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おまえら人間じゃねぇ!(読者視点)

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おまえら人間じゃねぇ!(読者視点) ◆nkOrxPVn9c



明かりのついた百貨店、昼だとしたらたくさんの買い物客で賑わっていることだろう。
けれども生憎今は月が空を支配する夜であるので客どころかそこを取り仕切る店員の影もなく、
そこにあるのは寂しそうに陳列された商品のみである。
だが、それらを狙うハイエナもそこには存在するわけで、獣が通った道標としてとして所々荒らされていた。

「テッカマンになっても人間の作ったものを口にするとはな」

鯖の缶詰をこじ開けて素手で中身を取り出して口に入れる。
一口で平らげてしまったので次の鯖缶を手に取る。
見る人から見れば蛮族と罵ったことであろうが今の彼にはそのようなことを気にするまでもない。
さて突然であるが、皆は生物の三大欲求というものをご存知だろうか。
休息を求める睡眠欲、生殖活動のための色欲というものの他、人にはこの三大欲求の他に様々な欲が存在する。
その中で食欲と言うものは生物である以上は中々捨てることができないもののようで、
人を超える存在である男、相羽シンヤもその中の一つであった。
富、名声、力、そのようなくだらないものに縛られている人間をやめてテッカマンになった今でも、
人の欲に縛られているという事実を体感してしまい虫唾が走る。
事実、ここで人が作ったものによって己の飢えが凌がれているのだから。

「まあいい、それもこの殺し合いの中でだけだ」

鯖の味にも慣れてきたので今度はカレーのレトルトパックを手に取る。
調理など面倒だ、中身を空けるとそのまま飲み干してしまった。
テッカマンとなって戦うのはかなりの体力を消耗する。
そして切り札であるボルテッカを放った後にくる極度の空腹は耐え難いものである。
事実、少し休憩した後ここに歩いてくるまで飢えを凌ぐために食料をほとんど食べてしまったのだ。
そのためここに来た直後の彼の口の周りはチョココロネのクリームやパンのジャムまみれだった。
もちろん今は支給品であった布切れで拭いたから汚れは落ちているが。

「それにしても村雨と言ったかあの男、テッカマンでもないのによくここまでやってくれたな・・・・・・」

空になったパックをそこらへんに投げ捨てると同時に先ほど戦った男の名前を思い出した。
空腹感が消えたおかげで他のことに頭が回るようになったらしい。
ここに来るまでの経緯をざっと思い出してみる。
そもそも自分が百貨店にいるのは村雨良、というもう一つの異形との戦闘のせいである。
その後、数時間かけて動けるぐらいまで傷を癒して食料を求めてここにやってきたのだ。
化け物であるはずなのに兄と同じく人のために戦う『仮面ライダー』という存在が気に入らない。
確かに自分と対等にやり合う実力は持っている。 仮面ライダーというものはそれほどの実力者なのであろう。
テッカマンである自分に体術であそこまで渡り合うことができ、なおかつ制限がかかっているとはいえボルテッカすらも凌いでしまう、
これを化け物と言わずとしてなんと例えようか。 どんなに正義ぶろうが人ではない、異形に過ぎないのだ。

店内を適当に徘徊し、適当な食料をデイバックに入れて回った。
これで当分は戦闘による空腹は凌げるだろう。
食料の補給は済んだ、ならばいつまでもここにいる暇はない。
百貨店の自動扉が開き、外の空気を吸う。 と同時に真横から一つの気配を感じた。

「きゃっ!」
「っ!」

軽い悲鳴とともに横からの思わぬ衝撃でシンヤは転倒してしまう。
受身は取れたがその際片腕に先ほどの戦闘でうけたダメージが重なって激しい痛みをあげた。
制限のせいか、自然治癒能力を伴っても中々治らないものだ。

「ごめんだいじょ・・・・・・!」

自分にぶつかった人間であろう人物が軽率な声で言いかけたところで絶句した。
下等生物は自分に対する礼儀すらまともにできないのだろうか。
まずはこのような態度をとった無礼者の面でも拝んでおくか。
そう思って両腕の痛みに堪えつつ、テッククリスタルを取り出して体を起こす。

「大丈夫!? 今すぐ手当てをしないと!」

叫んだのは女だった。
この女が先ほどの無礼な行動ととったのだろうか。
女は慌てた様子でデイバックの中身を漁っている。
手当てすると言っただろうか。 ふと思い出し、体中を見てみる。
すると全身傷と痣だらけ、両腕にいたっては大量の血液で汚れているではないか。
もっとも血はすでに凝固してしまっているので失血の心配はない。
こんな姿を見ると初対面の人間はこういう反応をするだろうということを思い出す。
自分の正体を知ってしまったら真逆の対応をするだろうが。

