二人の幼馴染を通じて女友達を作りたい

二人の幼馴染を通じて 4 years after Part2 2010年12月30日 Act.2

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■ 2010年12月30日 Act.2


再会を喜び合う俺と愛。
お互い、自然と笑みがこぼれる。
寒すぎて、体はガタガタと震えが止まらなかったけれど。
とはいえ、ドラマの世界のように、ここで抱きしめ合うみたいな展開にはならない。

あ「あ~っ、さっむぅ~!」
俺「ほら、寄こせ」

愛が背負っていたリュックを奪う。
ついでに、その流れで、改札口横にある自販機で購入していた缶コーヒーを愛に手渡す。
電車が駅に入ってくる音が聞こえてから買ったものなので、まだ温かいというか熱いくらいだ。

あ「ありがとw」
俺「まぁ、すぐそこだけどなw」

缶コーヒーを両手で包み込む愛。
手が温まった後は、そのまま缶を頬に当てて、目を細めながら息をはいていた。

あ「はぁ~、気持ちいいー」
俺「ぬるくなる前に飲めよ?w」
あ「ん、これ飲んでいいの?」
俺「いいよ」

駅から出た俺たちは、駅前の駐車場まで並んで歩く。
1分もかからない場所だが、駅舎から離れると、風が直接当たって更に体が冷えてきた。

あ「車の中で待っていればよかったのに」
俺「1分1秒でも早く愛に逢いたかったんだよ」
あ「ウソつけw」
俺「即答かよwひでえw」

車のロックを遠隔操作で開け、後部座席にリュックを置いてから、運転席に乗り込む。
もちろん、助手席には愛が座った。
車内には微かに暖房の温もりが残っていたので、外に比べると随分マシだった。

あ「このまま真っ直ぐ帰るの?」
俺「そのつもりだけど。どこか寄りたいところある?」
あ「んー、別にー」

プルトップを開けてコーヒーを飲みながら、どうでも良さそうな声で答える愛。
何かあったわけではなく、単に聞いてきただけだろう。
そう判断した俺は、愛の家へ向かうため、車を発進させた。

しばらくして、暖房で車内が暖まる頃には、他愛のない雑談で花を咲かせていた。
愛と会うのはクリスマス以来なので、話題は当然ここ1週間に集中する。
電話やメールで連絡は取り合っているけれど、やっぱり顔を見ながら話せると安心するなぁ。
運転中のため正面から見ることはできないけど、それでも横で笑っている雰囲気が伝わってくるだけで結構違うもんだ。

信号待ち中。
満足に喉を潤せたのか、愛はコーヒーを俺に向けて簡潔に問いかけてきた。

あ「飲む?」
俺「じゃあ、ひと口だけ」

間接キスをするだけで照れていた時期を思い出しながら、口に含ませる程度だけ飲み込む。
今も全く意識をしなくなったわけではない。
ただ自然に出来るようになっただけだ。

あれから約4年。
俺と愛は、変わらず付き合い続けている。


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