3mを超える巨体は、当然ガイバーのサイズにも変化をもたらす。
ゆたかの面影はエナジーボンボンだけとなり、甲殻類染みた怪物が誕生する。
巨大な異形を目の当たりにしたセフィロスには、それがどこか見覚えのある物と映った。


「仮面……ライダー……? 」

「チガウヨー」


ゆたかの巨腕が振り下ろされる。
呆然と立ちすくんでいたセフィロスは、咄嗟に反応して飛びのき、腕をかわす。
腕だけなら、かわせていただろう。
だが、突如腕から伸びた刃はかわせなかった。
左腕を両断され、セフィロスの体が地に伏す。


「があ……ッ! 」

「あいたた……やっぱりオタクさんでも、殺すなんてひどいよね……わたしにはできないよぉ」


怪物じみた姿で、年ごろの少女のような声を出すゆたか。
憎憎しげにそんなゆかたを睨みあげるセフィロスの目に、またも信じられない光景が飛び込んできた。

         エ ク ス キ ュ ー シ ョ ナ ー フ ォ ー ム
「だからぁ……  断  罪  形  態  」


ドリュッ、と鈍い音を立て、ゆたか……ガイバーの腕が、自身の頭部を抉り、脳漿を撒き散らした。
一見すればそれは何をしたいのかわからない、不可思議な行動だっただろう。
だが、百戦錬磨の言葉も生ぬるい修羅場を潜ってきたセフィロスは、その動作が孕む鬼気を正確に把握していた。

「うおおおおおおおおっ!!!! 」

自分にとって不慣れな武器……ゆえに先程は使わなかった支給品の銃火器。
短機関銃、アレスFMGの銃弾を、一切の躊躇無く全弾放出した。
だが、その銃弾がゆたかを捉えることはない。                            ...
無駄のない動きで走り、銃弾をすり抜けるようにセフィロスの眼前に迫るゆたか……否、既にそれはゆたかではない。
ガイバーユニットにプログラムされた闘争本能によって動く怪人、変態ゆたかだ。

「ぎゃああああああああ!!! 」

高周波ブレードによって上半身と下半身を分断されるセフィロス。
そこから一秒の遅れもなくゆたかの胸部装甲が展開し、超高出力のビーム砲、メガスマッシャーが発射された。
市街地のいくつかの建物を巻き込み、強力なビーム砲はセフィロスを飲み込んで吹き飛ばす。

「……」




数分後。メリメリという音と共に、ゆたかの脳が再生した。
きょとんとするゆたか。身の丈3mのガイバーがきょとんとしているのはなんとも奇妙な光景だった。
周囲に飛び散った血と肉片を見渡し、殖装を解き、てへへと照れたように笑うゆたか。
エナジーボンボンに働きかけ、隆起した肉体を元に戻す。
妹萌力の賜物か、凌桜の制服は破けることもなくゆたかの体を覆っていた。

「大体コツは掴めたから、次はムキムキにならなくても大丈夫かも! 」

ゆたかは満面の笑みを浮かべながら、変態を皆殺しにする為に歩き出した。



【D-5/市街/1日目-黎明】
【小早川ゆたか@らき☆すた(原作)】
[状態]:あばばばばばばwwwwww
[装備]:おぷっおぷっwwww
[持物]:ふっひっひっひwwwww
[方針/行動]
 基本方針:あばばばばばばば。
 0:うひょひょwwwうひょひょwww
 1:うっほうっほうっほうっほーい!
 2:ヌッハヌッハヌッハヌッハヌッハヌッハヌッハwwwwww





先程の戦場から200mほどの地点。


「……不覚、だ」

セフィロスは、崩れた建物の瓦礫の上に寝転がっていた。
下半身はなく、上半身も胸から下はなくなっている。
それでも死なないのは、ジェノバの加護か、柊かがみへの執念か。
とにかく常識の外な生命力を発揮しながら、セフィロスは再生を待つ。

(あの不可思議な場の流れ……カオスの極みだった)

コスモスかカオスかというとカオスなセフィロスは熟考する。
思えばあの不快な剣、レヴァンティンを見た時も似たような感覚を覚えたのではないか。

(だとすれば……奴を倒すにはあの狂気を超える狂気がひつy……)

「みーつけぇたぁ! 」

「な……」

黄色い歓声が上がり、セフィロスの頭が掴まれて持ち上げられる。
持ち上げたのは――――。


「こんなになっても生きてるなんて……やっぱり変態だーーー!! 」

「あり……えん……」


頭部で揺れるエナジーボンボン。
セフィロスが憎悪する制服。
虚弱そのものな要素でありながら、漲り溢れる殺意と狂気と体力。

小早川、ゆたかである。

「さっきはごめんなさい……人殺しが怖いからって、責任から逃げるのは駄目ですよね……」

「そんな……そんな……」

「ちゃんと、この手で殺して弔います! 変態だからって命は命ですから! 尊いですから! 尊いけど殺します! 」

セフィロスが驚愕するのも無理はない。
彼は知る由もないが、一度状態票が出たキャラがそのSSでまた登場することはロワの基本マナーに抵触する。
しかし、既にゆたかはそんな書き手の配慮など突破して勝手に動く領域に達していた。


