二人の幼馴染を通じて女友達を作りたい

二人の幼馴染を通じて 4 years after Part3 2010年12月30日 Act.3

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■ 2010年12月30日 Act.3


愛を駅まで迎えに行くのは、何も今回が初めてではない。
愛が帰省するたびに出迎えるのが、俺の役目だからだ。

これまで伏せていた話をしよう。

俺は、無事受験に合格して大学に進学をした。
愛も予定通り、希望の大学に進学。
その時点で、俺達は遠距離恋愛になることが確定した。

もちろん、不安はあった。
高校から付き合い始めたカップルは長く続かないと聞くうえ、遠距離だ。
お互いの想いを確かめ合ったつもりではあったけれど、物理的に離れてしまうのは怖かった。

実際、遠距離恋愛の当事者になると、予想以上に寂しくて辛かった。
付き合い始めて1年以上経っていたから、まだ耐えられたのだと思う。
それでも、相手を信じられなくなることもあり、そしてそんな自分に嫌悪した。
似た者同士と言われていた俺達は、馬鹿みたいに同じように苦しんでいた。

今から2年前、最後みたいな形となってしまった2008年12月の報告。
振り返ってみても、付き合い始めて以来、あの時以上に仲違いしたことはない。
でも、だからこそ、乗り越えた後は、より一層親密になれたのだと思う。

意識的に、会う機会を増やそうと心掛けるようになった。
キッカケは、あの日、勢いで愛に会いに行ったこと。
それまでは、大型連休に約束を取り付けてからしか会ったことがなかった。
進学して環境も変わり、お互いに忙しい日々を送っていたのは事実。
しかし、それを言い訳にしてはいけなかったのだと気付いた。

確かに離れているけれど、決して会えない距離ではない。
お金と時間は大切だけれど、もっと大切な存在を見失っていてはいけない。
俺と愛は、そのことを学んだ。

仲直りしてからは、1ヶ月に1,2度は会っている。
今では、遠距離であることを上手く活用していると言っていいくらいだ。
たまにしか会えないから、久しぶりに会うとそれだけで喜びが爆発する。
会えない期間が続けば、相手のことが愛おしくなる。

あ「ねえ、克也」
俺「ん?何?」

それ以来、愛は俺に対して、君付けをやめて呼び捨てにするようになった。
自発的に行ったわけではなく、俺が提案し、愛が承諾した形だ。
そのかわりに、甘えたい時には「かーくん」とあだ名で呼ばれるようになったけれど、それはそれで嫌な気はしなかった。


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