二人の幼馴染を通じて女友達を作りたい

二人の幼馴染を通じて 4 years after Part6 2010年12月30日 Act.6

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■ 2010年12月30日 Act.6

俺も晩御飯をお呼ばれになる。
愛を迎えに行き、その後で一緒に晩御飯を食べようと愛やI父から誘われていた。

今日のI家の晩御飯は、唐揚げと春巻きにサラダと副菜が数点。
愛が帰ってくるということで、I父さんは普段以上に腕を振るったらしい。
六畳の和室に縦長の机があり、その上に所狭しと料理の皿が置かれていて準備万全となっていた。

俺は、愛と恋ちゃんに挟まれる形で座る。
既に俺たち以外は、座って待っていてくれていた。

I母「かーくんもビール飲む?」
俺「いや、車で来てますから」
そ「よし、許可する。飲め」
俺「飲みたいって一言も言ってないよ!?w」
そ「落ちつけ。飲酒運転しろって言ってるんじゃなくて、泊まってけばいいじゃんって言ってんのw」
俺「……いやいやいやいや」
I父「かーくん、別に遠慮することはないんだよ?」
俺「遠慮なんてしてませんからw」
そ「チッ。なんだよー、かーくんノリわりーぞー」
俺「すみませんね、ええw」

さすがに、彼女のご両親や姉妹が居る中で、泊まっていく度胸はないw
そう考えると、想婿さんは一緒に住んでいるんだから凄いよなぁ。

恋ちゃんからの影響で、みんな俺のことをあだ名で呼ぶ件については……諦めたw
もう呼ばれ慣れたと思っていたけれど、こうやって文章で書くと、やっぱり気恥ずかしさがあるなw

みんな揃ったところで、しっかりと食事前の挨拶をする。

皆「「「いただきます」」」

食卓の雰囲気って、家庭によって大きく違うよな。
I家は人数が多いこともあってか、常に誰かが喋っている賑やかさが特徴だ。
家族の間の会話は少なめで、TVを見ながら食べる我が家とは随分と異なる。

今日の話題は、やっぱり愛のことが中心だった。
近況について和気藹々と語り合う場は、とても居心地がよくて楽しいもんだ。


あ「あー、この御味噌汁、家に帰ってきたって感じw」
俺「ウチは赤味噌が多いから、白味噌は何だか高級感があるように感じる」
I父「地域によって違うらしいね」
俺「そういえば、母親の実家だと、白味噌が出てきますね」
I父「へぇ、かーくんのご両親の出身はどこ?」

母親は地元だが、父親は若い頃に家族で引っ越してきた経緯があることを説明した。
結婚して以来、父親家族の嗜好に合わせて赤味噌で作っていたらしいが、その味に慣れて離婚してからも赤味噌で料理していたそうだ。
実は俺自身もつい最近知ったことだったりする。

俺「ウチの味噌汁より美味しいですw」
I父「ありがとう。おかわりだったら、いっぱいあるぞw」
そ「んじゃ、おかわり。あとご飯も」
俺「はやすぎるww」
そ「妊婦はお腹の子のためにも、いっぱい食べないといけないんだよ!」
想婿「想は食べ過ぎなんじゃあ……」
そ「何か言った?」
想婿「いえ、何もw」

妊娠中の想さんは、食事に気を遣っている……らしいのだけど、とてもそうは見えないなw


I母「恋、勉強ちゃんとやってるの?」
あ「……寝てたよ、この子」
I母「はぁ……、アナタやる気あるの?」
れ「もぉー!やってるよー!愛ちゃんも何でチクるかなぁ~」
あ「事実を言っただけじゃん」
そ「こりゃ落ちたな」
れ「落ちねーよ!想さん、それ禁句禁句!」
I母「想や愛とは頭の出来が違うから心配なのよ」
れ「むー」
あ「克也、実際のところどうなの?今も勉強見ているんでしょ?」

そう、俺がI家に来る理由の一つは、恋ちゃんの家庭教師役を務めるためだ。
予備校に行く話も出たらしいが、想さんや愛が自力で現役合格したこともあって、恋ちゃんは嫌がった。
そこで、俺の個人的な理由も相まって、ちょっとした手伝いをしている。
なかなか大変ではあるが、教えることに歓びを感じるようにもなってきた。

俺「んー、まぁ大丈夫だとは思うけどね」
そ「これで落ちたら、かーくんの責任だなwww」
俺「きっと恋ちゃんなら合格してくれるよ。ね?」
れ「うっわ、プレッシャーwwかーくんの優しさが痛いwww」

ちなみに、恋ちゃんの志望校は俺の通っている地元の大学だ。
予定通りなら俺の後輩となるわけだな。
愛や想さんの学力が優秀ってだけで、別に恋ちゃんも勉強できないわけではないから、問題ないだろう。


I母「かーくん、後で想婿にまたPCの使い方教えてあげてくれない?」
I父「急いでいるわけじゃないんだから、今日じゃなくてもいいじゃないか」
I母「じゃあ、お父さんが覚えなさいよ」
I父「それは……」
俺「あー……、別にいいですよ」
想婿「悪いな、克也。ちょっと分からないところがあってさ」

I家の面々は、愛と恋ちゃんを除き、PCの知識が皆無だ。
どちらかといえば体力勝負の自営業であるけれど、全く必要がないわけではない。
そのため、俺がI家でバイトしていたときは、データ処理を任されていた。
このご時世に三姉妹とも大学へ通わせるほどお金に余裕があるくらいなのに、今までどうやって管理していたのか不思議でならない。


あ「赤ちゃんの性別、男の子か女の子か聞いたの?」
そ「聞いてないし、聞くつもりもない」
あ「ならよかった、私も産まれるまで楽しみだから内緒にしてて欲しかったからw」
そ「さすが愛、どこかの誰かさんと違って分かってるわー」
I母「……悪かったわね」
そ「お母さんは男の子じゃなかったら落胆するのが目に見えてるから、イヤなんだよ」
I母「初孫なんだからどっちでも嬉しいには決まってるじゃない」
I母「ただ、男の子が一人でもいれば、私やあんた達みたいに苦労はしなくていいと思うだけさ」
そ「そういのが要らぬお節介っていうんだよ」

I父さんも婿養子だったらしく、相当苦労したそうだ。
その関係もあってか、I家では男性陣の地位が非常に低い傾向がある。
俺の感覚で言えば、I母>想>I父=愛>恋>想婿といった感じ。

れ「どっちの名前も考えられるから楽しいよね!w」
そ「おめーに決定権はないよ」
れ「大丈夫だって!可愛い名前考えてあげるからさ!w」
そ「……まぁ、想婿よりも良い名前は提案してくれるかもしれんな」
想婿「ええっ酷くない?w」
れ「じゃあどっちが想さんに採用されるか勝負だね?w」
そ「ゲームじゃねえよ」
あ「私も考えておこっとw」

美味しい食事と楽しいひとときは、瞬く間に過ぎていった。


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