「えなぼんぱーんち! 」

(シグナ……)

ゆたかのエナジーボンボンのエナジーを纏わせた右拳が、セフィロスの顔面を叩き潰す。
それだけでは足りず、正中線上に次々と連撃が打ち込まれていく。
二撃目でセフィロスは絶命した。
六撃目でセフィロスに宿っていたジェノバが超神学的に消滅。
八撃目でセフィロスの僅かに残った肉体も完全に人間のそれだとわからなくなるまで粉砕された。

一仕事終えた、という満足そうな表情を浮かべ、ゆたかは舞台劇のように両手を広げてクルクル回り始める。


「私小早川ゆたかは……宣言する! これから来るのは死と! 恐怖と! 殺戮の時代! ぅ私の時代ィィィ!!!
 超ゆたか新世紀紀元元年どぅえあああるああああああああああああああああああ!!!!! 」

腰を凄い勢いでドンバンドンバンと回転させ、ゆたかの目が正気を失っていく。

「そしてあの忌々しいへんたい共は皆殺しぃ! 殺害勝利殺害勝利殺害勝利オタクも殺して殺害勝利ィ! 」

上体を徐々に反らしながら、ゆたかのテンションがうなぎ上りになっていく。

「『こなたお姉ちゃん』も殺ス! 」

迷いなく言い切り、ゆたかはバック転して着地した。

「変態及び準変態撲滅宣言……完了! そしてこれは今までの私の最後の言葉! 遺言! 」

ゆたかの目が一瞬正気に戻り、友達を案ずる少女のような仕草を取る。

「岩崎さんだけは……守ってみせる! この世界に蔓延る無数の変態の魔の手から! 」

正気と狂気を行ったり来たりしながら、今ゆたかは生まれ変わった。
変態を殺す変態へと。

『俺もお供するッス! 』

「喋る剣なんか持ってたら変態だってばれちゃうよ! 」

ゆたかはとりあえず拾って持ってきたレヴァンティンが喋ったのを確認すると、凄い勢いで投げ飛ばした。
あっという間に見えなくなったレヴァンティンが飛んでいった方向と逆に歩き出すゆたか。

「とりあえず、かがみ先輩からやっつけるぞー! おーっ! 」

変態と認識した者を排除する為、ゆたかは気合を入れて駆け出した。

『ゆたかさんマジパネェっスwwww』ヒューン



【セフィロス@なのはロワ  死亡確認】


【小早川ゆたか@らき☆すた(原作)】
[状態]:精神崩壊、妹萌力覚醒、パロロワのメタ情報取得
[装備]:エナジーボンボン@やる夫ロワ、0号ガイバーユニット@書き手2nd
[持物]:デイパック、支給品一式、不明支給品x0-2
[方針/行動]
 基本方針:変態、及び変態になる可能性のあるオタクを皆殺しにして普通の人を守る
 0:まずは柊かがみを探し出して殺す
 1:知らない人を見かけたら変態かどうかしばらく観察して判断する
 2:岩崎さんだけは守ってみせる
[備考]
※クールなロリスキー@書き手ロワ2 のことを、本物の柊かがみだと思い込んでいます。
※ついでに、柊かがみのことを、KOOLでロリ好きで同性愛者で露出狂、だと思い込んでいます。
※いさじと村雨のことを、男性同性愛者だと思い込んでいます。(どちらも名前は聞いていません)。
※エナジーボンボンは取れません。
※レヴァンティンはエリアAの方向に向かって飛んでいきました。正確な方向は次以降の書き手さんにお任せします。
※パロロワの情報は一般的なルールやあるあるネタなどに限定されています。各参加ロワの詳細な情報はありません。
※セフィロスの持ち物及び支給品、アレスFMG@やる夫ロワは消滅しました。


【支給品解説】
【エナジーボンボン@やる夫ロワ】
やる夫ロワの参加者であるオプーナの頭部に付いていたアイテム。
初期スペックでは全参加者中NO2であったオプーナの力は、この物体から来ているとされる。
装着者がいる状態で破壊されると暴走して装着者を異形の怪物に変身させるが、このロワでは制限されているようだ。

【アレスFMG@やる夫ロワ】
やる実に支給された短機関銃。
やる夫の顔面を撃ち抜いた後は特に活躍することもなく、
主人の死亡と同時にいつの間にか消えていた。


047:たった一つの強がり抱いて 投下順に読む 049:リバーワールド
047:たった一つの強がり抱いて 時系列順に読む 051:今、会いに行き…ます?
040:Advent:One-Winged Angel(後編) セフィロス
039:まあ、どうせここヘンタイさんばっかだし。 小早川ゆたか 053:毒をもって毒を制す



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