「あーあった!これだこれだ」

女は鞄から包帯を取り出して半ば強引気味に自分の腕を取り、それに巻きつけてくる。
べたべたと馴れ馴れしく触る目の前の人間に対して虫唾が走る。 今すぐテックセットをして切り刻んでやろうか。
テッククリスタルを握る力が一層強くなる。
だが変身しようと思った矢先、女は顔を上げて問いかけてきた。

「あ、そういえばその傷一体何があったの?」

至極当然の質問であった。
いきなり傷だらけの人間がいたら誰だってそれに疑問を感じるだろう。
彼の体もまるで事故や災害に見舞われたかごとく傷だらけであったのだ。
別に隠す必要もないことなので、起こったことをありのままに話した。

「化け物と戦った。 名前は村雨良だ」
「化け物?」

嘘はついていない。 先ほど自分が経験したことをありのままに話しただけである。
テッカマンである自分にこれほどまでの傷を負わせ、痛みわけとなったもう一つの化け物、
村雨良、仮面ライダーという存在と戦っていたのだ。

「やつは化け物に変身して襲い掛かってきた。 その結果なんとか退けたがその有様がこれだ」

殺意を向けたのは自分であるが、先に攻撃をしてきたのは村雨である。
人ではない異形に姿を変え、自分にこれほどまで手傷を負わせた男だ。
そして悔しいことではあるが、接戦の末逃がしてしまったのも事実。
何一つ嘘は言ってない。

「でもそんなやつ相手によく生き残っていたよね」

それを女が疑問に思うのは当然である。
化け物と戦える人間がただの人間であるはずがない。
逃げた、であるならばまだ納得はいくが彼は戦って、それも退けたといった。
過程もなく合点がいくほど人間はうまくはできていない。
だから示すのだ。


お前の目の前にいる男も化け物だからだよ


目の前の男が化け物へと変貌をすれば女は驚愕の表情を浮かべるであろう。
人を絶望に陥し入れるということは支配であり、支配するものにとってはこの上ない優越感を誇れるのだ。
高位の存在が下位の存在を駆逐することは至極当然のことである。
それは生物にとっても当たり前であり、地球人でさえ過去に下位の知的生命体に同様のことをしてきたのだ。
その後も他の生命体を自分達の都合の良いように操作し時にはその命を奪うことさえ躊躇しない。
結局のところ今度はラダムが地球人を滅ぼす、ただそれだけのことなのだ。
むしろ排除せずにテッカマンという力を与えたラダムには敬愛の念すら持てる。 故に尽くすのみ。

さてもういいだろう。 痛みも引いてきた。
早く殺し合いに復帰しなければならないがまずはこの身の程知らずに絶望を刻み付けてやろう。
そう意気込んでテッククリスタルをもって片手を挙げる。
そして己の真の姿を曝け出すために変貌へのスイッチである言葉を高らかに

「テックセッ」
「包帯巻き終わってないのに動かしちゃ駄目だって」

叫ぶことはなかった。
合言葉を言う瞬間上げた腕を女によって降ろされてしまったからである。
人間に変身を邪魔されたという屈辱感と激しい怒りにより、表情が激しく歪む。

「ごめん痛かった? おじさんこういうことに慣れてなくってさー」
「・・・・・・」

何を勘違いしているんだこの女は。
こんなことをされたのはラッド以来である。
下等生物の分際で人の衣を脱ぎ捨て、テッカマンという仮面を被るということを妨害するとは本当に虫唾が走る。
包帯を巻き終わった瞬間に今度こそ惨殺してやろう。


「そういえばさー私これから放送局に向かうんだよね。 だから一緒に来ないかな?」

放送局だと? 目の前の女は確かにそう言ってきた。
少し疑問が生まれたのでこの女にもう少しだけ付き合ってやることにする。
すると女は真剣な目つきになってゆっくりと内容を話し始めた。

どうやら自分が殺そうとしているターゲットの一人、柊かがみを化け物と呼ぶ三村という男がいること。
その男は悪い男ではないがかがみに対してトラウマ持っているため、彼女を殺そうとしているということ。
そしてそうしてしまうと、柊つかさが化け物となってしまうこと。
それを止めるために放送局に向かった三村を追いかけていること。

話の内容に若干の矛盾が生じている気がしたが、自分が五体満足で生きている時点で大した問題ではないだろう。
それら自体はどうでもいい。 むしろ注目すべきは女が言った放送局というものだ。
思い浮かんだ考えに思わず口元が歪む。

