二人の幼馴染を通じて女友達を作りたい

二人の幼馴染を通じて 4 years after Part4 2010年12月30日 Act.4

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schoolmate

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■ 2010年12月30日 Act.4


高校時代に自転車でよく通った道も、車でならばあっさりと通過する。
15分程度で、愛の家まで辿り着いた。

裏手にある玄関前の砂利場に停車させ、車から降りる俺と愛。
心なしか、嬉しそうな顔をさせながら、愛は玄関の扉を開いた。

あ「ただいまー」
俺「お邪魔しますー」

賑やかな声が漏れてくるリビングのドアを開いて廊下に出てきたのは、愛の姉である想さんだった。

そ「おー!愛、おかえり!」
あ「あ、お姉ちゃん。わっ、お腹大きくなってる!w」
そ「太ったって言うなー!」
あ「言ってないよ!?ってか、そこ否定するの!?w」
そ「はははwまーなーw」
あ「はぁ、見たところ元気そうだけど、体調大丈夫なの?」
そ「だいぶマシになったw」

想さんは結婚した。
できちゃった結婚ではなく、結婚後に妊娠をしたので、計画的なのだろう。
相手は、以前大学時代に付き合っていた彼氏……ではなく別の人だ。
どういう経緯で交際し始め、ゴールインしたかまでは俺は知らない。

I家は自営業を営んでいて、I父母は三姉妹の誰かに婿を取ってきて欲しいと願っていた。
そのため、家業を継がせるために想さんの旦那さんは婿入りしている。
一時期、俺もI家にバイトという形で働いていたこともあって、面識はある。
想さんと同年代のため、俺からすると兄的な存在だ。

そんな想婿さんも、リビングから出てくる。

想婿「あ、愛ちゃん、おかえり」
あ「ただいまですw」

想婿さんは、愛のことを「ちゃん」づけで呼ぶ。
以前から愛は、「ちゃん」づけで呼ばれることをキャラに合っていないと言い張り嫌う。
それを許しているぐらい、想婿さんのことを家族の一員だと認識しているようだ。

キッチンで晩御飯の準備をしていたI父母も声を聞きつけて、近づいてきた。

あ「お父さん、お母さん、ただいま」
I母「おかえり」
I父「おかえり、愛」
そ「お父さん、顔ニヤケすぎでキモいwww」
I父「うるさいw」

みんなから温かく迎えられる愛。
前に愛が帰省したのは夏休みのことだから、家族と会うのは半年振りとなる。
I父なんかは愛を溺愛しているから、俺に任せず自分で駅まで迎えに行きたかったんだろうな。

……ところで皆さん、俺もいることに気付いていますかー?
誰も声をかけてくれない。まぁ、いいけどw
俺が愛の隣にいることを自然だと思ってくれている証なんだろうしさ。
それに、愛がいなくてもI家に来ることは結構あるしな。


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