10時、炊き出しチーム
(文:ダムレイさん)
10:00
かつて炊き出しの国とも呼ばれたリワマヒ。その復興の最終手段もやはり炊き出しであった。リワマヒの誇る炎の料理人たちが連日つくる炊き出し料理は、復興の活力源である。
しかし
しかし
「皆見さん!大変です!今日の炊き出し用の食糧が足りません!」
言われて皆見は食料の貯蔵庫を見た。
確かに、食材が不足している。
確かに、食材が不足している。
「うーん、昨日の発注は誰でしたっけ?」
「えーっと、確かあず…」
「原因はわかりました」
「えーっと、確かあず…」
「原因はわかりました」
途中で遮る皆見。目の前には山と積まれた詩歌藩国製ビールのケースがある。
「どうしましょう?皆見さん」
「俺にまかせろ」
「俺にまかせろ」
ふところを探る。
取り出したるは額に「新も」と書いてある覆面。
取り出したるは額に「新も」と書いてある覆面。
装着。
上半身を脱ぎ去る。
鍛え抜かれた鋼の肉体に、同性からもほうとため息が漏れる。
そして心なしか大きくなった気がする金色のアフロは、南国リワマヒの太陽を照り返し燦然と輝く。
今日の調子を確かめるようにワンステップ、ツーステップ、ローリングソバット。
絶好調。
そして心なしか大きくなった気がする金色のアフロは、南国リワマヒの太陽を照り返し燦然と輝く。
今日の調子を確かめるようにワンステップ、ツーステップ、ローリングソバット。
絶好調。
「あ、あれは…」
「リワマヒの炊き出しが危機になれば必ず現れる太陽のアフロ。闇を切り裂き、夜明けを告げる伝説のルチャドール…」
「あの神話は本当だったか…」
「リワマヒの炊き出しが危機になれば必ず現れる太陽のアフロ。闇を切り裂き、夜明けを告げる伝説のルチャドール…」
「あの神話は本当だったか…」
口々に適当なことを言い出す炊き出しチームの面々をしり目に、もやし仮面二号はマウンテンバイクにまたがる。
「アディオース、アミーゴ」
最高の笑顔とともに、彼はどこかへと去って行った。