「いいだろう、お前と一緒に行く。 だが一つ頼みたいことがある」
「どうしたのさ・・・・・・?」

女の表情が少し強張るが気にしない。

「『村雨良は人の皮を被った化け物だ』これをみんなに伝えてほしい」

「もちろんだよ!」

女はさっきとは打って変わって笑顔で返答した。
これでいい。 俺が呼びかけるよりは兄さんが知らないこの女が呼びかけたほうが効果はあるだろう。
それに放送によって俺がそこにいるとばれる可能性も低い。
それが終わったらこの女はもう用済みだ。
村雨、お前は正義面しているけど所詮人ではない化け物なんだよ。
人のために戦おうがいつかは裏切られる、人間というものはそんなものさ。
それを我が身で体感するといい。 そして絶望の中で死んでいけ。
それでもしぶとく生き残っていたらまた相手をしてやるよ。
兄さんとの決着の後だけどな。

「じゃあ手当てもできたことだし行きますか。 おじさん園崎魅音っていうんだ」
「俺はシンヤ、相羽シンヤだ」

魅音か。 まあ放送局までの付き合いだ、覚える必要もない。
そういえばまだ支給品を見てなかったな。
北東へと歩みをはじめながらデイパックの中身を見る。
さっきは食料以外はどうでもよかったが今は迂闊にテックセットできない以上武器に頼るしかない。
中の食べかすがついた布切れを手にとる。 ナプキン程度の役にしか立たなかったものだ。
だがしかし、デイパックの中をよく見ると説明書みたいな紙を発見した。


グルメテーブルかけ:これを敷いて食べ物の名前を言うとその食べ物が出てきます。20回まで使用可能。


「・・・・・・」

『これはまたうっかりしてたなー。 最初から支給品はちゃんと確認しなきゃいけないぞ』

何故かふざけた女の声が聞こえたような気がした。



【E-4/ 一日目 黎明】
【相羽シンヤ@アニ2】
【状態】:疲労(中)、全身に負傷(特に両腕に痛み有り)だが手当て済み。
【装備】:ブレードのテッククリスタル@アニ2
【所持品】:支給品一式(食料無し)、グルメテーブルかけ@ニコロワ残り20回、ヤクルト@ニコロワ、きしめん@ニコロワ、他食料、レッドアイズブラックドラゴンのカード(南夏奈)@カオスロワ
【思考・行動】
基本方針:Dボゥイとの決着をつける
1:・・・・・・
2:気に入らないけど今は魅音を利用する。でも用を果たしたり正体がばれたりしたら殺す
3:放送局に向かい、魅音に村雨が化け物であることを伝えさせ、彼を陥れる。
4:テッククリスタルは魅音にばれるか身の危険がない限りは使わない。
5:ラッド、村雨、かがみの殺害。
6:Dボゥイの分のテッククリスタルを手に入れる
7:ゆたかは手元に置いておく……?
【備考】
※参戦時期はアニ2、211話「The Incarnation of Devil」内でラッドに殺される前。
※テックセットは誰のものでも問題なく行えます(アニ2準拠)
※力の制限、特にボルテッカに関しては大きな制限が掛けられています(威力低下、疲労感と空腹感の増加など)
そのため、必要以上には使用しないように考えています。
※仮面ライダーZX(村雨良)を記憶に刻みました。
※空腹のあまりグルメテーブルかけ@ニコロワの説明を読んでませんでした。
そのため、グルメテーブルかけ@ニコロワはチョコとジャムで汚れています。使用には問題なし。
※南夏奈のカードはテラカオスに殺される直前から参戦。制限はニコロワ準拠で問題ないかと。

【園崎魅音@ニコロワ】
【状態】右腕打撲
【装備】
【持物】支給品一式、包帯@現実、不明支給品×1
【方針/目的】
[基本方針]
つかさの闇化を防ぐため、三村からかがみを守る
1、シンヤくんどうしたんだろう?
2、三村を追うため、シンヤとともに放送局を目指す
3、シンヤの話を信じ、村雨良が危険人物であることをみんなに伝える
4、三村の話を信じ、かがみを警戒(だけど半信半疑)
5、知り合いに会いたい
6、かがみなんかより闇つかさの方が恐ろしいだろjk
※死亡直前から参戦

033:やろうぜ、バトルロワイアル!~らき☆ロワ編~ 投下順 035:変種第二号
031:チートと神域と時々古代 時系列順 035:変種第二号
018:激突!仮面ライダーゼクロスVSテッカマンエビル 相羽シンヤ 060:誰かが死ぬのが怖いのか?
025:パロロワクロスマッチ!真・驚きの黒さVS魔女かがみん(代理戦争編) 園崎魅音 060:誰かが死ぬのが怖いのか?

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